ソードアート・オンライン Endless Spiral 作:お隣の池の中のプラナリさん
そして明日、通知表に全俺が(泣)―――
すいません。こっちの話です。
グール領 腐乱の祠
種族上平等となったとはいえ、やはりその
格差は根付いている。
サラマンダーやシルフ等の数が多く、
とても扱い安い古参の種族が猛威を
振るっているという状況だ。
特にグール、レイスという新しい種族は
能力や外見的に受け入れられない場合が
非常に多く、この新しいALO世界において、
新種族が偉業を達したケースはない。
高攻撃力を持ち、採用率の高いサラマンダー
飛行能力が高くバランサーなシルフ
回復魔法には困らないウンディーネ。
大抵この3種族で構成されるグループが
ほとんどであり、稀にバフ要因として
<プーカ>。
鍛冶能力がある<レプラコーン>。
この2つはパーティに入ることも多い。
ノーム?スプリガン?インプ?
まぁ使えるんじゃないの?多分。
たまにイレギュラーを目指して、普通なら
選ばないような、一般には扱いづらい種族を
選択しにいったプレイヤーは、
そのほとんどが種族を変えてしまったり、
辞めていたりする。
≧≦
腐乱の祠は、世界樹から最も離れた北東を
テリトリーとする<グール>の領土。
祠といっても、地下道があって、周りには
紫の葉を持つ森が広がっている程度。
因みにその場所の近くには<レイス>領が
あり、領土が近いことと、近い不況故に
とても友好的。
とはいえ、
司教がいてその邪心教を崇拝するレイスと、
己の欲のために物事を決定するグールは、
やはり相容れないのかも知れない。
現に、グールとレイスのプレイヤー同士で
なにかを為し遂げたケースはない。
そしてグールにはリーダーがいない。
自由人が多いのだ。ルアみたいに。
実は表向きにはいるみたいだが..........。
≧≦
ルアはこの腐乱の祠で体を休めていた。
特に怪我はしていない。
種族を持ったからか、この領土にいると
精神的に休まる。先程のヘッドフォン少女に
苛立ちを覚えていたから。
なんとも言えない空気が心地よくて
たまらないのだとか。
「....................なんのよう?」チラッ
「これはこれは........友好なグール殿。」
彼女が目をやると、そこには赤い模様が
入った濃い紫のフード付きローブを着た
異様な存在..........<レイス>の人が
目の前にいた。フードによって顔はまだ
見えない。
「いやはや、グールという食尽種にまさか
女性のプレイヤーがいるなんて.........ぇ。
驚きです(゜△゜」
その<レイス>の人は表情が見えないぶん、
ジェスチャー?と声色でその感情を伝える。
その動きはコミカルでウザい。
「殴るよ?悪かったわね。」
「NO~NONO!お早まらずに!」
ルアの片手剣が鞘から抜き取られるのを見て
ソイツは止めの合図をする。その動きは
焦りが見えており、本気だ。
「..........大変失礼を。御詫びします。」
「................で?なんのよう?」
「我が怨霊教の勧誘です♪是非是非♪」
..........ダイレクトな宗教勧誘でした。
しかしこいつ........ペ○公みたいだな..........
「私は怨霊信教......狂信司教。教皇代理......
アミオローゼ...ノスティモックと申します。」
どうやら怠惰怠惰怠惰の自傷大好き
○女教大○司教の御方ではなかったようだ。
だが似てる..............
「アミオローゼ............ノステ......アミノ酸。」
「Oh..............」
「あと宗教興味ないから。」
「NO...............」
ガクッとアミノ酸は地に伏した。
余程のショックなのか。
「アミノ酸..........大丈夫?」
「ぬおおお..........................」
アミオローゼが頭を抱えだし、叫ぶ。
「おおおお!!
