穂乃果「しかも私の誕生日・・・」
うん、本当にごめん。色々あったんだよ!
穂乃果誕生際2018期待してた人がいたら、本当にごめんなさい。
銀時「で、ヒロインの誕生際話間に合わなかったわけだけど、どうするんだよ?」
もし、誕生際だけど遅れてもいいよ!って人がいるのなら、書きましょう。今月中には。この場合は頑張っちゃうよ!
いないのなら、来年だね?
穂乃果「案外テキトーだね?」
基本、ノープランだから。
この話ああ書きたいなーって思っても、実際は違う話になっちゃったりしちゃうくらいには、ノープランだから。
銀時「ま、今更か・・・。一年、絶対に更新開けないってのは、最低限守ってるらしいし、まぁマシだな」
穂乃果「そうだねー」
・・・ま、まぁいいや。
じゃあ、お二人さんよろしく!
銀時・穂乃果「ラブ魂!始まります!」
ある日の神楽は、酢昆布を求めて駄菓子屋に来ていた。
神楽「おばちゃーん、酢昆布おくれヨ」
「はい、まいど」
駄菓子屋で酢昆布を買った神楽は機嫌良さそうに歌を歌いながら歩く。
ただしその歌は、フンフンフン、鹿のフン〜♪という、訳の分からないものだが。
しばらく歩き家に着いたが、その前には騒がしく、子供がいっぱい溜まってるのを見て神楽は首を傾げた。
神楽「人んちの前で何やってるネ、クソガキども。エロ本でも落ちてたアルか?」
「ウワァァァ!酢昆布娘だァァ!!」
「逃げろォ、酸っぱい匂いがうつるぞ!」
神楽「フン!ガキは母ちゃんの乳でもしゃぶってな」
明らかに神楽に対しての嫌がらせの言葉だが、神楽はそんな事を気にする様な子ではない。
そう言った神楽の耳に子供が集まってた場所で聞こえたのは、ワン、という鳴き声だった。
その方向にいたのは、紛れもない犬だった。万事屋さんへ、と書かれた箱に入っている。ただし、デカい。犬にしちゃあ、ものすごっくデカい。
それでも、犬を見た神楽は笑みを浮かべた。
神楽「わぁっ」
*
【───え〜、続いてのニュースです。先日、来日した央国星のハタ皇子ですが、新設された大江戸動物園を訪れ〜】
新八「銀さん、穂乃果さん。あの動物好きのバカ皇子、またこっちに来てたんスね」
穂乃果「ホント、面倒事起こさないといいけどね」
新八「そうですね。・・・ちょっと銀さん、聞いてます?」
掃除をしていたらしい新八と銀時の対面のソファに座ってる穂乃果の目線の先には、イビキをかきながら明らかに眠っているであろう銀時がいる。
そこで、神楽が帰ってきた。
神楽「ただいまヨ〜」
新八「あ、おかえり」
穂乃果「おかえり、神楽ちゃん」
新八「トイレットペーパー、買ってきてくれた?」
神楽「はいヨ」
そう言って神楽が渡したのは、一ロールのトイレットペーパーだった。
穂乃果「え・・・」
新八「・・・神楽ちゃん、あのさァ・・・普通何ロールか入った奴買ってくるんじゃないの。これじゃあ、誰かお腹壊したら対応しきれないよ」
神楽「便所紙くらいでガタガタうるさいアル。姑か、お前!世の中には、新聞紙をトイレットペーパーと呼んで暮らす貧しい侍だっているアル」
穂乃果「そんな過激派いないよ!?誰に聞いたの、神楽ちゃん!」
神楽「銀ちゃん」
その返答に穂乃果は銀ちゃん!と怒る。
当然だ。常日頃、神楽がここに来てからずっと神楽には変な事を教えるな、と言っていたのだから。
新八「ダメだよ、あの人の言う事信じちゃあ」
銀時「うるせーな・・・はっ!?」
穂乃果「?・・・はっ!?」
あまりの騒がしさに起きた銀時は、そこで気づいた。常識的には、ありえない大きさの犬がいる事に。
銀時の様子がおかしくなった事に気づいた穂乃果は、改めて神楽と新八の所に目を向け、気づいた。どうやら、トイレットペーパーが衝撃的すぎて気付いてなかったらしい。
神楽「ケツの青いガキが偉そうな事言ってんじゃねーヨ!アイドルオタク!」
新八「なんだとォ!てかそっちの方が年下じゃねーか!!」
しばらくの間、目を擦ったり、目をパチクリしてたが、白い巨大な犬が消える事はなかったので、新八に声をかける二人。
