『未完』リリカルなのは~逆行転生で原作大崩壊~ 作:echo21
一人目の銀髪。
「ニコポ、SSSの魔力、すごいデバイスだな!」
『ニコポ』Q洗脳? Aしません。
※ニコッとしたら(自分が)ポッとなるだけです。
『SSSの魔力』Q今は? A知らん。
※最大限を越える努力した上での上限値です。
『すごいデバイス』Qすごいの? Aすごいだろ。
※すごい安物のデバイスです。
二人目の金髪。
「優れた魔力、優れたデバイス、努力できる才能だ!」
『優れた魔力』Q優れた? Aエリートですよ。
※平均値よりは上(AA)の魔力値です。
『優れたデバイス』Q優れた? A高いですよ。
※平均値よりは(値段的に)上のデバイスです。
『努力できる才能』Qできるの? A頑張れよ。
※努力したいと思えることです。
三人目の赤髪。
「精神逆行、家事能力、一方通行だぜ!」
『精神逆行』Q全員? A自分で確かめてね。
※原作の主要キャラ達の精神が逆行しています。
『家事能力』Q家事だよ? Aエミヤ舐めんな。
※英霊の家事能力(スキル)はチートです。
『一方通行』Q超能力? A最強を舐めんな。
※学園都市最強の演算能力(頭脳)です。
神様の戯言。
「言葉って難しいですな(笑)正確に言わなきゃね?」
特典がやばいでげす。
カオスな相談会から数週間がたち、リニスとの訓練で進展したことをまとめておこう。リニスに封時結界を張ってもらい、一方通行の能力を中心的に訓練したらやばいことが判明したからね。
まずは、予想していた一方通行の『ベクトル変換』ではなく、認識できる『ベクトルを操作する』ことができたことだ。リニスとの訓練中、俺に迫ったシューターに『やばい! 止まれ!』と焦ったときに起きた。なんとっ! リニスのシューターが止まったのだ。その後に試行錯誤した結果、変換ではなく操作だと判明したのである。密かに『ベクトルを停止できたら一方通行じゃないな』とか思っていたりもする。
それ以外にも、一方通行の解析頭脳といえばいいのか、演算能力が安物のデバイスを鼻で笑うぐらいにある。リニス曰く『バルディッシュを越えてませんか?』だとさ。リニスとの契約で魔力を認識しているので、シューターなどの解析、演算が楽にできる代償だろうか。すぐに痩せる。一食あたりのカロリーを三人前以上必要とするのだから、ガリガリには気をつけよう。あと、体力がないっす。これもデメリットかね。
食事といえば、エミヤシロウの家事能力もやばい気がする。とりあえず、母は越えた。専業主婦のプライドを粉々にしたようで、夕方まで帰らないようにキツく言われた。『夫への手料理は私がっ』という、母には悪いと思っている。それでも、腕を錆び付かせないよう考えた末、桃子さんに弟子入りするつもりだ。エミヤシロウの家事能力はスキルに昇華されるほどだから、かな? エミヤちーと?
まだ認めて貰えてないが、師匠の桃子さんには俺の実力を披露している。『私より上手いなんて』と嘆く美由希がいた。鼻で笑ってやったけどね。美由希は『毒物生成』のスキルもちだし、味見した俺は死にかけたからな! ちなみに、自分で料理をするたびに『マルチタスク』が上達している。俺より先に弟子入りした母の反対をどうにかする方法を悩み中でげす。
そうそう。高町家とは家族ぐるみで仲が良く、うちの母が翠屋でアルバイトを始めた━━息子をライバル視するな、母よ━━俺は俺で体力作りの為に早朝マラソンだけは参加している。疲れたら『反射』しているので、練習にもなっていることは秘密。
なのはは逆行して以来、二人の娘に厳しくなった桃子さんに叩き起こされているそうだ。なんでも、過労死を心配する桃子さんに向かって、『今のうちに怪我をしにくい身体作りをするの! 全力全開なの!』と胸を張ったらしい。そんなわけで早朝マラソンに強制参加しており、過去の己を呪いつつ、毎朝へばっているのだから笑える。全力全壊でげすなあ、飛んできたシューターは反射したよ。ご苦労さん。
テスタロッサ一家は八神家に引っ越してきた。ハラオウン組も間借りしているそうな。ギル・グレアム氏との会談を終えたクロノさんは忙しいのに、暇をみつけては模擬戦に付き合ってくれるので頭が下がる。フェイトはプレシアさんに『親孝行を!』と気合をいれており、限りある余生だから、なるべく後悔がないように過ごして欲しいと思っている。時折見つめてくるリンディさんは、未だに勧誘をしてこないので不気味である。甘味の催促には応じよう。クロノさんには内緒だよ?