アミノ酸 グルタミン酸 塩酸 酢酸 硝酸 リン酸
強酸 硫酸 シュウ酸 アクリル酸................」
「えっちょ........................」
アミオローゼが壊れた。突然酸とか叫び
始めた。ルアは静止している。驚きで。
「ケイ酸 核酸 ホウ酸 ハク酸 オッ酸 やっ酸
御苦労酸!太陽酸酸 酸トラボックス!」
「途中関係ないから!落ち着けって!」
「はぁ........はぁ........私をアミノ酸呼ばわりとは
貴様いい度胸だこの小娘が............」
アミオローゼのキャラが変わりました。
そしてバッと手を広げて、ルアを睨み付ける。
「私を怒らせるとどうなるか.......いや。死ね。」
「じゃあデュエルね。ここグール領だし。」
そして互いに申請を受理してデュエルが
始まった。
「制限決着なんて生ぬるくないっすかー」
「落ち着いてるね........司教さん。」
先程との変わりように少しビビるルア。
まずルアは片手剣を構えて相手の出方を伺う。
「ふふふ.......「詠唱~」アミュレス。」
「ポーチ封じか。通称道具封じ。」
「これは対人戦の基本ですね~。」
「..........回復手段はなくなったか。」
アミュレスは、アイテムポーチを一定時間
使用不可にするデバフ系魔法。
実質回復魔法を持たないものにとっては
使われるとかなりの負い目となる。
ほとんどの場合はモンスターが使用する魔法
なのだが............
「なら速攻で決めるだけ!」
「グールの身体能力は凄いですね~........」
ルアは相手を翻弄する動きを見せる。
アミオローゼも賞賛する。
「ですが....体内から責められるのはどうで?」
「ぐっ!?」
デスペルと呼ばれるデバフ魔法を得意とする
レイスにお決まりのデスペル。
それは相手を内側から蝕む魔法。
どんなに素早くても、どんなに堅かろうと、
その魔法は等しく対象を蝕んでいく。
「今回放ったのは毒です。オーソドックス。」
「............はぁ。」
ルアはその場で姿勢を低くし、手を地面に
つける。息が上がっており、毒が効いている。
「防御の低いグールには不利でしょうねぇ......」
「確かに‘防御’は低いよね。」
ルアはその場で体勢を整える。
「体力はあるのよ。不本意だけどね。」
「バカなっ!毒が効いてない!?」
「いや..........地味に辛いのよ?」
ルアは苦笑いして再び剣を握る。
「いや........待て!待ってください~!!」
「やだ。待たない。」
ルアは確実にアミオローゼを切り裂いた。
しかし、アミオローゼは持っていた短剣で
その斬撃を防ぐ。
「血迷いましたねぇ?」
「うっ............」
毒は確実に効いており、ルアはまたその場で
怯んでしまっていた。
「私の勝ちです♪我が怨霊教に栄光を!」
アミオローゼはその事を短剣をルアの腕に
刺す........が。刺さらない。更に金属音がする。
アミオローゼは何度も刺してみるが、
一向に刺さる気配はない。
「あっれぇ..............」ガアン!
「..........仕込み刃。」
ルアは腕と靴に独自の金属刃を仕込み、
対人戦でも有利にと備えていた。
そして持ち前の身体能力でアミオローゼを
弾き飛ばし、更に金属刃で傷をつける。
「バカなっ!アミュレスはまだ............」
「そういやそろそろ解除だったな。よーし。」
ルアはアミュレス解除を確認し、
解毒薬と合わさった回復ポーションを飲む。
「「詠唱~」アミュレス。」
「もう遅いよ?」
ルアは片手剣を振り回し、臨戦体型だ。
アミオローゼは絶望を浮かべる。
「じゃ。死ね♪」
「神よ我を天を―――――――――――――」
そして、ルアは一閃。アミオローゼを
切り裂いた。
その一撃でアミオローゼは沈んだ。
長くなったな~............
長い方が個人としてもいいけども。
アミオローゼはペテ○ギ○スじゃないからね?
怠惰怠惰怠惰の方じゃないから!