ハイスクールD×D inウィザード   作:kue

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第六十話

「ストーリーメイカー?」

俺――――兵藤一誠の質問に女子たちが首を縦に振った。

昨日、冥界にちょっとした用事が出来たと言いリアスが向こうから帰ってくると、

手にミニチュアサイズの小さな家を抱えていた。

「設定とかを入力するとその人の望む将来の生活が作られて壁に映像が映し出されるの」

話だけを聞けばなかなか面白そうだが……このメンツでやれば戦争になると思う、

俺の不安はあながち間違ってはいないだろう。だがまあ、面白そうなのは確かだ。

「やってみるか」

「じゃあ、私が最初に」

「いえ、私ですわ」

「違いますぅ! 私です!」

「……私です」

「むっ! ここは私に任せてもらおうか」

『『ワンワン!』』

リアス、朱乃、アーシア、小猫、ゼノヴィア達が一番を取ろうと必死にじゃんけんを始めた。

その中にスコルとハティが入っているのは放っておこう。

「よし! 私からよ!」

いつの間にかジャンケンに入っていたイリナが一番、次に朱乃、

小猫、リアス、アーシア、ゼノヴィアという順番になった。

流石にあの二匹は除外したみたいだが。

イリナは笑みを浮かべながらあ~でもない、

こうでもないと言いながらミニチュアの家の側面に設置されているタッチパネルを押していき、

思い描く将来の設定を作っていく。

まあ、頭のねじ二本も三本も外れているような設定は作らないと思うが。

「出来たわ」

イリナがそう言うとともにストーリーメイカーが光輝き、

壁に画像が映し出されて物語が始まった。

『パパー!』

「ぶっ!」

映像に映し出された子供が発した言葉を聞き、

俺は口に含んでいたコーヒーを思いっきり噴き出してしまった。

た、確かにイリナの面影がある女の子だが……まさか、子供だとは。

『どうした? イルマ』

『あのねあのね! 今日、ミカエルさまに会ってきたの!』

女の子はミカエルさまがどれほど神々しかったかを身ぶり手ぶりで表現しながら、

父親らしき俺に抱きかかえられて、小さな庭のベンチで座っていた。

家の造りはそこまで洋風化したわけじゃないが、所々洋風化しているな。

まさか、子供までもがミカエル教に入信してしまうとはな……まあ、

母親が母親なだけに仕方がないか。

というよりも悪魔と天使の夫婦ってなかなかないな……イルマは、

悪魔と天使のハーフということか……面白そうだな。

『もう、イルマったらこんなところにいたの?』

『ママー!』

大人びたイリナがお盆にのせられている食事を運び込んできた。

髪の毛は今と同じ茶色名だが髪長さが短くなっており、

肩の所に当たるか当たらないかの長さにまで短くなっている。

『じゃ、ご飯にしましょうか。その前に』

そう言うと、イリナとイルマは胸から十字架を取り出して

『『今日も』』

その言葉が始まった時点で俺はストーリーメイカーの停止ボタンを押して、

ホーム画面にまで戻らせた。

「あー! これからいいところなのにー!」

「悪魔の旦那の前で儀式をするな。あれ、結構痛いんだぞ」

つい先日、教会メンバーが空いている部屋で聖書を読んでいるところに偶然、

俺が入ってしまい三人は気付かずに読み続けた。

そのおかげで本来の三倍の頭痛を体感してしまったわけだ。

「ちぇ~」

「次は私ですわ」

不貞腐れるイリナと入れ替わりで入ってきた朱乃がストーリメイカーに設定を入力していき、

数秒後に壁に映像が表示された。

どうやら場所は以前、行ったことのある朱乃が住んでいた神社の奥の方にある居住区だった。

ほぅ。朱乃と俺が神社の奥の居住区で住んでいて、

一緒に神社を切り盛りしているという設定か。

映像が表示され始めて数秒後、畳に大量のコスプレ衣装が転がっているのが見えた。

……おい。

『ふふ、今日はどんなプレ』

そこで俺はムービーメイカーを強制終了した。

