ハイスクールD×D inウィザード   作:kue

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第二十七話

魔法が発動し、今度は水を纏った青色のドラゴンの幻影が出現し、

俺の周りを何周か旋回した後、消滅すると同時に周囲に大量の水が拡散し、

俺の周りの地面が水を吸って砂から泥へと変わり、俺は青色の鎧を身に纏っていた。

「はっ! コロコロと色が変わりやがる!」

フェニックスは先ほどよりも何倍も大きい火球を生み出し、

俺に投げつけて来たのを確認し、目の前に青色の魔法陣を二つ展開し、

そこから膨大な量の水を放出し、一瞬にし炎をかき消した。

「な!? 俺の炎が!」

「言ったろ。これで決める」

『チョーイイネ! ブリザード! サイコー!』

「うおぉぉ! 冷気か!?」

目の前の青色の魔法陣を展開し、

そこに手を置いて魔力を流しこむと魔法陣から全てを凍りつかせる冷気が放出され、

フェニックスへと向かっていき、奴のもとへ行く前にも通り道を次々と凍らしていく。

冷気がフェニックスに直撃するがやはり相手は腐ってもフェニックスの力を持つ悪魔、

全身から大量の炎を噴き出して冷気と相殺させ、自分が凍らされるのを何とか回避していた。

「ぐうぅぅぅぅ! この程度で! この程度で俺が凝らされてたまるかぁぁぁ!」

フェニックスは全身から炎を放出し、

無理やり冷気を押し返すと俺の方へ向かって走ってきた。

しつこい奴だ……まだ、あとがつっかえているんだ。とっとと消えろ。

『ウォーター、スラッシュストライク! ジャバジャババッシャーン!』

「はぁ!」

「何!?」

コネクトでアスカロンを完全に呼び出し、刃に手を置くと籠手から音声が流れ、

アスカロンの刃を回転するように水の魔力があふれ出し、

そのまま魔法陣に向かって水の一撃を放つと、

魔法陣ではじけた大量の水がフェニックスにかかり、

その水が冷気によって凍らされ、奴は完全に氷の彫刻と化した。

「これで終わらせる!」

『チョーイイネ! スペシャル! サイコー!』

背後に赤い魔法陣が現れ、俺のおしり辺りに引っ付くとそこからドラゴンの尻尾が生えた。

「砕け散れ!」

俺は軽くその場で跳躍し、

一回転した勢いのまま尻尾を氷の彫刻に叩きつけると尻尾の先で氷が切り裂かれ、

フェニックスごと氷が砕け散った。

辺りにキラキラと月明かりで輝く氷の結晶が舞う―――――だが、

その幻想的な景色に闇が重なり、上を向いた俺の視界の先には……巨人がいた。

「なんだ……こいつは」

「おいおいおい。こいつはオークじゃねえか、しかも見るからに族の長か。

しかも生殖期に入ってやがるじゃねえか! 兵藤一誠! 気をつけろ!

生殖期に入ったオークのオスはかなり気性が荒い! 

同族のメスだけじゃなくて他種族のメスすらも抱くって聞いている!」

『グオオォォォォォォォォォォ!』

『フレイム、プリーズ。ヒー・ヒー、ヒーヒーヒー!』

俺は方向をあげ、聞いた通り気性の荒いオークの拳を避けながら一段階下の魔法を発動し、

鎧を解除して籠手を赤色に戻した。

「カテレア。どうやってこいつを使い魔に」

「簡単よ。叩き潰しただけ。あの悪魔はこの子に任せて貴方を殺すとしましょうか!」

なるほど。戦いの中でどちらが圧倒的な存在であるかを知らしめただけってことか。

「なら、俺もとっておきの奴を召喚しようか」

『ドラゴラーイズ! プリーズ』

上空へ魔法陣を展開させるとそこから莫大な量の炎が放出され、

放出された炎がやがて一体の巨大なドラゴンへと形を変えていく。

『オオォォォォォォォォォ! 懐かしい! いったいいつ以来だ!