はやては記憶にある限りの『夜天の書』を再現するつもりで努力している。未だ目覚めぬヴォルケンリッターの状態を確認しなければ先に進めないのだが、プレシアさんから知識と技術を習っているので『あるで。希望は』とのこと。お願いされたわけではないが、俺とリニスは家事を手伝っている。リィンフォース・アインスの延命に挑むはやての時間は待ってくれないのだからね。めざせ、ハッピーエンドだ。
ハッピーエンドといえば、アリサとすずかだろう。今までと変わらない日常を過ごしながら、逆行前よりも早く仲良くなった女性陣と『結婚する為の出会い』に頭を捻っている。計画倒れにならないように祈ってます。まあ、出会いの前に女子力をあげたほうが……言わぬが仏かね。黙っておこう。アリサ達とは同い年だし、大人の精神を持っていることで仲間意識がある。今はまあ、茶飲み友達としての付き合いかね。
そんな日常に訪れた変化は翠屋に来る転生者達だ。彼らは暗い幼少期のなのはを探して彷徨うも見つからず、諦めたのか、一般客として翠屋に出没している。なのはのグチをよく聞かされる俺に遠慮はない。数十回の模擬戦で『ディバイン・シューター』を反射しまくったときから天敵扱いされているからね。突っ込みのシューターと名付けてあげた。フェイトは速度で攪乱する戦法をとるので、反射の角度を間違えれば一撃もらったりするのだ。さすがはフェイトそん。速度のチラ見せ、やばいです。なのは? もらいませぬ。
「また来てたのか? いやはや、モテるねぇ」
「笑ってる場合じゃないの。どっちも鼻につくの」
「なのはは翠屋があるからな。ドンマイだわ」
「明日香君。お話しよう? ディバイン・バスターができるようになったの! シューターじゃないから反射できないの!」
「ハッ。そこもかしこも一方通行だッ」
「はいはい。二人で『ぐぬぬ』しないの。まあ、迷惑なのよね。あの金銀コンビ」
アリサに宥められて腰をおろす。今日は八神家に集合しており、庭先で休む俺になのが絡んできていたのだ。それにしても、俺達を止めたアリサがついたタメ息がでかい。
「アリサちゃんにも?」
「すずかやフェイトにもね。『俺の嫁』発言の銀髪に『俺が守る』発言の金髪とか冗談じゃないわ。アイツら、もっと下心を隠せないのかしら? 透けてみえんのよ。それにね。私の夫は私が選ぶって言ってあげたし、守られるほど弱くないでしょ? なのは達はさ」
「そこでバーニングしなかったのか? アリサなのに」
「あら、明日香。私はレディなの。バーニングするのなら夫にするわよ」
「まだみぬ夫に?」
「ヘイ、明日香。最近のエクササイズで、私のコーチに褒められたのよ。『ナイス、フック!』ってね。そうそう。明日香にプレゼントがあるわ」
「反射すッぞ」
舌打ちするなよ、レディ。
「まあいいわ。そうだ、明日香。聞いたわよ? 明日香のお母様がお茶目してケーキを投げちゃったそうね。アイツらの顔に向かって」
「あれには驚いたの。拍手したの」
「給料からは引かれたらしいぞ。八つ当たりで小遣いが減ったからな。金が欲しいから桃子さんに弟子入りしたい」
「じゃあ、バスターをあげるの!」
「私のフックもつけてあげるわ!」
「愉快なオブジェにしてやるよッ」