穂乃果「新八君、その白いの・・・何?」
新八「何って、トイレットペーパーですよ」
銀時「そうじゃなくて
新八「
穂乃果「ち、ちちちち、違うよ!新八君!大きい方の白いのってのは、その、モフモフした感じのっ!と、とにかく、後ろ後ろ!」
新八「後ろ?・・・ぎゃあああああああ!!なにコレェェェェェ!!!」
穂乃果に言われた通りに後ろを見て、ようやく気づいた新八。鈍すぎだろ、ぱっつぁん。
神楽「表に落ちてたアル。カワイイでしょ?」
穂乃果「んー?確かに可愛いね。大きいけど」
神楽「でしょでしょ!」
銀時「落ちてたじゃねーよ。お前拾ってくんなら、せめて名称の分かるんもん拾ってこいや」
神楽「定春」
新八「今つけたろ!明らかに今つけたろ!!」
新八のツッコミを隅に、手紙らしき物を穂乃果に手渡す神楽。
神楽「これ・・・首輪に挟まってたヨ」
新八「なんて?」
穂乃果「えーと・・・万事屋さんへ。申し訳ありませんが、ウチのペットもらってください」
銀時「・・・それだけか?」
穂乃果「
銀時「笑えるかァァァァァァァァ!!
穂乃果「ひゃっ!?」
穂乃果の持っている手紙を奪い取り、破きながら腹の底から声を出し、叫ぶ銀時。
銀時「要するに捨ててっただけじゃねーか!!万事屋つったってなぁ、ボランティアじゃねーんだよ!!捨ててこい!!」
神楽「嫌アル!!こんな寒空の下放っぽいたら、死んでしまうヨ!!」
銀時「大丈夫だよ、オメー。定春なら一人でもやっていけるさ」
新八「アンタ、定春の何を知ってんの!?」
銀時「分かってくれるよな、定は・・・あ」
言いながら近づく銀時の頭部をまるまる口に入れる定春だった。
*
場所変わって、そこでは土方、沖田、絵里、希、にこの五人が歩いていた。
沖田「しかし土方さん、絵里さん。何で俺らが動物探しなんざせなならんのですかぃ?」
土方「俺らにもよく分からん」
絵里「ええ、詳しい事は聞かされてないの。ただ、先日来日したどっかのお偉い様の顔色伺いって聞いたわよ」
希「そんな顔も知らないお偉い様の顔色を伺うくらいなら、適当な物を見繕って行けば格好はつくと、ウチは思うよ?」
沖田「俺も同じ考えでさぁ」
土方「だからよぉ、その適当な物ってのは・・・」
そう言う土方の首には、犬に付けるような首輪があった。ご丁寧に
土方「てめェら、何やってんだ総悟に希!?」
沖田「何処ぞのお偉い様への献上品でさぁ」
希「うん、献上品やね」
土方「ふざけんな、いっぺん死ぬか!?」
絵里「二人共、にこがすごい勢いで引いてるわ。特に沖田さんに」
絵里の言うとおり、にこがうわぁ・・と言った目で二人を見ている。
沖田「はっ!上等でさぁ。おい矢澤、俺が調教してやろうか?」
明らかに、やれやれ仕方ねぇなぁ、感を出して言う沖田。
対してにこは、二つぐらいの怒りマークを浮かべながらも笑顔を浮かべている。ただし、引き攣った笑顔だが。
にこ「え?何言ってんの?ちょうきょう?何言ってんの?あ〜あ、全くドSの言う事はにこには分かんないわ〜」
このバカにした様なにこの言い様に、沖田も怒りマークを二つ付ける。それでも、笑顔のままだ。
沖田「え?にこさんは等々耳までおかしくしたんですかぃ?可哀想に」
憐れむような目を向ける沖田に、等々笑顔を浮かべずに一つ怒りマークを増やしてキレた。
にこ「はぁ!?何言ってんのよ、このシスコン沖田!!」
沖田「何言ってんだ。俺はシスコンじゃない。ただ、姉上が好きなだけだ」
にこ「それを世間一般にはシスコンと言うのよ!?」
沖田「仮に俺がシスコンだとしても、シスコンとブラコンを兼ね添えている矢澤さんには負けまさぁ」
にこ「誰がシスコンとブラコンですってぇ!?」
沖田「矢澤にこ他ならない」
にこ「うっさい!!大体ねぇ、沖田君のだーいすきな姉上に年上は敬え、って習わなかった?ちゃんとさん付けで、敬語を使う様に習わなかった?あんた、私に対しては土方さん以上に敬語使わないわね!?」
