ハイスクールD×D inウィザード   作:kue

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第三話

翌日の朝、俺は正直どういう反応をしていいのか分からないでいた。

「あらあらまあまあ。こんなにも美人な人とお友達だったなんて」

「ふふふ。お義母様こそ大人の色気が溢れ出ていますわ」

早朝のバイトから帰って見るとやけに母さんの楽しそうな声が聞こえてきたから慌てて、

家の中に入って見ると何故か、リアス・グレモリーが母さんと楽しそうに談笑していた。

……心配した分を返せ。

「母さん嬉しいわ。イッセーがこんなに美人な女性と出会っていたなんて」

「イッセー君は新しく入ってきた後輩ですもの。部長としてイッセー君のお母様に、

ご挨拶をしに来ましただけなのにこんなにもおいしいご飯をふるまって下さって」

車いす生活になっても母さんは料理に関しては自分がやると言って、聞かなかった。

だから、その為に台所を母さんが車いすに乗った状態でも、

料理が出来るような高さにリフォームした。

まあ、借金してだけど。

「あ、そろそろ時間ね。イッセー、リハビリ行ってくるね」

そう言って、母さんは玄関へと車いすを巧みに操作してスイスイ~っと行って、

外で待機していたヘルパーさんのところへと向かった。

……本当に車いすだけの障害物競争に出たら絶対に俺の母さんが優勝する気がしてならない。

「……いいお母様ね」

「ええ。自慢の母です」

「さ、イッセーには悪魔の研修を受けてもらうわ」

「残念ながらバイトです」

「大丈夫。バイトは全てクビよ」

言っていることがよく分からなかった。

確かに今朝のバイトは契約切れでクビとは言わないけど……クビか。

まあ、そんな状態になったけど全てのバイトがそうなったわけじゃ。

「私が貴方を雇うわ。事情は後で説明するけど、今は何も言わないで頂戴。

悪魔も会社みたいなものでね。利益を出さないといけない」

「それで俺に働けと」

「もちろん。とりあえず、学校に行くわよ」

手を取られ、無理やり気味に学校へと連れていかれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の真夜中、母さんが爆睡した時間帯に俺は自転車を爆走させて目的の家まで走っていた。

母さんは一度、

眠れば十時間後にしか絶対に目を覚まさないから一度眠れば翌日まで絶対に起きない。

そして、何故俺が自転車を爆走させているかというと悪魔稼業というものをやっており、

依頼者のもとへと向かっている。

大昔は悪魔も純血が多かったらしいんだが他種族との大戦で純血の多くが死に、

種の存続に瀕した悪魔はあるシステムを開発した。

それが他種族を悪魔へと転生させる駒、イーヴィルピース。

チェスの駒に似せたものらしい。

「めんど」

本当なら転位させてもらうはずだったのが俺の魔力量が多すぎたため、

重量オーバーに似たような状態になり転位できなかったから、

自転車で向かっているんだがいかんせん、依頼者の家が遠すぎる。

『貴方は最強の魔術師になれる』

頭の中にレイナーレの声が響いた。

「出来るのかね……空間と空間を繋ぐ」

『コネクト。プリーズ』

頭に魔法の様子を浮かべながら手を翳すと突然、肘から下を覆うように赤色の籠手が出現し、

何処からともなく音声が鳴り響き、目の前に魔法陣が現れた。

「……ま、気にしないが勝ちか」

試しにその魔法陣を通過してみると、

魔法陣の先につながっていたのは俺が向かっていた依頼者の家だった。

「ほ、本当だったんだ! 魔法使いは本当にいたんだ!」

何やらはしゃいでいる大学生っぽい奴がいるが、とりあえず俺は自転車を降りてもう一度、

同じ魔法を使い、魔法陣を展開してそこへ自転車を放り投げると自転車が消え去って、

その直後に魔法陣が消えた。

「あ、改めまして! 僕も魔法使いになりたいんです!」

「無理だな」

ズコーッ! と関西の芸人がこける様に依頼者が机の上でスライディングする感じでこけた。

「そこをなんとか! 一日限定でも良いですから!」

「そもそも、俺も魔法使いじゃない」

「そうですか……じゃあ、もっと魔法を見せてください!」

と言われても俺もさっきのやつ以外に使ったことないし……さっきの要領でやればいけるかもな。

何か使えるものはないかと周りを探すと机の上のペン立てが目に入り、

そこから一本の鉛筆を取り出し、頭の中で魔法を思い浮かべる。

『ビッグ。プリーズ』

「おぉぉ! 鉛筆がでかくなっちゃったー!」

手を翳すと目の前に魔法陣が現れ、そこに鉛筆を突っ込むと突っ込んだ部分が凄まじいほど、

大きくなった。魔法陣から鉛筆を引くと、元の大きさにもどり、魔法陣も消失した。

「まだあるんですよね!?」

キラキラとした目で見られ、断るに断れなくなった俺は再び頭の中で思い描いて、手を翳した。

『スリープ。プリーズ』

出現した魔法陣が依頼者を通った直後、依頼者は床に崩れ落ちて寝息を立てて眠りについた。

「……良い夢を」

『コネクト。プリーズ』

現れた魔法陣を通ると、繋がっていたのは部室だった。

全員が全員、魔法陣から出てきた俺を驚きの目で見ていた。

「あ、えっと、とりあえずお帰り」

妙な空気が部室に流れ始めた。

「見たことがない魔法ね。ねえ、イッセー。他にも使ってくれないかしら」

『ビッグ。プリーズ』

手をかざし、魔法陣を出すとそこに手を突っ込むと何倍にも大きくなった手が現れた。

ひっこ抜くとまた元の大きさに戻った。

「魔法もすごいですがイッセー君の手に装着されているのは」

「……トウワイスクリティカルかしら」

ペタペタと触りながら木場とリアス・グレモリーがマジマジと、

腕に装着されているものを見てくる。

その時、ガチャッとドアが開けられ、ポニーテールの女が硬い表情で中に入ってきた。

「大公から討伐の連絡ですわ」

 

