とある妖怪の運命操作   作:rockzero21

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少し学校の方で論文投稿がありこんな時間になりました。現在艦これの二次作品とゼロの使い魔、デアラの二次(前に言ったものとは別)等一話やプロローグができたのですが、筆が進まず推敲してから出します。

2018-3/2-22:46……タイトル修正


§1(2) 日常との別れ

「小萌先生ー、上ヤンが窓の外の女子テニス部のヒラヒラに夢中になっていまーす。」

 物思いにふけっていたが急にそんな声が聞こえて前を見ると、私を見る周囲と何故か御立腹の小萌先生がいた。

「上条ちゃん? ちゃんと補習受けないと先生怒っちゃいますよ?」

これは確定で地雷を踏み抜いたな。このまま長ったらしい説教に付き合うのも悪くはないが、どうせならここでビシッと言ってやりたい。

「失礼しますが小萌先生、其れでは何故補習を受ける必要があるか説朙していただけますか。」

「それは…上条ちゃんが記憶術の単位が足りないからですよう。」

「成る程、其れは私も同意見です。然し、結局私は無能力者でしかないただの弌般人…零に幾ら掛けても零なんです。」

「でも先生は皆んなのためを思って……」

「いえ、少なくとも私は先生の氣持ちを蔑ろにしようという譯ではありません。現に先生の指導により進步した生徒もいることでしょう。私が言いたいのは、彼等は無能力者といえど能力を持っている、然し其れが表に現れていないだけということです。其れに對し私は真に無能力者であり、私に敎えるのは此の街の外の人物に記憶術を行うのと同じです。」

此処まで言っておけば大丈夫だろう。生徒の癖に教育方針につべこべ言うなとも思うかもしれないが、今の時代授業が双方向であるべきなのは自明の理だろう。

 などと考えていたのが今から六七時間前のこと。現在私は長い長い補習を終え、帰路についている。さてこんなに長引いてしまったのは、あの時の提言により小萌先生が泣き出してしまったことが発端だった。若し彼女が普通の女教師だったとしたら大人気ないで済む話だった。然し小萌先生は体格の物凄く小さい、所謂合法ロリだった。御蔭で私に味方する者はいなくなり、さらに補習が終わると皆に失態を晒してしまったのが恥なのか、はたまた教育方針を否定されたのが気に食わなかったのか、小萌先生により二、三時間の説教と目隠しポーカー、通称すけすけ見る見るをさせられた。尤も此処は運命操作の独壇場、高位の役を次々と揃えて言った。然し其れが小萌先生の気に触れたらしく此の時刻までさせられた。いや、負けていても同じだっただろう。つまり

「不幸ね……」

呪うべき物といえば其れしかないだろう。運命は捻じ曲げられても自分の不幸は捻じ曲げられないとは御笑いね。何処ぞの航空戦艦さんや五航戦の姉の方ならどうにかなるかしら……

「あっ、いたいた。この野郎! ちょっと待ちなさ……ちょっと! アンタよアンタ! 止まりなさいってば!」

 私が後ろの声に気づかなかったのは、野郎呼ばわりと考え込みの所為である。然しここでどうして自分が其の野郎の対象だと気づけるだろうか。さて、私が声の主を見てみると中学生ほどの背丈、着ている常盤台の制服からそうとわかる。そして黄赤の短髪、ときて其の正体が分かった。

「あら、ビリビリ中学生じゃない。」

「ビリビリいうな。私は「御坂美琴、でしょう? 確か常盤台の超能力者で第弎位。能力は……射出弓弩(カタパルト)……だったかしら。」超電磁砲(レールガン)よ。どこをどうやったら間違えるのかしら。」

