ハイスクールD×D inウィザード   作:kue

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第四十六話

「あ……あ」

突然、吐き気がするくらいの禍々しさを放つ魔力を感じ、

さらに後ろから低いうなり声のような音が聞こえ、私を覆うように大きな影が出来た。

振り返ってみればそこには顔と仮面が一体化し、

仮面のこめかみから二本の角が前を向くように生え、全身の体の色は血のように赤く、

髪色も体色と同じように血のように赤い色をしていた。

その姿をパッと見ただけではそれが誰なのかは分からなかった。

右腕を見てみると真っ黒に染まった宝玉のようなものが手の甲に埋め込まれ、

上の服は先ほどの禍々しい魔力で飛び散ったのかほとんど原形はなく、

下のズボンだけが完全な形で残っていた。

この服を着ていたのは私が知る限りではただ一人。

「イッセー……さん?」

「バカな」

後ろからシャルバさんの声が響く。

「胸に穴をあけられて生きているはずがない。

報告によれば貴様のセイグリッドギアは暴走を引き起こすものでもなく、

何かしらの特異な姿へと変えるものでもない。貴様はいったいなんだ」

シャルバさんは視界に異形の姿をしたイッセーさんをとらえながら、

ゆっくりと横へ数歩進んだ。

「お前は誰だ」

『コネクト、プリーズ』

刹那、くぐもった聞き覚えのある音声が神殿内に響き渡り、

真っ黒な色をした魔法陣が展開され、そこから一本の剣が出現し、

それを掴んだイッセーさんが勢い良く降り下げた瞬間!

「きゃぁぁぁ!」

「アーシア!」

凄まじい爆風が吹き荒れ、神殿内の地面は砕け散り、

近くにいた私はあっけなく飛ばされながらも、部長に抱きかかえられ、

地面にたたきつけられることはなかった。

「答えろ! 貴様は何だ!」

『オオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!』

神殿内に異形の姿をしたイッセーさんの咆哮が響き渡る。

その咆哮は衝撃波となり、周囲の神殿の床や壁に激突して大きなヒビを埋め込んでいく!

「ちっ! 頭までも化け物か!」

そう言い、シャルバさんは先ほどのように腕を前に向けた瞬間、

イッセーさんも姿勢を低くして角をシャルバさんに向けると両方の角の間に血のように赤い、

魔力が集められ、光の線が放たれたと同時に地面を砕きながら凄まじい速度で放たれ、

シャルバさんの光とぶつかった。

「くっ!」

シャルバさんはすさまじい爆風に驚きながらも、

翼を羽ばたかせて数メートル上に飛びあがった。

「っ!?」

突然、耳にブゥン! という空間が震えるような音が聞こえ、

その方向に向いてみればいつの間にか背後に移動したイッセーさんが再び、

先ほどの攻撃をしようとしていた。

「なめるなよ!」

シャルバさんは最大の光を右腕に取り付けた装置から放つけど、

いとも簡単にイッセーさんの攻撃にかき消された。

「くっ! またしても光をっっ!?」

突然、シャルバさんが動きを止めたかと思うと彼の右腕に魔法陣が展開されており、

ひじから先が真っ黒な魔法陣の奥に消えていて、イッセーさんの眼前にある魔法陣から、

装置をつけた彼の腕が見えていた。

「ぎゅぁぁぁぁぁぁぁ!」

魔法陣が消えた瞬間、ブチィンン! という気味の悪い音が聞こえ、

シャルバさんのひじから先が綺麗に切断され、鮮血が舞い、

そのまま地面にたたきつけられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嘘ですよ……あれがイッセーさん?」