「あぁ~。いいところでしたのに」

「悪いが俺はSでもMでもない」

「でしたら新たな属性を」

「作る気はない」

一言そう言うと、

不貞腐れながらも可愛く頬を膨らませて部屋から出て入れ替わりに小猫が入ってきた。

「次は私です」

小猫は器用にポチポチとボタンを押して設定をしていき今までで設定に長く時間を費やし、

壁に映像を表示させた。

今度こそ平和的で普通の映像を見せて欲しいな。

『にゃ~』

壁に表示された映像に俺の膝にリラックスしたように顔を緩ませ、

猫耳、尻尾を出した小猫が横になっていた。

膝枕ならぬ膝ベッドか……まあ、小猫サイズなら俺の両ひざでベッド代わりに、

できるかもしれないが……まあ、見よう。

『ニィー』

何処からか猫が何匹も入って来て、合計で三匹の猫が俺と小猫の周りに集まって来て、

同じように俺の膝の上に乗っかった。

ほぅ、なかなか平和なお話しじゃないか。

アニマルセラピーという治療法が存在するように、

動物と一緒に暮らしていると精神がかなり癒されると聞く。

こう言うのを俺は待っていたんだ。

『ニャー!』

「「ぶふっ!」」

画面に突然、黒髪に浴衣を着た猫又の女性……つまり、黒歌がドアップで現れた!

それを見た俺たちは同時に飲んでいたものを噴き出し、

同時にストーリーメイカーを強制停止させた。

慌てて内包されている説明書を見てみるとどうやら設定を作る際、

自動的に自らの魔力がメイカーに吸収されているらしく機械がそれを感知、

解析してお話を作るらしい……どこまで正確に読み取るんだこの機械は。

「お、お姉さま……どこまでも私を邪魔するのですね……」

堕ち込みながらもどこか怒っている子猫を俺は少し、

頭をなでなでしてから彼女を部屋の外に出し、次の奴を入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから約三十分後、ようやく全てのお話が終わった。

だが、最後まで見たのは誰ひとりとしてなかった……何故か。

それはあまりにもお話が現実とはかけ離れていたからだ。

リアスはまともだったものの途中から話しのスケールが一般人では考えられないほどにまで、

大きくなりすぎたために途中でストップし、ゼノヴィアは何故か俺までもが、

ヴァンパイアハントしているため……付け加えれば何故か、

宇宙にまで行って宇宙人と戦っているために。

アーシアが一番平和だったもののいろんな男に言い寄られていたので、

イラついた俺が途中終了。

誰もアーシアの肌を触らすわけにはいかん。

全員、プンスカと不機嫌そうに頬を膨らませながら、

それぞれのやるべきことをやりに行っているため、今は自室には俺一人。

二匹はベッドの近くで気持ちよさそうに寝ている。

今、俺はイスに座りながらコーヒーを飲みつつ、

俺が十五分ほどかけて設定をこまめに作った壁に表示されている映像を眺めていた。

……やはり、俺はこんな感じの将来が良い。

「やあ、イッセー君……それは?」

何も知らない木場が部屋に入ってくるなり、

壁に表示されている映像を見てそう言った。

そこに表示されているのは全員が笑顔を浮かべながら一つの部屋で楽しそうに、

会話をしている映像……全ての戦いが終わった時、この映像が二次元ではなく、

俺がいる次元にやってくる……そんな願いを込めながら俺は、

ストーリーメイカーの電源をOFFにして皆がいる部屋へと移動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみにこのストーリーメイカーはなかなか評判が良かったらしく、

冥界、天界でも大ヒット商品となったらしい。




とりあえず、オリジナルストーリーはここで休憩。
次回はグレモリーの試練のお話です。
ちなみにインフィニティーは曹操戦の後のオリジナルのお話で出します。
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