最近仕事が忙しくて執筆も大変です。
第六の裁きの間の支配者……天草四郎。
聖杯大戦からの因縁の相手であるジークとルーラー……そのフェイトナンバーズの力が解放される。
「行くぜ、ジーク&ルーラーの効果!オーバーレイ・ユニットを1つ使い、デッキからモンスターを5枚まで選んで墓地に送る!」
ジークがオーバーレイ・ユニットを一つ取り込むと、ZEXAL IIはデッキからモンスターを5体選んで墓地に送る。
出来るだけ墓地活用ができそうなモンスターを墓地に送ると、ジークとルーラーは剣と旗を構える。
「そして、墓地に送ったカードの枚数分だけ、ジーク&ルーラーは相手に可能な限り攻撃する事が出来る!」
「カードを1枚伏せ、ジーク&ルーラーで攻撃!!」
「行きますよ、ジーク君!」
「ああ!」
二人は同時に地を蹴り、素早い一瞬の動きで天草の間合いに入る。
「「クインテット・デュアル・スラッシュ!!」」
「「はあっ!!」」
ジークとルーラーはそれぞれ天草に向けて軌道の異なる五つの攻撃を放つ。
天草は自身が持つ日本刀……名刀・三池典太を左手に構え、右手には投擲用の剣・黒鍵を指に挟み、二人の攻撃を全力で防ぐ。
「くっ……!?」
全力で防いでいるが、それでもジークとルーラーの攻撃を全て防ぐ事はできずに体のあちこちに深い切り傷や打撲が出来る。
天草は二人の猛攻を防いで下がるとZEXAL IIの左手首に装着されているデュエルディスクを見てそれがZEXAL IIの力の源だと察知した。
「……なるほど、そのカードが貴方たちの魔術を発動する為の媒体というわけですか。面白い、これが異世界の魔術師と言うわけですね……」
「俺たちは
「デュエルモンスターズ……それが貴方たちの力ですか。でしたら、私も見せましょう……私の宝具を……」
天草は刀を鞘に納めると足元から膨大な魔力が吹き荒れる。
「『
宙に浮いた天草は両腕を開くと、両手にそれぞれ光と闇の球体を作り出した。
ルーラーは天草がこれから使おうとしている宝具の恐ろしさを知っており、すぐにZEXAL IIに警告を出す。
「っ!?遊馬さん!天草四郎のあれを使わせたらこの部屋は消滅します!」
「しょ、消滅だって!?」
「今こそ、俺とルーラーのフェイトナンバーズのもう一つの力だ!」
「遠慮することはありません!覚悟はできています!」
ジークとルーラーのフェイトナンバーズにはもう一つの効果がある。
しかし、その効果はルーラー……ジャンヌ・ダルクの切り札とも言うべき最強宝具の力を反映した効果である故にデメリットがある。
ルーラーはかつて天草を止めるためにその宝具を使用したが、その際でジークは心に大きな傷を受けてしまった。
だが、仲間をとても大切にする遊馬とアストラルはそのデメリットを打ち消すためのカードが既に伏せてある。
「分かった……行くぜ、ジーク!ルーラー!」
「ああ!」
「はい!」
天草は第六の裁きの支配者として、遊馬とアストラルを試すために最強宝具を放つ。
「『
両腕から投げ飛ばした光と闇の球体が一つに交わると擬似的な暗黒物質が精製され、周囲のあらゆる存在を取り込む擬似ブラックホールが生成された。
このままではこの部屋どころか監獄塔が崩壊する危険が出て来た。
ジークとルーラーは強く手を握り、ルーラーが生み出した剣を構えるとジークは手を添える。
「「ジーク&ルーラーの効果!このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、相手フィールドのカード効果を無効にして破壊する!この効果に対して相手は効果を発動出来ず、無効に出来ない!!」」
「ジーク君……」
「ああ……」
ルーラーの体から紅蓮の炎、ジークの体から漆黒の炎が吹き荒れ、二つの炎が混ざり合って剣に宿る。
ZEXAL IIはブラックホールに向けて指差すとジークとルーラーは剣の切っ先を静かにブラックホールに向ける。