俺の眼でこの空を見たのは! そしてお前が』

俺の中に宿るドラゴンはその大きな眼で俺の姿を捉えるとニンマリと口角を上げた。

『意外と醜い姿だな。人間』

「っ!」

突然、奴が大きな口をあけたかと思うとそこから巨大な火球が俺めがけて放たれた。

「ちっ! 何をしている! 俺じゃなくてあいつを狙え!」

『断る! いくらか姿も変えられ、

力は拘束されているようだが貴様程度の存在ならば簡単に踏みつぶせる!』

そう言い、巨大な翼を羽ばたかせて少し宙に浮くと、

その何トンもありそうな全身を使って俺めがけて振ってきやがった。

「バカが」

『テレポート、プリーズ』

俺は踏みつぶされる前に奴の背中に転移し、

右足で強めにダン! と奴の背中を踏むと足から俺の魔力が流し込まれ、

奴を拘束している拘束具の間を通って線が走り、奴の苦悶に満ちた声が聞こえてきた。

「ドラゴン、俺に従え」

『ぐぅぅ! き……さ……ま!』

徐々に奴の眼から光が消えていき、完全に奴自身に意識が奥底へと沈みこみ、

俺の言うことを聞くペットへと変わった。

たっく、俺の中じゃ好き勝手出来ないから力を使わせておきながら、

拘束された状態で外に出されたらすぐに裏切るのか。これはなかなか使えないな。

『グオオォォォォォォォォォォ!』

オークはどこから出したのか分からない巨大な棍棒を俺たちに向かって、

振り下ろしてくるがドラゴンが翼を羽ばたかせて宙に舞ったことで回避した。

『グボァァァ!』

ドラゴンの口から巨大な火球が放たれ、地上にいるオークに直撃し、その肉を焼き尽くすが、

オークは熱の痛みなど感じないのかなんらひるまずに俺たちに向かって跳躍してきた。

「まあ早いが、フィナーレだ」

『チョーイイネ! キックストライク! サイコー!』

魔法を発動し、俺が跳躍するとドラゴンの形が変化していき、

巨大な足の形をした装備となるとそこへ俺の脚をぶつけると魔力でくっつき、

さらに巨大な足の形をした装備から炎が噴き出し、炎で形作られた巨大な足が出来上がった。

「だぁぁ!」

炎の巨大な足の攻撃による蹴りは棍棒ごと相手を粉砕し、

オークは大爆発を起こし、塵となって爆発四散して消え去った。

「よっと」

装備具から飛び降り、地面に足をつけると装備具が元のドラゴンの姿となり、

ドラゴンは炎となって消え去った。

「終わったか。こっちももう終わる」

声がした方向を向くと血だらけの悪魔の女とドラゴンを模した黄金の鎧を身にまとい、

背中から十二枚の黒い翼を生やしたアザゼルがいた。

状況から見るに既に勝負は決したか。

「タダで死ぬと思うな!」

女の腕がウネウネと触手にようなものに変化すると、

その腕は凄まじい速度でアザゼルに向かい、

奴が避けるよりも前に奴の腕に絡まりついた。

「俺ごと自縛するってか?」

「もちろんです! 総督一人殺せば目的は果たされる」

だが、その言葉の後にアザゼルは容赦なく自分の腕を切り捨てた。

「っ! 自分の腕を」

そこまで言いかけたところで女の腹にアザゼルが生み出した光の槍が突き刺さり、

女は塵となって消え去った。

これで襲撃者はすべて死んだか……。

そう考えた瞬間、突然夜空が一瞬光ったかと思うと、

アザゼルめがけて巨大な白い魔力の塊がいくつも降り注いだ。

幸い、アザゼルはすぐさまその場から回避したことにより軽症で済んだ。

「ちっ! こんな時に反旗を翻すのか!? ヴァーリ!」

奴が睨みつけた先の夜空に白い鎧を身に纏った男が立っていた。

「ああ、そうだよ。でも、アザゼル。あんたの顔はそんなに驚いているようには見えないが」

「イッセー!」

背後から名を呼ばれ、振り返るとギャスパーを連れた部長と木場がこちらに走って来ていた。

この状況を見てギャスパー以外の二人は一瞬で理解したらしく、驚きに顔を染めた。

「まあな。このタイミングでの裏切りは別におかしいことはねえ。いつからだ」

「コカビエルを運んでいた時さ。その時に誘われたんだ。こっちの方が戦いやすくてね。

フェニックスが言っていたのと似ているのさ」

そう言いながら幻想的なまでの光景を生み出している羽を使い、

地上へと降り立つと俺の方を見てきた。

「君は結構、特殊なんだよ」

「どういう意味だ」

「本来、強力な魔法使いというものは親も魔法使い、

その血筋をたどっていけば名が歴史に残っている者の血を引くことが多い。

だが君は違う。少し、調べさせ貰ったが君は一般の家系だ。

父親はすでに他界、母親は事故により下半身麻痺。とてもじゃないが、

魔法には関係していない。何故だ? 何故、そこまで強力な未知の魔法を創造し、

扱うことができる。旧魔王の血筋を引くおれでさえ、魔法は作れないんだ」

「ど、どういう意味?」

今度は部長が驚いていた。

「こいつのフルネームはヴァーリ・ルシファー。正真正銘の魔王の血筋を引く男だ」




夏休み真っ只中ですよ! 最近、地球防衛軍にはまっております。
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