ハイスクールD×D inウィザード   作:kue

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第八十一話

七つの球体を浮かべている曹操とそれぞれ鎧を身に纏った俺、

ヴァーリ、アザゼルの間に沈黙が流れる。

奴の魔力量が大幅に変化したわけじゃない……あの七つの球体から、

凄まじい魔力を感じるし、それぞれの全く異なる魔力だ。

まさか一つ一つがそれぞれ異なる存在か。

「七宝が一つ……輪宝」

その呟きの後、球体の一つが消え、

俺は反射的にディフェンドで炎を目の前に大きく展開するが、

直後に凄まじい衝撃波が俺を襲い、そのまま壁に当たるまで吹き飛ばされた。

「がっ!」

「流石だな。反射的に防いだが……だが、凄まじい威力だろ?

君の魔法をも打ち砕く矢だ。本来の能力は武器破壊なんだけどね。

通常の技としても使える」

「ヴァーリ!」

アザゼルの掛け声と同時にヴァーリが動きだし、曹操に向かっていく。

だが、二人が同時にしかける高速の攻撃を曹操は寸でのところで全てを避けていく。

バランスブレイクを発動した影響で奴自身の身体能力も上がったのか!

一旦、曹操は二人から距離を取り、

付けていた眼帯を外すとその奥にあった眼は金色の輝きを放っていた。

あれは人間の目じゃないな……俺が違う魔力を感じたのもそれが原因か。

俺はバインドを発動し、奴の動きを止めようとするが七つの球体が鎖に衝突し、

鎖が一瞬にして砕かれた。

それと同時に曹操は視線を下に向ける。

刹那、アザゼルの足もとが徐々に石化していき始めた!

「メデューサの眼か!」

「正解だ」

アザゼルが動けなくなった所に奴の腹部に槍が突き刺され、

鮮血をまき散らしながらアザゼルは地面に倒れ伏した。

俺の攻撃で失った目をあんなもので補っていたのか。

「曹操ぉぉぉぉぉぉぉ!」

アザゼルをやられたことからの怒りからかヴァーリは莫大な量の魔力を、

籠手の先に集中させ、それを巨大な弾丸として曹操めがけて放った。

バカ野郎! まだあの七つの球体の能力も分かっていない時に遠距離からの攻撃を!

「珠宝!」

その叫びとともにヴァーリが放った巨大な弾丸の目の前に球体が出現し、

そこに小さな時空の穴が開いて、それを吸収してから消え去った。

「こいつの能力は相手の攻撃を他者に受け流す」

俺はその説明を聞いて後ろを振り返った瞬間!

すさまじい爆音と爆風が発生した!

「……何ちんたら……してんのよ」

「姉様!」

小猫の前に立ち、放たれてくる攻撃から庇ったのか黒歌は全身から煙をあげ、

鮮血を流しながら地面に倒れ伏した。

「アハハハハハハ! 君は本当に仲間想いだ! 

だがその仲間想いが君の弱点でもある!」

ヴァーリは全身から怒りのオーラを滲ませながら、

鬼の形相でヴァーリを睨みつける。

「貴様のその癪に障る笑みごと吹き飛ばす!」

「覇龍か! ゲオルク!」

ヴァーリが覇龍を発動させようとした瞬間、曹操の叫びが響き渡り、

青年が腕を突き出して魔法陣を展開させると、

サマエルから一つ、黒い球体が眼で追いきれないほどの速度で飛んできて、

ヴァーリを一瞬で飲み込んだ。

「ヴァーリ!」

「ハハハッハ! 天龍も呆気ないな!」

黒い塊が弾けたと同時に全身から鮮血を噴き出したヴァーリが倒れ伏し、

鎧も倒れた際の衝撃であっけなく砕け散ってしまった。

あれが究極のドラゴンスレイヤーの力か……俺も、

あれを受けないように注意しないとな。

あのヴァーリが反応できないほどの速度で触手が伸びてくる……曹操と、

戦いながらあの触手に気を配ることができるのは……。

「君は冷静だね。仲間たちが次々とやられていく中で、

どうすれば俺を倒せるのかと策を練っている…………やはり君は危険な存在だ。

時がたてばたつほど危なくなる」

曹操が槍を握り締め、俺に突撃してくる。

俺は球体にも注意を払いながら振るわれる槍の攻撃をアスカロンで往なしていく。

いつもの感じで攻撃をすれば攻撃自体を後ろの奴らに受け流され、

逆に何もしなければこちらが殺される……本当にめんどうな力だ。

だが、力を出し惜しんでいてもこいつは倒せない!

