ハイスクールD×D inウィザード   作:kue

100 / 113
第百話 オリジナル

「…………またこの世界か」

目の前には箒に跨って空を飛ぶ人たちが大勢いた。

ファントムを新たな力で倒してから数日経った。

少しひと眠りしようと眠ったらこのザマだ……また、

アザゼールとかタンノーンとか現れるんじゃないだろうな。

……唯一、違うと言えば前の世界は自然溢れていたが今回の世界は、

俺が住んでいる街並みとほとんど変わらないということだ。

つってもここは冥界っぽいから住んでいるのは悪魔なんだろうが……本当にここはどこなんだ。

「イスラ!」

突然、女性の叫びが聞こえ、そちらの方に行くと全身に紫色に光るヒビが走っている少年と、

涙を流しながら少年の肩をゆすっている女性がいた。

「おい、どうした」

「イスラの魔力が暴走して!」

……よくは分からんが魔力ということはこいつの中に入れば何が原因で、

何が起こっているのか分かるか。

「頑張れ。俺がお前の最後の希望だ」

『エンゲージ・プリーズ』

エンゲージを発動させて、展開された魔法陣の中に飛び込むと数秒ほど暗闇が続き、

暗闇が晴れて地面らしき場所にたどり着くとそこには両親と、

思わしき人と楽しそうに話している光景だった。

魔力が暴走したと言っていたが……それらしいことは……。

すると、突然目の前の空間にヒビが大量に入り、そこを砕いて金と銀の体毛をした、

二匹のドラゴンの頭が一つの身体から出ている状態のドラゴンが出現し、

大きな翼を羽ばたかせて宙に浮き、町を破壊していく。

……まさか、この子もセイグリッドギアを身に宿したのか? 

いや、魂をセイグリッドギアに封印されたタイプのものを宿しているならば、

魔力が暴走を起こすことは……まあ良い。

「何が起きているかは知らんが……放っておくわけにもいかない。来い、ドラゴン!」

『ドラゴラーイズ! プリーズ』

頭上に魔法陣を展開するとそこから炎が噴き出し、敵に直撃して吹き飛ばすと、

その炎が一匹のドラゴンへと姿を変えた。

俺はそのドラゴンの頭上に飛び乗った。

もう、前回のように魔力を通す必要はない……行くぞ。

ドラゴンは俺の心の言葉に呼応するかのように咆哮をあげ、

翼を羽ばたかせて敵の攻撃を避けていく。

『ギュアァァ!』

「っ! ドラゴン!」

相手の叫びが聞こえ、俺は慌ててドラゴンの上空へ上がるように伝え、

ドラゴンが上に上がった瞬間、相手の首だけが伸びてきた。

上空で相手を見ると先ほどまで同じ体に二つの首が生えていたものが半分にでも、

体を割ったかのようにそれぞれ、独立していた。

ますます、不思議だな。

『コネクト・プリーズ』

『フレイム・プリーズ。ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー!』

魔法陣からアスカロンを呼び出し、刃に手を翳す。

「ドラゴン! 突っ込め!」

俺の指示通りにドラゴンがこちらに向かってくる金色のドラゴンに向かって突っ込んだ。

『フレイム・スラッシュストライク! ヒーヒーヒー!』

「でやぁ!」

金色の首が放ってきた火球をギリギリのところで体を捩じらせて避け、

そのまま横切るついでにスラッシュストライクを発動した状態のアスカロンで切り裂く。

『ギュオオアァァァァァ!』

断末魔を上げながら大爆発を上げ、金色のドラゴンは消滅した。

「おっと!」

急にドラゴンが動いたかと思えば、俺達がさっきまでいた場所に、

銀色の炎がメラメラと燃え盛っていた。

燃え盛っている個所を見ると地面らしき場所なんだが、

それが陥没したかのように穴が開いていた。

なるほど……あの銀色の炎は着弾した場所をドロドロに溶かす特殊な炎か。

土がドロドロになるなんてのは聞いたことがないが……まあ良い。

「どちらが上か、試してやる」

『プリーズ・プリーズ』

俺はドラゴンにプリーズの魔法で魔力を明け渡すと大きく口を開け、

そこから今までよりも何十倍と大きい、火球が生成されていく。

『ゴバァァ!』

ドラゴンが凄まじくでかい炎を吐きだしたと同時に相手の銀色の炎がぶつかり合い、

辺りに熱風と衝撃が放たれ、地面を大きく抉っていく。

拮抗していたかに見えた両者の炎だが徐々に銀色の炎が赤色へと色を変えていくのが見えた。

『チョーイイネ! キックストライク! サイコー!』

「ドラゴン!」

『グバァアァァ!』

俺がドラゴンの口に飛び降りた瞬間、俺の背中にドラゴンの火球がぶつかり、

その勢いのままキックストライクを叩きこむ!