 

 

 

 

 

『ライト。プリーズ』

町のはずれにある真っ暗な森の中を俺の魔法が明るく照らし、

目的の場所への道を記してくれた。

俺達がここへ来た目的は悪魔を裏切った者―――――はぐれ悪魔と呼ばれる存在の討伐だった。

悪魔にしてもらいながらその主を殺した、悪魔の力に魅入られ罪のない人々たちをその手で、

殺めた存在などを総じてはぐれ悪魔と呼んでいるらしい。

「ここね」

到着したのは古びれた教会のような場所だった。

リアス・グレモリーが教会のドアを開けようと手をさしのばした瞬間、

バチッ! という音とともにドアの目の前に光の壁が現れた。

「まだ、天使の加護が生きていたなんてね」

指先から流れ出る血を見ながら、憎らしげにそう言った。

確かにドアの前にはなにやら魔力が走っているのが見えるけど、

正直に言うと俺なら解けるという自信があった。

じーっと見ていると壁を構成している魔力の情報が全て俺の頭の中に流れ込んでくるようで、

綻びがある場所を見つけた。

「イッセー。離れてちょうだい。加護ごと教会を」

「その必要はない」

綻びのある場所に魔力を少し、注入してやるとガラガラと光の見えない壁が崩れ去り、

キィーっという音とともに少しドアが開いた。

「イッセー。今のは」

「話は後だ。来るぞ」

ドアを開けた瞬間、凄まじい悪臭と俺たちに殺気が向けられ、

否応にも戦闘態勢を取らざるを得ない状況となった。

『なんだかすごい量の魔力があるな~。甘いのか? 辛いのか?』

くぐもった声が上から降り注ぎ、上を向くと天井に何やら巨大な存在がぺたっと張り付いて、

俺達を見ていた。

「はぐれ悪魔バイサー! グレモリー家のなにかけて貴方を滅するわ!」

『小賢しいガキが!』

リアス・グレモリーの言葉に激高したのか、天井から降りてきた。

月明かりに照らされたその姿は下半身が大蛇のように長く、そして太く、

上半身は人間の女とさほど変わらない全裸の恰好だった。

「イッセー。貴方は見学よ」

そう言われ、後ろに引っ込むと剣を持った木場がゆっくりと、

バイサーに向かって歩いていく。

「祐斗に与えた駒はナイト。その特性は」

『死ね!』

木場に向かって太い下半身が鞭のように振るわれる……が、下半身が木場を潰す前に、

あいつの姿が一瞬にして消え去り、血飛沫が舞い、バイサーの悲鳴が木霊した。

……あの時もあの速度で移動していたのか。

「ナイトの特性は高速移動。そして」

喋っている俺達の上にでかい尻尾が振ってくるが、翼を生やし、

白い髪の毛を持った小柄な女がでかい尻尾を殴り飛ばした。

……あの体格で殴り飛ばせるか。

「今、尻尾を殴り飛ばしたのは塔城小猫。彼女の駒はルーク。

特性は怪力と凄まじい防御力よ」

「後は私が」

後ろからカツカツと音を立てながらゆっくりとポニーテールの女が、

痛みに悶えているバイサーに近づいていく。

「彼女は姫島朱乃。駒は私の次に強いクイーン」

『アババババババッバア!』

説明の途中でバイサーの断末魔と、視界を潰すほどの雷光が降り注ぎ、

教会の床に大きな穴をあけた。

肝心のバイサーは落雷の直撃を受け、全身からプスプスと煙を上げて体を、

ビクビクと痙攣させていた。

「能力はこれといってないけど全体的に能力が高めよ」

「俺は?」

「貴方はポーン」

『ビッグ。プリーズ』

横に魔法陣を出現させ、そこに手を突っ込んで手を巨大化させて横に大きく振るうと、

リアス・グレモリーの後ろから迫っていたでかい尻尾が弾き飛ばされ、

壁に穴をあけて外へと吹き飛んでいった。

「駒の価値は弱いけど可能性は最高よ」

『ぐ……ぞ』

最後の不意打ちが呆気なく弾かれたのを見て勝てないと悟ったのか、

はたまた先ほどのダメージが限界を超えたのかバイサーは、

悔しそうなつぶやきを残して意識を落とした。

「そして、私―――――リアス・グレモリーは貴方達下僕のキングであり」

リアス・グレモリーがバイサーに手を翳すと魔法陣が展開され、

その中央部分に漆黒の魔力が凝縮されていく。

その魔力を見て一つ、感じたのは―――――――無。

「オカルト研究部の部長よ」

その一言ともに凝縮された魔力が放たれ、バイサーを飲み込み、

魔力が晴れた時には塵一つ残さず消滅させた。




こんばんわ
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