Fate/Zexal Order   作:鳳凰白蓮

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もうタイトルからして色々ぶっちゃけてますね(笑)
アメリカ編で作中の時期的にはまだ夏前なので色々とタイムリーに出せました。
皆さん御察しの通り、彼女が色々と暴走します(笑)


ナンバーズ126 冷やし剣豪、見参!

アメリカの城に突撃したカルデア・レジスタンス連合軍はカルナの案内で玉座の間に向かう。

 

そこには相変わらず謎のライオンヘッドとムキムキボディが気になるエジソンがおり、オルガマリーは早速話しかける。

 

「あなたが、トーマス・エジソンね?」

 

「如何にも。我こそはこのアメリカを統べる王!大統王、トーマス・アルバ・エジソンである!!」

 

「私は人理継続保障機関フィニス・カルデアの所長、オルガマリー・アニムスフィア。遊馬達の上司で、カルデアの最高司令官よ」

 

カルデアの所長、オルガマリーとアメリカの大統王、エジソン。

 

二つの勢力のそれぞれのトップが対峙した。

 

「最高司令官……!あなたのような美しい女性が組織のトップか!」

 

「お世辞はいいから、単刀直入に言うわ。エジソン、今すぐに世界をアメリカだけにすると言う愚かな考えを捨てなさい!アメリカだけを残して、それ以外の全ての時代と、そこにいる全ての生きとし生けるものの犠牲にするなんて間違っているわ!!」

 

「何故私の正しさを信じられないのだ!さては陰謀説に浸かっているのか!?エジソンは資本主義の権化だ、とか!真の天才は商売などに傾倒しないのだ、とか!」

 

オルガマリーは人理を守るための正論を言うが、相変わらずエジソンは自分が思い描く世界をアメリカだけにするという望みが正しいことだと豪語する。

 

「そう……史実通りに頑固なのね、あなたは……仕方ないわ!開放召喚!」

 

オルガマリーは仕方ないとため息をつき、振り払うように両手を振ると、フーヴァー長官の力を身に纏って制服からスーツ姿になる。

 

「姿が変わった……?ムムッ!??」

 

「フフフ……さーて、これは何でしょうか?」

 

オルガマリーは不敵な笑みを浮かべながらファイルを出してその中にある資料をパラパラとめくりながらエジソンに見せる。

 

「GAohooooooo!!?そ、それは!?」

 

エジソンは資料の内容に驚愕して顔を真っ青にしながらたじろいだ。

 

「エジソン?」

 

「その資料に何があるのだ……?」

 

エレナとカルナは何の資料か分からずに疑問に思っていると、エジソンはガタガタと震えて怯えていた。

 

「あっ、がっ!?ま、まさか……あなたは!?」

 

「私の体に宿る英霊はFBI初代長官、ジョン・エドガー・フーヴァーよ」

 

「何とぉ!?」

 

「まあ、どちらかと言うと……あなたと言うよりも、あなたと一つになっている人達が恐れているわよね?」

 

オルガマリーの中にいるフーヴァーを怯えているのはエジソン自身でない者断言する。

 

「一つに?所長、どう言う事なんだ?」

 

「エジソンにはね、普通のサーヴァントとは違う大きな秘密があったのよ。近代に近く、写真も残されているエジソンが何故あんな姿をしているのか……それは、アメリカを守る為にアメリカで最も偉大な英霊達がその力をエジソンに集結させたからよ」

 

「アメリカで最も偉大な英霊達?」

 

「アメリカ……まさか!?」

 

「そう……エジソンにはこのアメリカの代表者達である、『アメリカ歴代大統領』全員と一つになったのよ!」

 

「ア、アメリカの歴代大統領!??」

 

「なるほど……エジソンだけでなくアメリカ歴代大統領と一つになったからあのような姿に……」

 

アメリカ歴代大統領達は自分達ではケルトに敗北するという結論に達し、その力の全てを世界的な知名度を誇る英雄に集積すれば良いと考えた。

 

そうして選ばれたのがエジソンで、アメリカ歴代大統領達はアメリカの未来を託したのだ。

 

「さて、話は戻るけど……エジソンの中にいるアメリカ歴代大統領の皆さん、これが何か分かるわよね……?」

 

オルガマリーは遊馬達も見たことないまるで悪巧みをするような笑みをうかべて資料をヒラヒラと動かす。

 

「え、えっと……所長、その資料は何……?」

 

遊馬はその資料が何なのか恐る恐る尋ねた。

 

「これはね、フーヴァーが生前集めていた情報に加えて、今回改めて宝具を使って集めたアメリカの闇……表に出たらマズイ、飛びっきりのスキャンダル。下手したらアメリカは崩壊するわね」

