バカとテストと召喚獣~友情男と優しい少年の物語~ 作:へもそな
明久SIDE
僕たちはいま、屋上に来ている。エカテリーナさんが僕たちにあそこまでこだわる理由がわからないけどね。それに、あの子の言い方、妙に引っかるというかなんというか。
弦太郎「で、エカテリーナ。勝負のフィールドはどうなんだ?」
カーチャ「あら、あなたたちが選んでいいわよ?私はどの教科のフィールドでも展開できるから」
明久「気になっていたけど随分な自信だね。教科まで選んでいいなんて、一体何を考えてるの?」
彼女に一体何のメリットがあるのかわからないし。
カーチャ「見てみたいのよ…………あなたたちの無様に負けるさまをね。」
明・弦「!?」
カーチャ「あら、まさか自分たちが無敵の存在とでも思っていたの?たとえあんたたちの召喚獣が変身しようとしょせんあんたたちみたいな格下の人間はねえ、あたしみたいな存在には勝てないの。」
弦太郎「いや、まさか。実際俺は戦争じゃないところで負けちまってるからな。仮面ライダーが無敵じゃないっていうのはよくわかってるよ。実際テレビの仮面ライダーも負けたことだってある。だけどな、負けることから得られるものだってあるんだよ!」
明久「そうだよね。前どこかで聞いたんだけど、挫折や敗北を知らない人間は成長しなくなるって。」
カーチャ「………………何を言っても無駄ね。なら痛い目にあって現実を知るといいわ。で?フィールドはどうするの?」
明久「……日本史でいいかな、弦太郎。」
弦太郎「ああ。」
カーチャ「日本史フィールド、展開!」
明・弦「サモン!」
『吉井明久 日本史 452
如月弦太郎 日本史 459』
カーチャ「ふーん。自信満々で言ったからどうかなと思ったけどその程度なのね。サモン!」
『エカテリーナ・クラエ 日本史 631』
弦太郎「な!」
明久「嘘でしょ!保健体育のムッツリーニ並じゃん!」
カーチャ「まあその教科なら互角に戦えるかもしれないわね、彼なら。さあ、変身したらどう?」
弦太郎「…………明久。」
明久「……うん。」
明・弦「変身!」
『タ・ト・バ!タトバタ・ト・バ!』
『♪~~~~♪』
弦太郎「宇宙キタァァァァァァ!」
明久「行くよ!エカテリーナさん!」
カーチャ「あらあら、せっかちなオトコは嫌われるわよ?『アナスタシア!』」
その瞬間、地面から全体が銅みたいな感じの像が出てきた!
カーチャ「これはアナスタシア。私の腕輪の能力で召喚した自立行動できるもう一体の召喚獣といったところかしら?下手な人間が操作する召喚獣よりは強いわよ。」
弦太郎「二対二っていうのはこういうことだったのか。」
明久「それで僕たちが二人でも構わないって言ってたのか。」
カーチャ「……あはは、あなたたち面白いわね。誰がこれだけって言ったの?」
明久「え?」
弦太郎「まだ何かあるっていうのか?」
カーチャ「うふふ、ねえあなたたちはこの世にどんな人間がいると思う?」
明久「え、いきなり何?」
弦太郎「何が言いたいんだ。」
カーチャ「すべてのものに光と闇があるように、人間にも光と闇があるの。…………私が何を言いたいかわかる?”仮面ライダー”さん?」
明久「…………まさか……」
弦太郎「……そういうことか。」
カーチャ「うふふ、気づいたなら見せてあげる。……変身。」
『サメ!クジラ!オオカミウオ!』
明久「!?今のって!」
カーチャ「どう、あなたたちが光なら……私は、闇よ。」
それは彼女の言った闇という言葉にふさわしかったのかもしれない。彼女の召喚獣は……仮面ライダーに変身した。それもオーズと似たような姿に。
カーチャ「うふふ、さしずめポセイドンといったところかしら?……はあ!」
!?いきなり仕掛けてきた!
