Fate/Zexal Order   作:鳳凰白蓮

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コレクターズパックでNo.29 マネキンキャット収録!
これでコレクターズパックでナンバーズ五枚収録で嬉しいです!
あと数年で全部揃ってくれれば幸いです。

※10話のライオンハートの効果を勘違いしたので訂正しました、大変申し訳ありませんでした。


ナンバーズ11 決戦の地、オルレアンへ!

遊馬とアストラルが呼び出した皇の鍵の飛行船こと、『かっとび遊馬号』。

 

元々は回収したナンバーズをアストラルが納める謎の建造物であったが、『No.66』が鍵となり、皇の鍵内の異空間から現実世界に召喚させて動かすことができる。

 

飛行船として空を航空することはもちろん、異次元ゲートを使って異世界に渡ることが出来る。

 

「シロウ……昔冬木で見た飛行船とはあんなものでしたっけ?」

 

「アルトリア、あれはもはや人智を超えたよくわからない代物だ。あまり深く考えないほうがいい……」

 

飛行船というものを一応知っているアルトリアとエミヤは頭が痛くなった。

 

「遊馬君……あなたには本当に驚かされますね……」

 

「キャー!マスター素敵!こんなすごい宝具を持っているなんて!」

 

「素晴らしい……こんな美しいものは初めて見たぞ!」

 

ジャンヌは遊馬の凄さに呆然とし、マリーとアマデウスは興奮していた。

 

「何者なのだ……?」

 

ただの子供ではない遊馬に出会ったばかりの竜殺しの騎士は困惑していた。

 

「みんな、飛行船に!乗り込むぜ!」

 

飛行船のゴンドラから円形の光が発射され、遊馬達を包むと一瞬で船内にワープされる。

 

船内のブリッジはまるで戦艦のようなハイテクな機材が並んでおり、中央には飛行船を操作する舵が設置されている。

 

「ようこそ、皇の鍵の飛行船へ」

 

舵の前にアストラルが立っており、飛行船の起動準備をしていた。

 

「す、凄い……カルデアの最新設備並みの機材です……」

 

カルデアの機材に触れていたマシュは飛行船の設備に驚いているとD・ゲイザーからダ・ヴィンチが連絡を入れてきた。

 

『ちょっとちょっと!遊馬君何だいこれは!?こんな凄いものがあるなんて聞いてないよ!』

 

未知なる科学技術で作られた飛行船に興奮気味のダ・ヴィンチに遊馬は苦笑いを浮かべた。

 

「悪い悪い、使えると思ってなかったから忘れていたんだよ」

 

『カルデアに戻ったら絶対に調べさせて、約束だから!!』

 

「はいはい、わかったよ。よし……」

 

ダ・ヴィンチと通信を切り、遊馬は舵に手を添えて出発準備をする。

 

「これからフランスの街へ移動して聖人のサーヴァントを探し出すぜ!」

 

「遊馬、出発だ!」

 

「おう!かっとび遊馬号、発進!」

 

かっとび遊馬号が発進し、フランスの街へ向かった。

 

数分後……。

 

「よし、到着!」

 

「「「早っ!!?」」」

 

最初の目的地であるティエールという街に到着した。

 

ロマニに確認してもらったところ、ティエールには二騎のサーヴァントの気配があり、遊馬とアストラルとマシュが飛行船から降りた。

 

その時、街から空に向けて炎が登り、遊馬達は一瞬思考が停止した。

 

「……今、炎が上がらなかった?」

 

「上がったな……」

 

「急ぎましょう!」

 

遊馬達は急いで街の中に入るとそこに二人の少女の姿をしたサーヴァントがいた。

 

一人は淡い緑色の髪に着物を着た少女でもう一人はゴスロリ風の衣装を着たマイクを持つ少女で何故か言い争って激しい攻撃をする。

 

「このっ!この、この、このっ!ナマイキ!なのよ!極東のド田舎リスが!」

 

「うふふふふ。生意気なのはさて、どちらでしょう。出来損ないが真の竜であるこの私に勝てるとお思いで。エリザベートさん?」

 

「うーーっ!ムカつくったらありゃしないわ!カーミラの前にまずはアンタを血祭りにしてあげる!この泥沼ストーカー!」

 

「ストーカーではありません。『隠密的にすら見える献身的な後方警備』です。この清姫、愛に生きる女です故」

 

「アンタの愛は人権侵害なのよ!」

 

「血液拷問フェチのド変態に言われたくありませんね」

 

