八幡英雄伝   作:理の反逆者

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久しぶりの更新です


戦姫絶唱シンフォギアG

 人が人を殺戮するために造られた兵器《ノイズ》

 

 それを制御するための完全聖遺物ソロモンの杖

 

 そしてソロモンの杖を保有し、世界に宣戦布告したテロリスト《フィーネ》

 

 世界は様々な問題で溢れていた。

 

 

 

 総武高校文化祭、委員長である相模の無能っぷりや雪ノ下姉妹の暴走により一時は開催も危ぶまれたが俺とそのバックの組織の影ながらの献身により何とか開催に漕ぎ着けることができた。

 

「なのになんでこんな日に限って問題発生するんだか」

 

 つい先ほどあった職場先の連絡で俺は文化祭の最中にも関わらず、屋上に登って来場者の監視をしていた。

 

『どうだ?見つかりそうか?』

 

「人が多すぎますね。弦十郎さんぐらい目立つならともかく白衣しか手掛かりがないんじゃどうしようもないです」

 

 俺の職場━━━特異災害対策機動部二課の司令である風鳴弦十郎さんと連絡を取り合いながら監視を続ける。

 

 1時間前になるのだが付近の防犯カメラにソロモンの杖を持った逃亡中のジョン・ウェイン・ウェルキンゲトリクス、通称ウェル博士が確認されたのが事の始まりだ。

 

 ノイズのコントロールが可能なソロモンの杖を保有しているという危険性からすぐさま捜索にあたっているのだがその姿を未だに確認できていない。そして今日文化祭を行っている総武高校にいる俺には高校内にウェル博士の姿がないか、ノイズが出現していないかの確認が任務となっている。

 もしここでノイズが大量に出現すればその被害は計り知れないものになるだろう。

 

「弦十郎さん、ここ最近この周辺でノイズ被害って出てましたっけ?」

 

『最近は起きていないな。フィーネの決起以降はノイズがコントロールできているということから夜間の外出は控えて貰っているし、行方不明や捜索願いも出ていないはずだ。何か気づいたのか?』

 

「ちょっと嫌な予感がするんですよ。ウェル博士は俺たちに見付かりたくないからなるべく目立たないように行動する。でも空腹には耐えられないし、店に行くことも出来ないから調理済の食べ物が欲しい。だとすればタガの外れたウェル博士が行うのは……」

 

『……まさか』

 

「ファーストフードを持った一般市民が可能性としては高いですね」

 

『すぐに手配する!八幡くんは……』

 

 ドオオオォォォォォン

 

『何があった!?』

 

「近くで車が爆発したっぽいです。それに予想が当たってたみたいですね」

 

 爆発は文化祭の入場門近くで起きたらしくその周囲は騒然とし始めた。

 

 爆発の方から歩いてくるのは薄汚れた白衣を身に纏った薄汚れた銀髪の男性、ウェル博士だった。

 

 ウェル博士はソロモンの杖と何らかの包みを抱えていて……って

 

「あのバカなにやってるんだ!」

 

『どうした!』

 

「一般生徒がウェル博士に近づいているんです!」

 

 俺の視線の先にあったのは爆発を聞き付けてやって来たらしい雪ノ下と相模の姿だった。おそらく集計作業で一緒にいたところにこの爆発が起きたのだろう。

 

「急いでこっちに戦力を回してください!」

 

『分かっている!だが翼くんたちの到着には少なくとも30分はかかるぞ!』

 

「それまでは俺が時間を稼ぎます」

 

 俺がそう言った瞬間、状況が動いた。何を二人が言ったのか分からないがウェル博士はいきなり錯乱したかと思うと無尽蔵にノイズを生み出し始めたのだ。

 

 人類の天敵であるノイズがいきなり出現して落ち着いていられるはずがない。周囲は一気に混乱し、逃げ場を求めて校内へと殺到していく。

 

「こうなると校内は使えねーか」

 

 八幡はそう考え、屋上から飛び降りた。

 

「聖遺物封印解除」

 

 そして普段から自らにかけている封印を解き、屋上から飛び降りたとは思えない軽やかな着地を行った。

 

 校内に入ってきたウェル博士は外の屋台に残っていたたこ焼きやフライドポテト、フランクフルトなどをガツガツと食べつつノイズを量産し続けていた。そして次の屋台へ視線を向けようとして俺と視線が合う。