「御免なさい。瑞々の改裝をやる豫定だったから……」

「瑞々って何よ……いやそうじゃなくて、私はアンタに用があるのよ!」

はぁ、どうしてだろう。何か彼女に悪いことでもしたのだろうか。そう思って私は初めて出会ったときから思い出していった。

 彼女と出会ったのは何も昨日一昨日の話ではない。半月前くらいだろうか、私が不良に絡まれている彼女を良かれと思って助けたのだが、其れは地雷原の人型爆弾だったらしい。そして其の爆弾が周囲の地雷を機能不全にしつつ爆発したものだから当然右手で止めた。そしたら勝手に対抗心を燃やされ、其れから度々戦いをふっかけられている。名前は昨日知ったばかりだが。其れはともかく帰着するのは、

「不幸ね……此ればかりはどうにも……」

「ねぇアンタさっきから不幸不幸言ってるけど、昨日爆発した缶を幸運にも避けたじゃない。」

「あぁ、あれ? あれならちゃんと當たったわよ。」

「当たったって、あれを食らったら一溜まりもないわよ。」

「ええ、缶ならそうでしょうね。でも缶とは言ってないわ。」

「え、どういうこと?」

「ところで、リサイクルセンターって行ったことあるかしら。あそこ街で囘收した缶甁を別の原料にしているのだけれど、何かジュースの混ざった嫌な匂いがするのよね。」

「あっそう…ひょっとしてまさか」

「其のまさかよ。あら、もうすぐタイムセールの時閒ね。其れじゃあ私は歸るわね。」

「あっはい、さよなら……って、っざけてんじゃねーぞこの野郎!」

 頭にきた御坂が地面を足で叩くと周囲に電気が漏れ出てくる。御願いだからやめてほしい、さらに不幸を被れというのか。あと野郎呼びもだ。ほらみんな携帯が使えなくなって困ってるし、ロボットも壊しちゃったじゃないか。

「ふん。どうよこれでアンタも戦う気になーーむぐ、んんんん……」

「(默ってなさい。あと野郎じゃなくてせめて女郎にしてくれないかしら)」

これ以上やっているようじゃあどうにも聴衆と警護団の注目を引きつけるようであまり好ましくない。ということで御坂の口を手で塞ぎ、耳打ちするように話した。さて此れからするのは、

「……ぷはぁ、私に何を……いない⁉︎」

『エラーNo.100231-YF。電子テロの……」

そりゃあ逃げ出すに決まってるじゃないか。

 さっきは酷い目にあった。若し早く帰れたらこんな事しなくて良かったのに。然し此の状況で家に帰れたのは一番の幸運といえよう。ただ此の時『家に帰るまでが遠足』という言葉をすっかり忘れていた。私は家の前で屯っている幾台かの掃除ロボットを発見した。さて、AIがとち狂ったのかとも思ったがそうではなかった。中心を覗き込むと確かに掃除の対象が見えた。然し此の時私は息を飲んだに違いない。というのも、其れは今朝別れたはずのインデックスだった。

 私はとりあえずロボットを蹴散らし彼女の容態を見た。まだ傷口は真新しいが傷の大きさにより可也の出血が見えた。どうも彼女は出血性ショックで命を失ったようだ。

「早くポリ公(アンチスキル)に連絡を入れる必要があるわね。然し誰がこんな事を。」

「え、僕たち『魔術師』だけど?」

 聞き慣れぬ声が耳に入った。

 

 




此の小説における警察組織について
 此の小説に於いての学園都市は自衛団と警察が両方存在する。然し警察は個体での活動より自衛団と組んでの活動が主。
アンチスキル
 此の小説では原則片仮名表記。学園都市所属の教師によって作られる対能力武装集団。其の為、高レベル者は対応できないが、前述の警察と組んでの活動などの特徴がある。
ジャッジメント
 同様に原則片仮名表記。此方は学生によって作られる。能力によって犯罪の対策をしている。其れゆえアンチスキルに比べると検挙率は上がるが、体が弱い子供に荷を負わせるという点もある。片仮名なのはルビが面倒な為。

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