 

フーヴァーの死後に発見された資料にはアメリカを数回転覆させるほどの重大な機密情報があった。

 

更に黒服の男たちから集めた情報を元に『公式かつ機密』で秘密を暴き、さらなるアメリカの隠したいスキャンダルの情報を集めた。

 

「ちょっ!?所長、幾ら何でもそれはマズイんじゃ……」

 

「そう言えば、フーヴァー長官は集めたスキャンダル情報を元にアメリカ歴代大統領や議員たちの首根っこを掴み、誰も彼を罷免させる事が出来ずに死去するまで長官の椅子に座っていたらしい……」

 

「大丈夫よ、あくまでこれはアメリカ軍と交渉するための切り札だから悪用するつもりはないわ。だけど……もしもエジソンが提案を断ったら、私はすぐに全力で走ってこの場から逃げるわ。とりあえず……この城にいる全てのアメリカ国民にこれをばら撒こうかしら?」

 

アメリカ歴代大統領もフーヴァーを罷免させようとしたが、フーヴァーは「膨大なスキャンダルをばら撒く」と脅しており、その暗黒面は今のオルガマリーそのままだった。

 

「Noooooo!?な、何て、背筋が凍るほどの恐ろしいことを!??あ、悪魔だ!貴女は美女の皮を被った恐ろしい悪魔だ!!」

 

あっさりとアメリカの国家転覆を脅迫するオルガマリーにエジソンは共にいるアメリカ歴代大統領と一緒にホラー映画並みの恐怖で震え上がった。

 

「ふっ……皮肉ね、かつて悪魔に一度殺された私が悪魔呼ばわりされるなんてね。でも、悪魔だろうが何だろうが構わないわ。人類と世界の未来を守る為なら何と呼ばれようとも構わないわ!!」

 

正義を貫く為なら悪になろうとも構わない……今のオルガマリーの心は鋼鉄の如く固かった。

 

マシュもこれでは流石にマズイと思ってオルガマリーを止めようとする。

 

「オ、オルガマリー所長!これでは私達が悪党ですよ!?」

 

「フォフォ、フォーウ!」

 

「マシュ、フォウ……泥なら私が全部被るわ。私にはそれぐらいの事しか出来ないから。さあ、エジソン!早く決断しなさい!!このままアメリカがケルト、もしくは私のこの手で滅びの道を辿るか!それとも、私達と共に協力して人類と世界の未来を守るか!!!」

 

「ぐぅっ……!?」

 

エジソンは全身から大量の汗をかいてどうすれば良いのか必死に頭をフル回転させて悩み苦しむ。

 

普通に考えればカルデアとレジスタンスと協力する方が確実かつ健全ではあるが、今のエジソンはそんな考えをすることは出来ない。

 

「はぁ……仕方ないな」

 

すると、遊馬は頭をかきながらオルガマリーの手から資料を奪い取る。

 

「ゆ、遊馬!?何をするの!?」

 

「ごめんな、所長。こう言うやり方はちょっとな」

 

遊馬はエジソン達が恐れる資料をビリビリに破り、丸めて清姫に向けて投げる。

 

「清姫、燃やしてくれ」

 

「はい、旦那様」

 

清姫は火を灯して資料を焼き尽くし、一瞬で跡形もない灰となる。

 

灰になってしまった資料を見てオルガマリーは頭を抱えて絶叫する。

 

「あぁあああああっ!?せっかく私とフーヴァーが集めた資料がぁあああああっ!??何をするのよ、遊馬!せっかくアメリカと交渉するための切り札だったのに!!」

 

「本当にごめん、所長。でも、こんなやり方でエジソン達と交渉して、エジソン達と一緒に戦おうとしても、本当の意味で協力出来ない。一緒に戦うなら、やっぱり信頼は必要だと思うから……」

 

遊馬はオルガマリーには悪いが、脅迫のやり方でアメリカと協力してもケルトには勝てないと感じた。

 

オルガマリーに怒られる事を覚悟してでも、資料を焼却して使えなくしたのだ。

 

遊馬らしい考えだとマシュ達は特に言及せずに納得する。

 

「それに、エジソンはアメリカの為にと暴走している。このまま放って置くわけにはいかないからな」

 

「その通りです、ユウマ。エジソンは病に侵されている。オペの準備を。まずはベッドで安静状態にしてから、話を聞かせる他はありません」

 

ナイチンゲールはエジソンの病を治す為に遊馬に同意する。

 

「そう言うわけだ。エジソン……あんたをぶっ飛ばして正気を取り戻させる」

 