僕―――木場祐斗は目の前の状況に驚きを隠せないでいた。

今、目の前で見たことのない姿をした怪物が自分たちが束でかかってもかなわなかった相手を、

たった一人で圧倒している。

その怪物の正体は魔法を使った瞬間に悟ったが誰も受け入れようとはしなかった―――否。

受け入れたくはなかった。

「ぐっ……あ」

シャルバが切断された右腕を抑えながらフラフラと立ち上がるが、

すぐに何かを殴りつけたような音が聞こえ、シャルバの姿が怪物の姿へと入れ替わり、

逆にシャルバは壁に大きな穴をあけて神殿の外へと吹き飛んでいった。

それを追うように怪物も外へと向かった。

誰も何も言わず、

壁に開いた穴から外へと出ると二人が空中で激しい斬り合いを繰り広げていた。

だが、その詳細をハッキリとは見ることはできなかった。

それ程までに二人の動きは素早く、さらに言えばシャルバの姿は時折、

確認出来るがイッセー君の姿は一切、確認できなかった。

「あれではまるで本物の怪物じゃな」

背後から声が聞こえ、全員が振り返るとそこには旧魔王派の上級、

中級悪魔を片付けていたオーディン様が立っていた。

振り返るもつかの間、突然、地面に何かをたたきつけたような音が聞こえ、

視線を元に戻すと地上に降り立ったイッセー君と、

地面に埋め込まれているシャルバの姿があった。

「シャルバ様!」

旧魔王派の構成員だろうか。ローブを着た男性が数人、シャルバに近寄り、

目の前に立っているイッセーの姿を目に捉え、それぞれの得物を構えた。

すると、突然、一人の男の顔の前に黒い魔法陣が展開された。

「な、なんだこ」

その瞬間、男性は喋らなくなった―――――否、喋ることができなくなった。

魔法陣から先ほど、光を飲み込んだ血のように赤い破壊の魔力弾が放たれ、

男性の顔は消滅していた。

「ひっ!」

余りのショッキングな光景にギャスパー君は部長の背中に隠れてしまった。

『コネクトコネクトコネクトコネクコネクコネクコネコネコネコネ』

くぐもった音声が連続で鳴り響き、ついにはハッキリと音声の内容が、

聞こえなくなるほどの速さにまで達し、

シャルバの近くにいた男の全身に小さな黒い魔法陣が展開された。

ま、まさか!

「や、止めてくれ! お、俺には妻も子供もいるんだ! や、止めてくれ!」

必死に懇願するがイッセー君は一切、反応しなかった。

「怪物め! 死ね!」

一人の悪魔がイッセー君に向かって魔力弾を放とうとするが、

それよりも早くイッセー君が男性の懐に潜り込んで、アスカロンで上と下に切断した。

「ぎゃっ」

男性は痛みに叫ぶことなく絶命した。

「ひいぃぃぃぃぃぃぃ!」

小さな魔法陣を大量につけられた男性は死への恐怖から絶望し、

狂ったように叫んだ瞬間、ブシャッ! と嫌な音が鳴り響き、男性の姿が消え去った。

その代り、地面に大量の血とみじん切りにでもしたかのような肉片が残っていた。

イッセー君が残っている悪魔に手を翳すと、そこに若干青色が見えるどす黒い魔法陣が展開され、

そこから冷気が大量に放出され、悪魔が動き出す前に全身氷漬けにした瞬間、砕け散った。

「くぅぅぅ! 私は死ぬわけにはいがぁ!」

シャルバが何かをしようとした瞬間、イッセー君は奴の胸をふんづけ、

無理やり動けないようにすると角をシャルバに向け、

先ほどの全てを破壊する魔力弾を生成し始めた。

っっ! あんな至近距離であれだけの威力のものを放てば死ぬどころか肉片さえ残らない!

チャージが済み、いまにも放たれようとした瞬間! 

オーディン様が突然、イッセー君のわきに現れ、

強烈な両手による拳打を叩きこんで、殴り飛ばした。

「済まぬがアザゼルにはこやつを生きたまま、持ってこいと言われておってな。

小童に殺させるわけには……む」

シャルバはオーディン様がイッセー君を吹き飛ばした瞬間に転移魔法陣を使って、

どこかへと転移してしまった。

「むぅ。消えたか……今は貴様を止めねばならんようじゃな」

オーディン様の前方に先ほどの攻撃による傷を一つもついていないイッセー君がいた。

「グレモリーの娘! 少しばかりこやつを痛めつける! 構わんな」

「……はい。イッセーを止めてください!」

部長は苦しい表情を浮かべながらも、涙ながらにオーディン様に頼みこむと、

オーディン様は纏っていた服を脱ぎ捨てた。

そこには歴戦による傷が深く刻まれた肉体があった。

「いったい、いつ以来じゃ? わしが肉体で戦うなんぞ……かかってこい小童。

わしはさっきの奴らとは少し違うぞ?」

アースガルズの主神、オーディンと最怖の怪物の戦いが今始まる。




この作品の評価も最初は7くらいだったのに今じゃ
6前半……僕の作品は評価が落ちるという呪いにでも掛けられているのか。
調子良く行っておいて最後にドーン! そんな感じが
人生で何回かあったような……ま、いいか!
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