Fate/Zexal Order   作:鳳凰白蓮

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本当なら先週投稿できたんですが仕事とプライベートがめちゃくちゃ忙しくて投稿が遅れました。
やっぱり年末に近づくと忙しくなりますね。

今回はフォウの話です。
書いてて思いましたが、フォウとマシュの出会いって特に書かれていませんよね。
ゲームやアニメでも少し前に出会たぐらいしか書かれてませんですし。


ナンバーズ131 人と獣の絆

マシュのランクアップから約1時間後……城に戻った遊馬達。

 

あの後、李書文はナイチンゲールによって強制的に治療を受け、スカサハと話し合った結果、槍を交えるまでは誰の味方にもならないという盟約を交わしてその場を去った。

 

結果的に仲間にならなかったが、ケルトとの最終決戦には来るだろうと予想する。

 

城で対ケルトに向けて会議を行う前にどうしても確かめなければならない事案が発生した。

 

それは……。

 

「さあ、フォウ。私たちの質問に全て答えてもらうわよ」

 

「フォ、フォウ……」

 

オルガマリーが開放召喚でフーヴァーの力を使い、小部屋を借りてフォウを警察の取り調べのようなことを行い始めた。

 

フォウをキャスパリーグだと言った謎の男はあの後にすぐに消えてしまい、気配や痕跡も無くその真意を確かめる事はできなかった。

 

怯えるフォウは逃げようとしたが、ランクアップしたマシュのスピードから逃れるわけがなく、そのまま確保されてしまった。

 

「フォウさん、大丈夫です。何があっても私たちは絶対にフォウさんに酷い事はしませんから」

 

マシュはランクアップ状態からいつもの十六歳の肉体の姿に戻り、怯えるフォウの体を撫でる。

 

「それに、フォウは俺たちの仲間だろ?まあ、お前が何でカルデアに来たのかとか……あの男は誰なのか知りたいだけなんだ」

 

遊馬は仲間としてただ純粋にフォウの事と、フォウをキャスパリーグと呼んだあの謎の男について知りたいだけだ。

 

すると、フォウは謎の男について自分が答えられる事を話した。

 

「フォウ……マーリン!マーリン!」

 

いつもマシュが名付けたその名前の由来と思われる「フォウ」としか鳴かないフォウが初めて別の言葉を発した。

 

「フォ、フォウさんが喋りました!」

 

「お前、フォウ以外言えたのか!?」

 

「二人共、重要なのはそこじゃないぞ!?」

 

「フォウ、あなた今……マーリンって言ったわよね!?あの男がそうなの!?」

 

『ちょっと待ったー!マーリンだって!?ブリテン島の大魔術師。夢魔と人間の混血。アルトリアをアーサー王として担ぎ出し、宮廷魔術師となった世界有数のキングメーカーにして最高峰のロクでなしが!?』

 

カルデアから通信で話を聞いていたロマニはマーリンについて興奮しながら早口で詳しく解説する。

 

ロマニの言う通りマーリンはアーサー王と同じくらいに世界的に有名な魔術師。

 

そのマーリンとフォウが一体どんな関係なのだろうか。

 

「ロマニ、うるさいけど説明ご苦労様。念の為にさっきの映像をアルトリア達に確認を取ってもらって」

 

『りょ、了解!』

 

ロマニに頼んでマーリンが現れたときの映像をアルトリア達とモードレッドに見てもらい、確認してもらったところ……口をあんぐりと開けて驚愕し、全員が頷いた。

 

あの男がブリテンの大魔術師、マーリンだと確定するのだった。

 

オルガマリーが少し呆れながらロマニにそう言い、腕を組んで唸って考える。

 

「うーん……あれが伝説の魔術師、マーリン……でも、本来ならばキャスパリーグは敵や駆除すべき存在といってもおかしくないのにあんなにも親しげな様子……」

 

「でも、アルトリア達はフォウを見てもキャスパリーグだって、騒いだりしてなかったよな?」

 

「キャスパリーグと言ってもみんな姿形は異なるか、伝承がそもそも間違っているのか、それとも全くの作り話か……」

 

オルガマリー、遊馬、アストラルがそれぞれ疑問に思う事を考える中、マシュはふと思った事を質問した。

 

「フォウさん……マーリンさんと一緒に住んだことありますか?もしかして、私とカルデアで会う前とか……」

 

「……フォウ」

 

マシュの質問にビクッと震えたフォウは小さく頷いた。

 

「えっ?マーリンと一緒に住んでいた?それってまさか……あなた、アヴァロンにいたの!?」

 