ヒートアップしていく二人に遊馬は慌ててデッキからカードを引き、喧嘩を止めるためのカードを発動する。

 

「やめろって!魔法カード、『光の護封剣』!!」

 

天空から聖なる光の剣が降臨して二人の周りに突き刺さり、聖なる力で動けなくした。

 

「う、動けない……!?」

 

「な、何よこの剣は……!?」

 

「お前ら……こんなところで喧嘩はやめろ」

 

「な、何ですかあなたは……?」

 

「魔術師なの……?」

 

「九十九遊馬、こっちは相棒のアストラル。そしてデミ・サーヴァントのマシュ。お前らはサーヴァントだよな?」

 

遊馬は呆れ顔で自己紹介するがそんなことよりも二人は喧嘩を優先して光の護封剣で封じられながらも口喧嘩をする。

 

アストラルとマシュも喧嘩する二人に呆れていると遊馬は両手を握りしめて軽く息をかけた。

 

「ゆ、遊馬君……?」

 

「いい加減に……しろ!!!」

 

ガキィン!!

 

「「フニャア!!?」」

 

「「あ……」」

 

遊馬の怒りの鉄拳が二人の頭に直撃し、猫みたいな奇声を放った。

 

魔力も込められてないただの拳だが二人には何故か脳裏に響くようなダメージが与えられ、涙目になりながら遊馬を睨みつける。

 

「い、痛い……です」

 

「何するのよもう!」

 

「さっきから聞いていればガミガミとやかましいんだよ。お前らサーヴァントだろ?そんな子供みたいな喧嘩をして恥ずかしくないのかよ?それに喧嘩するなら街中じゃなくて外でやってろよ、街の人に迷惑じゃねえか」

 

まるで親に叱られている子供のようになった二人だった。

 

「し、しかし……この女が……」

 

「だ、だってこいつが……」

 

「まだ言う?俺の世界では……喧嘩両成敗と言う言葉があるけど、もう一度拳骨喰らいたい?」

 

「「ひうっ!?ご、ごめんなさい……」」

 

遊馬の拳骨に既に恐怖を抱いた二人は大人しく引き下がった。

 

謝ったので遊馬は光の護封剣を解除し、二人に質問する。

 

「わかったならいいんだよ。それで二人に聞きたいことがあるんだ。俺たちの仲間が呪いで苦しんでいて、呪いを解くために聖人のサーヴァントを探してるんだ。知らないか?」

 

「聖人?この国に広く根付いた教えの聖人ならば、一人心当たりがありますが」

 

「本当か!?」

 

「ええ。彼の真名はゲオルギウス、西側に向かいました」

 

「西か……ありがとう!えっと……あ、悪い。二人の名前を教えてくれ」

 

「私の名は清姫と申します」

 

「私はエリザベートよ、それにしてもアンタ、変な力を感じるわね」

 

清姫は安珍清姫伝説という和歌山県に伝わる伝説の童女で、エリザベートは血の伯爵夫人と言われたエキセントリックな少女である。

 

「そうか?それよりも一つ提案があるんだけど、これからフランスを黒ジャンヌから解放するために戦っているんだけど、一緒に来ないか?」

 

遊馬は清姫とエリザベートに共に戦う仲間にならないかと誘うと……。

 

「わかりました、喜んで力をお貸しします」

 

清姫は先程とは全く違う反応で、遊馬の顔を見て頰を少し赤く染めて、即答した。

 

「決断早っ!?」

 

「ふん、そういう事なら手伝ってもいいわよ」

 

エリザベートもなんだかんだで了承し、二人は遊馬と早速契約を結んだ。

 

清姫との契約は何故か指切りで嘘をついたら針千本を呑ませるというよくわからない約束をされた。

 

エリザベートとはいつも通り握手を交わして契約し、二人のフェイトナンバーズのカードが作成された。

 

清姫の絵は扇子を広げて舞うような姿に背後に白い大蛇が描かれており、エリザベートはマイクを片手に持ち、背後にはアイドルのライブみたいな巨大アンプが描かれていた。

 

「まあ、素敵なカード。ありがとうございます、『旦那様(ますたぁ)』♪」

 

「……アンタいま、とんでもない変換しなかった……?気をつけなさいよ、マスター。こいつとんでもないストーカーだから」

 

「え?ストーカー?」

 

どういう事?と首を傾げる遊馬だったが、ひとまず清姫が会った聖人に会いに飛行船に再び乗って今度は西へ向かった。

 

今度は飛行船から全員降りて街を捜索するとひときわ目を惹く鎧を纏った長い髪の男性がいた。

 