 

「な、なんで貴様がここにいる!?」

 

「そりゃここが俺の通ってる学校だからだよ」

 

「奏者は全員リディアンにいるんじゃなかったのか!?」

 

「よく調べとけよ。リディアンは女子高だぞ。俺が入れるわけないじゃないか」

 

 まあ学校名がリディアン音楽院だから共学と勘違いしそうなのも悪いんだけどな。

 

「ちぃっ、死ねぇぇぇぇぇ」

 

 ウェル博士がソロモンの杖でノイズに命じ俺に一斉攻撃を仕掛けてくる。

 

 俺のいる場所に何百というノイズが殺到し、校舎の方から悲鳴が聞こえてくる。

 

「はははっ、やったぞ。これでようやく1人が死んだ「この数になると斬るのも面倒だな」なっ、なぜ生きている!」

 

 襲いかかってきた全てのノイズが消滅した後に立っていたのは白銀の騎士鎧に身を包み、両手に意匠の異なる黄金の長剣を携えた八幡の姿があった。

 

「ひいっ」

 

 ウェル博士は八幡のその姿を見て怯え、再び大量のノイズを生み出し始めた。それも先程までの地上型の小型種だけでなく空中型、大型まで多種多様にだ。

 

「大人しく投降してはくれないみたいだな」

 

「投降なんてしてたまるか!僕はネフィリムを使って英雄になるんだ!」

 

「……そうか」

 

 再び襲いかかってくるノイズを両手の長剣で切り裂く。

 

「これならどうかな」

 

 ウェル博士はそう言うと空中型のノイズを攻撃形態にして校舎へと突撃させるのと同時に大型が踏み潰すように俺に向かって攻撃してくる。

 

「……ちっ」

 

 俺は体内にある聖遺物を用いて大量のフォニックゲインを精製し両手の長剣へと流し込む。それにより両手の地上は眩いばかりの黄金の光を放つようになり

 

「カリバーーーーン!」

 

 左手の長剣《カリバーン》により放たれた斬撃が空中型のノイズを一撃で消し去り

 

「エクス……カリバーーーーー!」

 

 右手の長剣《エクスカリバー》を振り向きながら振り下ろすことによってウェル博士との間にいた全てのノイズを消滅させた。

 

「これで終わりだ」

 

 これ以上ノイズを精製されないようにソロモンの杖を持つ右腕を切断しようとしたところで

 

「ちっ」

 

 俺に向かって飛んできた攻撃の迎撃に変更する。

 

「なんとか間にあったデース」

 

「……ほんとギリギリだったね、きりちゃん」

 

 そう言ってウェル博士の前に立つのはイガリマの奏者暁切歌とシュルシャガナの奏者月読調の二人であった。

 

「フィーネが出てくるとはな……三対一でも負ける気はしないが」

 

「でもあなたの後ろにいる人たちを守りながらは厳しいはず」

 

 切歌はイガリマの刃を飛ばす体勢に、調はシュルシャガナを展開して小さな円盤を撃ち出せる体勢に入る。

 

「……何が望みだ」

 

「私たちのここからの離脱を邪魔しないこと」

 

「……わかった。ただし1つだけ聞きたいことがある」

 

「……何?」

 

「お前たちのステルス能力はタルンカッペか神獣鏡、ハデスの兜のうちどれだ?」

 

 俺が知る限りの隠蔽系の聖遺物はこれぐらいだ。もし予測が外れてなければ……

 

「……私が使ってるのは神獣鏡。これでいい?」

 

 やはりな……予測は当たりか

 

「じゃあ答えたから行くよ。行こ、きりちゃん」

 

「了解デース」

 

 切歌と調は二人でウェル博士をかかえ後ろに大きくジャンプする。そして空中に突如出現したヘリに乗り込んだかと思うと再び姿を消したのだった。

 

「英雄に神獣鏡、そして米国のF.I.S……なんとなく目的は掴めてきたな」

 

 俺は装備を解除し、集合した二課のスタッフの方に向かいながら

 

「事後処理がめんどくさそうだな」

 

 後ろからの大量の視線の中にある知り合いの姿やそれに関しての説明やら機密保持の処理を思い出すのであった。

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