そのまま、北上とただ部屋でまったりと過ごした。トランプやったり花札やったり、フロントからオセロや将棋を借りたりと、まぁ遊び尽くし、夜になった。思い出すのは、やはり昨日の夜の風呂である。お互いにタオルは巻いてたものの、やはり恥ずかしいものは恥ずかしい。
「北上、今日はどうする?」
「? 何が?」
「え………や、その、だから……………ふ、風呂……」
聞くと、北上は一気に顔を真っ赤に染めた。
「………ど、どうしよっ、かね」
「俺は、どっちでも良いけど………」
「………………」
「………………」
お互いに顔を赤く染めたまま、目を逸らした。
あーもうっ、どうすんだよこの空気。やっぱり聞かない方が良かったかな。と、思ったら、北上は顔を赤くしながら答えた。
「………今日は、タオルとろっか」
「ゲフッ!ェゲフッ!ゴホッ……!」
「て、邸宅⁉︎大丈夫⁉︎」
「だ、大丈夫…………」
こいつ本気で言ってんのか?顔真っ赤じゃん。
「………き、北上?別に無理しなくても良いんだぞ?」
「む、無理なんかしてないし………」
いや、そんな顔赤くしてモジモジしながら言われても………。
「て、提督」
「は、はいっ」
「女の子が、ここまで言ってるのに……逃げるの?」
「…………じ、じゃあ、入るか」
「………んっ」
俺が了承すると、北上は頷いた。
先に部屋の備え付けのシャワーを浴びてから、俺が温泉に浸かった。その後で、北上が入って来る予定だ。
あーくそっ、さっきから心臓の鼓動がうるさい。通常の三倍のスピードで鳴り響いてやがる………。多分、心臓赤いし、もしかして角も付いているんじゃないだろうか。
いやいやいや、俺は北上を性的な目で見るつもりか?そんな最低な奴じゃないだろ。北上と付き合ってはいるが、決して裸を見るために付き合ったわけじゃないはずだ。心頭滅却、心を無にしろ。そうすれば、きっと扉が開かれ………、
「お、お待たせ……」
「ッ!」←即見
………う、おお。スゲェ……ノン・タオルとはこの事か……。スレンダーボディの上に立つ二つのニップル、そのセンターには少なくとも存在はしている谷間、その谷間を直進すると、控えめなおへそ、その下の陰部には流石にタオルがまかれていた。
マジマジと眺めてると、北上は自分の胸を抱いて隠した。
「………そ、そんなに見ないでよ……」
「ご、ごめん!」
慌てて目を背けた。いや、でも……眼が、吸い寄せられる………‼︎
そんな俺の気も知らずに、北上は俺の隣に座った。肩と肩がくっ付き、ビクッと震え上がりそうになったが、北上が耐えてるので何とか耐えた。
「…………」
「…………」
えーっと、何だこれ。何で無言なんだこれ。何か言った方がいいのか?いや、でも服や水着とは違うから、似合ってるね、なんて口が裂けても言えない。
「………て、提督」
「な、何⁉︎」
「そのっ………何か、話しよう!」
「えっ?」
「ほ、ほら……!何か、話さないと……その、え、えっちな気分に…なる、から………」
「わ、分かった!」
「実はさ、私ってこう見えて虫が嫌いでさー」
北上の話を聞きながら、あれは少し自己嫌悪した。今の所、ほとんど北上にリードされている。男として、こんな情けない話があるか。
もう少し、男前なところを見せないと、いつか愛想を尽かされちまう。気合を入れろ、俺。チキンな俺とは、もうサヨナラしたはずだろ。
「北上」
「それで大井っちがさー……なに?」
「んっ」
「んんっ……⁉︎」
こっちを向いた直後、北上の唇に唇を押し当てた。北上の顔が真っ赤になるのを見ながら、俺はさらに舌を入れた。
「んっ……んんっ⁉︎」
「………んりゅっ」
ベロチューというのは何をすれば良いのか分からなかったので、とりあえず舌で口の中を掻き回した。
しばらくそのまま続けた後、口を離した。涎が後を引き、俺と北上の合間を垂れる。
「………てぇ、ていとく……?ど、どうしたの…?き、きゅーに……」
ボーッとした表情の北上が、かろうじてと言った様子で聞いて来た。
「………そ、その、えっと……し、シたくなった、から……」
「…………」
俺は目を逸らし、北上のいない方を見た。あー……はずかしい。でも、不思議とやらなきゃ良かった、とは思わなかった。俺は恥ずかしさで熱くなった顔を冷やすように、浴槽にもたれ掛かると「提督」と呼ばれた。
「んあ?」
反射的に北上の方を見ると、両手で顔を固定され、唇を押し当てられた。
「んっ………⁉︎」
唇をペネトレイトしてくる舌。今度はこっちが口の中を掻き回され、俺の顔が熱くなる。
それだけではない。いつの間にか腰のタオルを外した北上は、俺の体の上に跨ってキスしていた。
「んんっ………!」
「れろっ………ぷはっ」
北上は唇を離した。俺の顔から手を離し、お湯の中に手を入れる。その直後、俺の魔羅を握った。
「ひあっ⁉︎」
「………提督のここ、辛そう」
「ちょっ……おまっ………‼︎」
「提督だからね、私のスイッチを入れたの」
「す、スイッチ、って………?」
「………後悔しても、知らないんだから」
北上はそう言うと、再び俺の股間をしごき始めた。
++++
数分後、俺は全力で恥ずかしがってる北上の背中を洗っていた。
「…………北上」
「うるさい喋んな」
さっきまでの自分を殴り飛ばしたいそうです。俺が声かけてもこの調子である。まぁ、ほとんど逆レイプだったからね。仕方ないね。
「………まぁ、うん。俺も気持ち良かったし、気にするなよ」
「うるさいぃ〜……!」
北上は思いっきり俯いた。あー……これ、どうすれば良いんだろ。何とかフォローしてやりたいなぁ。俺は誘ったつもりなんか無かったけど、あのベロチューが北上の性欲を駆り立てたらしい。
………仕方ない。このまま北上にふて腐られても困る。何より、結局北上にリードされたままだ。俺は深呼吸すると、北上に言った。
「………ちなみに、北上」
「何」
「後で、一緒に寝る、よな?」
「うん」
「………今度は、俺がリードする、から」
「…………えっ?ま、また、スるの……?」
「……嫌か?」
「い、嫌じゃ、無いけど………」
「……………なら、良いだろ?」
「………じ、じゃあ……今度は、提督が私を犯して、ね」
「………………」
「提督?」
「…………やっぱ少し考えさせて」
「ヘタレ」
「……うるさい」
この後、メチャクチャチキり、結局北上が跨った。