「あんた、ゲオルギウスか!?」

 

「君は?それに……サーヴァント!?これほど沢山!?」

 

ゲオルギウス。

 

聖ジョージとも呼ばれ、聖剣アスカロンを手にドラゴンを退治した伝説の聖人である。

 

遊馬と一緒にいる大勢のサーヴァントに警戒するが、警戒を解く為に遊馬はすぐに用件を言う。

 

「俺たちは敵じゃない!仲間が呪いにかけられて聖人であるあんたの力が必要なんだ!頼む、力を貸してくれ!!」

 

頭を深く下げて頼む遊馬の姿にゲオルギウスと竜殺しの騎士は驚いた。

 

他人の為に、仲間の為に迷うことなく頭を下げて頼み込むその姿にゲオルギウスは腰を下ろして遊馬の視線に合わせて肩に手を置いた。

 

「分かった。私の力でよければ君に貸そう」

 

「本当か!?」

 

「だが、この街の人間を避難させないといけない。それが終わってからで良いか?」

 

「もちろんだ!それなら俺たちも手伝うぜ!」

 

遊馬達も街の人の避難を手伝おうとした……その時だった。

 

「はっ!?この気配……遊馬君!ワイバーンが来ます!」

 

「何ぃっ!?」

 

ジャンヌがワイバーンが来る気配を察知し、空を見上げると小さな黒い無数の点が近づくのが見えた。

 

それらは全部ワイバーンであまりの数に街の人たちは混乱して行く。

 

「ったく、黒ジャンヌも懲りないな……」

 

「遊馬、人々を守るために一気に決めるぞ!『No.91』だ!」

 

「ああ!俺のターン、ドロー!自分フィールドにモンスターがいない時、『ドドドバスター』を特殊召喚出来る!この時、ドドドバスターのレベルが6から4になる!」

 

ドドドウォリアーに似たモーニングスターを持つヴァイキング風の戦士が降り立ち、レベルが6から4となる。

 

「更に『ゴブリンドバーグ』を通常召喚!効果で手札から『ゴゴゴゴーレム』を特殊召喚する!」

 

ゴブリンドバーグが召喚され、その効果でコンテナからゴゴゴゴーレムが特殊召喚され、レベル4のモンスターが三体揃った。

 

「レベル4のドドドバスター、ゴブリンドバーグ、ゴゴゴゴーレムの三体でオーバーレイ!三体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築、エクシーズ召喚!」

 

三体のモンスターが地面に吸い込まれ、光の爆発が起きると青白い光が天に昇った。

 

「現れよ、『No.91 サンダー・スパーク・ドラゴン』!!!」

 

空に『91』の数字が浮かぶと雷雲が空いっぱいに広がり、雷電の中から青白い蛇の姿をした巨大な雷の竜が現れた。

 

「まさか、旦那様が竜使いだったなんて……」

 

「な、な、何よあれ!?私よりも格上のあんな竜を操るなんて……マスターは一体何者よ!?」

 

清姫は竜種に転身することができ、エリザベートは竜種であり、二人よりもランクの高いサンダー・スパーク・ドラゴンを召喚した遊馬に驚いている。

 

「みんな、巻き込まれたくなかったら手を出すなよ。俺の後ろに下がっててくれ!」

 

サンダー・スパーク・ドラゴンは強力な効果を有して降り、下手をすれば味方をも巻き込みかねないほどのものであるため、遊馬はマシュ達を後ろに下がらせた。

 

「行くぜ……サンダー・スパーク・ドラゴンの効果!オーバーレイ・ユニットを三つ使い、サンダー・スパーク・ドラゴン以外の全てのモンスターを破壊する!!」

 

サンダー・スパーク・ドラゴンは全てのオーバーレイ・ユニットを喰らい、体から膨大な電気を放出する。

 

空に浮かぶ雷雲が共鳴し、ワイバーンは人を襲うどころではなく混乱するが時は既に遅かった。

 

「行け、サンダー・スパーク・ドラゴン!ワイバーンを全てぶっ飛ばせ!!サンダー・スパーク・ボルトォォォッ!!!」

 

『ギュオオオオオオオーッ!!!』

 

サンダー・スパーク・ドラゴンの赤い目が輝き、その身に宿る全ての電気を放出し、雷雲からも数多の落雷が降り注いでワイバーンを全て撃ち落とす。

 

降り注いだ雷電は遊馬の味方のサーヴァントや避難していた街の人間には一切落ちず、ワイバーンのみ撃ち落とした。

 

