気づいたらもう12月。大晦日になっている。
何ということだ。間が空いてしまったすまない。本当にすまない。
というわけで、何とか投稿できた今年最後のものです。
74層攻略の知らせはすぐに広がった。
攻略というのは事実であり、当事者達は特にこれといって言いふらしたりはしなかったはずなのだが、その情報がどこからか漏れたのだろう。まあ、キリトやカエデ達からしてみればそれすらもどうでもいいこととも言えるが。
そもそも、彼らは攻略する気などこれっぽっちもなかったのだ。元々は迷宮区のマッピングに訪れていただけなのだから、摩訶不思議である。攻略してしまった事は過ぎた事なので気にはしないが、その過程でキリトとカエデは秘密にしていた自らのユニークスキルを白日の下に晒してしまった。
だが、それで注目を集められる事よりも今の彼らにはやっておかねばならないことがあるのだ。
「『
それは、SAO内において最悪と称される殺人ギルド『
『強者が弱者を守るべき』という考えで、最前線プレイヤーであるキリトやアスナたち、またその考えに賛同したかどうかは別として、前線プレイヤーに準ずるかあるいはそれ以上の実力を隠し持つプレイヤーも召集された。カエデは後者に含まれるプレイヤーであった。
そういう訳もあって、たった一つのギルドを潰すには過剰ともとれる戦力がここに集まった。
そんな彼らの中には、勧善懲悪を自らの手で行う事に興奮しているのか、鼻息が荒いものも、あるいは殺人ギルドを相手にするのに恐怖しているのか青ざめた顔をした者もいた。
それらを取りまとめるリーダー役をかって出たのは、前線で『黒の剣士』としてその名を馳せるキリトだった。この前の74層攻略の件で、ユニークスキル所持者であることが知られてからというもの、その知名度はカリスマスキルでもあるのかというほど、なかには信仰するものもいるほどである。
また、キリトの補佐には、血盟騎士団として参加したアスナ、そしてキリトの親友にして、戦闘能力ならば右に出るものはないと噂される『白の魔王』ことカエデがつく事になって
いた、と過去形になっているのは、カエデがその役を辞退したからだ。
というのも、カエデはある事を懸念していたのだが、その事に警鐘を鳴らしていた自分の勘がここに来て、さらに警告を促してきたのだ。この直感スキルと言っても過言ではないレベルの勘で、これまで幾度となく危機を回避する事に成功してきたカエデからしてみれば、ここまで嫌な予感がするのは初めての事だった。
よってカエデは補佐を辞退するとともに、有事の際に別行動をとる事に対する許可をキリトに取り付けた。この際キリトがまるでガリレオ(ドラマ)のように手を顔に当てていたのを見て、カエデは内心吹き出しそうになっていたのは秘密である。
自分たちを殺すためなら何をすることも厭わない彼らに対して作戦などというものはむしろ足枷になりかねない。と言うことでキリトは特にこれと言った作戦を立案することもなく、むしろ一対一の形で対決して、数的優位を利用して潰すと言う単純この上ない力技で行く事を打診。そもそも寄せ集めのプレイヤーでしかないため、この作戦はすぐに受け入れられ、キリトをリーダーとする即席ギルドは2日後に行動を開始する事にして、この日は解散した。
〜sideキリト〜
「2日くらいの準備期間を作ったけど、必要なかったか?」
「ううん。回復とかのアイテムは超がつく消耗品だからね。2日あればそれも十分に揃うし、むしろちょうどいいくらいだったと思うよ」
「そっか、なら良いんだ」
そう言って安堵の表情を浮かべるキリト。その笑みに思わず顔を赤くするアスナ。ゆでダコのようと言えるほど赤くはないが、ほんのりと上気したような赤みを帯びたその顔を見たキリトは言った。
「顔赤いけど大丈夫か?」
一瞬で地獄の底まで落ちたアスナのテンション。最近は何があったのか以前にも増してキリトへのアピールが積極的になっている。その様子にキリトは慌てたりしているのをみて、周囲はニヤニヤしたり酒の肴にしたり、何気に女性陣に人気があるために嫉妬の目線が少なからず送られているのだが、本人はどこ吹く風と言わんばかりにスルーし続けている。
だが鈍感キャラとしてその名を馳せるキリトは、その積極的アピールにもかかわらず、未だにアスナの行為の真意には気づく様子はない。
「……何でもないわよ」
「?…ならいいんだけど」
まるでアスナの一方通行である。まるででもなんでも無く、今のところその関係は見たまんまではあるが、果たして彼らの関係がどうなるかは、まだ分からない。
キリトの頭の中は、2日後に控えた討伐戦でいっぱいだった。彼らによる被害は相当数確認されていて、そのどれもが快楽を求めるような殺人に感じられた。だからキリトは怒りを禁じ得なかった。彼はゲームをこよなく愛するプレイヤー。それ故のプライドがある。普段はあたり表にでたがらないキリト自身が先陣を切ってリーダーとして動くほどに、彼の内心は怒りで満ちていた。正義感などではない。好きな「ゲーム」というものを汚された怒り。ただそれだけだった。
そんな内心をおくびにも出さずに、キリトはアスナと笑って過ごした。新年も明け、デスゲームの舞台である鋼鉄の城に囚われて2年が経っていた。100層というゴールもようやく形になり始めた。デスゲームから生きて帰った時に笑って居られるよう、彼は今のこの世界を楽しもうと、目の前の笑顔を見てそう思った。
最後は頭が真っ白になりながら書いたからなんかわけわかんなくなっている。
もうオリ展開ってタグつけようか。
では、良いお年を。