「良いだろう、現時点での最大電力で迎え撃ってやるのだとも!そして、真に知らしめよう。この発明王の発明が、如何に偉大なのかを──!直流こそが、やはり王道なのだ!!」

 

「……やっぱりそこは拘るんですね……!」

 

エジソンは戦いの意気込みを堂々と言うが、ついでに直流を力説し、マシュは思わずツッコミを入れた。

 

すると、玉座の間に次々と武装をしたアメリカ兵達がなだれ込んで来て、戦闘を開始する。

 

流石に城内の戦闘なので互いのサーヴァント達も派手な威力の宝具解放を抑えての戦いとなる。

 

戦いが始まると同時にカルナは動いたが、それを予知して動いたのは同じインド神話出身のラーマだった。

 

「カルナよ、マスターと仲間達には手出しはさせない!」

 

「ラーマか……」

 

ラーマとカルナは交戦し、それぞれの剣と槍が激しく火花を散らせる。

 

「ラーマ様!頑張って下さい!!」

 

シータは弓でアメリカ兵を軽く気絶させながらラーマの応援をする。

 

「シータ……ウォオオオオオオオオオ!!!」

 

ラーマはシータの応援に力が沸き起こり、凄まじい動きでカルナを圧倒していく。

 

「っ……!?薄々気付いていたが、やはりシータと言うことはお前の妻……しかしお前達二人の呪いはどうした?」

 

ラーマとシータの離別の呪いを知っていたカルナは本来なら一緒にいることが出来ない二人が共に戦っていることに驚いていた。

 

「離別の呪いは我らがマスター、ユウマ様とアストラル様が解いてくれた!」

 

「何だと……!?あの二人がお前達の呪いを解いたのか……!?」

 

「そのお陰で、余はシータと一緒にいられることになった。これからもずっと一緒にだ!ユウマ様とアストラル様には感謝しても仕切れないほどの大きな恩がある。だが、お二人はそんな事を気にせず、余とシータの幸せと未来を願ってくれた!せめて、お二人に少しでも恩を返す為にも……余はこんなところで負けるわけにはいかない!!」

 

ラーマは愛するシータの為に、そして自分達のために命を懸けて救ってくれた遊馬とアストラルに勝利を捧げるためにカルナと全力で戦う。

 

「羅刹王すら屈した不滅の刃、その身で受けてみよ!」

 

宝具を解放し、ラーマが持っていた真紅の剣が宙に浮くと高速回転をして円盤状の光となる。

 

「喰らえ!『羅刹を穿つ不滅(ブラフマーストラ)』!!」

 

投げ飛ばした光は高速に駆け抜け、カルナに激突する。

 

「やるな、さすがは羅刹王を倒した英雄……だが俺も、そう簡単にやられはしない!」

 

カルナには強固な防具の宝具である『日輪よ、具足となれ』があるので大したダメージが与えられない。

 

しかし、ラーマは既に真紅の剣を回収して再び高速回転させて次の攻撃の準備を終えていた。

 

「貴様に攻撃があまり効いてないのは分かっている。だが、マスターがエジソンを倒すまで……余は全力で貴様と戦う!!!」

 

ラーマはもう一度剣を投げ飛ばしてカルナに攻撃を続ける。

 

誰よりも愛するシータがいる限り、その愛しい者が必死に発する応援が耳に届く限り、ラーマは決して倒れる事なく全力で戦い続け、カルナもそれに応えていく。

 

 

一方、エレナは一人で遊馬達と対峙をしていた。

 

「仕方ない……私もやろうかしら!」

 

エレナは綺麗な絵柄が描かれた背表紙の魔導書を開いて戦闘態勢に入る。

 

「こうなったら……ユウマ!力付くで手に入れてその体を調べるわ!」

 

何としてでも遊馬の中にあるヌメロン・コードを調べるために全力で挑もうとするが、遊馬は首を傾げた。

 

「そこまでして調べる必要はあるのか?」

 

「もちろんよ!私が生前から探し求めていたものが見られるのよ!?それが今私の目の前にあるなら尚更よ!」

 

「えー?じゃあ……俺の仲間になってくれたら調べても構わないぜ?」

 

「ゆ、遊馬君!??」

 

遊馬はエレナが自分たちの仲間になる代わりに身体を調べてもいいと交換条件を出し、エレナは目を輝かせる。

 

エレナは凶悪なマッドサイエンティストでもないので、別に解剖させられたり何かの実験にされるわけでもないので遊馬は特に気にせずに自分自身を交換条件に差し出す。

 

「え!?本当に!?それなら──い、いえ、ダメよ!一瞬グラって来たけど、友人のエジソンを裏切るわけにはいかないわ!」

 