沖田「え?年上?何言ってんの」
マジ何言ってんの?みたいな目をして言う沖田。
にこ「私はあんたよりも年上でしょうが!?六歳よ?六歳も年上なのよ?あなたよりね!!」
沖田「俺は貧乳の上、現時点で俺より背が低い奴・・・というか、肩より低い奴が年上なんて認めない」
にこ「貧乳言うなぁァァァァァ!!!!背が低いとか言うなぁァァァァ!!」
うがァァァァァ!!と我慢がもう出来ない、と言った感じで沖田に飛びかかる。
にこが沖田の首袖を力の限り掴み、睨む。(もちろん、沖田は前屈みになってしまうが。それさえ、にこには憎らしく感じた。)それに対して、沖田は笑顔を浮かべてはいるが、負けじとメンチを切る。笑顔を浮かべながらメンチを切るって器用だな、沖田よ。
因みに背は大きい順から、土方、絵里、希、沖田、にこ、と言った感じだ。
とは言え、沖田と希はそんなに背に差はないが。一年したら、多分沖田の方が高くなる。
にこ?にこは沖田の背と比べると・・・大体、胸よりちょっと上ぐらい?悲しいかな、高校を卒業する年になる頃には、1ミリも伸びなかったらしい。
絵里?絵里はハーフという事もあって、背は良く伸びる方だったらしい。おかげで長身、土方とは背が頭半分くらいの違いらしい。希は、ちょっとずつ伸びてたけど、二十歳には伸びなくなったみたいです。
希「あ、土方さん。語尾にはワン、って付けてください」
土方「誰が付けるか!?」
と言って、首輪を引きちぎる土方。当然だ。
そんな様子の二組を見て、ため息をついた絵里は、壁に何かの紙を貼ってあるのに気付いた。
絵里「?これは・・・」
そこには
飼い主募集中❕
白くて可愛い子犬です。
と書かれたチラシだった。
*
銀時「とにかく、だ。新しい飼い主が見つかるまで、
新八「茂雄じゃないでしょ。定春っスよ」
銀時「その代わり、飼い主が見つかり次第、
新八「だから定春だって!」
神楽「こんなに定春可愛いのに、銀ちゃんはなんでイヤアルカ?」
銀時「女が言う可愛いってのは、男は信用出来ねぇんだよ」
神楽「新八もそうアルカ?いかにも、可愛い系好きのオタクっぽいメガネして。結局、フェロモン系が好きな男アルカ!?」
新八「オタクっぽいってなんだよォ!!」
神楽「いいから撫でてみるアル!!」
そういって、定春を持ち上げる神楽。
そして、そのまま銀時と新八のいるとこ目掛けて投げた。
神楽「どう?」
新八「ど、どけてよ、神楽ちゃん」
銀時「重いっつーの」
神楽「私の想いが分かったアルネ」
新八「いや、その"おもい"じゃないから・・・」
神楽「愛されるのは、確かに重いかもしれない。でも、私と定春は大丈夫ネ!」
その神楽の一言に、わん!と言って答える定春。
穂乃果は、見事に話が噛み合ってないな〜と呑気に見ている。
銀時「く、苦しい・・・さっき食べたチョココロネが上か下かのどっちかからデビューしそうだ・・・」
新八「え!?」
穂乃果「ちょっ!待ってよ、銀ちゃん!」
それから一気に騒がしくなる万事屋一行。
そんな銀時達に、店の前で水撒きをしていたお登勢が一言。
お登勢「ていうか、昼間っからうるせぇよ」
万事屋の中といえば、定春が暴れたため、ぐちゃぐちゃだ。
銀時「オイ、テメーら!狭いところで暴れるな!!」
新八「神楽ちゃん、ちゃんと躾なきゃダメだよ!」
神楽「わんぱくでもいい。逞しく育つアル」
穂乃果「うん、逞しく育つのはいいんだけどね・・・」
新八「君達のわんぱくは人が死にかねないでしょ!?」
新八がツッコミを入れた後に、銀時の叫び声が聞こえた。
穂乃果「どうしたの!?」
銀時「定春の奴が、俺のジャンプに小さい方のデビューしやがったァ!!」
神楽「小さくデビューって、謙虚な子アルネ〜」
穂乃果「全然謙虚じゃないよー!!ジャンプは私も読むのに!!」
穂乃果がそう叫んだ後に、新八の叫び声が聞こえた。
新八「お通ちゃんのデビューシングルに、デカデカとデビューさせちゃったァ!!」
神楽「お通フューチャリング定春アル」