明久「下がって弦太郎!コンボチェンジ、サゴーゾ!」
『サゴーゾ、サゴーゾ!』
ガン!
明久「ぐう!」
弦太郎「明久!」
『吉井明久 日本史 403』
な、なんてパワーだあの槍!サゴーゾの防御力でこれだけのダメージだなんて!
弦太郎「ロケット!これでも喰らえ!」
カーチャ「アナスタシアを忘れてない?」
ドガ!
弦太郎「ぐわぁ!」
『如月弦太郎 日本史 408』
あの銅像みたいなの、なんて素早いんだ!ロケットで加速した状態でもろに食らわせるなんて!
カーチャ「ほらほら、よそ見してていいのかしら!」
ズバ!
明久「うわぁ!」
『吉井明久 日本史 352』
ドゴ!
弦太郎「ぐはぁ!」
『如月弦太郎 日本史 361』
カーチャ「うふふ、ごめんなさいね。私サディストなの。だからここからは…………思う存分楽しませてもらうわ!」
姫路&島田SIDE
雄二「くそ、どうなってんだ!」
康太「…………恐ろしい点数。さらに変身した明久たち相手に全く引けをとっていない。」
秀吉「おそらく操作能力もかなりのものじゃろうな。」
ミコノ「……ねえ、ゼシカ。二人とも……」
ゼシカ「うん…………」
吉井くんたちが!
どうしよう、このままじゃアキたちが!
ゼシカ「ねえ、島田さん。姫路さん。どうして二人がやられてるんだと思う?」
姫路「え?どうしてって……」
ミコノ「弦太郎たちはね、二人のことをきがかりでいつもの調子が出ないの。」
島田「う、ウチたちのせいで?」
ゼシカ「今日の朝も来る途中でどうしたらいいんだろうってずっと悩んでたわよ。……二人共、もう自分を許してもいいんじゃないの?」
ミコノ「弦太郎が言ったことも悪かったと思うの。でも、そんなことを一回言った、言われたくらいで壊れるものだったの!」
ゼシ・ミコ「あんた(あなた)たちの友情は!」
姫・島「!?」
私が吉井くんたちとあったのは小学校の時。ある日入院した私は偶然読んだ本で飼育委員の役割でお世話をしていたまだ小さいうさぎが病気だということを知った。わたしが気づくのが遅かったせいでその子は死んでしまった。病院を抜け出し飼育小屋で大泣きしていたところを吉井くんたちが見つけて心配してくれたけど私はもう何がなんだかわからなくなり無視して走り去った。そして病院に戻ったあとだった。
明・弦『へっくし!』
姫路『吉井くん、如月くん!どうして木なんかに登って!』
明久『瑞希ちゃん、元気なかったから。そういう時は誰か一緒にいたほうがいいと思って!』
姫路『どうしてそこまで……』
弦太郎『当たり前だ!俺たちはダチだからだ!ダチが悲しんでるのに放って置けるか!』
明久『弦太郎、瑞希ちゃんにその言い方は伝わらないって。あのねダチっていうのは友達ってことなんだよ!かっこいい言い方でしょ!』
姫路『とも……だち。』
私が吉井くんを意識し始めたのはその時でした。
うちがアキと如月にあったのは高校一年、去年のこと。ドイツから日本に来たうちは当時日本語がぜんぜん喋れなくて毎日が嫌になっていた。そんな時あの二人が妙な言葉でうちに話しかけてきた。最初その言葉の意味がわからなくてうちは更にイライラした。でも坂本が意味を調べてみろみたいなことを言い出して調べたら……あのふたりはドイツをフランスと間違えていたことに気づいた。ふたりはフランス語でうちにこう話しかけていた。
『僕たちと友達になってください。』
うちはとても泣いた。自分と友達になろうとしてくれる人がいたことに気づいて大泣きした。
その頃からだと思う。アキが気になりだしたのは。
吉井くんに好きになってもらうのは無理かもしれない。吉井くんは鈴城さんが好きだから。でも……
アキに好きになってもらうのは無理だと思う。アキは鈴城が好きだから。それでも!