エレナはブンブンと頭を振って冷静さを取り戻し、目の前の探究心よりも生前からの大切な友人のエジソンとの友情を取った。

 

エレナのエジソンを思う気持ちに感心していると、エレナは先手必勝とばかりに宝具を発動した。

 

「海にレムリア! 空にハイアラキ! そして地にはこの私! 」

 

エレナが召喚したもの……それはどこからどう見ても世界の大きな不思議の一つでもある未確認飛行物体……円盤型のUFOだった。

 

「オィイイイイイッ!?どう見てもあれはUFOじゃねえか!?何であんなものがエレナの宝具になってるんだよ!??」

 

まさかのUFOの登場に遊馬はツッコミを入れ、サーヴァントの宝具の意味不明さに益々頭を悩ませた。

 

「馬鹿な……エレナは宇宙人と交信していたと言うのか!?実に興味深い……よし、遊馬!いつか飛行船で宇宙人を探しに行こう!」

 

「こんな時に何を言ってるんだよ、アストラルのバカァッ!!」

 

宇宙人と言う未知なる存在への可能性に興奮するアストラルに遊馬の怒号が響き渡る。

 

エレナはUFOに収納されてその上に立ち、攻撃命令を下す。

 

「『金星神・火炎天主(サナト・クラマ)』!!!」

 

UFOから無数の光線が放たれ、遊馬はデッキからカードをドローして手を打とうとしたその時、真っ先に一つの影が飛び出す。

 

「剣轟抜刀!!!」

 

武蔵は二刀を構えて『六道五輪・倶利伽羅天象』を発動して全ての光線を斬り裂き、そのままUFOをも叩き斬って撃墜させる。

 

「う、嘘でしょ!?」

 

エレナは慌ててUFOから飛び降り、難を逃れた。

 

「悪いけど、私の可愛い愛弟を奪わせるわけにはいかないから!」

 

武蔵は姉として遊馬を守るためにエレナに立ち塞がる。

 

遊馬たちは武蔵の冴え渡る二刀流が見られると思った。

 

ところが……。

 

「さあ……憧れのアメリカの地に降り立ち、少し見ない間に遊馬が大きな成長を遂げた……姉としてこれほど嬉しいことはない」

 

二刀を鞘に納めると、その身から光の粒子が溢れ出す。

 

「この想いを解き放ち、私は新たな地平へと向かう!さあ、行くよー!!」

 

武蔵がハイテンションになって光を纏うと、次の瞬間に驚くべき光景が広がった。

 

露出度の高い和服の装束が一変し、何とビキニ水着を着用した。

 

しかもただのビキニではなく、アメリカ合衆国の国旗である星条旗から拝借した柄のいわゆる『星条旗ビキニ』の水着を着用していた。

 

その手には武蔵の二天一流を象徴する二刀流の二振りの刀ではなく……リボルバー拳銃と刀を合体させた創作武器として知られている『ガンブレード』を持っていた。

 

「イェーイ!冷やし剣豪、始めました!!」

 

大剣豪の宮本武蔵が何故か水着とガンブレードを装備をしたという、謎の大変身を遂げてしまった。

 

「「えぇええええええーっ!??」」

 

「何が起きている……?」

 

遊馬とマシュは突然の出来事に驚愕して大声を上げ、アストラルは呆然として口が開きっぱなしになってしまった。

 

「うわぁ……武蔵さん、大胆な水着……」

 

星条旗ビキニと言う大胆な水着を着た武蔵に小鳥は顔を真っ赤にして目をそらした。

 

一方、武蔵の姿が変わったことにエレナは何が起きたのかすぐに理解ができた。

 

「まさか……あなた、自ら霊基を書き換えたって言うの!?」

 

霊基とは簡単に言えばサーヴァントの器であり、それぞれの英霊に適したクラスの器を用意して召喚される。

 

武蔵の場合は剣士であるのでセイバークラスが最も適しており、セイバーとして召喚された。

 

霊基はサーヴァントとしての器なので、それを弄ることは普通は出来ないのだが……。

 

「いやー、何かこう……気合いで出来ちゃった?」

 

「気合いでどうにか出来るものなの!??」

 

「姉上、じゃあ今のクラスは……?」

 

「今の私はセイバーではなく、バーサーカーだよ!」

 

よりにもよってセイバーからバーサーカーへとクラスチェンジしてしまった。

 

水着に着替えただけで狂戦士のバーサーカーになるのはどう言うことだと思うが、バーサーカーになったことで武蔵に狂化スキルが与えられてしまった。

 

その結果……。

 

「褐色の日差し、零れる肌の雫、可愛い男の子! 照り返す太陽、弾ける水飛沫、可愛い女の子! んー!夏サイコー!水着だーいすき!」

 