オルガマリーの凄まじい驚きように遊馬は聞き慣れない単語に首を傾げた。

 

「アヴァロンって何だ?」

 

「アヴァロン……アーサー王が眠ると言われる伝説の島の事だ。だが、この世界のアヴァロンは違うらしい」

 

「違うって?」

 

「私はアルトリアに以前少しだけアヴァロンの事を聞いた事があってな。アヴァロンは妖精郷と呼ばれる世界の内側にある理想郷で、そこは自然に満ち溢れて妖精が住うとされている」

 

「更にマーリンはアヴァロンの中に塔を作り、そこに住んで永遠に世界を眺めていると言われているわ」

 

アストラルとオルガマリーの説明を聞き、遊馬は上を見上げて整理していくとある疑問が思いつく。

 

「と言うことは……フォウ、お前はマーリンと一緒にその塔の中に住んでいたのか?」

 

「……フォウフォウ……」

 

フォウは頷くとオルガマリーがテーブルにおいた紙とペンを拝借し、歪で下手ながらも必死に何かの絵を書いていた。

 

何かの細長い建物みたいなものを書き、最後に一番上から下に向かって長い矢印を書いた。

 

遊馬達は頭に大量の疑問符を浮かべながら今までの話を整理してフォウが書いた絵の推理をする。

 

「この細長いのはもしかして、マーリンがいるアヴァロンの塔かしら……?」

 

「その一番上から下に向けて矢印……」

 

「まさか……フォウのあの怒りから察するに、マーリンが塔の上からフォウを落としたとか……」

 

「いやいや、流石にそこまで酷いことは……」

 

遊馬達の推理に流石にそれはないと思った矢先……。

 

「フォフォウ……」

 

フォウがポロポロと小さな涙を流して泣いていた。

 

「フォウさん!?だ、大丈夫ですか!?」

 

マシュは涙を流すフォウにすぐに抱き寄せて頭を撫でてあやした。

 

フォウの突然の涙に遊馬とアストラルとオルガマリーは顔が引きつった。

 

「おいおい、今の推理……全部合ってるのかよ……?」

 

「キャスパリーグ……とは言え、今のフォウにそれほど大きな力は感じられない。恐らくは小動物と同じぐらいの力しかないはずだ……」

 

「そのフォウを塔から放り投げて追い出すなんて……アヴァロンがどんな世界か知らないけど、下手したら死んでいたわよ。うん、伝承通りのとんでもない最低のロクでなしね」

 

マーリンが何を考えているのかは分からないが、マーリンが最低のロクでなしということがよく分かった。

 

今までの話をまとめるとこのようになった。

 

①フォウは何らかの理由でアヴァロンの塔の中で暮らしていた。

 

②突然マーリンに塔の上から放り投げられてアヴァロンから追い出された。

 

③アヴァロンから追い出されて帰れなくなったフォウは彷徨った果てにカルデアに流れ着いた。

 

④カルデアでフォウはマシュと出会い、仲良くなり、そのままカルデアで暮らすことにした。

 

⑤異世界からカルデアに現れた遊馬をフォウが見つけ、その後マシュと共に特異点を巡る旅に同行する。

 

⑥マーリンが幻となって現れ、フォウの本当の名を告げて現在に至る。

 

「……こんなところかしら?」

 

まだ不明な点はいくつかあるがフォウがカルデアに来た大筋を纏め、確認を取るとフォウは頷いた。

 

「あなた……結構苦労したのね……」

 

今までフォウはカルデアに偶然潜り込んだ、ただの新種の動物かと思っていたが、その可愛らしい見た目に反して重い運命を背負い、辛い目に合っていることにオルガマリーは同情した。

 

「キャスパリーグね……」

 

遊馬はD・パッドでキャスパリーグの文献を調べる。

 

調べれば調べるほどフォウとキャスパリーグのギャップの違いにどうすればこんな可愛らしい生き物が魔獣になるのか疑問で仕方がなかった。

 

「やっぱりアーサー王物語以外には出てねえか……ん?」

 

キャスパリーグはアーサー王物語やそれに関する物語で僅かに登場する魔獣だが、ある一文に遊馬の目が止まる。

 

「フォウ……お前……」

 

「フォウ?」

 

「リスじゃなくて……猫だったのか!??」

 

「フォーウ(君の驚くところはそこ)!?」

 

キャスパリーグは魔獣であるが動物の分類では猫である。

 

今まで遊馬はリスかそれに近い新種の動物だと思っていたので、猫だとは予想外だった。

 

「いやー、フォウが猫なら是非ともキャットちゃんに会わせたいな。フォウの言葉とか訳してもらいたいし」

 

