ハイスクールD×D inウィザード   作:kue

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第十五話

戦いが終結してから数日後のある日、

数日ぶりに俺は母さんと一緒に家の近くを散歩していた……はずだった。

「イッセーは迷惑掛けていないかしら?」

「ふふ、迷惑どころか私たちを助けてくれていますわ」

副部長が母さんと楽しそうに笑い合いながら話をしていた。

ことの発端は数刻前、ここ最近、悪魔関係のことで母さんと一緒に、

何かをしていなかったからたまには散歩をしようということになり、

車いすを押しながら近くを散歩していたらまず木場に会い、次に塔城、

最後に副部長に出会い、大所帯の散歩になってしまった。

もともと、部長とアーシアには話してあったから二人は家で留守番していたものの、

こいつらに出会うのは予想外だった。

ま、母さんも楽しそうにしているから良いとして。

「ふふ、イッセーもお友達が増えて楽しそうなの」

「どこが」

「ふふ。母親の私には分かるのよ」

いつもの散歩ルートを回った俺たちはそのまま家に帰り、

何故か木場達も俺の家に上がって、俺の部屋にやってきた。

ちなみに母さんはリハビリステーションへ行っている。

「さて。みんなにイッセーの家に集まってもらったのは今後に関しての話しをするためよ」

そこから部長による、今後に関する話し合いが行われた。

前回のレーティングゲームから浮かび上がった今の自分たちの弱点を克服し、

さらに連携を高めていくということで……何故か俺の家に集まり、

そのための話し合いをするという。

その話し合いも、ものの十分で終わり、

何故か俺の昔の写真を見るという妙な催しになってしまった。

「あら! このときのイッセーはまだ笑ってたのね!」

「可愛いですぅー!」

「でも、ムスっとした幼いイッセー君も可愛らしいですわ」

「…………クーデレの象徴かも」

一部、気に食わない意見もあったがとりあえず放っておくことにした。

「早速イッセー君は部内でハーレムを築いたかな?」

「首だけ転移させるぞ」

「ごめんごめ……これって」

俺のきつめの冗談を笑ってかわしていた木場がある写真を見たとたんにその顔から笑顔を消し、

何やら重い空気を纏わせて写真を手に取った。

チラッと目だけを動かしてその写真を見てみると、

それは俺がまだ感情を顔に出せていたころに幼馴染の女の子の家族と撮った写真だった。

木場の目がその写真に写っている女の子に集中していて、

恋をした! とかふざけたものではなく、その隣に映っていた剣に集中していた。

「……聖剣」

ボソッとつぶやいたその単語を俺は聞き逃さなかった。

 

 

 

 

 

 

 

翌日の放課後、オカルト研究部の全員が旧校舎の裏手に、

草の生えていない開かれた場所があるんだが、そこで野球の練習をしていた。

数日後に迫ったスポーツ大会に備え、野球を練習している。

正直、俺は参加しなくてもいいんだがそれはクラスとして参加する必要はなく、

オカルト研究部として出なくてはならなくなった。

「イッセー! そっち行くわよ!」

カキーン! と金属音が鳴り響き、ボールが晴天の空に打ち上げられ、

最高地点まで上がった後、急降下してくるがそれを背中にグローブを回し、

キャッチして全力で部長がいるもとへと投げた。

「ナイスキャッチだけど返さなくてもいいのよー!」

なかなか遠い距離にいるので一々、大きな声で叫ばなければ聞こえない。

俺は返事の代わりに軽く手を上げて返事代わりにするが、正直、

気になるのはスポーツ大会などではなく、木場の方だった。

あの日以来、心ここにあらずの状態だ。

「次! アーシア! ノック行くわよ!」

部長が打ったボールがアーシアへと向かっていき、彼女も捕球の態勢に入るが、

スポーツとは無縁の場所で育ってきたからか、彼女のまた下を通り抜け、

そのままコロコロとボールが転がっていく……が、その途中で俺が拾い上げ、

アーシアに渡した。

「あ、ありがとうございます!」

「こらーイッセー! あなたがとっても意味ないでしょ!」

その後も部長の楽しそうな怒鳴り声は響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の昼ごろ、本来なら俺はアルバイトをしている時間帯なのだが部長によって、

