ハイスクールD×D inウィザード   作:kue

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第二十六話

天使を覆っていた炎が消えた瞬間、そこに立っていたのは天使ではなく、

どこかライザーに似た風貌をした男だった。

来ている服はすべて赤一色に統一されており、髪の色も赤、

靴も赤だし耳に付けているイヤリングも赤色、さらに指輪も赤色だった。

「俺はフェニックス。名前なんざ捨てた」

「裏切りのフェニックスか」

サーゼクス様は表情を強張らせ、ライザーに似た風貌をしている男性の方を強く睨みつけた。

裏切りのフェニックス……その名前を聞いただけで大体は分かった。

「はっ! サーゼクスじゃねえか。お前も随分と偉くなったもんだな。

今ではルシファーの名を受け継いだ偽物の王様じゃねえか」

「何故、君がここにいる。なんのためにこの会談に忍び込んだ」

「簡単さ。今俺はある組織に所属している。

そこは俺の好き勝手に暴れられる自由な場所さ! アザゼルなら知ってるだろ」

「カオス・ブリゲートか」

裏切りのフェニックスと呼ばれた男は口角をニンマリと上げ、

アザゼルに指で作った銃を向けると楽しそうに撃つ動作をした。

カオス・ブリゲート……また、面倒なことを起こしてくれそうな名前の集団だな。

「アザゼル、その組織はいったい」

「俺がセイグリッドギアを集めている理由のもう一つは、

こいつらとの戦いを想定した上でのことだった。カオス・ブリゲートは旧魔王派の連中が、

立ち上げたとか言う噂があるがいつから動きだしたのかは不明だ……簡単にいえば、

あまりよろしくない影響をこの世界に与えるテロリスト集団だ」

直後、この部屋全体を覆うように以前、

感じたことのある全身の時間が遅くなるような感覚が一瞬だけ感じ、

さらには外から新校舎が攻撃でも受けているのか会談の会場がぐらぐらと揺れ始めた。

一瞬だけギャスパーの魔力が乱れたな……旧校舎の部室に何者かが侵入し、

ギャスパーのセイグリッドギアを何らかの方法で暴走させたか。

「ヴァーリ! 外の奴らを潰してこい!」

アザゼルは声を荒げ、白い鎧の男にそういうと男は何も言わず、

背を向けるとバランスブレイクを発動し、以前見た白い鎧を身にまとい、外へと飛び去った。

辺りを見渡してみると護衛で来ていた奴らは全員停止、俺達の方は木場、

部長と俺以外の奴らは全員時間が止まっていた。

「ついでに教えておいてやる。ここには旧魔王の血を継いだ奴も来てるぜ。

あいつらの方がよっぽど血走っているがな」

フェニックスがそう言った直後、床に青色の魔法陣が出現し、

そこから光があふれ出して裏切りのフェニックスを包み込みだした。

「そこの魔法使い。俺と戦おうぜ。外で待ってるから来いよ」

そう言い、青色の魔法陣に乗った裏切りのフェニックスは外へと転移された。

「お兄様! ギャスパーが」

「ああ、分かっている。まさか、裏切りのフェニックスだけでなく旧魔王派まで、

ここに来ていたとは……我々だけで防衛できるか」

確かに今の状況を鑑みるに弱音を吐きたくなるのも分かる。

いまや護衛は全員停止し、動けるのはわずかに数人。しかもまだ悪魔になりたての俺を、

含めた若い連中しか動けていない。

おそらくサーゼクス様とミカエルさまはこの校舎を護るために結界を張っているから動けない。

動けるのは俺と木場、部長、ゼノヴィア、そしてアザゼルだけ。

「ひとまず、ギャスパー君のことだ。どうにかして彼の場所まで行ければ」

「それならイッセーの魔法で行けます」

「イッセー君。頼めるかい」

何も言わず、俺は魔法陣を展開した。

「何人でも飛ばせるぞ……俺的には木場と部長が行けばいいと思うんだが」

「イッセーは? イッセーこそ適任じゃ」

「俺はあいつを倒す必要がある。それにあいつはお前が思っているほど心が弱い男じゃない。

誰かのためになるなら予想外の力を発揮する……そういうタイプだ」

「……行きましょう。部長」

木場の言葉に部長は首を縦に振り、俺が展開した魔法陣に乗った。

二人が乗ったのを見計らって、俺は魔法を発動させ、

二人をギャスパーがいるもとへと転移した。

「よし。ギャスパー君は二人に任せて、

ゼノヴィアにはヴァーリ君と一緒に魔法使いの撃退を頼みたい」

「了解した」

そう言い、ゼノヴィアはデュランダルを出現させてそれを握り締め、外へと出ていった。