「フォ、ドフォウ(待って!あの猫娘ちゃんはヤメテ)!?」

 

ある程度キャスパリーグについての資料を読み終わり、D・パッドをしまうと遊馬はフォウと向き合う。

 

「フォウ。えっと……キャスパリーグ?どっちの名前で呼んだらいいか?」

 

マシュが名付けたフォウが本来の名前のキャスパリーグが良いのか尋ねる。

 

「フォウフォウフォウ!」

 

「……フォウでいいのか?」

 

「フォーウ!」

 

キャスパリーグよりもフォウの方が気に入っている様子なので今まで通りフォウと呼ぶことにした。

 

名付け親のマシュは自分がつけた名前を気に入ってくれていると嬉しそうに微笑んだ。

 

「気を取り直して……フォウ、お前に聞きたいことがある。ちゃんと答えてくれよ?」

 

「フォウ……」

 

何を質問されるのだろうかとフォウは不安になる。

 

遊馬は腕を組んで質問をした。

 

「お前、マシュの事が大好きか?」

 

「……フォーウ(はぁ)?」

 

一体何を聞いてんだ?とフォウは訳がわからないと言う表情を浮かべている。

 

一方の遊馬はふざけているわけでもなく真面目な表情を浮かべている。

 

フォウはマシュを見つめて考える。

 

フォウにとってマシュは掛け替えのない大切な存在である。

 

迷い込んだカルデアで初めて出会った人間。

 

マシュはフォウにとって自分が一番求める理想的な人間なのだ。

 

純粋でとても優しく、心が善に満ち溢れ、そして何よりも自分を大切に想ってくれている。

 

「フォウさん……」

 

マシュはフォウが自分のことをどう思っているのか不安な表情を浮かべていた。

 

するとフォウはいつものようにマシュの体をよじ登って肩に乗る。

 

「フォウフォウフォー!」

 

フォウはマシュに頬擦りしたり小さな舌で頬を舐めたりして精一杯の愛情表現をする。

 

「キャッ!?フォウさん、くすぐったいですよ〜」

 

マシュは自分がフォウに好かれていると言う事実に喜びで顔が笑みで綻んでいく。

 

微笑ましい光景に満足した遊馬はパンパン!と手を鳴らして宣言をする。

 

「よしっ!これでフォウの尋問は終わり!早くエジソン達と会議をしようぜ!」

 

「遊馬!?」

 

「遊馬君!?」

 

「フォウ!?」

 

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ、遊馬!まだフォウに聞かなければならない事が……」

 

「別にもう良いじゃん。フォウの正体とカルデアに来た経緯とか分かった事だし。これ以上、仲間を尋問するのも嫌だからな」

 

「フォーウ(仲間)……?」

 

フォウは目を丸くしてキョトンとして遊馬を見つめた。

 

伝説に語られる恐ろしい化け猫でもあるにも関わらず何故自分を仲間として認めてくれるのか?

 

理解できないフォウに遊馬は指で頭を撫でながら答えた。

 

「だってフォウ、お前はマシュが大好きなんだろ?カルデアがレフに爆破されて大火事になった時に……マシュのそばにいて必死に鳴いてたじゃねえか。フォウのあの時の声があったからこそ俺はマシュの元に辿り着けたんだぜ。もしもお前が敵なら、そんなことはしねえよな」

 

遊馬がカルデアに迷い込んだあの日、地獄と化したカルデア内でフォウがいたからこそマシュの元に辿り着く事が出来た。

 

それから特異点を巡る旅が始まり、フォウは直接戦闘には参加していないが、マシュはフォウが側にいると心が落ち着き、数多の敵にも臆する事なく戦う事が出来た。

 

それは遊馬にとっても同じでフォウがいると心が安らいで落ち着き、仲間として、守るべき存在として側にいるからこそ遊馬も全力で戦う事が出来る。

 

「お前は誰かを愛し、大切に想う心がある。だから魔獣みたいな怖い見た目になってねえんだろ?」

 

フォウが魔獣にならずに済んでいるのは実際は遊馬とマシュのお陰であるが、その事を遊馬達は知る由もない。

 

「フォウ、お前は俺たちカルデアの人理を救う戦いの旅に同行する掛け替えのない仲間だ。キャスパリーグなんて化け猫じゃない。カルデアのフォウだ!」

 

遊馬はフォウをキャスパリーグではなく、カルデアの仲間の一人として宣言した。

 

否、元々遊馬はフォウの正体がキャスパリーグなど最初からどうでもよかったのだ。

 