二刀のガンブレードを持って高らかにとんでも無いことを叫んだ。

 

ひっそりと隠していた欲望を大爆発させ、歳下の男の子好きのショタコンと、歳下の女の子好きのロリコンの性癖を全開する事になってしまった。

 

「あ、姉上……?」

 

「遊馬、見ていて!お姉ちゃんの新しい力を!それから、小鳥ちゃん!」

 

キラーン!と目を怪しく輝かせながら後ろに控えている小鳥を指差す。

 

「は、はい!?」

 

「この戦いが終わったら、君を私の妹にするから!!」

 

「はいっ!??」

 

「最愛の弟の遊馬に加えて幼馴染の小鳥ちゃんを私の妹に加える……最高だわ!私の夢のハーレムが完成する!」

 

小鳥は学校では遊馬といつも一緒にいるので誰も割り込めない公認のカップル扱いされているが、学校外では意外にも多くの男子が一目惚れするほどの美少女である。

 

最も、遊馬がいるので男子たちは撃沈するのであるが。

 

そんな小鳥は武蔵が認めるほどの美少女であり、妹にするのが夢でバーサーカーになってその想いが爆発した。

 

「姉上大丈夫か!?なんか色々とおかしくなってねえか!?」

 

「夏は人を狂わせるのよ!でも大丈夫、私は必ず勝つわ!そして小鳥ちゃんを私の妹にする!」

 

「大丈夫要素何処だ!?」

 

見たことないほどにハッチャケている武蔵に遊馬の連続ツッコミが響き渡る。

 

武蔵は遊馬のツッコミをスルーし、エレナに勝つ為にバーサーカーになって初めての宝具を解放する。

 

すると、床一面に海が広がった。

 

「え!?う、海!?」

 

「冷やし剣豪はじめましたぁー!!」

 

武蔵はジェットスキーを召喚してそれに乗る。

 

「ジェットスキー!?」

 

何故ジェットスキーなのか意味不明だが、武蔵はハイテンションでフルスロットルで動かし、海を掻き分けながら一気にエレナに近づく。

 

「ヒュー!いえーい! 」

 

エレナの周りをジェットスキーで一周すると、水の壁を生成してエレナをその中に閉じ込める。

 

武蔵は器用にジェットスキーの上に乗り、ガンブレードを構えて突撃する。

 

「これぞ水懸りの陣!伊舎那水天象! 」

 

そして、武蔵は水の壁をガンブレードで一刀両断で斬り裂き、中にいたエレナは吹き飛ばされる。

 

「きゃあああああっ!?」

 

未知なる宝具にエレナは敗れてしまう。

 

武蔵の使用したそれは長い剣者生涯の中で一度のみ使用したと言われる奇想剣法。

 

その名も『魔剣破り、承る!(がんりゅうじま)』。

 

「よっと、危ない危ない」

 

武蔵は吹き飛ばされたエレナをキャッチして降りる。

 

自称おばあちゃんと言うエレナも美少女なので手荒な真似をしたくなく、武蔵は優しく扱う。

 

「大丈夫?」

 

「え、ええ……あーあ、負けちゃったな。強いわね、あなた」

 

「うん!ありがとう!」

 

遊馬達の元に戻った武蔵はエレナを下ろした。

 

そして、武蔵は眼をキラーン!と妖しく輝かせて小鳥を見つめる。

 

「む、武蔵さん!?」

 

「小鳥ちゃーん!」

 

武蔵は一瞬で動いて小鳥の前に立ち、小鳥が驚いて反射的に動く隙も与えずに抱き寄せた。

 

「むぎゅう!?」

 

「えへへ〜、小鳥ちゃん。お姉ちゃんだよ〜、大好きだよ〜」

 

武蔵は小鳥を抱きしめ、星条旗ビキニで包まれた豊満な胸に小鳥の顔を埋めさせる。

 

(うわぁあああああっ……武蔵さん、温かいし、柔らかいし、いい匂いがするよぉ〜。もう何も考えられないよぉ〜……)

 

小鳥は武蔵の胸に顔を埋めされられ、武蔵のいい匂いが広がり、混乱状態に陥る。

 

武蔵は小鳥の頭を優しく撫で撫でして更に心を陥没させていく。

 

「えっと……マシュ、この場を頼む。俺はエジソンと決着を付けに行く」

 

「は、はい!分かりました!」

 

「行くぜ、アストラル」

 

「ああ!」

 

「それと、武蔵姉上。せっかくだから小鳥をそのまま甘やかしてくれ」

 

「ゆ、遊馬!?」

 

