ハイスクールD×D inウィザード   作:kue

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第二十二話

泳ぎつかれ(二人は戦いつかれ)で眠ってしまった奴らを俺の自室へと転移させ、

俺とゼノヴィアで戸締りをしてから二人で帰ろうとしたとき、

校門付近に見知らぬ白髪……というよりも銀に近い色の髪の若い男が校舎を眺めていた。

普段の俺なら普通にスルーしてゼノヴィアと一緒に帰っていたかもしれない。

――――――先日の戦いが無ければの話だが。

「よう、白い鎧の男」

「やあ、俺のライバル」

そのたった一つの会話から俺達の間に重苦しい空気が流れた。

ゼノヴィアも俺の後ろで臨戦態勢をとってはいるが、

流れている重苦しい空気の前に一歩も動けずにいる。

それは強者からの重圧か、それとも俺へすべて任せるといったものなのかは分からない。

「何故、お前のライバルが俺だ」

「ふむ。どうやら君の中のものはアルビオンの言うとおり、

相当不機嫌になっているらしいな」

「アルビオン?」

「君の中にある存在とは対極の存在さ」

そういうと男は腕を軽く上げると男の腕を白い魔力が包み込み、

魔力が晴れると腕に俺の赤い籠手とはま逆の色をした白色の籠手が装着されていた。

確かに対極だな。だが。

「それだけで俺の中のドラゴンと対極な存在とは言えない」

「まあね。今となっては確認する術はない。でもアルビオンが言っている以上、

君の中のドラゴンとやらは対極な存在だよ。今は力は貸していないようだけどね」

そう言い、男は踵を返して俺から離れようとしたから追いかけようとすると、

若干量の魔力の風圧が奴から発せられ、一瞬だけ俺の動きを止めた。

その隙に奴は光となって消えうせた。

「ふぅ。とんでもない奴のライバルになってしまったな、イッセー」

「……さあな」

ゼノヴィアの問いにそうとだけ答えて、俺は家へと歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後、アーシア達が授業参観を行っている間、

俺は母さんと久しぶりに本当の意味での家族水入らずで散歩をしていた。

本来ならば行かなければならない授業参観、だが俺は登校義務免除生なので行かなくても良い。

既に学校にも五回は行っているから今年は行かなくても良い。

ちなみに今日のリハビリは午後から。

「最近、イッセーが楽しそうで母さん嬉しいわ」

「……俺が楽しそうに見える?」

「見えるわ。リアスさんたちに出会ってからイッセーの顔にまた笑顔が戻ったみたい。

顔はまだ無表情だけど雰囲気は昔の笑っているあなたよ」

未だによく言われる。俺は顔にも雰囲気にも感情というものが現れないので本当に、

反省しているのか笑っているのかが一切分からないと。

俺としては別に感情がないという訳ではないんだが、父さんが死に、

母さんも車いす生活になったくらいから顔や雰囲気に感情が現れなくなった。

「この調子だとイッセーの子供も見れるかもね」

「……さあね」

そんな冗談などを交えながらも、俺は母さんと散歩を続けた。

 

 

 

 

 

 

 

