これでクリスマスは終わり。書いてて楽しかったです。
さあ本編に戻ろうかなあ。それともこの流れで正月ネタやっちゃう?
本編で。(多分)
注)一部改稿しました。
今日は12月25日。待ちに待った(一部例外あり)クリスマスイブ当日になった。
仮想世界であるアインクラッドは現在雪が降っている。しかもシンシンという感じの雪。ここだけ妙にリアルなのは茅場晶彦のこだわりなのだろうか。地面をうっすらと白く染めはじめた雪を見ながらサチはため息を吐く。隣を歩くカエデは生まれて初めてのホワイトクリスマスだがそれが仮想世界なのがなんかなあ、とか思っていた。もしかしたら茅場晶彦も初めてなのかもしれない。原作でも見た目は若かった。まだ20代くらいだとカエデは思っている。ほんとかどうかは知らない。
今は丁度日が沈み、町の街灯が灯って何処と無くいい雰囲気になってきた頃だ。街灯の色はオレンジ。どこまで凝ってんだよ茅場晶彦。それは置いといて、あの2人は今日はクリスマスイブということでレストランの予約を取ってある。普段は宿でカエデが作っているが今日くらいは、という話のようだ。
今日やってきたレストランはフレンチ形式のもの。ちなみにレストラン名は「アルゴン」。現実では希ガスとして知られる、"怠け者"の意味を持つ言葉だ。なぜこんな名前なのかは突っ込まないでおこう。余談だがこのレストランは週2〜3でしかオープンしない。しかし絶品という話だ。
「んじゃあ、食べるとしようかな」
「そうだね。でもこういうのってまずは前菜とかから来るんでしょ?」
「そうらしいけど、まあとにかく出されたものから食えばいいんだよ。行儀よく」
「ぎ、行儀よく…ね」
ちなみにこの時、キリトはアスナと別のレストランで一緒に飯食ってたりする。彼らの場合はそこらのファミレスのような感じのご飯で、それのクリスマスの時期限定の特別メニューなんだとか。
なぜサチの言葉が震えてるのかというと、今まで引きこもり的生活を送ってきたサチはこういう時の行儀を全く知らないからだ。
「そう震えんなよ。別に怒られたりはしねえって。音立てないとかそんなの気にすりゃ良いんだよ」
「う……うん」
早速前菜がやってきた。ボリュームは無いし、時間制限もないから落ち着いて食べたら問題はないはずだ。2人はゆっくりと食べはじめた。が、やはりサチは落ち着きがない。さっきからちょこちょこと口についたりしている。見かねたカエデはナプキンを手に取った。
「おいおい落ち着けって。口についてる」
「え……っ!」
咄嗟に身を引くサチ。その顔は真っ赤だ。カエデは少し呆然としたがすぐに持ち直した。
「あー、悪りぃ。大丈夫か?」
「う、うん!ごめん……」
遅れて顔が熱いのを自覚したサチはカエデの顔から目を背ける。恥ずかしいという気持ちとカエデに拭いてもらったという嬉しさに板挟みにされて咄嗟に取った行動だった。
もちろんそんな事を全く知らないカエデは普通に食べすすめていく。サチも逆に落ち着きはじめたのかようやく普通に食べはじめた。やはりカエデと目は合わせられないが。
そろそろ食べ終わる頃に、タイミングを見計らったのか店員が本菜を持ってきた。そもそもこのSAOというゲームでは食事というものは必要ない。だがこのレストランはNPCが営んでいる。一見矛盾しているようだが、それはこのゲームが普通のゲームだった場合だ。知っての通りこのゲームはデスゲームとなっている。どこまでいっても結局食事は要らないのだが、精神的には大事なのだ。全てが非日常であるこのSAOで唯一と言っても良い日常。それがこの食事だ。ちなみにこの世界には調味料と呼べるものはほとんど存在しない。だから基本料理は丸焼きなどが多かったりするのだが、実は特定のエキスなどを一定の割合で調合する事で、現実に存在する調味料と同じものを再現できることが分かっている。ちなみに見た目は無視。入れてしまえば全て同じという考えである。その見た目はというと、例えばマヨネーズは、紫色の液体だとかそんなものだ。あまり想像したくはない。
ただ、SAOでは全て簡略化されているため、正しい料理の手順を踏めばそんなものをぶち込んでも見た目麗しい料理が出来上がる。カエデは料理を食べながらNPCの料理光景が見て見たいと思った。サチも同じ。お!同じことを考えている!ついに心が通じたか!?