定春「わんわん!」
銀時・新八「さ〜だ〜は〜る〜!てめー!!いい加減に・・・す、すみません」
キレたのはいいが、頭を口の中に入れられて瞬殺される銀時と新八。
しかし、そんな時の
穂乃果「定春!メッ!!ジャンプの上にもお通ちゃんのデビューシングルの上にもデビューしちゃいけません!!あと、銀ちゃんと新八君の頭を飲み込むのもいけません!ペッ!しなさい!ペッ!」
定春「く〜ん・・・」
穂乃果「よしよし、いい子だね。聞き分けのいい子は好きだよ!いい?今度からむやみやたらに人を噛んではいけません」
定春「わん!」
銀時「さすが、穂乃果・・・」
新八「穂乃果さん、あんた・・・何者?」
銀時と新八はただひたすらに拍手を送ったという。
*
定春に噛まれて出来た傷に包帯を巻いた銀時は、下にあるスナックお登勢に来た。
お登勢「なんだよ、そっちから来るなんて。貸す金ならねぇぞ」
銀時「違うよ。家賃を払いに来たんだよ」
お登勢「なんのドッキリだい。どっかにカメラでも仕掛けてあるんだろう?」
そう言って、店の中を見回すお登勢。
銀時「そうじゃねぇよ。とりあえず、今月の家賃だけでも払おうと思ってな」
お登勢「え?」
で?
お登勢「あー、確かに今日は暑いねぇ」
空を見て言うお登勢。
その横で、一緒に空を見てる銀時と大人しく座ってる定春。
お登勢は店の中に戻ろうとする。銀時は、そんなお登勢を止めようと、必死に足にしがみつく。
銀時「ちょっ待てよ。ほら、これだから。名犬だし!家賃1ヶ月分ぐらいの価値あるって!」
お登勢「フランダースの犬の従兄弟でもいらねぇ!!」
そう言って、凄い形相になり、銀時を蹴って追い出すお登勢。
*
家の中では、遊び疲れた神楽はソファで寝ていた。
銀時「まぁ、アレだ。神楽が昼寝をしている間に、こっちから飼い主を探すっていう魂胆なんだが」
新八「魂胆たって、いいんですか?神楽ちゃん、怒りますよ」
銀時「いいんだよ。辛い現実を知って、少女は大人の階段を登り、アイドルオタクはファンを卒業していく」
新八「それは俺の事か!?俺のことなのか!?ぜってぇ卒業しねぇぞ!!」
穂乃果はひたすら定春を撫でていた。
銀時「おらぁ、行くぞ」
定春に付けた首輪のリード(というより、ヒモ。)を引っ張る銀時。
しかし、定春が動かないので銀時が前に倒れる。
銀時「コラっ、動け!!」
銀時の態度が気に入らなかったのか、怖い顔をして唸る定春。
それに引きっつった顔になる銀時と新八。
*
場所変わって真選組サイド。
土方「多分、この辺りのハズだけどなァ」
そう言うのは、さっき絵里が見つけたチラシを持った土方だ。
そんな土方に声をかける沖田。
沖田「土方さん」
土方「何やってんだ、お前ら」
土方の目線の先には、壁に背中を向け、ピタリ、と張り付いている沖田だった。
いや、沖田だけじゃない。絵里と希とにこもそうだ。
沖田「危ないですぜぇ」
土方「はぁ?」
そう言って、土方の目に飛び出たものは、定春から逃げている銀時、新八と何故か定春の背中に乗ってる穂乃果だった。
銀時「ウワァァァァァァァァ!!!」
新八「アアアアアアアアアア!!!」
定春「ワン!ワン!ワン!」
穂乃果「凄い!凄いよ、定春ぅ!!今なら風になれる気がする!!イヤッホォォォォ!!」
土方に気付かない一行は、そのまま土方にぶつかりながら走り抜けた。そのせいで飛ぶ土方。
土方「あ、あいつじゃねぇか・・・」
飛ばされた土方は弱々しく言う。
絵里「土方さん、平気!?」
希「随分とデカかったやね」
にこ「チラシには子犬って書いてたけど、あれじゃあ疑わしいわ」
*
銀時「ようやく落ち着いたな」
新八「一体どうするんですか?定春を飼ってくれそうな人なんて、そうそういないですよ」
穂乃果「定春、大きいもんね〜」
定春「ワン!」
銀時「まぁ、心配するな。宛はある」
新八「うわァ!またデビューしたァ!!」
それを見て、銀時と新八はため息をつく。穂乃果は、苦笑いを浮かべた。
*
で?