母さんとの散歩も満足し、母さんもリハビリに行ったので俺はなんとなく、

学校へ赴きアーシアの授業参観の様子を覗きに行こうとクラスまで歩いていると、

廊下で人だかりと大量のフラッシュがたかれているのが視界に入った。

「あ、イッセー君。来たんだね」

後ろから木場の声が聞こえ、振り返ろうとしたときに隣にやってきた。

「なんだか魔法少女が写真撮影をしているらしいって噂を聞いてね。

まあ僕の隣には魔法少年が……冗談だって。そんな目で見ないで」

まあ、冗談はさておき、俺達は大量の人だかりが写真を取っている方へと向かうと、

確かに木場の言う通り、魔法使い……と言っていいのか分からんが、

何かのコスプレをした女がポージングを決め、それを撮っている関係図だった。

ふと、そのコスプレ少女の顔を見た途端にどこか生徒会長に趣が似ているのを感じた。

なんか、あのコスプレ少女の目をもっと強い目に釣りあげたら生徒会長が出来るような……。

「おらおら! 学校の廊下でしかも授業参観の日に、

写真撮影会なんかしてんじゃねえよ! 散った散った!」

向こう側から生徒会の男が走り込んで来て、

やじ馬どもを散らせながらコスプレ少女に詰め寄る。

「あんたも今日授業参観なんだからあまり迷惑をかけないでくれよ!」

「ぷんぷん! 私も保護者なんだぞ!」

コスプレ少女はそう言いながら胸を張る。

正直、コスプレしている保護者なんざ……待て。

俺はそこまで考えてピーンと来た。

保護者―――――その言葉は両親という固定概念に縛られがちだが別に両親じゃなくても良い。

妹の参観に姉が保護者として参加してもその姉は保護者として見られる……つまり、

目の前のコスプレ少女は。

「まさかとは思うが……レヴィアタン様……なのか?」

ボソッと言ったつもりなんだが、向こうさんは非常に耳がいいらしく、

さっきの俺のつぶやきを聞き、

こっちを向くと何故か目をキラキラさせて俺の方に駆け寄ってきた。

「やーやーやー! 君が兵藤一誠君だね!」

「え、ええ」

「私はレヴィアたん! 奇遇だねー! 君も魔法使いで私も魔法使い! 

運命を感じちゃうねー!」

「え、あ、お、おう」

「あのイッセー君が押されている……というよりもレヴィアタン様。

流石に公の場でそのような恰好は」

木場は最初から目の前のコスプレ少女が四代魔王が一人の、

セラフォルー・レヴィアタンであると気づいていたらしい。

正直、こういう性格の奴は嫌いだ。

「ふっふーん! これが公の服装だもん!」

「いったい何事ですか?」

と、そこへ会長が到着……しかし、いつもの凛々しい雰囲気は、

コスプレ少女の顔を見た瞬間に消え去り、軽く絶望した表情を浮かべている。

「あー! ソーナちゃん発見!」

そう叫び、レヴィアタン様は思いっきり人前で妹の会長へと向かっていき、抱きついた。

「あ、うぅ、えあぉ。もうイヤ!」

普段の会長らしくない理解しがたい言葉を発生しながら顔を真っ赤にした会長は、

抱きついている姉を引っぺがして廊下を走っていった。

「待ってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ! ソーナたぁぁぁぁぁぁん!」

「その呼び方はやめて下さいと何度も!」

叫びは二人の姿が見えなくなっても廊下に響いていた。

「……一番悲しいのは会長の親御さんだろうな」

「イッセー君。それは世界の不条理という言葉で言い表すのが最も平和的だと思うんだ」

遠いところを見るような表情で俺達は世の中の不条理というものを脳裏に焼き付けた。

「ところで部長は」

「部長はお父様と魔王様を案内しているところだよ。おそらく、

アーシアさんも小猫ちゃんも参観は終わっていると思うよ。僕たちも行こうか」

「ちょっと待てよ」

木場と一緒に部室へ行こうとした俺の肩を後ろから掴まれ、静止させられた。

別に顔を見なくても魔力と言い方から誰なのかは分かったが正直、

こいつとは一言も話したくはなかった。

「なんでお前私服なんだ」

「家から来たんだ。私服に決まってんだろ」

「そうじゃねえよ。お前だってこの学園の生徒だろが。学園に来るときは制服を着て来いよ」

どうやら相当、俺のことを気に食わないらしい。

「登校義務免除生だか何だか知らねえけど学生である以上、学校来いよ。義務だろが」

「お前の経験だか何だか知らんがお前の文は矛盾している。

まず、学生の義務が登校であるということは俺に当てはまらない。

俺は登校義務免除という許可を貰って登校していないわけで俺に登校の義務はない。

そして俺はなにもさぼっているわけじゃない。校長、理事長、

および他の教員の許可を貰い、さらには生徒会長からも許可を貰っている。

つまり合法的だ。合法的であるゆえに俺は学校に来ていない。

俺が非合法的な方法で来ていないのであれば話は別だがな。お前と話す気はない」

俺の肩を掴んでいるやつの腕をはじき、そそくさと旧校舎へと向かった。




ども
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