私は(うちは)吉井くん(アキ)と如月くん(如月)とは友達でいたい!!!
姫路「……美波ちゃん。」
島田「うん、瑞希。行こう、アキたちのところに。」
ゼシカ「二人共!」
ミコノ「よかった。」
姫路「鈴城さんたちも一緒に行ってもらっていいですか?」
ミコノ「え?」
島田「うちたちだけじゃ、何か不安で。」
ゼシカ「いい?雄二。」
雄二「ああ、行ってこい。」
ゼシカ「よし、じゃあ早速……」
ガラララ!
清水「そんなことはさせません!」
雄二「面倒な奴がきやがった……」
島田「美春!」
姫路「清水さん、邪魔をしないでください!」
ゼシカ「まったく、どうしてこんな時に。」
清水「なんでですか?あんなお姉さまたちの気持ちもわからない豚野郎どもを!」
島田「美春、アキと如月はね、そんな単純なやつらじゃないの。あんたもなってみればわかるわよ、……あいつらの友達に。行くわよ瑞希。」
姫路「は、はい!」
ゼシカ「あたしたちも行くよ!」
ミコノ「うん!」
清水「お姉様!……友達。あの二人と……」
うちたちは屋上に行くために階段を大急ぎで登っているところ。
島田「ねえ鈴城、あんたって吉井のこと好きなんでしょ?」
ゼシカ「え!?いや、あの、えっと~……」
姫路「これからは応援させてください!」
島田「あのバカ、自分が好きな子に好かれてるってことにも気づいてないんだから。じゃないとうちたちも諦めきれないの!」
ゼシカ「二人共……ありがとう!」
ミコノ「三人とも、もうすぐ屋上だよ!」
明久&弦太郎SIDE
明久「はあ、はあ。」
弦太郎「うっ、くそ。」
『吉井明久 日本史 131
如月弦太郎 日本史 127』
どうしよう、このままじゃ!
カーチャ「うふふ、もう十分楽しんだからご褒美よ。一気に終わらせて……」
ガラララ!
ゼシカ「明久!」
ミコノ「弦太郎!」
島田「アキ、如月!」
姫路「吉井くん、如月くん!」
明久「ゼシカ、姫路さんも!」
弦太郎「ミコノ、島田まで!」
カーチャ「あら、邪魔が入ったわね。」
姫路「吉井くん!あの時は本当にごめんなさい!それにこの前もひどいこと言って。」
島田「もう手遅れかもしれない!それでも言わせて!」
姫・島「私(うち)たちとまた友達になって(ください)!」
カーチャ「ふん、くだらないわね。人間はしょせん価値がなくなったものは切り捨てていく!あんたたちもどうせこいつらの価値がなくなったら捨てるくせに!」
明・弦「……けんな。」
カーチャ「え?」
明・弦「ふざけんな!」
明久「君に姫路さんたちの何がわかるんだ!」
弦太郎「そうだ!俺のダチをバカにすんな!」
姫路「ふたりとも!」
島田「じゃあ!」
明久「そんなの当たり前に決まってるでしょ!」
弦太郎「俺たちは……ダチだからな!」
『タカ!クジャク!コンドル!タァァァジャァァドルゥゥゥ!』
『♪~~~~♪』
オーズがまるで不死鳥のような姿に……
フォーゼのヘルメットとアーマーがひとつになり肩に磁石のようなキャノン砲が……
カーチャ「なんですって!」
明久「オーズ!タジャドルコンボ!」
弦太郎「フォーゼ!マグネットステイツ!」
明久「闇を焼き尽くす炎、見せてやる!」
弦太郎「これが青春の磁力だ!」
さて!タジャドル&マグネット登場!次回、第五章完結!