「うん!遊馬も頑張ってね!」

 

「おう!」

 

遊馬はマシュに後を任せてエジソンの元へと走る。

 

 

遊馬とアストラルはエジソンの元にたどり着き、遂に決着をつけるときが来た。

 

「待たせたな、エジソン!」

 

「カルナはラーマが抑えている。今こそあなたとの決着をつける!」

 

「来るがいい、異世界のマスター達よ。私は全力で迎え撃とう!」

 

「俺のターン、ドロー!『銀河の魔導師』を召喚!銀河の魔導師の効果、このカードをリリースしてデッキから『ギャラクシー』と名のついたカードを手札に加える。カードを一枚伏せ、魔法カード『手札抹殺』!手札を全て墓地に送り、その枚数分デッキからカードをドローする!墓地に送ったのは4枚、よってデッキから4枚ドロー!」

 

銀河の魔導師で必要なカードをデッキからサーチしてフィールドに伏せ、そこから手札抹殺で手札交換をする。

 

「よし!これなら行ける!魔法カード『増援』!デッキからレベル4以下の戦士族一体を手札に加える。俺はレベル2戦士族の『ガガガクラーク』を手札に加える!」

 

手札交換によって展開力が広がり、遊馬は一気にモンスターを展開する。

 

「更に魔法カード『死者蘇生』!墓地のモンスター1体を特殊召喚する。蘇れ、『ガガガマジシャン』!そして、自分フィールドに『ガガガ』モンスターがいる時、手札からガガガクラークを特殊召喚出来る!更に『ガガガキッド』も同様の効果で特殊召喚出来る!」

 

ガガガマジシャンの左右にガガガクラークとガガガキッドが立ち並ぶが、これではまだエクシーズ召喚はガガガクラークとガガガキッドのレベル2×2までしか召喚出来ない。

 

「ガガガマジシャンの効果、1ターンに1度、レベルを1から8に変更出来る。ガガガマジシャンのレベルを8にする!」

 

ガガガマジシャンのレベル変更効果でレベル8となり、ここで最初にセットしたカードを発動する。

 

「そして、魔法カード『ギャラクシー・クィーンズ・ライト』!魔法自分フィールドのレベル7以上のモンスター1体を対象として発動出来る。自分フィールドの全てのモンスターのレベルはターン終了時まで対象のモンスターと同じレベルになる!レベル8のガガガマジシャンを選択し、ガガガクラークとガガガキッドも共に8となる!」

 

銀河の魔導師でサーチしたギャラクシー・クィーンズ・ライトでガガガクラークとガガガキッドのレベルも共に8となり、これでレベル8のモンスターが三体並んだ。

 

「レベル8となったガガガマジシャン、ガガガクラーク、ガガガキッドでオーバーレイ!エクシーズ召喚!!」

 

『『『ガガガーッ!』』』

 

レベル8となったガガガモンスター3体が光となって地面に吸い込まれて光の爆発が起きる。

 

「運命を司る獅子よ、王者の風を吹かせ、勝利の剣を振り下ろせ!現れよ!!『No.88 ギミック・パペット - デステニー・レオ』!!!」

 

光の中から現れたのは大統王と名乗り、エジソンと同じ獅子の頭を持つ王者、デステニー・レオ。

 

「何と!?私と同じ獅子の頭を持つ王者か!!」

 

「デステニー・レオの効果!自分フィールドに魔法と罠が無い時、オーバーレイ・ユニットを一つ使い、デスティニー・レオにデステニー・カウンターを一つ置く!」

 

デステニー・レオの大剣の宝玉にオーバーレイ・ユニットを一つ取り込ませると、デステニー・レオの体が輝き出す。

 

遊馬はデステニー・レオの特殊勝利効果で勝利を得てエジソンを抑えようと考える。

 

「そして、カードを1枚伏せてターンエンドだ!」

 

しかし、この時の遊馬はまだ知らなかった……エジソンには他の英霊にはない特異な宝具がある事を。

 

「素晴らしい獅子の王者よ、あなたに敬意を評して我が宝具を見せよう……万人に等しく光を与えよう!」

 

すると、周囲の空間が昔の白黒の8ミリフィルム調となり、真上に何処かで見たような映画のオープニングロゴによく似た『何か』が現れた。

 

「あれ!?なんかどっかで見たことあるぞ!??」

 

「私も深夜の映画の放送で見たことが……」

 

遊馬とアストラルはその『何か』に見覚えがあり、驚愕する。

 

「それこそが天才の成すべきカルマだ!」

 

その『何か』は本来のデザインとは異なり、『EDISON』とロゴのデザインとなっており、エジソンはその上でポーズを決める。

 

