ハイスクールD×D inウィザード   作:kue

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第二十八話

「そ、そんな嘘よ」

告げられた真実に順応できていない部長は首を左右に振って、

否定し続けたがそれだけで事実が変わることもなく目の前に立っていた。

ルシファーの名を継ぐ、本当の魔王が。

「君の魔法は面白い。特にその鎧の色を変える魔法を……龍の魔法、

ドラゴンズマジックとでも名付けようか。御託はもう良い、俺は君と戦いたいんだ」

「……良いぜ、俺もお前と戦いたかった。魔王の血を引く者よ」

『ランド・ドラゴン。ドッデンドッゴッドッゴーン! ドッデンドッゴッドッゴーン!』

音声が発せられ、黄色いドラゴンの幻影が現れて俺の周囲を何周か旋回し、

消え去ると俺は黄色い鎧を身に纏っていた。

「ほんと、君の魔法は面白い。もしかしたら小さい子には受けがいいかもね。

その音声といい、魔法といい」

『チョーイイネ! スペシャル サイコー!』

目の前に黄色い色をした魔法陣が現れ、そこから先ほどのドラゴンの幻影が現れ、

俺の両腕の手首から先の方を周りを何周か旋回すると、

そこにドラゴンの鋭い爪を生やしたクローが現れた。

「行くぞ、ヴァーリ・ルシファー」

「ふははははは!」

奴は狂ったように笑い声をあげ、籠手から小型の魔力弾を何発も俺に向かって乱射するが、

俺はそれをかわさずに敢えて、喰らいながらも無視して、奴に向かって走っていく。

「良いね! それでこそ俺のライバルだ!」

奴も駆け出し、俺に向かってくる。

奴のセイグリッドギアはディバイン・ディバインディング。

触れた相手の魔力を十秒ごとに半分にし、半分にした魔力分だけ己の魔力を増大させる! 

