転生した時の特典がおあつらえ向きだったんだけど   作:けし

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色々考えた結果閑話を投稿します。

ただ作者の文章力では現実世界のみで文字数を埋められなかったのでちょっと強引に仮想世界内の3人(カエデ、キリト、アスナ)の様子も入れました。

シリアスの難しさを知った今日この頃。

少々改稿しました。ご指摘ありがとうございます。


閑話 現実世界と仮想世界

SAOーーソードアート・オンラインがデスゲームとなってから一ヶ月がたった。ゲーム内でプレイヤーが現実世界に帰るためにゲームクリアを目指し動き始めた中、現実世界では様々な事が起こった。

 

まず、仮想課と呼ばれる新たな部署が総務省に設立されSAO被害者たちの身体の維持を一任した。ダイブ中の彼らは自らの意思で現実世界の身体を動かさないため放っておくと餓死してしまう。故にSAO被害者を病院へと移し、生命維持を行なっている。

また、SAOを運営する会社である『アーガス』に対する非難が集中したものの、これらの事はほぼ全てが開発者たる茅場晶彦の独断で行われた事であるため、アーガスはどうすることもできなかった。そのためアーガスは今できることとして、SAOを動かすサーバーやカーディナルシステムの維持を全力で行うこととした。

さて、そんな事が起こった中で碧の身体は例に漏れず病院に移送された。もとより身寄りも殆ど居ないため見舞いに来る人はほとんどいなかったが、今彼の病室にいるのは数少ない碧と交流があった者の1人だった。

 

(…………何してるのよ、バカ)

 

彼のベッドの横に椅子を寄せて座っている彼女ーー朝田詩乃はSAOがデスゲームと化して、碧が病院に運ばれてからほぼ毎日見舞いに来ていた。詩乃は本気で心配していたのだ。今までで唯一と言っていい、自らの過去を知った上で自分を受け入れてくれた彼を。当の本人はゲーム内で呑気な事を考えているだろうけれども。初回ロット10,000本に当選したことを喜び、楽しみにしていたゲームが彼の命を賭けたゲームとなった事を知った時、彼女は心の底から絶望した。何故なら彼女の中で《風谷 碧》という人の存在は、自分を支えてくれる大事な人だったから。今迄の辛い出来事に耐えられたのも、彼が傍で支えてくれたから。そんな人が突然いなくなってしまったのだから、彼女の精神は今とても不安定になっていた。

 

(早く…早く帰って来て…!)

 

涙ながらにそう願うしか、彼女にできる事はなかった。

 

(私は…弱い。こうして誰かを助けることもできなくて、ただ待つだけだなんて…。……フフ、碧がいないと私っててんでダメね)

 

未だ目覚めぬ碧の顔を見ながら、詩乃はそっと笑った。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

碧と詩乃が初めて会ったのは大分前だった。詩乃は宮城の生まれなのだが、彼女が幼稚園の時に転入してきた男の子が碧だった。当時の碧は今のようにあまり口数は多くなく、どちらかといえば寡黙な方だったが遊ぶ時はみんなと一緒にワイワイ騒いでいたものだ。一方の詩乃は、今のように寡黙で友達と言える人も少なかった。そんな2人はたまたま家が近くだったため、帰り道がよく一緒になったりした。幼い時から端正な顔で大人びた性格をしていた碧はみんなの注目の的で、そんな碧と一緒だった詩乃も「付き合ってるの?」とかいう感じてからかわれて、顔を赤くして言い返すのが常だった。碧のそばにいたから良くも悪くも目立っていたのだ。

そんな日々が続いたある日、詩乃の心に深い傷をつけたあの事件が起きた。それ以来、詩乃は碧と一緒で少なからず目立っていたために執拗ないじめを受けたのだ。碧はそんな彼女を守り続けた。それで自分もいじめられることになると分かっていても。碧には分かっていた。当時の『状況』から判断できるほどの能力は転生者であるため、子供とはいえ持っていたからだ。だが周囲の子供達は、果てはその親たちは、当時の『行動』からしか判断しなかった。だから碧は詩乃を庇った。