睨み合う俺達にはやての叫び声が届く。慌てて居間に向かえば、ヴォルケンリッターがはやてに名乗りをあげ終えたところだった。はやてを囲むヴォルケンリッターの瞳が潤んでみえる。
「主はやて。お待たせして、申し訳ありませんでした」
「シグナムぅ」
「待たせたなっ、はやて!」
「ヴィータぁ」
「待たせちゃったわね。はやてちゃん」
「シャマルぅ」
「主よ。お待たせしました」
「ザフィーラぁ」
「お久し振りです。主」
「リィンフォースやぁ……みんなおる、みんながおるぅ」
「はやてちゃん!」
「ツヴァイもやなぁ。みんなや、みんなぁ」
「そっとしておこう」
「ネタ挟むなやアホぅ。明日香ぁ。みんなおるんやぁ」
ざめざめと泣くはやてを軽く抱き締めてやる。守護騎士達の生暖かい視線が恥ずかしいんだがね。
「ねぇ、ヴィータちゃん。みんなも逆行してるの?」
「バッチリだ。あたしらに関しては逆行の知識でアインスが頑張ってな。ちゃんと『夜天の書』だぜ」
「そうなの、良かったの……うん? それって大丈夫なの?」
「おうよ。大丈夫だぜ。だから時間がかかったらしいけどな? それにしてもなのは。過去に戻ったからって『なのなの』してんなあ」
「キャラ作りなの! どう? 幼女らしいの?」
「ビミョー」
笑い合うヴィータとなのはに、遅れてやってきたフェイトも涙をこぼしている。気がつけば皆が泣き笑いだ。
「はやて。涙の巻」
「うっさいわアホぅ」
背中をさすってやり、はやてが落ち着くまでに数十分は過ぎただろうか。嬉しそうにお茶をいれたシャマルに気持ちぶん警戒しつつ、皆で一息いれながらこちら側の状況を説明した後に『夜天の書』の状態を聞いた。
アインスが語る現状は最上を越えた。ヴォルケンリッターの逆行した知識を集め、『闇の書』を『夜天の書』に自力で改修したのだから頭が下がる。その改修作業で『闇の書の闇』を解析できたのは、ヴォルケンリッターから『紫天一家』の記憶情報を拾ったからであり、その結果、『砕け得ぬ闇』のユーリ・エーベルヴァイン、『マテリアル』の三人娘も正常稼働ができるという。
「ほんまかっ。犠牲は?」
「はい、ありません。しかし、契約する主が必要です。『紫天の書』の主は、主はやて以上の魔力が必要ですから……そんな人物、は?」
「目を逸らしたい」
「な、なあ、アインス。明日香でいけるんか?」
「可能だと判断します、が……すごい魔力値ですね。私が知る限り最上の魔力値です。過去に類を見ない魔力値ですから……『闇の書の闇』すら越えてませんか」
「やったわっ。ほんじゃ明日香、頼むわ! 何でもするっ、何なら嫁にいくわっ!」
「おい、子狸」
「エロも受け付けるで! ロリでよければなっ!」
「黙れ子狸。リニスと話し合ってからでいいな?」
「うっしゃ! 頼んだで! ……なんや? なのはちゃん? フェイトちゃんにアリサちゃんも? どないしたん、みんなで?」
ガッツポーズのはやてが引き摺られて消えていったので、リニスとアインスを交えて相談する。リニスが快諾したので『紫天の書』の主にデメリットがないのか細かい調査をすることが決まった。
「百合百合しいわねぇ。アスカ君。そろそろ夕食だけど、どうするのかしら?」
プレシアさんの微笑みに慌てる皆の笑顔が眩しい。これもひとつのハッピーエンド?
続けていいそうです。みなさんの反応が早い。次は何を書こうか……。