「ハハハハハ! 素晴らしい! 復活したその魔力もいただくぞ!」
ファントムは俺に次元の裂け目を生み出す槍の一撃をくらわす……だが、
一度だけ開いた次元の裂け目はまるで時間を巻き戻しているかのように凄まじい速度で、
その穴をふさいでいき、ほんの数秒足らずで穴が完全に閉じた。
「おおおぉぉぉぉぉぉ!」
ファントムは直接、槍で俺を殺そうとしたのか高く跳躍して、
降下する勢いを利用しての槍の一撃を俺に叩きつけるが、
俺に傷がつくよりも前に槍の方がポキンと折れてしまった。
「バカな!」
「はぁ!」
驚いている相手の腹部を思いっきり殴りつけると一瞬だけ右腕の鎧が輝いて、
相手は遠くにまで吹き飛んだ。
凄いな……そんなに力を加えずにあそこまで飛ぶか。
「この鎧は皆の心を護る鎧。それを破ることはできない。来い、ドラゴン!」
そう言うと俺の中から銀色に輝くドラゴンが出現し、俺の手の上に滞空すると、
そのまま形を変えて剣と斧が一つになった武器が生まれた。
「くそ!」
「はっ!」
相手の折れていない槍での攻撃を斧と剣が一体化した武器で防ぐと
そのまま槍をはじき、剣の部分で相手の身体を二度三度切り刻み、
蹴りを入れてもう一度、遠くにまで飛ばした。
「ぐっ! はぁぁぁ!」
相手の手のひらから紫いろに輝く球体が生み出され、俺に向かって放たれる。
しかし、腕を軽くそれに当てると三つに分断されて俺の背後に飛んでいき、
そのまま着弾して消滅した。
「バカな!」
『インフィニティー・ナイト』
「はぁ!」
指輪を籠手の宝玉にかざすとそんな音声が鳴り響き、体がとても軽くなった感じがし、
走り出すと自分でも分かるくらいの凄まじい速度で移動できるようになった。
そのまま高速で相手に向かって突進し、一度切り裂くとさらに高速で移動して背後へと回って、
切り裂き、再び高速ですれ違いざまに切り刻んで元の場所へと戻った。
『ターン・オン!』
剣の刃を持ち手に変え、斧を相手を切り裂く主要武器に変える。
「はぁ!」
「ぐぉ!」
相手を斧で斜めに切り裂くと火花と鮮血が散った。
金属レベルにまで硬化させた相手の皮膚ですら切り裂く斧か……いいな。
「ふぅん!」
「ぐあぁぁ!」
斧を相手に密着させてから思いっきり下に降ろすと火花が散り、
相手はそのまま吹き飛んで、背中から地面に落ちた。
「これならどうだぁ!」
『インフィニティー・ビショップ』
相手が腕を突き出し、赤色の魔法陣を展開させるのを見て宝玉に指輪を翳すと、
音声が鳴り響き、放たれてきた炎に手を翳すと炎が俺の手のひらに球体として凝縮された。
「バ、バカな!」
「見せてやる。これが本物だ」
「ぐあぁ!」
火球を相手に放り投げるその火球がドラゴンの形に変化し、
そのまま相手の硬化した皮膚ごと奴を軽く吹き飛ばした。
ナイトが残像が残るほどの高速移動、ビショップが相手が使用した魔法を魔力に分解、
もしくはそのまま撃ち返す……この様子じゃクイーン、ルークもあるみたいだが、
それを試すのはもっと後にするとしてそろそろケリをつけよう。
「フィナーレだ」
『ハイタッチ! シャイニングストライク! キラキラ!』
「はぁぁぁぁぁ! えあぁぁぁぁぁぁ!」
「ぬおおぁぁぁぁぁぁ!」
斧の刃と剣の刃の間にある手の形をした部分を指輪をつけた手で軽く叩くと、
斧から銀色の輝きがあふれ出し、徐々にその大きさを大きくしていく。
俺は徐々に大きくなっていく斧を持ったまま、空高く跳躍し、
そのままファントムに叩きつけた!
「こ、こんなことがぁぁぁぁぁぁ!」
その言葉を最後に、ファントムは真っ二つに切り裂かれ、
切り裂かれた部分から銀色の輝きを放ちながら、大爆発を上げてこの世から消え去った。
……全てを取り戻したんだ。
俺はやつの最後を見届けた後、
すぐにリアスを治療しているアーシアのもとへと近寄った。
「アーシア、どうだ」
「はい。もう少しです」
『プリーズ・プリーズ』
アーシアの手を軽く握りながらプリーズの魔法を発動させると俺の魔力が、
アーシアへと流れ込み、癒しの波動がさらに強くなって、
リアスの傷を癒していく速度が上がった。
「ふぅ。完治です」
俺が魔力を渡してから数秒ほどでリアスの脇腹の傷は傷跡も残さずに綺麗に完治された。
すると、リアスの目が徐々に開き、
俺を視界にとらえると目を見開いて今の俺の姿を見ていた。
銀色の鎧を消し、俺もリアスを見つめた。
「イッセー……魔力が」
「あぁ。お前のおかげだ、リアス」
「イッセー!」
近くで抱きついてきたものだからモロに衝撃を受けて、そのまま尻から地面に、
落ちてしまった……が、今はこのくらいの衝撃は心地よく感じる。
もしも、リアスが俺の傍にいなかったら……俺はまだ、魔力を取り戻せずにいた。
「サイラオーグ。お前にも迷惑掛けたな」
「いや……俺の責任だ」
「そうか……ま、このことはもう良いだろう。帰ろうか、皆」
俺がそう言うと全員、笑みを浮かべて首を縦に振った。
…………覗き見している変態に見せつけるのも悪くはないな。
「も、申し訳ありません!」
「はぁ。ファントムが兵藤一誠から魔力を奪ったところまでは良かったものの貴方達が、
余裕をかまし過ぎて兵藤一誠を殺すどころか新たな力に覚醒させたと……ふぅ。
戦力増強どころかこちらにダメージを与えられましたね」
「も、もう一度我々で」
「もう結構です。普通の魔法使いの貴方達に兵藤一誠を、
殺せるはずもありません……貴方達には消えてもらいます」
「そ、そん―――」
『ギャハハハ! てめえも俺と同じじゃねえか』
「貴方と一緒にしないでください……グレンデル」
更新順間違えた