「「『
剣から紅蓮と漆黒の混ざり合う炎が放たれる。
その炎は全てを焼き尽くす聖なる力と邪悪なる力が混ざり合ったカオスの力。
全てを焼き尽くす炎と全てを飲み込む闇……強大なる二つの力がぶつかり合い、監獄塔が震えるほどの衝撃が響く。
ブラックホールは炎に焼き尽くされて消滅し、力を出し尽くしたジークとルーラーはその場に崩れ落ちる。
「……この効果を使用した後、このモンスターの攻撃力と守備力は0となり、エンドフェイズ時にこのカードを破壊する……だが!」
「そんなことはさせない!罠カード!『ナンバーズ・ウォール』!!ナンバーズは戦闘・効果で破壊されなくなる!これでジークとルーラーは消えない!!」
伏せていたナンバーズ・ウォールが発動され、空中に『95』の刻印が浮かび、二人が破壊されるのを防いだ。
しかし、二人の攻守が0となり、これでは戦えなくなってしまったので、ジークとルーラーは息切れしながらZEXAL IIに後を託す。
「遊馬……後を頼む」
「あなたたちの希望を天草四郎に見せつけてください」
「ジーク……ルーラー……ああ、任せろ!」
「二人の闘志の炎は我々が引き継ぐ!」
ZEXAL IIの体から聖なる光が放たれ、右手に収束させて光を宿す。
「「俺/私のターン!全ての光よ、力よ、我が右腕に宿り、希望の道筋を照らせ!シャイニング・ドロー!」」
シャイニング・ドローをしたカードを見てZEXAL IIは最高にして最強の希望の象徴を呼び出す。
「「『ゴゴゴジャイアント』を召喚!その効果で墓地のゴゴゴモンスターを特殊召喚する!蘇れ、『ゴゴゴゴーレム』!レベル4のゴゴゴジャイアントとゴゴゴゴーレムでオーバーレイ!エクシーズ召喚!!我が戦いはここより始まる!白き翼に望みを託せ!現れよ、光の使者!『No.39 希望皇ホープ』!!」」
『ホォオオオオオオープッ!!!』
ZEXAL II……遊馬とアストラルの希望の象徴にして世界を救った希望の光……希望皇ホープ。
「美しい……」
天草は神の如き美しい輝きを放つ希望皇ホープをその目にし、思わず口を開いて呆然としてしまった。
これが世界を救った遊馬とアストラルの力……天草は感動で体が震えながら鞘に納めた刀を抜く。
天草は双腕・零次集束で膨大な魔力を消費したので刀で戦うしかなかったが、堂々としながら立ち向かう。
「さあ、来なさい!遊馬!アストラル!貴方たちの全力の攻撃を私にぶつけなさい!!」
「天草さん……!」
「行くぞ、希望皇ホープで攻撃!」
希望皇ホープの目が輝き、左腰のホーブ剣を引き抜いて飛翔し、天草も地を蹴って走り出す。
「この瞬間!希望皇ホープの効果!オーバーレイ・ユニットを1つ使い、攻撃を無効にする!ムーンバリア!!」
希望皇ホープはオーバーレイ・ユニットを胸の水晶に取り込み、振り下ろそうとしたホープ剣を消滅させた。
「自ら剣を消した!?」
ZEXAL IIはシャイニング・ドローで想像した光り輝くカードを発動する。
「「手札から速攻魔法!『ダブル・アップ・チャンス』を発動!!モンスターの攻撃が無効になった時、そのモンスターの攻撃力を二倍にして、もう一度攻撃が出来る!!!」」
希望皇ホープの真紅の目が鋭く輝き、消滅したホープ剣が右手に現れ、左手で右腰に携えたホープ剣を引き抜いて構える。
ダブル・アップ・チャンスの効果を受けて二つのホープ剣の刃が光り輝き、聖なる金色の光を放つ。
「魔力が増加……いや、倍増した!?」
ダブル・アップ・チャンスの効果で希望皇ホープの攻撃力が2500の2倍の5000まで上昇する。
「「行け!希望皇ホープ!!ホープ剣・ダブル・スラッシュ!!!」」
金色の光を放ちながら斜め十字に放つホープ剣に天草は刀で防ぐがあっという間に破壊された。
「……見事だ」
