ソードアート・オンライン Endless Spiral   作:お隣の池の中のプラナリさん

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ウンディーネが他属性魔法を使う的な感じで
見てってください。
歌を歌ったことは経験上あまりないらしい
けれど..............


ダーク・サウンド

 

ルアは心底焦っている。

このような頼みは初めてだからである。

エンチャントを使えるプーカでもないし、

ルアはそもそも音を操るようなスキルは

1つもなかった気がする。

 

隠蔽、復讐、幻影、サイレント、ウインド、

身体能力強化、そしてビーストティマー。

これらがルアのもつスキルそのものであった。

 

そして少女はそれを見て時々頷いている。

 

「サイレントとウインドがあれば............」

「えっ?音楽性は皆無よ?」

 

ウインドは移動を後押しするために、

サイレントは隠蔽スキルを完璧に仕上げるが

ために取得したスキルだ。

音楽性などない。

 

歌はレイドのためにたまに歌っていた程度。

レイドは暗く落ち着いた曲調を好み、

ルア自身も暗い性格であるためにマッチして

いるなぁと思ったことはあったが、

それは他人にはきっと受け入れられない。

 

そしてこの歌はSAO時代に口ずさんだ

自身の影と絶望を語ったものである。

 

きっと誰も真意はわからない。

そしてレイド以外に歌ったことはない。

 

「いや........他をあたってくれない?」

「きっといい歌ができるはずです!」

 

なぜここまで執着するのだろうかと

ルアは困惑気味である。

 

ここから去りたかったが体の傷はそれを

許さぬかのように蝕む。無理をすれば

立つことはできる。

 

「お願いします!」

「なんで私なのさ......周りにはもっと歌を

得意にする奴がいるはずだよ。」

 

その少女はルアにすがり付こうとしていた。

ルアは更に頭に「?」を浮かべる。

 

「私......落ちこぼれなんです。」

「ふむ............それで?」

「それで......きっとあなたなら!いい歌を

聞かせてくれると............」

 

見た目的な話か..........とルアは断ろうとした。

しかし彼女の言葉はまだ続いていた。

 

 

「SAO時代に聴いたある1曲が妙に頭に

残るのです............」

 

「SAO.....帰還者なのか。」

 

彼女は頷き、話を続ける。

 

「他者を失い自分を陰らせる........これは

<影の死神>さんに対して誰かが歌った曲

なんです........誰かは覚えていませんが。」

 

ルアは彼女の肩に手を置いた。

 

 

「..............聴かせて?」

「はい!」

 

彼女は弾いたその曲調は果てしなく暗い。

不定形なその旋律は何処か懐かしさを覚える。

聴いたものの心に語りかけるような闇。

そして絶望と涙。

 

―――間違いない。自分宛だ。

 

ルア本人が歌った曲ではないが、

その語りかけるような歌。

そして所々他者を引き込んでいくそれは、

SAO時代の自分を思い出す。

誰かを失うことを、別れではなく

殺意によって表し、その歌主が死神に対し、

それを正すかのような曲。

 

彼女はそれを再現し、歌っているのだ。

囁くかのように。

 

「............懐かしい。」

「え?懐かしい?もしかしてSAO帰還っ!?」

 

そこまで言った彼女の口を手で塞いでやる。

そして、小悪魔のような笑みを浮かべるルア。

 

「1度だけだよ..............」

「......................っ!!」

 

彼女の顔は笑顔と涙でぐちゃぐちゃに

なっていた。余程嬉しかったのだろうか?

 

▼▼▼

 

そしてその後、二人は自己紹介を済ます。

 

プーカの彼女の名前はステラという。

どうやら彼女は稀につくスキルである

嘆息と呼ばれるスキルから吹奏楽団には

入れなかったらしい。

 

そして今はバンドのグループにいるらしいが、

嘆息も相まって息切れしてしまうようだ。

だから落ち着いた曲調を奏でたいのだとか。

 

 

嘆息とは、息切れが早くなるマイナススキル。

プーカに限らず、殆どの種族でつくという

それは、長時間の移動が出来ないとか、

歌に支障が出るなど相応のマイナス付与である。

 

「それを知ったのがプーカになった後と........」

「はい..............。」

 

ステラはその場で泣き崩れてしまった。

ルアは彼女の背中をさする。

 

「................少し曲を考えさせて?」

「わかりました。私はどうしたら............」

 

ルアは彼女のギターをぽんと触り、

これでやってほしいと頼んだ。

 

ステラは少し驚いていたが、納得。

そして歌とギターを合わせる練習を始めた。

 

 

 

ルアが囁くかのように歌い、それを聞いて

そのリズムを記憶し、ステラがギターを

奏でていく。

 

そしてそれは中々合わないこともあって

練習を繰り返した。

 

それが繰り返された頃、ルアのステータスに

スキル習得の通知が来た。

 

「あっ..........スキル習得の通知が............」

「嘆息は止めて..........神様..............」

 

ステラはただ神に祈るかのようにそう言った。

そしてルアが見たのは、

 

<ダーク・ボイス>と呼ばれる謎のスキル

だった。

 

「ダーク・ボイス............?闇の声........」

「私は同調のスキルが付きました!」

 

同調は、プーカ専用のスキル。

これはセッションやデュエットに必須な

スキルである。

 

これにより、バフを強化したりできる。

ダーク・ボイスを強化すると考えれば良い。

 

 

「これで行けます?」

「ふぅ........一度きりだからな?」

 

ルアはいつぞやの黒いパーカーを羽織って

顔を隠す。

 

そして準備完了と言わんばかりにステラの

肩に手を置いた。

 

その空は漆黒を映す新月だった。





次回、ルアは歌います。歌詞はのせませんよ!
ポーフフルチャントみたいな描写でがんばる!
次回もよろしくお願いします。
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