そういったことがあってから数年後、碧が引っ越すことになった。その頃はいじめも下火になっていて、ひどくはなかったもののなくなる事はなかった。中学卒業までその生活に耐え続け、高校進学を機に碧のいる東京へ引っ越したのだ。高校が近くだったのは本当に偶々だっのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヘックションッ!!」

 

「ゲームの中で風邪か?」

 

「んな訳あるかい!誰か俺の噂してんのかな」

 

「だったらそいつは悪い噂だろうな」

 

「勝手に決めつけんなオイコラ」

 

 

カエデとキリトは第一層の迷宮区にいた。第一層のボスモンスター攻略がついに始まったのだ。…今は休憩時間だけど。第一層とはいえ初のボス戦に挑むのだ。身体的にはもとより、精神的にも万全の状態で挑みたいと言う事だろう。とは言えカエデ達には全く必要の無いものだったが。暇だったからあんなお喋りに興じたわけだけれども。ちなみに今の彼らのステータスはというと、

 

カエデ Lv17 AGI型のステ振り 武装 片手剣【ロストヴェイン】

キリト Lv15 STR型のステ振り 武装 片手剣【アニールブレード】

アスナ Lv14 AGI型のステ振り 武装 細剣(名称不明)

 

安全マージンとっくに越してるよこの3人。てか3人だけで攻略いけるよな?まあその辺りは(作者)の采配次第だな。

 

「そういやアスナは?昨日色々話した(やった)んだろ?」

 

「すげー誤解のある言い方をされた気がするんだが。とりあえず無茶するのはやめてくれとは言った。多分分かってくれると思ったんだけど…」

 

「今は大丈夫だな。これからすごいことになると思うけどそいつはこれからのお楽しみだな」

 

「??どう言うことだよ」

 

「気にすんな」

 

「意味深すぎるだろ。まるで未来予知みたいなことしやがって」

 

「ま、頭の片隅にでも置いとくといいさ」

 

「2人とも、随分余裕なのね」

 

「「アスナ…」」

 

すっかり失念していたアスナが突然会話に入ってきてちょっと気まずくなる。まあパーティメンバーなのに1人はぶられるってのは流石にキツイよな。

 

「「ごめんすっかり忘れてた」」←全力の土下座

 

「そんなに息ぴったりに謝らなくても…。気にしなくていいよ。ところで、あなた達って現実でも友達なの?」

 

「いや、このゲームで知り合った。デスゲームになる前に偶々会ってそっからの付き合いだ」

 

「たしか、ソードスキルってどんなして使うんだ?とか聞いてきたっけな。そういやお前、現実でもその髪の色なのか?」

 

「ん、これか?まあそうだな」

 

カエデの髪の色は黒みがかった灰色。アスナの髪の色だって十分目立つと思うけど、明るい茶髪と言っても通りそうだからいい。だがカエデのそれは髪を染めたってこうなるだろうか、ってくらい不思議な色だった。

 

「言っとくけど、地毛だからな。……生まれつきなんだよ。何がどうなってんのかはわからんけど」

 

「へぇー。そういえばあなたって肌の色も白いわね。線も細いし、顔立ちも女の子といえばそれっぽいし」

 

「それもそうだな。アルビノ系って感じか?」

 

「女顔とは言われないな。あとキリト、お前も人の事言えねえから。お前も女顔っちゃあ女顔だから」

 

「!マジで?」

 

「…確かに、キリトくんも線細いし、女の子っぽいわね」

 

「そうだったのか……」

 

キリトはショックだったのかorzよろしく打ちひしがれうなだれる。アスナはキリトに先日説得されたからか、以前から纏っていた殺伐とした雰囲気と言うか殺気はなくなり、少しづつではあるが笑顔を見せ、いくらか余裕を持てるようになったらしい。流石夫婦wとかカエデは思ってた。こんな風景がいつまでも続けば良いのに…。思わずそう願ってしまうくらい今の場所は居心地が良かった。

 

 

 

だけどカエデは今の光景がもう続かないことを、知っていた。

 

 




カエデ君の二つ名どうしようか悩む。黒の剣士と対をなす感じがいいですかね。

AGI……敏捷特化。言っちゃえばスピードタイプ。
STR……筋力特化。言っちゃえばパワータイプ。

レベルは大体こんなもんだったでしょうか?違和感があったら教えてください!
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