魔法使いは白龍皇とゼノヴィアに任せればなんとかなる……問題は、

裏切りのフェニックスと旧魔王の血を受け継いでいるという旧魔王派の連中か。

「すまないがアザゼル。ここは任せたい」

「ああ、任せろ。お前らはここの校舎を頼んだ。行くぞ、兵藤一誠」

新校舎を御二方に任せ、俺とアザゼルの足もとに魔法陣を展開させ、

外へと転移させると、目の前に腕を組んだ裏切りのフェニックスと女の悪魔が立っていた。

「よう! 待ってたぜ魔法使い!」

男は楽しみにしていたらしく、笑みを浮かべながら俺の方を見てきた。

こいつと遊んでいる時間はない……すぐに決着をつける。

『フレイム・ドラゴン。ボー・ボー! ボーボーボー!』

魔法陣を展開するとそこから炎を纏ったドラゴンの幻影が現れ、

俺の周りを旋回し始め、幻影が消えたと同時に俺は鎧を身に纏っていた。

「レヴィアタン。俺の戦いが終わるまで手ぇ出すなよ」

「はいはい」

呆れたようにそういうと、女悪魔は後ろへ下がった。

互いに互いを睨みつけ、一瞬の沈黙が流れた。

――――――刹那。

「うおぉ!」

「ふん!」

同時に炎を推進力として爆発させ、突進し、

そして同時に拳を突き出すとそれぞれの拳がぶつかり合い、辺りに爆風と炎がまき散らされた。

拳がぶつかり合った瞬間にもう片方の腕で顔面を殴り飛ばそうとするが、

それは相手の空いている腕に防がれた。

いったん距離を取ると相手が掌に炎を集めてあっという間に巨大な火球を作り出し、

俺に向かって投げてきた。

だが、その火球は俺の拳に当たった瞬間、俺の籠手へと吸い込まれるようにして吸い寄せられ、

さらに強化された状態で相手に投げ返した。

「ハッハー! やるじゃねえか!」

相手は投げ返された火球を背中に炎の翼を作り出して避け、

相手の視線が俺から外れた瞬間――――――。

『テレポート・プリーズ』

『チョーイイネ! キックストライク! サイコー!』

テレポートで奴の頭上へと瞬間的に転移し、

足に炎を纏わせながら空高くから奴めがけて急降下していく。

「だぁ!」

「ぐぅぉぁ!」

腕を交差させて蹴りを防ぐが俺は無理やり脚を振り、相手を地面にたたきつけた。

「はっ! やるじゃねえか!」

『チョーイイネ! スペシャル、サイコー!』

背後から魔法陣が出現し、そこから先ほどの幻影が現れて、

俺の背中に当たるように突進してくると鎧の胸の部分からドラゴンの頭部が現れ、

大きく口を開いた。

「あ?」

「フィナーレだ」

叩きつけられたことにより頭から血を流しているフェニックスは不思議そうに俺を見ていたが、

俺は容赦なく奴に火炎を叩きつけた。

「これでフェニックスは終……何!?」

火炎を叩きつけられた奴は平然とした顔で立っていた。

確かにスペシャルの炎が通じないことはこの前のコカビエルの時にもあったが、

あの時奴は聖なる力で壁を作って防いでいた!

あいつは炎を直撃しているにも拘らず平然としてやがる!

「確かに悪魔のフェニックスなら倒せた火力だ。

だが……裏切りのフェニックス様にこの程度の火力が効くかぁぁぁぁ!」

「うわっ!」

フェニックスが腕を夜空に向けてあげると、奴から莫大な炎が噴き出され、

俺が放っていた火炎を全て飲み込み、熱風が俺を吹き飛ばし、ドラゴンの頭部が消えさった。

「くっ! ぐぅ!」

起き上がろうとしたところにフェニックスが足を叩きつけてきた。

「けっ! しょうもねえ戦いだったぜ。その顔、叩き潰してやるよ」

フェニックスは手に炎を集め、それを長細く伸ばすと炎が固形化して、

真っ赤に染まっている大きな刀が出現した。

こいつ! 炎を固形化して剣を作りやがった!

「んじゃ、とっとと死ね」

『コネクト、プリーズ』

「何!?」

『チョーイイネ! キックストライク! サイコー!』

「だぁ!」

「うぉ!」

奴が剣を振り下ろした瞬間、俺はコネクトでアスカロンの鍔の部分を出し、

そこでフェニックスの剣を受け止め、奴の腹部に蹴りを入れて遠くにまで吹き飛ばした。

「くっ! やるじゃねえか」

「おれをライザーを倒したときの俺だと思うな。お前と遊んでいる時間はない。これで決める」

『ウォーター・ドラゴン。ジャバジャババッシャーン、ザブーンザブーン!』




どうも~。もうすぐ大学のテストです。
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