(もう少し研究の余地がありそうだな…)←カエデ
(カエデも普段からこんな料理食べられたら喜ぶかな…)←サチ
残念、まだ
こんな話をしている間に最後のデザートまで食べてしまったカエデ達。
「ふう、思った以上にお腹膨れたなあ」
「う、うん」
(なにどもってんだろ?)
良い加減気付こうぜカエデさん。俺はお前をそんな子に育てたつもりはない!
「全部お前のせいだ!」
「ど、どうしたの!?」
「あ、いや、なんかそう言い返さなくちゃいけない気がして…」
「…………」
路肩には雪が積もりはじめていた。街灯の光を雪が反射して、仮想世界の街をどことなく幻想的にする。
「そろそろかな…」
「なにが…?」
カエデが漏らした言葉にサチが反応した。なんのことかは分からなかった。
「サチ」
「なに?」
「これ…。俺が選んだものだけどさ、こんな俺に今までついてきてくれてありがとな」
「カ…エデ?カエデが選んでくれたの?」
「ああ。何か不満だったか?」
「ううん…!嬉しい!」
「そりゃ良かった」
嬉しさで思わず涙を流すサチ。バレないようにと顔を背けるが隠せるはずもない。同じくカエデも涙流すくらいに嬉しいなんてなあ、と考えている。もう少し敏感になろうぜ☆
「あー、もう突っ込まないからな」
あら残念。
「ん…じゃあ、私からも…プレゼント…」
そう言ってサチが取り出したのは青い箱に赤いリボンがラッピングされたものだった。
「マジで!?」
「う…うん」
カエデはジーンと感動していた。前世ではプレゼントなんてもらまたことがなかったから、こうして女の子から直接渡されることにかつてない感動を覚えているのだ。ちなみに現実でも同じ。こっちの場合、女子にとってカエデが近寄り難かったことに由来する。
「開けて良いか?」
「うん」
とにかく中身を確認するため手早く箱をオープン。
「これは…ネックレス?…えーと、『アクア・ネックレス』っていうのか…」
「もう一つと迷ったけど、こっちにしたの。…どう?」
「どうって……」
サチはカエデががっかりしているのだと思った。なにも感想がなかったからてっきりそう思ってしまった。
「やっぱり……」
「最高だ…最っ高に嬉しいよサチ!本当にありがとな!」
「!!……よかった…」
こうして、お互いに最高の時間を過ごして、アインクラッドのクリスマスは過ぎていった。
ちなみにカエデのプレゼントは黒いブレスレットだったりする。
余談 その頃のキリアス
キ「雪まで降ってきやがった」
ア「良いじゃない。ほらもうすぐ頼んでたのくるよ」
キ「楽しそうだな」
ア「もっちろんだよ♪」
〜食事中〜
キ「そういやカエデ達なにしてんだろ」
ア「サチちゃんと一緒にご飯でも食べてるんじゃない?」
キ「プレゼントとか渡せたかな…」ボソ
ア「プレゼント!?」ガタン!
キ「うおっ!?落ち着けアスナ!」
ア「はわわ…!ごめんなさい…」シュン
キ「はぁ…ったく。ホラ」
ア「キリト君…これって私に…?」
キ「お前以外誰がいるんだよ」
ア「……嬉しいっ!」
この後アスナがなにをあげたかはご想像にお任せ☆
キリトのプレゼントは髪留めとイヤリング。小物にはセンスがあるキリトくんでした。