銀時の宛はと言うと?
新八「宛があるって、ウチじゃん!!アンタ、定春をウチに押し付ける気!?」
銀時「いやぁ、だってアレでしょ?君のお姉さん、ストーカーに困ってるんでしょ?」
穂乃果「それは、この間銀ちゃんが解決したじゃない」
新八「そうですよ!」
銀時「困ってる時はお互い様だ。ちょうどいいぞー、番犬に」
新八「だから人の話聞こうよ!?」
銀時「噛むなって!」
そこに、妙と海未とことりと空が帰ってきた。
妙「あら?アナタ達、何をしてるの?」
空「わぁ!海未ねぇ、デカいね!」
海未「・・・そ、そうですね」
穂乃果「海未ちゃん、ことりちゃん久しぶり〜」
海未「ええ、久しぶりです」
ことり「久しぶり、穂乃果ちゃん!」
*
銀時「───つーわけで、こいつをココで飼ってくれねぇか?」
妙「うちにはタダでさえ、使えない思春期の男がいるのに、もう一人増えるのはねぇ」
新八「使えないは余計でしょ!てか姉上、コレ犬だから!」
そう言って、定春の方を指した指を手ごと噛む定春。
穂乃果「こら!定春、メッ!でしょ!」
────メッ!って・・・穂乃果ちゃん、可愛い・・・
海未「ことり、顔が残念な事になってますよ。気持ちは分かりますが」
ことり「あはは・・・つい、ね?」
穂乃果「?あ、海未ちゃんも定春触る?モフモフしてるよ〜」
海未「いえ、遠慮しときます」
穂乃果「じゃあ、空ちゃんは?」
空「え?いいの?触る!」
穂乃果が海未やことり、空と話しているうちに話が進んでいた。
その間に神楽が来ていた。
神楽「それ、どういうことヨ」
銀時「げっ!」
神楽「私の知らないうちに!」
銀時「いや、違う!これはな?定春のためを思って」
神楽「酷いヨ、銀ちゃん!」
そう言って、神楽は銀時に蹴りを決めた。
神楽の蹴りを受けた銀時は、定春の口の中にピンポイントに入った。
妙「なんだ、結構好かれてるじゃない」
ことり「ホントだ〜」
海未「何処が?」
*
ところ変わって江戸の公園。
ここで神楽と定春は遊んでいた。
神楽「定春ぅ〜〜!!こっち来るアルよ〜〜!!」
楽しそうな神楽とは打って変わって、公園のベンチに座っている銀時と新八は、心なしかやつれている。その上、包帯がいっぱい巻いてある。銀時の隣に座る穂乃果は、苦笑いを浮かべている。
穂乃果?穂乃果は怪我は特にしてないよ。
銀時「・・・いや〜〜、スッカリ懐いちゃって。微笑ましい限りだね、新八君」
新八「そーですね。女の子には、やっぱり大きな犬が似合いますよ、銀さん」
穂乃果「新八君、それにしたって大きすぎじゃない?」
新八「ええ、まぁ・・・大きいにも限度がありますからね」
銀時「僕らには、なんで懐かないんだろうか、新八君」
新八「なんとか捨てようとしているのが、野生のカンでわかるんですよ、銀さん」
穂乃果「なるほど、野生のカンは伊達じゃないんだね!」
新八「そうゆう事です、穂乃果さん」
銀時「なんでアイツには懐くんだろう、新八君」
新八「懐いてませんよ、銀さん」
三人の目線の先には、神楽に思いっきり突っ込んで行く定春と、それをじゃれるなじゃれるな、と言いながら片手で抑えてる神楽がいる。
なお、定春の顔は凶暴な動物の、ソレである。
新八「襲われてるけど、神楽ちゃんがものともしてないんですよ、銀さん」
銀時「なるほど、そーなのか、新八君」
穂乃果「神楽ちゃん、力強いもんね」
新八「銀さん、こっちからもいいですか」
銀時「何かな、新八君」
新八「何で僕らの隣にいても、穂乃果さんは襲われないんですか、銀さん。さっきも穂乃果さんの言うこと聞いてたし」
銀時「それはね、新八君。穂乃果は昔っから動物に懐かれる体質なんだよ。それは、定春に対してもそうみたいだね、新八君。動物使いの名は伊達じゃないんだ」
新八「なるほど、そーなんですか、銀さん」
穂乃果「え?何、私そんな名持ってたの?全然、知らないんだけど」