フォウが自分達の大切な仲間という事実は不変なのだから。

 

すると、今度はマシュがフォウの頭を撫でながら自分の頭を寄せ、マシュが望む願いを告げた。

 

「フォウさん、あなたは私にとって初めてのお友達です。もうフォウさんが側にいない日々なんて考えられません。だから……」

 

マシュはフォウを両手で抱き上げて慈愛に満ちた笑みを浮かべた。

 

「これからも私はフォウさんとずっとずっと一緒にいたいです。大好きですよ、フォウさん」

 

それはキャスパリーグである自分が一生言われることのない言葉だと思っていた。

 

自分は誰にも愛される事なく、生きる事になるだろう……そう思っていた。

 

しかし、マシュがフォウと出会った事で運命が変わったように、フォウもまたマシュと出会って運命が大きく変わったのだ。

 

そして、フォウが出した答えは……。

 

「フォウ!」

 

「ああっ……はい!これからもよろしくお願いします、フォウさん!」

 

マシュは何となくだがフォウの言葉を理解出来る。

 

フォウもマシュの側にいたい……その意味が伝わり、マシュは満面の笑みを浮かべて嬉しそうに頷いた。

 

「良かったな、マシュ。フォウ、改めてこれからよろしくな!」

 

遊馬は拳を作ってフォウに向けた。

 

フォウは頷いて小さな手で拳を作った。

 

「フォウフォーウ!」

 

フォウもこちらこそよろしくの意味を込めて遊馬と拳をぶつけ合った。

 

遊馬とマシュとフォウ……二人と一匹が心を通わせ、絆が深まる。

 

優しく、温かく、美しい……そんな心の光が奇跡を呼び起こす。

 

拳をぶつけ合った遊馬とフォウの間から小さな光が溢れ出し、遊馬の手の中に奇跡の光が宿る。

 

「これは……?」

 

握りしめた拳をゆっくり開くと光が溢れてカードへと形を変えた。

 

「フェイトナンバーズ……?いいや、違う……」

 

カードから光が消えていくとそこに描かれたものは遊馬を驚かせるものだった。

 

「これって、フォウのモンスターカード!?」

 

「何だと!?」

 

「えっ?フォウさんのカードですか!?」

 

「ドフォウ!?」

 

「えっ!?カード化は英霊だけじゃなかったの!?」

 

急いでアストラル達はフォウのカードを見た。

 

まずカードの枠はエクシーズの黒色ではなく、デッキに入れる効果モンスターの茶色だった。

 

イラストには美しい星々が輝く夜空の下でフォウが歩く姿が描かれていた。

 

効果と攻撃力と守備力もしっかり記載され、真名は『希望の守護獣 フォウ』。

 

災厄の魔獣であるキャスパリーグとは正反対の美しい光に満ち溢れた真名だった。

 

「希望の守護獣……!私のランクアップした希望の守護者と同じですね!」

 

マシュは自分のランクアップした存在の『FNo.0 希望の守護者 マシュ・ホープライト』と似たフォウの『希望の守護獣』と言う名前に親近感を得て喜んだ。

 

「この効果は……素晴らしい。遊馬のデッキに適合していて、三積みしたいほどの強力な効果だ」

 

効果を一読したアストラルはその素晴らしく強力な効果に感服した。

 

遊馬はフッと笑みを浮かべながら迷う事なくフォウのカードをデッキに入れた。

 

「デッキ編集は後でやるとして……今後は必ずこのカードをデッキにいれる。フォウ、お前の力を借りるぜ」

 

「フォウ(任せて)!」

 

フォウは興奮気味に大きく頷いた。

 

これでフォウは災厄の魔獣としてではなく、希望の守護獣として共に戦う事が出来る。

 

しかし、フォウにとって嬉しいことはそれだけではなかった。

 

実はカードに書かれた効果テキストにはフォウにとっては嬉しい効果があった。

 

フォウは窓際に向かい、空に向かって高らかに拳を上げて叫んだ。

 

「フォウフォウフォウ、フォーウ(首を洗って待っていろ、クズマーリン)!!」

 

フォウの気合いを込めた驚く叫び声がアヴァロンにいるマーリンに届いたかどうかは……誰も知る由もない。

 

 

 




フォウがモンスターカード化になりました!
エクシーズも良かったんですがモンスターの方がいいかなと思って。

しかし、マーリンはとんでもないクズですね。
漫画で塔からフォウを落とす描写がありましたが、あれは酷い……フォウ泣いていましたし。

マシュとフォウの効果は次回判明する予定です。
出来るだけ早めに投稿しますのでお待ちください。
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