「はぁぁ!」

ぶつかり合っていた凄まじくでかい炎と俺の脚が融合して巨大なドラゴンの足を象った炎が、

生み出されて銀色の炎を完全に消滅させ、

ドラゴンの顔面に直撃し、断末魔を上げる前に銀色のドラゴンを塵に変えた。

「ふぃ~」

先ほどまで空間にヒビが入っていたが二匹のドラゴンが消えたことにより、

全てのヒビが消失し、元の何もない空間に戻った。

……もう、俺がここにいる理由はないな。

俺は傍に魔法陣を展開し、それを通って元の空間へと戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとうございます!」

少年の中から出てきた俺にかけられた言葉がそれだった。

少年も先ほどのように苦しんでいる様子はなく、母親と一緒に俺にお礼を言ってきた。

「お兄ちゃん凄いんだね!」

「まあな……ところでここってどこでしょうか」

「ここは魔王様の居住区。ルシファードです」

やはり、ここは冥界なのか……でも、ここまで近代化が進んでいたか?

周りを見渡せばレンガ作りの家屋があちこちに立っており、

前回の世界と同じようにローブを纏って箒で飛んでいるやつらがいっぱいいた。

まだ冥界は未開発だらけで自然がたくさんあったような感じがしたんだが……。

「もしかして旅の人ですか?」

……ここは合わせた方が何かと良いだろう。

「ええ。母とともにここで働いている父に会いに来たのですが逸れてしまいまして」

「でしたら政府に行ってはどうでしょうか」

女性が指さした方向を見るとそこにはまるで城なんじゃないかと思うくらいの豪勢な、

作りをした建物が立っていた。

……どこか、リアスが改築した俺の家に似ている気もしないが……。

「困り事があれば政府の方が対応して下さるんです。

今じゃ解放政府とまで言われているんですよ」

「そうですか……感謝します」

女性と少年に別れを告げて、俺は一キロほど離れている政府へと向かって歩き始めた。

この世界の政府は解放されているのか……つまり、

許可さえあれば魔王にも会うことができるのか?

テロリストが入ったらどうするんだよ……そのテロリストを政府の中へ、

通しても倒すことができるくらいに強い門兵がいるのか?

そんなこんなを考えているうちに十五分ほどで政府の入口らしき大きな門にたどり着いた。

両端にそれぞれ門番が一人づつ。

「少し聞きたいんだが」

「なんでしょう」

「かなり困ったことが起きてしまい、魔王様の判断を仰ぎたいのですが」

そう言うと門番は通信用の魔法陣を耳の所に展開した。

まあ、こんなんで通ることはないだろうから……非常時はスリープで眠らせれば――――――。

「良いぞ、通るがいい」

そう言われ、大きな門が開いた。

……ウソだろ。こんなウソでも通してもらえるなんて……まさか、

偶然にもその面倒なことが起きたのか……まあ良い。

俺は門をくぐると執事服を着た男性が近寄って来た。

「では、私が案内いたします」

そう言われ、男性の先導のもと魔王のもとへと向かう。

解放政府は良いっちゃ良いんだが……流石に開放しすぎだと思うのは俺だけなんだろうか。

少しばかり歩くと先導の男が立ち止まり、俺も立ち止まると目の前には大きな扉が立っていた。

「この先に魔王様がいらっしゃいます」

そう言い、先導の男は転移用の魔法陣を使ってどこかへと転移した。

俺は目の前の大きな扉を両手で押して開くとそこにいたのは―――――。

「朱乃?」

目の前にいたのは朱乃だけじゃなかった。小猫、ギャスパー、リアス、

ゼノヴィア、ロスヴェイセ達卷属の皆がレッドカーペットが引かれている端の方に立っていた。

気のせいか、ギャスパーや小猫の身長が伸びて大人びているような。

各々、驚いた様子も見せずに立っていた。

そしてレッドカーペットの先にはカーテンで覆われている場所があった。

「魔王様。例の者です」

豪勢な刺繍が施されているマントをはおったリアスがカーテンに向かって

そう言うとカーテンが開かれ一人の……う、ウソだろ。なんで……なんで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――インフィニティーの鎧をまとった奴がいるんだ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。