ワイバーンは雷に打たれて丸焦げになり、地面にボトボトと地面に落ちていく。

 

まるでワイバーンから人々を守るために天から舞い降りた守り神が現れたかのように人々は震え上がって歓声を送った。

 

「へへっ……これで街は、守れたぜ……」

 

遊馬は街と人々を守れたことを嬉しく思いながら拳を高く掲げたが、その直後に意識が朦朧して体が崩れ落ちる。

 

「遊馬!?」

 

「「遊馬君!?」」

 

「旦那様!?」

 

「「「マスター!?」」」

 

遊馬が突然倒れたことにアストラルとマシュ達は驚いてすぐに駆け寄った。

 

その後、ゲオルギウスが街の市長に頼んで空き家を借り、そこで遊馬を休ませてもらった。

 

街をワイバーンから救い、守ってくれた遊馬を街の人たちは勇者と崇め、心の底から感謝して遊馬の為に栄養がつくよう大量の食料を贈った。

 

ベッドで眠っている遊馬を映像越しでロマニがチェックしたところ、度重なるサーヴァント達との戦いの疲れと死体やリビングデッドを見たことによるストレスが重なったことによる疲労困憊だった。

 

特に遊馬はまだ十三歳で自ら率先してモンスターを召喚して戦っていたので精神的にも肉体的にも限界が来てしまったのだ。

 

マシュ達はサーヴァントは遊馬に頼り過ぎてしまったのではないかと自責の念を抱いて深く反省し、今それぞれに自分ができることをする。

 

街の警護やジャンヌ・オルタ達の情報収集を行い、マシュは遊馬の看病に専念した。

 

清姫も遊馬の看病をしたかったが、任せると何かやばい予感がしたのでアルトリアとエリザベートが無理やり連れ出した。

 

マシュはスヤスヤと眠る遊馬を見守りながら悲しそうな表情を浮かべていた。

 

「私……遊馬君のサーヴァント失格です……」

 

マシュは誰よりも遊馬に近いサーヴァントなのに遊馬に大きな負担をかけてしまったことに誰よりも責任を感じていた。

 

そんなマシュを励ますかのように皇の鍵の中で休んでいたアストラルが現れた。

 

「マシュ、君が責任を感じる事はない」

 

「アストラルさん……でも……」

 

「……遊馬と私には師匠のある教えがあるんだ」

 

「師匠……?」

 

「名は三沢六十郎。遊馬のデュエルの師匠で、私達が道に迷った時、壁にぶち当たった時に大切なことを教えてくれた大切な恩師だ」

 

「それって、どんな事ですか……?」

 

マシュが尋ねるとアストラルはフッと笑みを浮かべて窓から夜空を見上げ、その時のことを思い出す。

 

「仲間を守り、共に戦う事だ」

 

それは遊馬とアストラルが初めて強大な相手と対峙し、敗北の恐怖で道に迷った時にその教えを説いた。

 

自分達は一人ではない、共に戦う大切な仲間がいればどんな強大な敵にも立ち向かうことができる。

 

それはこの世界で共に戦うマシュ達サーヴァントも同じである。

 

「遊馬はこれからも君達を守り、そして共に戦う為に自分の身を犠牲にするだろう。しかし、それをマシュ達が背負う事はない。それが遊馬が信じ、進む道だから……」

 

遊馬の事を誰よりも理解しているアストラルの言葉にマシュは頷き、新たな覚悟を決めた。

 

壁に立てかけた盾を手に取り、片手で胸に手を置いて自身に宿る英霊の魂に今の自分の覚悟を話す。

 

「この盾に掛けて、遊馬君を守り抜き、共に戦います!遊馬君が無茶を貫き通すなら、私が支えます!!」

 

遊馬のデミ・サーヴァントとして、シールダーとして守るだけじゃない、支える存在になると誓った。

 

マシュの中にいる英霊はその誓いを聞き入れ、頑張れと応援するかのように十字架の盾が淡く光った。

 

マシュの誓いを聞いたアストラルは優しい笑みを浮かべて頷いた。

 

翌朝、遊馬は無事に目を覚まし、エミヤが街の住人から貰った食材を元に作った豪華な料理を食べて英気を養った。

 

竜殺しの騎士は昨夜のうちにジャンヌとゲオルギウスの力で無事に呪いは解け、本来の力を取り戻すことが出来た。

 

竜殺しの騎士はジャンヌとゲオルギウスに感謝すると同時に自分の為に精一杯動いてくれた遊馬に深い感謝の念を抱き、無事に回復した遊馬の前で跪いた。

 

