ハイスクールD×D inウィザード   作:kue

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第六十七話

その日の晩、アザゼルからの作戦を聞き終わった俺はホテルのロビーで一人、

物思いにふけていた。

作戦は匙を除くシトリー卷属が京都駅周辺を警護し、あやしい輩を片っ端から捉えていく。

そして俺たちとイリナ、そして匙が直接二条城へと向かい、

九重の母親である九尾を奪還する。

既に京都周辺には妖怪、悪魔、堕天使などの精鋭体によって囲まれてはいるらしい……が。

周りに人がいないのを確認し、コネクトを使ってそこからドラゴタイマーを取り出す。

出来ればこれを使わずに戦いを終わらせたいが……最強のロンギヌス相手に、

それはできない望みか……。

「実戦でそれは使わざるを得ないと思うぞ、俺は」

後ろから声が聞こえたが振り向かなくても誰なのかは分かった。

「そいつは今までの俺の発明の中で最高傑作と言っても良い代物だ。

お前専用となっているから微妙な部分はあるがな……」

「いつだって発明は戦いに流れるものだな」

「それが真理ってやつだろ。人も悪魔も天使も、俺達堕天使も新たな技術を生み出せば、

まずは戦いにどう生かすかを考える。

戦争がなくなった今は今じゃ戦争の代わりがテロだ」

アザゼルの表情はどこか、悲しそうな顔をしていた。

和平を結んだのは三種族……他の種族とも和平を結ぼうとはしているもののその間に、

戦争を起こされちゃたまらないからな。

「人間相手に戦えるか? イッセー」

「当たり前だ。テロリスト相手に手加減すると思うか?」

そう言うと、アザゼルは一つため息をついて笑った。

「そうだな。だがアーシア達は割り切れない部分もあるだろう。

お前が突き進めばあいつらも付いてくるはずだ。頼むぞ」

「まかせろ」

そう言い、立ち上がって後ろを振り返るとちょうどロビーに降りてきた奴らと目が合った。

 

 

 

 

 

「元ちゃん。気を付けてよ」

「おう、任せろ」

匙が仲間たちから激励を受けている中、

ボーっと突っ立っていると木場がこちらへ向かって歩いてきた。

「イッセー君。今、部長が不在の中、臨時のキングは君に任せる」

そう来ると思っていたさ……任せられたからにはキングの役目を全力で全うしよう。

みんなの命を預かるものとして。

仲間から激励を貰った匙が気合いの入った表情でこちらへと歩いてくる。

「気合は十分のようだな……行くぞ」

「わ、私も行くぞ」

いざ、二条城の近くへ転移しようとしたときに突然、九重が俺の肩に乗っかってきた。

アザゼルに待っていろと言われたはずなんだがな……ま、良いか。

九尾を助けるうえではこいつの力も必要になるかもしれないしな。

「行くぞ」

『テレポート、プリーズ』

テレポートを発動させると足もとに展開されていた魔法陣が輝きだし、

その輝きは俺達を包み込んだ。

輝きが消え去り、目を開けると曹操達の魔力を感じる空間へと転移が完了し、

二条城へとつながる大きな門の前に着いた。

既に大きくて重そうなその扉は開いており、

まるで俺達を最初から招待しているかのようだった。

どうやら曹操達がいる空間は霧使いの力で別に生み出した別空間のようだ。

ただひたすらに歩き続けると古い日本家屋が建ち並ぶ広い場所にたどり着き、

そこに英雄派の構成員と思わしき奴らが立っていた。

そして、そこには目的の存在もいた。

「やあやあ、よく来てくれた!」

「貴様! 母上に何をした!」

「少し、実験に手伝ってもらうだけですよ」

そう言い、曹操が槍の先端で地面をコンコンと二度たたくと九尾が突然、

苦しそうに叫びだし、その姿を徐々に変えていき、

九つの尾を持った狐の妖怪へと姿を変貌させた。

妖怪の最高位に君臨する最強の妖怪という訳か……。

「匙。ヴリトラプロモーションで奴を倒せ」

「おう! て、なんでお前知ってんだ」

しまった……ヴリトラプロモーションを実際に見たのは、

あの妙な夢の時だけだったな……アザゼルに聞いたということにしておくか。

「アザゼルに聞いたんだよ。九尾は任せた」

「まあ、よく分からねえけどまかせろ! ヴリトラ・プロモーション!」

全身から黒い炎を放出し、匙は巨大な一体の漆黒のドラゴン、ヴリトラへと変化した。

力はほかの龍王に比べて低いが多彩な能力が、

その低い力を補っていると聞く……どんな力があるのか、見せてくれよ。

「じゃあ、私はエクス・デュランダルを試すか」

「それが新しいやつか……木場、ゼノヴィアはあの白髪を。

ロスヴァイセはあのガタイがでかいやつを、イリナはあの女を。頭は俺が叩く」

『了解!』

俺の指示を受け、仲間たちが英雄派の連中とともに他の場所へと向かった。

ヴリトラもすでに九尾と戦闘を行っており、赤色の炎と黒色の炎がぶつかり合っていた。

『フレイム・ドラゴン。ボー・ボー・ボーボーボー!』

赤色の鎧を着るとともに魔法陣からアスカロンを取り出し、

曹操にアスカロンの刃を向けると、楽しそうな笑みを浮かべ、

曹操は槍を握って俺のもとへと駈け出してきた。

「行くぞ、ウィザード!」

最強の槍とドラゴンスレイヤーがぶつかり合い、

周囲に聖なるオーラがブチまかれ、地面を抉っていく。

それを何度も行うために開始早々で俺達の周囲の地面は瓦礫が大量に生み出された。

「九尾を使って何をする気だ」

曹操と鍔迫り合いを行いながらも俺は奴に質問した。

「この京都と九尾を使い、グレートレッドを呼びだすのさ! 