話が一区切りしたところで、神楽が銀時達の方に戻ってきて、穂乃果の隣に座る。
銀時「楽しそーだな、オイ」
神楽「ウン。私、動物好きネ。女の子はみんな、カワイイもの好きヨ。そこに理由イラナイ」
穂乃果「ま、そーだよね!」
銀時「・・・アレ、カワイイか?」
神楽「カワイイヨ!こんなに動物に懐かれたの初めて!」
いいながら、突っ込んで来た定春に飛ばされる神楽。
新八「神楽ちゃん、いい加減気づいたら?」
定春にお返しとばかりに、蹴りを返しながらも話を続ける神楽。
神楽「私、昔ペット飼ってたことあるアル。定春一号」
穂乃果「もしかして、神楽ちゃんってば、動物には定春って付けるの?」
銀時「穂乃果、ちょっと黙ってろ」
神楽「ごっさ可愛かった定春一号。私もごっさ可愛がったネ」
神楽の回想の定春一号は、ウサギだ。
神楽「定春一号、外で飼ってたんだけど、ある日、私どーしても一緒に寝たくて、親に内緒で抱いて眠ったネ。そしたら、思いの他寝苦しくて、悪夢見たヨ」
話してる内に涙を目に浮かべる神楽。
神楽「散々うなされて、起きたら定春・・・カッチコッチになってたアル」
銀時・穂乃果・新八(泣けばいいのか笑えばいいのか、わかんないんだけど・・・)
神楽「あれから私、動物に触れるの自ら禁じたネ。力のコントロール下手な私じゃ、みんな不幸にしてしまうヨ」
定春の頭を撫でる神楽。
神楽「でも、この定春なら私とでもつり合いがとれるかもしれない・・・コレ、神様のプレゼントアル、きっと・・・」
穂乃果「神楽ちゃん・・・」
神楽「あ、酢昆布きれてるの忘れてたネ。ちょっと買ってくるヨ。定春の事ヨロシクアル」
銀時「オイ、ちょっと、まっ・・・」
そこで気付いた、銀時と新八を見る定春に。
銀時「に、逃げろォォォォォォ!!!」
新八「わァァァァァァ!!?」
穂乃果「あわわ・・・ぎ、銀ちゃーん!新八くーん!だ、ダメだよ!定春ぅ!!銀ちゃんと新八君を襲っちゃあ!!」
そこで公園の外側に逃げるように全力で銀時と新八が定春から逃げ、定春は追いかけ、そんな定春の後から穂乃果が追いかける感じになった。
しかし、逃げ切れずに銀時が定春に口にくわえられてしまった。
新八「ぎ、銀さーん!!」
銀時の次は、新八らしく、今度はボールの如く頭を使って新八を跳ね上げる。
新八「わァァ!!た、助けて!銀さん!穂乃果さん!」
銀時「た、助かったァ・・・」
穂乃果「定春ぅ〜、止めてあげて!」
*
しばらく経ち、穂乃果の頑張りがやっと報われた。
しかし、銀時と新八はやつれている。
定春?定春は穂乃果とお昼寝をしている。
定春が丸くなって寝ていて、定春のお腹を枕にして穂乃果が寝ている。
新八「ね、寝顔は可愛いんスけどね・・・」
銀時「こいつは犬の姿をした凶器だ」
そう言って、寝っ転がる銀時と新八。
銀時「凶暴な犬とマニアの世界には、心を奪われちゃダメだ」
新八「でも、神楽ちゃんがあんなに可愛がっているのを見るとなんだが・・・」
そこに近づく足音が複数。
言わずもがな、土方、沖田、絵里、希、にこである。
絵里「やっと見つけた」
土方「ここにいたか」
銀時「ん?ああ、お前らか。なんだァ?仕事もせずに
土方「テメーなんか遊びに誘うか、ケンカならまだしもな」
銀時「こないだ売られたケンカぁ、カシ折りつけて返したハズだぜ」
土方「上等だ、なら今度はお土産を付けて返してやらぁ!!」
そう言って、剣を抜く土方。
絵里「土方さん、落ち着いて」
沖田「時に旦那ァ、ソイツは旦那の・・・いや、穂乃果の犬ですかィ?」
そう言って、まだ寝ている穂乃果の寝顔を携帯で写メる沖田。(定春は起きている。でも、穂乃果のためかそこから動かない。)
銀時「いやいやいやいやいや!!何やってんの!?」
沖田「何って・・・穂乃果の寝顔ゲーッツ!」
銀時「なんて羨ま・・・っ!いや、何勝手に撮ってんの!?って、多串君まで!?」