「我が真名はジークフリート。あなたには感謝しきれないほどの恩を受けた。この剣と命……マスターであるあなたに捧げることをここに誓う」

 

ジークフリート。

 

真竜ファブニールを倒した竜殺しの大英雄である。

 

すると遊馬は笑みを浮かべて手を差し伸べた。

 

「そんな堅苦しいのは良いって。俺たちはもう仲間だろ?だから、一緒に戦ってくれ!ジークフリート!」

 

「はっ……!」

 

ジークフリートはマスターである遊馬と握手をしてサーヴァントの契約を交わし、フェイトナンバーズのカードが現れる。

 

そしてもう一人、遊馬と契約を望むサーヴァントがいた。

 

「少年……君の事は皆から話を聞きました。勇敢なるあなたを守る為に、私も共に戦います」

 

「ゲオルギウス……ありがとう!一緒にフランスを守ろうぜ!」

 

「はい!」

 

ゲオルギウスも遊馬とサーヴァントの契約を交わし、もう一枚のフェイトナンバーズのカードが現れる。

 

ジークフリートの絵は鎧姿で大剣を担いだ騎士らしい姿が描かれて降り、ゲオルギウスは白馬に跨り剣を掲げた姿が描かれている。

 

無事にドラゴンに対して最強と言っても過言ではないジークフリートが回復し、ここでジャンヌは遊馬に提案する。

 

「遊馬君。いえ、マスター。私達の陣営の戦力は最大限まで揃ったはずです。今こそ、オルレアンへ向かいましょう」

 

「へへっ、俺もちょうどそう思っていたところだぜ。仲間も集まった、俺も全快だ。黒ジャンヌと決着をつけようぜ!!」

 

「はい、ありがとうございます!」

 

フランスにレイシフトしてから早数日、七人のサーヴァントが仲間となり……。

 

遊馬とアストラル。

 

マシュとジャンヌ。

 

アルトリアとエミヤ。

 

マリーとアマデウス。

 

清姫とエリザベート。

 

ジークフリートとゲオルギウス。

 

合計で十二人のパーティーとなり、かなりの大所帯となったがジャンヌ・オルタの陣営の戦力がまだ不明な点があるので味方が多いに越した事はない。

 

アルトリアとエミヤの二人を中心に作戦を考えるが遊馬は手を上げて意見を言う。

 

「みんな、黒ジャンヌは俺に任せてくれないか?」

 

「任せるとは、どう言う事ですか?」

 

ジャンヌが眉を寄せて尋ねると遊馬は手を握りしめて真剣な眼差しをする。

 

「あいつと真正面でぶつかりたいんだ。 俺とアストラルの持てる力の全てをぶつけてあいつの憎しみと悲しみを曝け出す」

 

「憎しみと悲しみ、ですか?」

 

「ああ。黒ジャンヌをただ倒すだけじゃダメな気がして……」

 

遊馬は初めて会った時からジャンヌ・オルタの事を気になっていた。

 

どうしてジャンヌ・オルタはあそこまで歪んでしまったのか?

 

その事をずっと考えていてジャンヌから生まれた負の感情の存在がジャンヌ・オルタであるならば全てを曝け出してぶつかりたいと遊馬は強く望んだ。

 

これは戦いである為、遊馬の考えは甘いと思われるがそれが遊馬の持つ強みだと理解しているアルトリア達は反論せずにそれに従った。

 

「遊馬君、よろしければ私も彼女との戦いに同行してもよろしいですか?彼女にはどうしても聞かなければならないことがあるので……」

 

ジャンヌも遊馬と同じようにジャンヌ・オルタの事をずっと考えていて遊馬と同行して確かめたいことがあった。

 

「ああ。良いぜ、ジャンヌ。一緒に黒ジャンヌのところへ行こうぜ!」

 

「はいっ!」

 

遊馬達の考えがまとまり、いよいよジャンヌ・オルタ達との決戦の時が近づく。

 

希望の未来を信じる者と絶望の未来を望む者……二人の想いが遂に激突する。

 

 

 

.




次回はいよいよ黒ジャンヌとの対決です。
まずは黒ジャンヌ以外のサーヴァントたちとバトルです。

原作ならここでマリー様がジャンヌ達を守るために消滅してしまいましたが、全員揃っていたので死亡フラグを回避しました。
ちなみに黒ジャンヌはアトランタルで魔力がかなり無くなっていたので回復に専念していました。

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