ハイスクールD×D inウィザード   作:kue

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第四十三話

十人の刺客を倒し、奥を進んでいる俺達の前に三人の刺客が現れた。

一人はブロンドの髪をした女性、あとの二人は性別は今一、

分からないが敵であることは間違いはなかった。

「そうね。フードをしている二人は祐斗に。残りは私が」

「あらあら、私が行きますわよ?」

「朱乃。貴方は確かに雷光に目覚めて調子がいいわ。でも、

その調子が油断になり、隙を生む。私が行くわ」

そこから二人のちいさな口論が生まれてしまった。

喧嘩が多ければ仲は良いと言うが、流石にこの状況で口論されては非常に困る。

既に木場なんかは戦いを始めている。

そんなことを思っていると俺の肩を叩かれ、振り返ると俺の身体をよじ登っている小猫だった。

「先輩。二人にこれを言ってみてください。先輩の魔法を超える最強の魔法ですので」

耳元でボソッと小猫が言った言葉はあまり最強とは思えない魔法の言葉だった。

よく分からんが……行ってみるか。

「先に相手を倒したら俺と一日、デート。しかも手もつないでやる」

直後、どちらともなく一気に魔力を増大させた。

「喰らいなさい! きゃっ!」

朱乃が雷光を放とうと手を翳した瞬間、

部長がわざとらしくよろけて朱乃にぶつかり、押し倒した。

「あらあら、ごめんあそばせ。ちょっと貧血が。さあ、私の滅びの魔力をきゃっ!」

今度は立ち上がった朱乃が部長を突き飛ばし、

手を翳すがすぐに部長が朱乃を突き飛ばし……それらがループしてしまった。

突き飛ばしては突き飛ばされの無限ループ。

「貴方達いい加減に!」

「「ごめんあそばせ! 貧血でよろけちゃったわ――――――――!」」

同時にその言葉を言い放ち、同時に手をかざし、同時にそれぞれの能力をはなって、

相手にぶつけると滅びの魔力と雷光が相手に襲いかかり、地面と壁に大きな穴をあけた。

……既に相手の姿は魔力も、服の端っこさえ見えなかった。

「ちょっと貧血が!」

「ちょっと足を挫いて!」

未だに二人は無限ループの押し倒しを続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、イッセー君が二人とデートをするという約条を取りつけたことにより、

なんとか無限ループは壊され、次のステージを進むことが出来た。

だが、次のステージへ行ってもフードを被った奴はおらず、逆に見知った顔が立っていた。

「ちゃっす! おらフリード!」

そこに立っていたのは白髪神父だった。

あいつは僕が倒してヴァーリにグリゴリに連れていかれたはず。

「……その人、人間じゃないです」

小猫ちゃんは鼻を押さえてそう言った。

確かに、彼から感じられる魔力は人でも悪魔でも何でもなかった。

白髪神父はペッと何かを吐きだすとそれは指だった。

「ちみ達が遅くてお腹が減っちゃったから食っちゃった♪」

……確かに、彼は人をやめているらしい。

すると彼の身体が異様なまでに膨らみ、腕は逆を向き、足は人の何倍も太くなっていた。

「ヒャハハハハハハッハハハハハ! ゴミヴァーリに連れて行かれ、

腐れアザゼルに首にされるわ、

カオス・ブリゲードに拾われて気がついたらキメラになっちゃったわけよ!」

両腕は以前イッセー君が戦ったキマイラのように鋭い刃を持ち、下半身は太く、

背中からはコウモリのような翼が生えていた。

どうやら、完全に人間としての誇りも、何もかもを捨てたらしい。

「にしてもディオドラの坊ちゃんの話はドキがムネムネしちゃったZE!」

突然、ディオドラの話を出した白髪神父はうっすらと微笑を浮かべる。

「あの坊ちゃんの卷族ってさ! 教会の元シスターやら女エクソシストなんかの

元教会関係者なんだよね! 教会内での地位を落とした後に助ける振りして心を奪って、

シスターたちを抱きまくっちゃったんだZE!」

「…………まさか」

僕も含めたこの場にいる全員がある一つの答えにたどり着いた。

先ほどの話を信じればディオドラは……ディオドラはアーシアちゃんの地位を落とすために、

わざと近づいて傷を癒させたんだ!

「そう! あの坊ちゃんはアーシアちゃんに惚れちゃったからわざと、

地位を落としてから自分の手駒にしちゃう計画だったんだぜ! 爆笑ものだろ!? 