「『W・F・D(ワールド・フェイス・ドミネーション)』!!!」

 

エジソンが高らかに宝具の名前を叫ぶと、周囲が眩い閃光を放ち、鮮やかな色彩を彩る。

 

閃光がデステニー・レオに襲いかかり、遊馬はセットしたカードを発動する。

 

「くっ、罠カード!『攻撃の無敵化』!」

 

「無駄だぁっ!!」

 

デステニー・レオに戦闘・効果の破壊を防ぐ効果を与えたが、デステニー・レオの体がヒビが入り、一気に破壊された。

 

「デステニー・レオ!?ぐぁあああああっ!??」

 

「何が起きたんだ!?」

 

破壊を防ぐはずの攻撃の無敵化の効果が打ち消されてしまった。

 

W・F・Dは隠されていた、秘められていたからこそ力を発揮したものを無造作に暴き立て、エネルギーでは計れない何かを零に固定する。

 

民衆たちの神秘への信仰を零に貶める『世界信仰強奪』対民宝具。

 

隠された神秘であるからこそ力のある魔術の力を零にする。

 

「おいおい、こんな宝具ありかよ……!」

 

エジソンの宝具はこの世界の魔術にとっては天敵となる特性を持つ。

 

遊馬のデュエルも異世界の力だがある意味魔術の一種なので、その力を零にされてデステニー・レオと攻撃の無敵化が無効されて破壊されてしまったのだ。

 

「ユウマ!お待たせしました!」

 

ある程度のアメリカ兵を片付け……もとい治療を終えたナイチンゲールがエジソンの治療する為に遊馬の元へ駆けつけた。

 

肩に担いでいる大きな診察台や手に持っている手榴弾については……見なかったことにした。

 

「ナイチンゲール!」

 

「エジソンの治療を行います。私の宝具を解放します!」

 

ナイチンゲールは診察台と手榴弾をしまって遊馬の前に立ち、目を閉じて魔力を解放する。

 

「全ての毒あるもの、害あるものを絶ち、我が力の限り、人々の幸福を導かん!」

 

すると、ナイチンゲールによく似た巨大な『白衣の女神』が大剣を持って幻として出現した。

 

それは戦場を駆け、死に立ち向かったナイチンゲールの精神性が昇華され、更には彼女自身の逸話から近現代にかけて成立した『傷病者を助ける白衣の天使』という看護師の概念さえもが結びつき誕生した宝具。

 

「『我はすべて毒あるもの、害あるものを絶つ(ナイチンゲール・プレッジ)』!」

 

女神が大剣を振り下ろすとそこから光が解き放たれ、光の粒子が遊馬とエジソンに降り注がれると、それぞれ別の効果が与えられる。

 

「すげぇ……力が溢れてくる!」

 

「ぐおっ!?馬鹿な、力が抜けていく……!?」

 

遊馬には活力を与え、逆にエジソンには大幅に力をダウンさせる。

 

「味方には癒しを与え、敵には力を失わせる……なるほど、ナイチンゲールらしい宝具だ」

 

「さあ、今のうちに!」

 

「サンキュー、ナイチンゲール!かっとビングだぜ、俺!俺のターン、ドロー!魔法カード『ガガガドロー』!墓地のガガガモンスターを3体除外し、デッキから2枚ドローする!」

 

デステニー・レオのオーバーレイ・ユニットとなっていた3体のガガガモンスターを墓地から除外し、デッキから2枚ドローする。

 

「おっしゃあ!来たぜ来たぜ!魔法カード『グローリアス・ナンバーズ』!墓地のナンバーズを復活させ、1枚ドローする!蘇れ!デステニー・レオ!そして1枚ドロー!更に墓地のグローリアス・ナンバーズの効果、このカードを除外して手札のモンスターをデステニー・レオのオーバーレイ・ユニットにする!」

 

床に大きな魔法陣が浮かび上がり、墓地からデステニー・レオを復活させてオーバーレイ・ユニットを一つ与える。

 

デステニー・レオの特殊勝利効果をもう使うことが出来ないが、遊馬の手には誇り高き家族から託された『大いなる力』がある。

 

そのカードを祈るように額に持って行き、カードから伝わる想いを受け取って発動する。

 

「行くぜ……トロン、III、Ⅳ、V!みんなの力を今ここに!『RUM - アージェント・カオス・フォース』!!」

 

それはトロン一家四人の四つの紋章が合成されたイラストが描かれたランクアップマジック。

 

バリアンとの戦いで対バリアン用の切り札として、トロンの紋章の力を用いてVが開発したカード。

 