強力故に有名なセイグリッドギアだから、

いろんな書物にその能力が書かれていることを後悔しろ。

俺は奴が振るってくる拳をギリギリのところで避け、

クローで奴の鎧を斬りつけると火花が散り、少量の鮮血が舞い、

地面には破片となった白い鎧が散らばっていた。

「くっ! なかなかの切れ味だな!」

ヴァーリは籠手から巨大な魔力弾を俺に向かって放ってくるがそれをクローで切り裂くと、

目の前にヴァーリが突然現れた。

俺はすぐさま奴の背後に空間をつなげた魔法陣を俺の背後に出現させ、

そこへ倒れ込んで奴の背後に回り、クローで切りつけようとするが背中から魔力が放出され、

その際の衝撃で軽く吹き飛ばされた。

「やはり君の魔法は戦っていて怖いよ。どこにでも転移でき、

発動時間も既存のどの魔法よりも早く、効果も比べ物にならないくらいだ。

牽制にも使える。君の魔法は多種多様という訳か」

「ごちゃごちゃうるさいぞ」

クローを横に、縦に振るうと十字型に黄色い衝撃波がヴァーリに向かって放たれた。

「よっと!」

ヴァーリは衝撃波を態勢を後ろに崩して、

衝撃波を避けるがすぐさま奴は白い籠手を俺に向けた。

そりゃあ、そうだ。

鋭い爪を金色の輝きが溢れるまで溜めこんだクローを装着している俺が上空に現れたんだから。

金色の衝撃波と白い魔力弾が同時に放たれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ……ハァ」

ボタボタと滴り落ちる血液が地面を赤く汚し、白色の鎧も赤く汚している。

俺も鎧を見ればダメージはないように見えるが、中は結構、傷ついており

ところどころ血が流れているが奴ほどではないように思える。

あの時、俺の衝撃波が先に奴に着弾したことで直撃は免れた。

が、直撃でなくともこの威力……流石は時に聞く白龍皇。

「まったく……とんでもない存在がいたものだ。バランスブレイクと

同等に戦える魔法を生み出したんだからな」

「悪いが……これで終わらせる」

『チョーイイネ! グラビティ、サイコー!』

「う! ぐぅぅぅぅぅ! 重力を操る魔法か!」

奴の上空に黄色い魔法陣が現れ、そこから景色が歪んで見えるほどの

重力がかかり、奴の体重が何倍にも跳ね上がり、地面にめり込んだ。

『ウォーター・ドラゴン。ジャバジャババッシャーン! ザブーンザブーン!』

『チョーイイネ! ブリザード! サイコー!』

鎧の色を青色に変え、目の前に青色の魔法陣を展開し、

そこへ手を置いて魔力を流しこむと魔法陣の周囲の地面が凍りついていく。

これで奴に止めを刺す。

「終わりだ。ヴァーリ・ルシファー」

「ふっ」

『DividDividDividDividDividDivid

DividDividDividDividDividDivid

DividDividDividDividDividDivid!』

冷気を放とうとした瞬間、奴が一瞬だけ笑みを浮かべた。

その直後、奴の籠手から音声が何度も鳴り響き、俺の魔力が半分、

また半分と減っていき、逆に奴は倍々に跳ね上がっていく。

な……なん……起こって。

突然、魔力がなくなったことにより鎧も魔法も維持できなくなり、

パリン! とはかない音をたてて鎧も魔法も消え去り、地面に膝をついた。

「ゼェ……ゼェ」

呼吸が荒い俺とは対照的なまでに奴はピンピンしていた。

「うん。やはり、魔力があると体力も元に戻る」

「何を……した」

息も途切れ途切れになりながらも奴に問いただすと、

奴は口角をニンマリと上げてしてやったり! といった様子だった。

「俺のセイグリッドギアの能力は触れた者の魔力を十秒間、

バランスブレイク時はその制限を取っ払い、一秒で何度も発動ができる」

「だから……俺は貴様に触れさせない……ように戦いを……した」

「ああ、そうだね。だがよく考えてみなよ。ほんとに君は触れられなかったのかい?」

「どう……いう意味だ」

「分かりにくいのならこう聞こうか。“君は今日、一日俺に触れられなかったのか?”」

その発言で俺は過去数時間の記憶を探っていき、ある一つの答えにたどり着いた。

そうだ……俺は奴に一度、触れられた。会場に入ったところで俺は……。

「気づいたようだね。この籠手が触れたものを記憶する期間は一日。

一日が経てば記憶は自動的に消されるが逆にいえば、

その一日以内ならどこへいようが半分にできる。ただし、俺が自覚して触れた場合のみ」

そうか……こいつはこの状況になることを最初から想定し、

最初のうちに俺の触れておくことで戦況をひっくり返す策を打っていた訳か。

「アルビオン。兵藤一誠は“あれ”を見せる価値がある。そう思うだろ?」

『見せてやろう。今の我らの力を』

その直後、奴の全身から圧倒的な質のオーラがあふれ出した。

「我、目覚めるは――――――」

<消し飛ぶよっ!> <消し飛ぶねっ!>

奴の声ではない声がどこからともなく聞こえてくる。

「覇の理に全てを奪われし、二天龍なり――――――」

<夢が終わるっ!> <幻が始まるっ!>

「無限を妬み、無幻を想う―――――――」

<全部だっ!> <全てを捧げろっ!>

言霊が一つ一つ、

発せられるごとに奴から放たれてくるオーラがより質の濃いものへと変化していく。

「我、白き龍の覇道を極め汝を無垢の極限へと誘おう!」

その瞬間、奴を飲み込むように圧倒的なまでの質量の魔力が放出され、

奴の周囲の地面がさらにへこみ、辺りに風が吹き始めた。

圧倒的なまでの存在が今、俺の目の前に立っていた。




こんばんわ。書きためはすでにオリジナルの話まで行っております。
D×Dの二次で残すのはおそらくこれだけです。
後は英雄派との戦いで切るか、ですね。
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