ハイスクールD×D inウィザード   作:kue

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第五話

「し、神父様。これはいったい」

「ぬふふふ! よくぞ聞いてくれました! このように! 

悪魔に魂を売ったピーなものよりも汚くて汚らわしい存在は殺されなければならないのです!」

「そ、そんなことありません! 神父は神に仕える身! 悪魔に魂を売ったのならば、

その魂を浄化してあげるのが私たちの役目じゃ」

「んなわけねえだろバーカ!」

奴が何の躊躇もなくアーシアに銃口を向けた瞬間。

『フレイム・プリーズ。ヒーヒー、ヒーヒーヒー!』

「どわっ!」

腕に装着されている籠手に炎を包み込ませ、埋め込まれている宝玉を、

真っ赤な赤色に変化させた際に発生した熱波で白髪神父を壁にまで吹き飛ばした。

「俺の言ったとおりだろ」

「……イッセーさん」

『ディフェンド。プリーズ』

炎で出来た壁を作り出し、奴が放った無音の弾丸を全て散りへと返すとパラパラと粉が床に落ち、

辺りに焦げ臭いにおいが立ち込めた。

「はーい! アーシアちゃんは悪魔に魂を売った売女と見なして殺す!」

『バインド。プリーズ』

「ぬぅ!? なんですかこの鎖!?」

俺の背後に四つの魔法陣が出現し、音声とともに炎で出来た鎖が四本、

交差するようにして排出され、白髪神父を雁字搦めに巻きあげた。

白髪神父はどうにかして鎖を引きちぎろうとするが奴自身の魔力でさらに鎖はきつくなり、

奴を強く縛ってゆく。

「アーシア」

「……イッセーさん……私がやってきたことは……間違っていたんでしょうか」

アーシアは綺麗な両眼から大粒の涙をポロポロと流し、俺の方を見てきた。

自分が心の底から信じ、崇拝し、他人を助けられると思っていたものが逆に、

不幸にしてきたんじゃないかと思いつめた結果、絶望した……か。

「アーシア」

俺は出来るだけ、優しく彼女の名を呼び、彼女の両手を握りしめた。

「お前がやってきたこととあの白髪神父がやったことは違う」

「ほん……とうですか?」

「ああ。俺が保証する。お前の……お前の最後の希望の俺が」

「ぬらぁぁぁぁぁぁ!」

後ろから叫び声が聞こえ、振り返ると炎の鎖を無理やり引きちぎった白髪神父が額に青筋を立て、

息を荒くしながら俺の方をひどく睨んできた。

「殺す! その売女もてめえも殺す!」

『ディフェンド。プリーズ』

怒りが許容量を超え、無造作に銃の引き金を引き、

無音の弾丸がこちらに向かって何発も放たれてくるがすべて、

炎の壁によって燃えカスに変化し、俺達のもとには届かなかった。

「死ね死ね死ね!」

『コネクト。プリーズ』

「アーシア。この魔法陣を通れ」

「イッセーさんは!?」

「あいつを倒してから行く。早く行け」

炎の壁で弾丸を防いでいる間に背後に俺の部屋の空間をつなげた魔法陣を出現させ、

アーシアにその魔法陣を通らせてから数秒後、

彼女の姿が見えなくなったと同時に魔法陣が消滅した。

「あぁもう! うざったいですねー!」

「今の状況では褒め言葉だ」

「褒めてないんだよー!」

白髪神父が弾丸をすべて使い切ったのか拳銃を投げ捨て、

左手に持っていた光輝く刀身を持つ刀を持って、俺に突っ込んできた。

『チョーイイネ! キックストライク! サイコー!』

その音声が流れるとともに足に炎が集まっていく。

「死ねぇぇぇぇぇぇぇ!」

「お前がな」

相手の刀の殺傷範囲に俺が入る前に奴の腹部にコネクトの魔法陣を展開し、

そこへ蹴りを打ち込むと、空間を飛び越えて、奴の腹部に炎を纏った蹴りが炸裂し、

事前に奴の背後に展開しておいたコネクトに吸い込まれるように吹き飛んで行き、姿を消した。

「ふぅ。終わり……じゃないな」

外から複数の魔力を感じた。

オカルト研究部の奴らの魔力じゃない……これは、堕天使か?

とりあえず、俺は俺の部屋へと空間をつなげ、そこへ飛び込んだ。

「イ、イッゼーざぁぁぁん!」

部屋に戻るや否や、涙で顔をグチャグチャにしたアーシアが俺の腹部にダイブしてきた。

思いのほか、アーシアの頭が綺麗に俺の鳩尾に入り、一瞬呼吸ができなくなり、

そのままベッドにまで吹き飛ばされた。

「イ、イ、イ」

「しゃべる前に顔拭け。後、母さん寝てるから静かにしろ」

アーシアに床に置いてあった綺麗なタオルを渡し、離れさせた。

「よ、よかったですぅ。イッセーさんが無事で」

「高々、出会って数時間だろ」

「いいえ……きっと、イッセーさんと出会ったのは主がお導き下さったんです。

お導き頂いた神に感謝を」

服の下から十字架を取り出し、それを握り締めてアーシアは深く、

お祈りをし始めてしまった。

「さ。イッセーさんもお祈りをしましょう。アーメン」

「ア、アーメン」

直後、頭痛が一瞬だけ走った。

……お祈り、十字架ってこんなにも痛いんだな。

お祈りがすんだのか十字架を服の下に入れ、アーシアがこちらを向いた。

その表情を見ただけで彼女が何を云わんとしているのか一瞬で分かった。

「今晩だけだぞ」

パーっと効果音が聞こえるんじゃないかと思うくらいに表情を明るくしたアーシアは、

疲れていたのか、ベッドに入ってものの数分で眠りについた。

「……行きますか」

『コネクト。プリーズ』

部室へと空間をつなぎ合わせ、魔法陣の中を通ると目の前に腕を組み、

先ほどよりも仏頂面の部長が立ちはだかっていた。

どうやら、俺の先ほどまでの行動は全て筒抜けらしい。

「今回のことはお咎めなし。堕天使が関係していたみたいだから」

「そうですか」

「ただ……あの子に関しては見逃すことはできないわ」

教会関係者と悪魔が一緒に居れば糾弾される……そのことを部長は俺に言いたいんだろう。

「では、部長はアーシアを殺せと。あいつらがアーシアを殺すのを黙って見ていろと」

「そうは言っていないわ。ただ、教会関係者のことは教会に任せなさいって言っているの」

「では、部長はアーシアを殺せと。あいつらがアーシアを殺すのを黙って見ていろと」

同じセリフをもう一度、言うと部長は大きなため息をついて額を押さえた。

「イッセー。貴方に一週間の謹慎処分を下すわ。いい? “一週間だけよ。

一週間の間、この部室には来なくていいわ”」

一週間の謹慎……裏を返せば一週間でアーシアに関する問題をすべて、

俺自身で解決しろってことか。

俺は一度だけ、頭を下げて魔法陣を通過して自宅へと帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あらあらまあまあ。嘘が下手くそなこと」

「朱乃。私は昔からウソをつくことが少しだけ苦手なの」

「少しどころかだいぶ下手だと思います」

「小猫まで……まあ、良いわ。私たちは私たちで動くわよ」




うーす
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