「このカードは自分フィールドのランク5以上のモンスターエクシーズを1体選び、そのモンスターよりもランクが1つ高い『CNo.』または『CX』をエクストラデッキからエクシーズ召喚扱いとして特殊召喚する!デステニー・レオ、カオス・エクシーズ・チェンジ!!」

 

デステニー・レオが光となって地面に吸い込まれ、光の爆発を起こす。

 

「行くぜ、Ⅳ!お前の最強の力を見せてやろうぜ!現れよ!CNo.88!吼えろ、荒ぶる魂!全てを滅ぼす怒り呼び覚ませ!」

 

地面から轟音が鳴り響くと、その中から小さな人形達が支える大きな爆弾のような球体。

 

そして……その球体の上には翼を持つ大きな金色の獅子の像が天辺に乗った不気味なモンスターが現れる。

 

「『ギミック・パペット - ディザスター・レオ』!!!」

 

それはⅣの最後にして最強の切り札。

 

『運命』に抗う『災厄』の名を持つ獅子。

 

獅子の王者の次は巨大な金色の獅子の像が現れ、エジソンは立ち上がりながらその姿に驚愕した。

 

「ぬおっ!?今度は不気味だが何とも美しい金色の獅子か!!」

 

「ディザスター・レオの効果!1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを一つ使い、相手に1000ポイントのダメージを与える!マキシマム・カラミティー!!」

 

オーバーレイ・ユニットが球体に取り込まれると、獅子の像の眼が妖しく輝き、口から炎が噴き出してエジソンの体を炎が覆い、ダメージを与える。

 

「ヌォオオオオオッ!??」

 

「ユウマ、力を貸してください。今の内にエジソンを治療します!」

 

「治療?どうやって?」

 

「私と共にエジソンを殴りましょう!全力で、思いっきり、容赦無く!」

 

「おっしゃあ!一発派手に行くか!ジェットローラー!」

 

遊馬はジェットローラーを起動し、ナイチンゲールが先導して走る。

 

エジソンが炎から抜け出した時には既にナイチンゲールが診察台と手榴弾を持って接近する。

 

「ナ、ナイチンゲール!?」

 

「エジソン、あなたの治療を開始します!清潔!消毒!!緊急治療!!!」

 

ナイチンゲールはアグレッシブに動き、手榴弾をエジソンに叩きつけて爆発させる。

 

手榴弾の爆発を同じく受けたが無傷のナイチンゲールは診察台を片手で持って振り上げ、そこから激しい嵐のような怒涛の連続攻撃を繰り出す。

 

「グォオオオオオオオオッ!?」

 

ナイチンゲールの怒涛の攻撃に押されるエジソン。

 

その間に遊馬は右手を金色に輝かせながらジェットローラーで走り抜け、エジソンの眼の前までジャンプする。

 

「歯を食いしばれ、エジソン。俺の拳はかなり痛いからな!!」

 

右拳を作り、金色を最高潮にまで輝かせる。

 

「鉄拳聖裁!!!」

 

遊馬必殺の光の鉄拳がエジソンの左頬を殴り飛ばす。

 

「グォハァッ!??」

 

巨体のエジソンが殴り飛ばされ、後ろに倒れこむ。

 

「話に聞いていた通り、見事な鉄拳ですね」

 

ナイチンゲールは遊馬の鉄拳聖裁の事を武蔵から聞いていたのでエジソンの治療に最適だと判断して選んだのだ。

 

「ナイチンゲールもナイスファイトだったぜ」

 

遊馬とナイチンゲールは互いに健闘を讃え、笑顔でハイタッチを交わした。

 

アメリカのトップである大統王・エジソン。

 

そのエジソンが敗れたことにより、この戦いはカルデア・レジスタンス連合軍の勝利となった。

 

 

 




前半はオルガマリーが悪党になってしまいました。
フーヴァーは大統領が恐れた男としても有名なので、大統王エジソンも戦慄しました。
こう言うことも考えられたのでフーヴァーをオルガマリーの英霊に採用しました。
これがあるから公式かつ機密は強いと思います。

中盤はラーマが頑張ってカルナを抑え、冷やし剣豪こと水着武蔵爆誕(笑)
早速小鳥ちゃんが餌食となりました。
良かったね、小鳥ちゃん!
美人でスタイルの良いエロいお姉さんができたよ(笑)

後編はエジソンの相手にやはり出すしかなかったデステニー・レオとディザスター・レオで戦わせました。
同じライオンなのでやるしかないですよね。
そして、炸裂しました、遊馬とナイチンゲールの連携攻撃。
地味に相性がいい気がします、この二人。

次回はエジソンの治療の続き、そして……遂に明かされる遊馬の秘密。
乞うご期待です。

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