土方「誰が多串君だ」
そう言いつつも、写メる土方。
因みに、何気に二人とも今の写真を待ち受けにしている。
沖田「それで、どうなんですかィ?」
銀時「・・・別に穂乃果の犬ってわけじゃないさ。なんだ突然」
沖田「幕府の上の繋がりで、その手の動物を欲しがってるお方がいましてねぇ」
にこ「そーいうわけだから、その犬、真選組で引き取らせてくれない?」
銀時「ヤダね。おめェらなんかにやらねぇよ。俺が真選組の言いなりにならないってこと、忘れるな」
土方がなんかギャーギャー言い始めたが、無視することにする。
それはともかく、帰ることにした土方達。
土方「参ったな、どうする?」
沖田「やっぱりここは、土方さんが語尾をわん、にして」
希「そうやね、やっぱり最善策なんやない?」
にこ「そうでなくても、最終手段はそれでいいかもね」
土方「誰がするか!?」
絵里「もう、希とにこまで」
その後ろ姿を見送る銀時と新八。
新八「銀さん、もしかして神楽ちゃんのために・・・」
銀時「違ぇよ。ヤツらに言われた通りにしたくなかっただけさ」
そう言って、後ろを下がった拍子に定春の尻尾を踏む銀時。
それに唸る定春。
穂乃果?穂乃果はいつの間にか起きていた。
穂乃果「・・・あっ!」
銀時と新八は定春の顔を見て、一斉に入口の方に逃げた。
定春もその後を追い、穂乃果は定春をさらに追った。
しかし、タイミングが悪かった。
穂乃果「車ぁ!!?」
勿論、いきなり止まれるわけが無い穂乃果も、車の前に出てしまった。
しかし、そこはやはり仮にも主人公の銀時。
方向転換をし、穂乃果の腕をつかみ、人の通路の方に投げ飛ばした。
穂乃果「きゃあ!!」
その車から降りてきたのは、なんと
ハタ「じぃィィィィィィ!!なんということをををを!!」
じぃ「落ち着きなされ皇子!!とりあえず私めが、タイムマシンを探してくるので!」
ハタ「じぃぃぃぃぃ!!お前が落ち着けェェ!!」
そこで定春を見たバカ皇子は、驚いた様子だ。
ハタ「こっ・・・これは、なんということだ」
じぃ「どうされました、皇子。タイムマシンが見つかりましたか!!」
ハタ「ちげェェェ!クソジジイ!!これを見よ!!」
じぃ「これは・・・
どうやら、定春は珍しい生き物らしい。
ハタ「じぃ、縄はあるか!?」
アホな事を抜かしてる。
じぃ「こんなことしていいんですか、皇子?私ら、ただのチンピラですな」
ハタ「これは保護だ。こんな貴重な生物を野放しにはできん!」
言い訳である。
ハタ「ゆくぞ。クククク、またコレクションが増えちゃった」
そう言って、ハタ皇子が去っていく。
そこには、道路の真ん中で倒れてるハズの銀時と歩道にいるハズの穂乃果がいなかった。
*
ところ変わって(?)神楽のところ。
神楽が買った酢昆布をくわえて、公園に向かっているところに、前から定春を屋根に乗せた車が通った。
神楽「定春!?」
*
ハタ「すごいものを手に入れてしまった。前回来た時は酷い目にあったが、これでペスを失った傷も癒えるというもの。のう、じぃ?」
じぃ「左様で・・・!!ギャアアアアアア!!ゾンビだァァァァァ!!」
そう叫ぶじぃの前には、銀時と穂乃果がいた。
銀時「オ───イ。車止めろ、ボケ」
穂乃果「ね、この子だけは勘弁してくれない?神楽ちゃん、相当気に入ってるんだ」
じぃ「何を訳のわからんことを。どけェ!!前見えねーんだよ、チクショッ」
そこで、後から凄い叫び声が聞こえた。
言わずもがな、神楽である。
神楽「定春返せェェェェェ!!」
ハタ「誰だ、定春って!?」
じぃ「くっ・・・来るなァァ!!」
そう言って、銃を構えるじぃ。
しかし、神楽は傘を振りかぶって車を池の方に弾き飛ばした。
その時、神楽は気付いた。
神楽「あ」
────定春乗ってたの、忘れてた・・・
神楽「定春ゥゥゥゥゥゥ!!」
しかし、気付くのが遅く、車はそのまま沈んでいく。