幸いにも龍王、天龍がいる! 俺達が作り上げた方法と組み合わせれば、

直にグレートレッドはこちらに来るだろうさ!」

曹操はいったん、距離を取ると槍の先端を俺めがけて伸ばしてくるがそれをアスカロンで弾き、

手に生み出した炎を奴めがけて放つがそれは簡単に避けられる。

最強のセイグリッドギアを使っていう影響なのか、

身体能力は人間のそれを大幅に超えているようだな。

本当にどこからこいつらは情報を得ているんだ。

俺の中に眠るドラゴンが二天龍の一匹であることも。

「はぁ!」

槍を大きく振るったかと思えば、

ゼノヴィアのような破壊力満点の聖なるオーラの衝撃波が俺めがけて飛んでくる。

『ディフェンド・プリーズ』

『フレイム・スラッシュストライク! ボーボーボー!』

「ぬぉぉ!?」

破壊力満点の衝撃波をディフェンドで防ぎ、その直後に上空へと跳躍して、

アスカロンの刃に手を置いて、炎で刃を包み込ませ、炎の斬撃を飛ばすが、

槍とぶつかりあい、爆発を起こして消滅した。

直撃はしなかったものの、爆風でいくらかは傷はおったか。

「むぅ、案外気に行っていた服だったんだがな」

「安心しろ。あの世で思う存」

そこまで言いかけた時に、背後に魔力を感じ、

そこから飛び退くとさっきまでいた場所に拳が叩きつけられると同時に爆発が起きた。

あいつは確か、ロスヴァイセとやっていたはずだろ。

「チッ! 外したか」

「下手くそね。あたしなら傷は負わせたわよ」

「無理だよ。君たちじゃバランスブレイクした状態で束になっても傷一つ負わせられないさ。

曹操じゃないと彼とは互角にはやれないだろうね」

次々と俺の仲間たちと戦っていた奴らが俺と曹操が戦っている場所へと集まっていく。

周囲を見渡してみると傷を負った木場達が地面に突っ伏したのが見えた。

…………なるほど、英雄の魂を受け継いだというのはガセでもなく本物……なのかは、

未だに疑問が残るが最強のトップのお仲間さんはお強いという訳ですか。

「んじゃあ、バランスブレイクで行くぜ!」

直後、ガタイのでかいやつの魔力が大幅に上がり、

全身から突起物が次々とその姿を現していく。

「俺の名はヘラクレス! そしてセイグリッドギアはバリアントデトネイション! 

バランスブレイクはめんどくさいから実際に見やがれ!」

ヘラクレスと名乗った男からすさまじい数のミサイルのようなものが飛んでくる!

炎を集め、ドラゴンの形を模した火炎を放ち、

こちらへ向かってくるミサイルのような爆発物を一気に破壊していく。

「っ!? ちっ!」

爆発によって生み出された煙から真っ白な姿をしたドラゴンのようなものが、

俺めがけて飛んで来た!

どうにかアスカロンで受けたものの徐々に俺を後ろへと引きずっていく!

よく見たらこいつ、刀で出来ているな。おそらくあの女の力だな。

「聖剣の集まりか。砕けろ」

『フレイム・スラッシュストライク! ボーボーボー!』

ゼロ距離から炎の斬撃を直撃させ、聖剣の集まりのドラゴンを叩き潰すが今度は上から、

魔力を感じ、上を見上げると六本の腕を生やした白髪神父が腕と、

同じ数の剣を持って急降下してくる!

『コピー・プリーズ』

アスカロンをコピーで二つに増やし、防ぐが流石に数が三倍も違うのはヤバい。

『ライト・プリーズ』

「うっ!」

間近で強い光を受けた白髪の目が回復する間に俺はいったん、奴らから距離を取った。

ちっ! どいつもこいつもバランスブレイクを好き放題にやりやがって。

ここはバーゲンセールをしているスーパーじゃないんだぞ。

「流石にウィザードと言ってもバランスブレイク状態の三人と、

最強の槍を持つ俺と戦えばどうなることやら」

「けっ! ウィザードとか聞いたから期待したのによ!」

「ほんと、それよ。てんで弱いじゃない」

「雑魚はペラペラと喋る…………あまり、有頂天にならない方が良い。

後で恥ずかしくなって黒歴史になるかもしれないからな」

『コネクト・プリーズ』

俺は傍に魔法陣を展開させ、そこへ手を突っ込んで目当ての物を取り出した。

『ドラゴタイム・セットアップ』

それを手に装着し、タイマーを一回転させるととそんな音声が辺りに鳴り響いた。

「さあ、ショータイムだ!」

『スタート!』




お久しぶりですねん。新しい時間割が凄いでんねん。
火曜日フルタイムとか(笑)
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