全てのバイトをクビにされ、

その代り一回の悪魔稼業で上限五十万の給料をもらえる仕事に雇われたので暇になり、

昼は母さんは週に三度はリハビリステーションへ、

あとの日曜以外の曜日は昔馴染みのママさんと一緒にお茶会を開いているので家にはいない。

なので、部室から拝借した魔法書のようなものを読破しようかと思ったんだが、

またまた部長の使い魔のコウモリが俺のところにやって来て、

口にくわえた手紙を俺に渡し、どこかへと去った。

『お昼休みに明日行われるスポーツ大会のミーティングやるから、

アーシアを連れて部室に来て頂戴』と、そんな内容だった。

その手紙を見たのが数分前。

今、俺はアーシアのクラスへと向かっている。

俺を茶化してくる奴もいたんだがそいつらは一切無視して、

私服のまま教室に入ると若干、好奇の目で見られるがすぐに消えた。

見渡すと仲良く男子のグループと話しているのが見えた。

「アーシア、行くぞ」

「あ、はい!」

そのまま彼女と一緒に教室を出ようとした俺の腕が後ろから掴まれ、

動きを止められ、無理やり後ろに向かされた。

「おいおいおい。今、俺アーシアちゃんと楽しく話してたんですけど~」

「マザコンは消えてろよ」

「一回だけ言ってやる。腕を離せ、じゃないとひっくり返るぞ」

「あ? 何がひっくり返るんですか~? 教え」

そのまま変わらず突っかかってきたので腕を一回転させると悪魔となった影響で、

筋力が人外となったこともあり、いとも簡単に男子生徒は一回転して腰から床に落ちた。

「あまり面倒なことはさせるな。行くぞ」

「はい!」

アーシアもしつこいあいつらに辟易していたのかは知らないが、

あいつらを少し心配はするものの、俺に付き添い、教室から出ていき、

そのまま旧校舎へと向かった。

アーシアといくつか会話を交わしながら部室の扉の前についた瞬間、

中からいつものメンバー以外の魔力がいくつか感じられ、思わず足を止めてしまった。

その魔力を持つ者は人外なものとかかわっているか、他種族と決まっている。

『コネクト、プリーズ』

警戒も含め、俺は目の前に魔法陣を展開させ、

そこから部室内へ入るとアーシアと同じ学生服を着た奴らが部室内にいた。

皆、俺のことに驚いているのか、

見たこともない魔法で驚いているのか知らないが目を見開いて俺を見ていた。

「来たわね。二人とも、座ってちょうだい」

部長に言われ、部長を挟み込む形でソファに座ると、

対面する形で生徒会長と一人の男子生徒が座っていた。

「紹介するわ。私の新しいビショップのアーシア・アルジェント。そしてポーンの兵藤一誠よ」

「アーシアさんとは初めてね。私はソーナ・シトリー。

そして私の隣に座っているのがポーンの匙元士朗。匙」

「は、はい。新しく下僕になった匙元士朗です!」

緊張した面持ちの男子生徒が頭を下げ、挨拶をしてきた。

「え、えっと新しくビショップになりましたアーシア・アルジェントです」

「ポー」

「アーシアちゃん! 新人悪魔同士よろしく!」

俺が自己紹介をしかけた瞬間、匙元士朗とかいう男は、

テーブルから身を乗り出す勢いでアーシアに近付き、握手をし出した。

俺のあいさつの間隔が悪かったのか、

それとも奴が意図的に俺の自己紹介を潰したのか……別にどっちでもいいが気に食わん。

自己紹介は初対面の相手に自らの印象を植え付けるいわば自己呈示。

今の行動で俺の中でのこいつの評価は低い。

人の自己紹介を聞かずに一定の相手と仲良くするおバカさん……そんな感じか。

「匙。まだ兵藤君が」

「構いません。うわべの情報なんざそちらで手に入れられます。

ただ今後、そちらがとられた態度と相応の態度で当たらせていただきます。

それだけは御記憶ください。では」

『テレポート、プリーズ』

自らの部屋に転位先を指定し、

足もとに魔法陣を展開させると陣が徐々に上がっていき、俺は自室へと転移された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「匙。貴方はよほど私の顔に泥を塗りたいようですね」

「え? お、俺は別に」

「では、何故兵藤君の自己紹介を潰すような真似を?」

「……気に食わないからです」

「どこが」

「勉強ができるからってほとんど学校に来ない点にです」

「彼は合法的に来ていないだけです……リアス。後日、彼に謝罪に行くわ」

「まあ、良いことは良いんだけど……何となく嫌な予感がするような」




こんばっぱー!
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