ハイスクールD×D inウィザード   作:kue

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第五十九話

「ガッハハハハハハハハ! 俺こそが何百ものハーレムを作った、

悪の大魔法使い! アザゼールだ!」

豪華けんらんな装飾を施したローブを身に纏い、背中から大きな翼を出している非常に、

見覚えのある大きくて赤いドラゴンが校舎の上空で滞空していた。

どうやらこの世界ではアザゼルは悪役らしいが……めちゃくちゃ似合っているのはこの際、

どうでもいいとして、既に外に出た生徒たちによる魔法による攻撃が行われるが、

非常に見覚えのある赤くて大きいドラゴンがその巨体からは想像もできないほどの、

俊敏さを発揮して攻撃を避けていく。

「どうしたどうした!? こんな程度の魔法じゃ俺はおろか、

タンノーンすら落とすことすらできないぞ! なあ、タンノーン!」

タンノーン(タンニーン)は非常に嫌そうな顔をしながらアザゼールを、

背中に乗せて俊敏に動き回っていた。

にしてもアザゼールにタンノーンって……あの顔から察するに相当不機嫌なようだが。

「くそ! なんて素早い動きをするドラゴンなんだ! 

こうなったらうちの龍使い(ドラゴンテイカー)を出すしかない!」

生徒の中でリーダー格の男子生徒がそう叫んだ。

ドラゴンテイカー……どっかのゲームとかで出てきそうな設定だな。

まあ、ここは普通の世界じゃないからそんなのもあってもおかしくはないか……でも、

そうなるとめちゃくちゃなものまである可能性が出てくるな。

すると、校舎の中から一人の男子生徒……というよりも生徒会下僕ポーンの匙元士朗が、

アザゼールよりもちょっと控え目だが豪華な装飾をしたローブを身に纏い、

ゆっくりと歩いてきた。

おぉ、あいつがドラゴンテイカーなるものか。

生徒会ではあんなに女子に尻にひかれていたあいつが、

あんな豪華な衣装を着るとはな……出世したもんだ。

「匙様! お願いします!」

「うむ。不遇なる俺の扱い。今ここでその恨みを晴らすぞ! なあ、ヴリトラよ!」

すると、奴の足もとの影がウネウネと動き出すとともに全身から、

黒い蛇のようなものがどこからともなくわき出てきてそれが奴を覆い尽くすと奴を、

中心として黒い炎の柱が天に向かって噴き出し、

それらが腕、足、などに形を変えていき黒いドラゴンと化した。

……何故かは知らんが、これは向こうの世界でもこんなのになっているような気がする。

名づけるならば……ヴリトラ・プロモーション。ヴリトラの姿に昇格するという意味で、

つけてみたんだが……いまいちだな。

「ほぅ。数々の不遇な伝説を残しているヴリトラの宿主か。

なんでもヴリトラを宿したせいで今まで不遇な扱いだったらしいな」

「そうだ! 今まで俺は百回ガラガラ回してもティッシュだったりバナナの皮をふんづけて、

一回転どころかヤクザの車に踵落としを落として修理費請求されたり、

痴漢冤罪をかけられたり俺が箒に乗ろうとしたらボキっておれるし! 

しかも空中でだぞ! しかもテストの答案用紙の欄を一段間違えて、

0点なんてもう……うぅ!」

……それはある意味、ヴリトラを恨んでもいいと思う。

不遇な伝説とか言っていたが不遇じゃなくて不運な伝説じゃねえのか?

「はっ! まあ良いぜ、タンノーン! やっちまえ!」

そう言われタンノーンは嫌々ながらもその大きな口をガパッと開いて、

大きな火球を吐きだすと、

ヴリトラプロモーションを行った黒いドラゴンと化した匙も口から黒い火球を吐きだし、

黒い炎と赤い炎がぶつかりあった。

ぶつかり合った火球は威力が同じものなのか、爆風を上げながら両方が同時に消滅した。

なるほど……流石は龍王を張っているだけある。威力は本物だな。

悪魔に転生したことで力が増したタンニーン……タンノーンの火球を正面から、

掻き消すとは……ていうか、この世界でも向こうの世界の設定は通じるのか?

「やるじゃねえか!」

『ふん、我が分身よ。我らの力はこの程度ではないな!?』

「ああ、そうだ。見せてやるぜ! ヴリトラの真のおぉぉ!?」

匙が気合い十分に一歩、前に出た瞬間、何故かグラウンドに大きな穴があき、

その大きな穴に黒いドラゴンと化した匙が腹の辺りにまで落ちてしまった。

さらに、そこへカラスの大群が突然飛来してきて、

ボタボタと白い固形のような固形じゃないようなものを……つまり、

糞を次々と落としていく。

まるで、ヴリトラが鳥専門のトイレかのように。

現実でも扱いはあれだったが……どうやらこっちの方の扱いはもう最悪レベルのものらしい。

「ハハハハハハ! 新たな不遇な伝説を作ってしまったようだな!」

『い、一生の恥だ!』

未だにカラスは糞をしている……仕方ない。

俺はいつものように手を翳すと魔法陣が出現し……何故か、

俺の方に近寄ってきて俺を通過すると、服が全て真っ赤になってしまった。

…………なんだこれ。

とりあえず今の恰好は放っておき、宙に浮いているタンノーンの真下に向かった。

「えっと、アザゼールだっけ?」

「あ? なんだてめえは!?」

「取り敢えずさ、うるさいからお前倒すわ」

最後に心の中で恨みがないがと付け足し、両腕をタンノーンに向けると、

そこから火球が二つ生成され、程よい大きさになったところで奴らに向かって放った。

「はっ! タンノーン!」

『悪いが、貴様の茶番につきあう気はない』

「タ、タンノーン!? な、何をうぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

タンノーンは大きく体をゆすってアザゼールを落とし、

大きな両足でそいつを挟み込むと、俺が放った火球二つに向けて放り投げた。

アザゼールと火球がぶつかり合った瞬間!

「バイバイゼール!」

大爆発が起き、聞き覚えのあるセリフを吐きながら、

アザゼールは遠くの方へと吹き飛んでいった。

「さすがイッセーさんです!」

「うっぐふっ!」

アーシアが俺の腹に突っ込んできた瞬間、彼女の拳が思いっきり俺の鳩尾に入り、

俺はそこで意識が落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!」

「あ、やっと起きた」

次に目を覚ますと、目の前に心配そうな表情を浮かべたリアスとスコルとハティがいた。

どうやら散歩をしていたらしく、二匹の首にはリードのようなものがついていた。

周りを見渡すとカーテンの隙間から日光がこぼれている。

まさかと思い、慌ててカーテンの外を見てみるが普通に車が道を走っており、

運動場には制服を着た生徒達が遊んでいた。

俺の格好も、部長の格好も普通の姿……夢か。

「変な夢でも見たの? さっきからアザゼールとか、タンノーンとか言っていたけど」

「いや……ただの寝言でしょう」

そう言いながら、スコルの頭を撫でようとした瞬間!

日光で照らされている床に、箒に乗った人が通り過ぎた影が写りこんだ。

「っ!」

俺は慌てて、後ろを向いて窓の外を見てみるが箒などとんでいなかった。

「…………き、気のせいか」

「本当に大丈夫? なんだか汗だくだけど」

「え、ええ大丈夫です」

「これからこの子たちの運動をしようと思うんだけど」

リアスの誘いに俺は快く承諾し、人気が少ない場所で二匹と遊んだ。

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