俺は曹操との鍔迫り合いを打ち切り、距離を取って傍に魔法陣を展開し、

そこからドラゴタイマーを取り出し、腕につけた。

『ドラゴタイム・セットアップ』

「これで決める」

「面白い。やってみなよ」

『スタート!』

レバーを押し、タイマーをスタートさせると同時に曹操が先ほどの槍を放ってくるが、

それを避け、アスカロンを曹操に振りかざしたときに、

タイマーからドラゴンの咆哮が聞こえてくる。

『ウォーター・ドラゴン!』

レバーを押し、奴の背後に青色をした魔法陣が展開されると、

そこから青色の鎧をまとった俺が出現し、斬りかかるが球体によって阻まれた。

「さあ、ドンドン来なよ!」

『ハリケーン・ドラゴン!』

『ランド・ドラゴン!』

俺達が曹操から離れた直後に奴の上と下から緑色と黄色の鎧を身に纏った二人の俺が出現し、

攻撃をかけるがそれらは全て球体によって防がれ、肝心の曹操に届かなかった。

四人同時の攻撃を仕掛けていくが曹操は球体で防いだり、

槍で防いだりしながら全ての攻撃を防いでいく。

これ以上ちんたら攻撃しても無駄だな……四人で攻撃を、

当てることさえ無理ならばオールドラゴンで……いや、

ダメだ。あれは魔力を消費し過ぎる力だ。この後にも何が起こるか分からない。

『ファイナルタイム!』

「どうやら終わりのときらしいが?」

「甘く見るなよ」

『ドラゴンフォーメーション!』

レバーを叩くとそれぞれの背後に魔法陣が出現し、

そこからドラゴンの幻影が現れて、それぞれの専用の武装へと変化する。

「はっ!」

『チョーイイネ! サンダー!』

『チョーイイネ! グラビティ!』

『『サイコー!』』

ウォーター・ドラゴンのドラゴンの尻尾の攻撃を曹操が球体で防いだ瞬間、

グラビティで曹操の動きを封じ込め、

間髪入れずにサンダーを発動し、奴に向かって放った。

「言っただろう! 攻撃は全て他者に受け流せると!」

曹操が自らの前に球体を持ってきた瞬間、テレポートを発動し、

球体の目の前に移動し、後ろから迫ってくるサンダーをコネクトを使って、

いったん別の場所へと保存し、そこから奴の頭上にコネクトを繋げる!

「消えろ! 曹操!」

頭上の魔法陣から先ほどのサンダーが排出され、曹操に直撃し、

爆音を上げながら地面を抉り、周囲に大小様々の瓦礫を生み出していく。

「ハァ……ハァ」

その直後に分裂体が姿を消した。

確かに攻撃を他者へと受け流す球体は厄介だ……だが、それを操っているのは人間。

人間が反応できない場所からの攻撃ならば効くは…………っっっ!

煙の中から槍を持ったシルエットが浮かび上がり、

ガシャガシャと何かが落ちていく音が続けざまに聞こえてくる。

「いや、今のはヤバかった。直撃していれば死んでいたな……だが、

最強のロンギヌスの力を舐めてもらっては困るし、

それを扱う俺を舐めてもらっても困る」

曹操の頭上を護るかのように人型の存在が積み重なるように宙に浮いており、

次々に砕け散っていく。

「居士宝。光輝く人型の存在を生み出し、従わせる。

木場祐斗の聖剣のバランスブレイクに似た力だ。

でも、まだ未完成でね。調整が必要な能力の一つだ」

奴を倒すことができる最初で最後のチャンスを俺は逃してしまった。

もう魔力もほとんど残っていない……セイグリッドギアの力を使って、

魔力を倍々にしていってもいいがあくまで一時的だ。

それにセイグリッドギアと魔法が同時に扱えるかも分からない状況だ……絶体絶命だな。

「そろそろ終わりにしようか」

そう言い、飛びかかってきた曹操の攻撃をアスカロンで防ごうとするが、

俺の手に矢が直撃し、鮮血が舞い、力が緩んでしまい、そのまま地面に落ちた。

「がっ! ぐあ!」

槍の連続攻撃をまともに受け、

さらに腹部を蹴り飛ばされてリアス達がいる近くにまで吹き飛んだ。

「イッセー!」

「させませんわ!」

「女宝!」

リアスと朱乃が同時に能力を発動し、

曹操を攻撃しようとしたときに球体が彼女たちのもとへと飛んでいき、

弾けて凄まじい輝きを放って、彼女達を包み込んだ。

「ち、力がでない」

「女宝の能力は女性の異能を封じる。

さあ、グランドフィナーレと行こうじゃないか。輪宝!」

曹操の目の前に球体が現れ、そこから先ほどの矢が何本も飛んできた。

俺が避ければ後ろに!

「がっ! あぁぁぁぁ!」

「イッセー!」

放たれた全ての矢が俺に直撃し、鎧は完全に砕かれ、

全身から夥しい量の鮮血が吹き出した。

ク……ソ…………。

「曹操」

「ん? ……なるほど、旧魔王は恩をこんな形で返すのか」

青年からメモ用紙を受け取り、それを読んだ曹操は七つの球体を消し去り、

青年とともに外へ消えていった。

…………俺達を殺すまでもないってか!

「あ、そうだ。もうすぐここにグリムリッパーの集団が来る。

俺達はオーフィスの力が目的だがハーデスは絞りカスのオーフィスが必要らしい。

生きてここから脱出できたらまた会おう」

そう言い、曹操は外へと出ていった。




早く冬休みにな~れ
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