天草は目を閉じた直後に斬撃を受け、あまりの衝撃に後ろに吹き飛ばされて壁に激突する。
「天草さん!」
ZEXAL IIは思わず走り出して壁に激突した天草に駆け寄る。
天草は敗北して体が消滅していき、穏やかな表情を浮かべながらZEXAL IIと話す。
「素晴らしい攻撃でした。希望皇ホープ……正に神に等しい存在ですね」
「天草さん……」
「遊馬、アストラル。この戦いに必ず勝ち抜いてください。そして、いつか私を召喚してください……私も貴方たちと共に戦いましょう」
「ああ、待ってるぜ!」
「その時は一緒に色々な語り合おう」
「ありがとう……」
天草は優しい笑みを浮かべながらZEXAL IIと握手を交わし、消滅していった。
この世界は夢のような虚ろな世界故にフェイトナンバーズを残すことができず、ZEXAL IIは消滅した天草の光を握りしめる。
天草が目指した人類救済の夢……道は異なるが命をかけて人類を救おうとしたその想いを胸に秘めながらZEXAL IIは合体を解除して遊馬とアストラルに戻る。
「これで第六の裁きの間もクリアだ。それで、どうだった?天草四郎との対話は?」
アヴェンジャーは望んでいた世界を救った遊馬とアストラルと世界を救おうとした天草との対話が実現し、満足そうに近付いた。
「……俺、天草さんの考えには同意出来ないけど、天草さんの事は嫌いじゃねえぜ。あの人の誰よりも人類を救済しようとした強い想いはこの心に伝わって来たからな。俺達も、これからもっともっと頑張らなくちゃなと思うぜ」
「私たちの目指す道と天草の道はあまりにも険しい。その道が決して交わる事はないだろう……しかし、我々は分かり合える、そう思えるんだ」
「そうか……」
アヴェンジャーは人類を救う二つの道を歩む者達の考えや想いを聞いて何を思ったのか、語らずに扉に向かって歩く。
「さあ、マスターよ。いよいよ次が最後の裁きの間だ……心してかかれ」
「ああ!」
「必ず勝ち抜き、カルデアに帰る!」
「最終決戦……燃えるわね」
「いよいよだな、ルーラー」
「そうですね、ジーク君……」
遊馬達は気合いを入れてアヴェンジャーに続いて扉に向かう。
しかし、一人だけ浮かない顔をしていた。
「私は……」
今だに自分の記憶が戻らないメルセデス。
不安に心が支配されながら静かに歩むのだった。
.
最後はホープで決めましたが、ジークとルーラーはいい仕事をしました。
今回のフェイトナンバーズはこちらです。
『FNo.95 邪竜と聖女 ジーク&ルーラー』
エクシーズ・効果モンスター
ランク8/光属性/戦士族/攻4000/守4000
闇属性レベル8モンスター×1+光属性レベル8モンスター×1
このカードはルール上、属性は『闇』、種族を『ドラゴン族』としても扱う。
①1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。デッキからモンスターを5枚まで選んで墓地に送る。このターン、墓地に送ったカードの枚数分だけ、相手フィールドのモンスターに可能な限り攻撃する事が出来る。
②1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、相手フィールドのカード効果を無効にして破壊する。この効果に対して相手はカード効果を発動出来ず、無効に出来ない。この効果は相手ターンにも使用する事ができる。この効果を使用した後、このモンスターの攻撃力と守備力は0となり、エンドフェイズ時にこのカードを破壊する。
ダークマターの効果やルーラーの紅蓮の聖女などを元に考えました。
墓地落としとフリーチェーンの効果無効は強いですね。
ダークマターが禁止になったからこれぐらいは強くしたいなと思いがありました。
次回は監獄塔編の最終回を予定しています。
もしかしたら更新が遅れかもしれませんがご了承ください。