その事に涙を流す神楽。
────私・・・また、同じこと繰り返してしまったヨ
しかし、そんな神楽にかける声が二つ。
銀時と穂乃果だ。
銀時「お嬢さん」
穂乃果「何がそんなに悲しいのかな?」
定春の顎を撫でる銀時の手を噛む定春。
銀時はそれに悲鳴をあげる。
穂乃果には大人しく撫でられているが。
神楽「銀ちゃん、穂乃果、定春!!」
乗っていた木の上から銀時と穂乃果と定春は降りる。
降りてきた定春に抱きつく神楽。
神楽「定春ゥゥゥ!!よかった、ホントよかったヨ!!」
その時に神楽は定春に手や頭をかじられてるが、特に痛がるとかない。
それどころか、気にしてない。
神楽「銀ちゃん、飼うの反対してたのに、なんで」
銀時「俺ァ、しらねーよ。面倒見んなら、てめーで見な。オメーの給料から、そいつのエサ代、キッチリ引いとくからな」
穂乃果「頑張ってね?」
そう言って、去っていく銀時。穂乃果も後を付いていく。
そんな銀時の後ろ姿を見て、感謝を述べる神楽。
神楽「・・・アリガト、銀ちゃん、穂乃果。給料なんて、穂乃果からお小遣いでしかもらったことないけど」
*
オマケ
真選組の屯所にて、沖田は近藤に近藤と書いたプラカードが付いてて、とげとげがいっぱい付いた首輪を両手で差し出した。近くには土方、希、絵里、にこがいる。
沖田「語尾はワンですぜ、近藤さん」
希「さぁ、どうぞ!」
近藤「・・・え?」
はい、終わりました!
銀時「最近、暑くなってきたよなー」
穂乃果「ねー、暑いよねー」
いきなり始まったんだけど、雑談。
穂乃果「今日はゲスト呼ぶの?」
今回はメインぽかった神楽と初登場の定春がゲストだよ!
銀時「そうか、じゃあ予告は神楽がやるんだな?」
いや、定春にしようかなーって。
穂乃果「定春犬だよ?わん、しか言えないんだよ?」
あー、じゃあ神楽と定春で。
銀時「定春は絶対なのな」
という訳で、ゲストの神楽さーん、定春くーん、どうぞー!
神楽「ゲストの神楽アル。因みに原作ではヒロインアルナ!」
定春「わん!」
おう、さり気にヒロインアピール?
そんな所も大好き!
銀時「相変わらずだな」
穂乃果「あははー」
神楽「今回、新たになった設定はこの一つアルナ」
そう言ってエリザベスが持つようなプラカードを持つ神楽。
銀時「地文はやっぱり自分でやるのな」
穂乃果「ね」
ちょっ、そこちゃちゃ入れない!
こほん。
えーと、そのプラカードにはこう書かれている。
神楽、読んでー!
神楽「はーい。今回新たになった設定は、穂乃果が動物に懐かれやすい体質で動物使いという名が本人の知らぬところであったこと、です!」
はい、ありがと!
穂乃果「じゃあ、予告いく?」
銀時「マジ最近早いな」
話す内容がないんだからしょうがない。
あ、前書きで書いてた穂乃果誕生際の事は感想にて、お願いします!
あとは・・・そうだなー、後書きで話す事が不足してきました。なので、銀ちゃん達に何か質問とか、聞きたいこととか、話して欲しいことがあったら、感想で言ってください。
そうすれば私も助かっちゃう!
穂乃果「本音漏れちゃってるよー?」
あはは・・・。
じゃあ、予告お願い!
*
神楽「次回は、ぱっつぁんが入院した病院で万事屋として人探しをする話アル!何でも、初恋の人らしいアルヨ?という訳で、次回もよろしくアルネ!」
定春「わん!」
*
まぁ、次回と言ってももしかしたら穂乃果誕生際もやるかもしれないけどねー!
銀時「まぁ、取り敢えず頑張れよ」
穂乃果「ファイトだよ!」
・・・そう言えば、穂乃果って本編でファイトだよ!って言ってないなぁ・・・。
穂乃果「あれ?そうだっけ?」
銀時「まぁ、言う場面なかったら、ないわな」
いや、もしかしたら言ってたかも・・・あれ?
神楽「この際どっちでもいいアル」
定春「わん!」
うーん?まぁ、いいのかなぁ。
じゃあ、そういう訳でまた次回!
気長に待っててください!