まったく、アーシアたんも……」

そこでフリードは突然、しゃべるのを止めた。

何か恐ろしいものでも見るかのような目で僕達を……いや、

イッセー君の方を見ていたから僕もそっちへ視線を動かした。

「っっ!」

そこにいたのはイッセー君ではなく、血のように赤い体色に両方のこめかみのあたりから、

二本の角が前を向く感じで生え、目の色は真っ黒な仮面を被っている存在だった。

僕は一度、目をこすり、もう一度彼を見てみるといつもの彼だった。

彼のディオドラに対する殺気が生んだ幻影なのか、それとも何かを知らせる報せなのか。

「木場、とっととあいつに止めを刺せ」

「もちろん。すぐにあの口をふさごう」

僕は魔剣を創造し、握り締めた。

「たっく、てめえのおかげで俺はこんな姿だよぉぉぉぉぉぉ!」

フリードはその巨大な翼で僕に殴りかかってくるが――――――。

僕はそれを超える速度で移動し、一回ならずなんども彼を切り刻んだ。

両腕、両足、両翼が塵になるくらいまでひたすら切り刻んだ。

「―――――――んだよ。あり得ねえ。でも、ディオドラの裏にいる」

僕は彼の言葉を最後まで効かず、彼の頭に魔剣を突き刺した。

「喋らないでくれないかな? 耳が腐っちゃうよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺――――アザゼルはある程度、旧魔王派の奴らを片づけた後、後始末をシェムハザ達に任せ、

ファーブニルの宝玉の輝きに沿って道を歩いていた。

ここへ来てすぐにファーブニルの宝玉が光り出した。

宝玉が光るということは同族が近くにいるということを示す。

フィールドの一番端っこの隅にその目的の人物を見つける。

そいつは黒髪を腰のあたりまで伸ばし、黒いワンピースを身につけて細い四肢を見せていた。

あり得ない。最初はそう思った。

一組織の頭がこんな前線に出てくることはないと高をくくっていた部分もある。

だが、今俺の目の前にいる奴は世界そのものを単独でつぶすことだってできる奴だ。

そいつはジッと、イッセー達がいるであろう神殿の方に視線を向けていた。

「オーフィス」

少女は無限の龍神(ウロボロスドラゴン)

オーフィス。ある存在をのぞいて最強のドラゴン。

だが、オーフィスはこちらを振り向かずただじっと神殿を見ていた。

「おい、オーフィス!」

怒気を含ませて叫ぶがオーフィスは無視をした。

効かないとは分かっていても俺はその手に光の槍を作り出し、

奴に向かって投げつけると奴は腕だけをこちらに向けて槍に軽くデコピンをすると、

俺が投げた槍は消え去った。

「アザゼル、いつの間に」

「さっきからいたっつうの。で? 向こうに何がある」

「魔の王」

魔の王……サーゼクスのことか? あいつなら旧魔王派の奴らを叩き潰しているはずだ。

向こうにはいってないはず。

となると別の“魔”という訳か。

「魔法の王……ウィザードというわけか」

この世界では最も優れた魔法を扱う者の称号としてウィザードと呼ばれる称号を与えられる。

この称号を得た魔法使いは一生を遊んで暮らせると言われている。

その時、オーフィスの隣に一つの魔法陣が展開され、

そこから貴族服を来た男が出てきた。

「お初にお目にかかる。俺は真のアスモデウスの血を継ぐもの。

クルゼレイ・アスモデウス。堕天使の総督殿に決闘を申し込む」

なるほど。オーフィスは旧魔王派の奴らに蛇を与えて元の力を増大させて、

自身の目的を果たそうってわけか。

「良いぜ。受けて立つ、ファーブニル。付き合え! バランス」

その時、俺の隣にグレモリー家の文様が刻まれた魔法陣が現れ、

そこからサーゼクスが出てきた。

おいおい、魔王がなんで出てくるんだよ。

「出たな! 偽者の王め! 貴様さえいなければ俺たちはっ!」

「クルゼレイ。矛を下げてくれないか。君と話がしたい」

「貴様と今更話をする気などない!」

サーゼクス。お前がいくら説得しようともこいつらは耳を貸さないぞ。

サーゼクスは目を閉じ、空を仰ぎ、もう一度目を開いてクルゼレイを見た。

「わかった……魔王として消す」

「偽りの魔王が!」

クルゼレイは両手に巨大な魔力の塊を作り出し、サーゼクスに向けて放つが、

サーゼクスは一歩も動かず、手のひらに消滅の魔力を纏わせ、触れた。

たったそれだけの行為でクルゼレイが放った巨大な魔力の塊は消滅した。

「ッッ! 偽物がぁ!」

クルゼレイが叫んだ瞬間! サーゼクスの指から小さな消滅の魔力の弾が放たれ、

奴の口の中へと入り、一瞬、

クルゼレイの腹部が膨れ上がったかと思うと先ほどまでの絶大な魔力が消滅した。

「バ、バカな! こんなバカなことがあるかぁ!」

サーゼクスはクルゼレイの叫びを無視し、ソフトボールサイズの消滅の玉を、

奴の腹部に向けて放つと腹部がきれいさっぱり消滅した。

「本物がっ! 何故、にせ……物に」

クルゼレイは血反吐を吐きながら地面に倒れ伏した。




八月も最後の週に入りましたね……あぁ、夏休みが終わりに近づいていく。
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