Fate/Zexal Order   作:鳳凰白蓮

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未来龍皇ホープ……遊馬君の未来皇ホープとアストラルの希望皇龍ホープ・ドラグーンが一つになったモンスター、かっこ良過ぎて思わず待ち受けにしました。
これはホープ・ゼアルに並ぶラスボス戦に登場に相応しいホープが来ましたね。


ナンバーズ132 ナンバーズを統べる真の皇

遊馬の前世、マシュのランクアップ、そしてフォウの正体と驚天動地な出来事がようやく片がつき、城の玉座の間に大きな円卓を置いてその周りに全員分の椅子を並べた。

 

まるでアーサー王物語の円卓で行われる会議のような光景で一番興奮していたのは意外にもマシュだった。

 

「凄いです……本当の円卓会議を行えるなんて……!」

 

興奮しているマシュに反応するかのように十字の盾が淡く輝いていたが、それを気付くものは誰もいなかった。

 

「さて、会議を始める前にまず私とフーヴァーの力で集めた資料を見て下さい」

 

オルガマリーが事前に用意した資料を参加者全員に渡す。

 

資料にはケルト軍のサーヴァント、現在のアメリカ兵とケルト兵の軍事力や兵力など事細かに分かりやすく書かれている。

 

「さ、流石はフーヴァー長官……ここまで調べ上げるとは……味方になって本当に良かった……」

 

エジソンは中にいる歴代アメリカ大統領を含めてフーヴァーの力を宿すオルガマリーが味方になってくれて本当に良かったと心の底から安堵した。

 

ケルトにいる敵サーヴァントは全部で六騎。

 

ケルト軍の首魁で聖杯を所持していると思われるコノートの女王、メイヴ。

 

そのメイヴが狂王として召喚した最強最悪のケルト戦士、クー・フーリン・オルタ。

 

インドの叙事詩『マハーラーバタ』の大英雄にして授かりの英雄、アルジュナ。

 

栄光のフィオナ騎士団の長、フィン・マックール。

 

フィンの部下でフィオナ騎士団が一番槍、ディルムッド・オディナ。

 

英文学最古の叙事詩の主人公で古のドラゴンスレイヤー、ベオウルフ。

 

どれも一筋縄ではいかないサーヴァントばかりだ。

 

どうやってこの戦争をアメリカに勝利を導くか、それぞれが己が考えを出していく中でアストラルが手を挙げた。

 

アストラルは今回のアメリカとケルトの戦いで勝つための点を挙げる。

 

「オルガマリーから得た情報を元に今回の戦争についての重大な点について指摘する。まずは兵士だ。アメリカ兵とケルト兵ではこの場にいる誰もが分かっている通り、敵の首魁、メイヴの力で無限に生み出されるケルト兵の前ではアメリカの資源が底をつく」

 

今も尚、無限に増え続けているであろうケルト兵が相手ではアメリカ兵は勝ち目は無い。

 

「次はサーヴァント。ケルト軍には首魁のメイヴにクー・フーリン・オルタ、フィンとディルムッド、アルジュナとベオウルフ……この六騎のサーヴァントがいる。特に警戒しなければならないのはクー・フーリンやスカサハ以上の力を持つとされるクー・フーリン・オルタとインド神話のサーヴァントのアルジュナだ」

 

「上等だ……狂王だが何だか知らねえが、好き勝手暴れている野郎はこの俺が必ず倒してやるよ……!!」

 

「アルジュナは俺に任せてくれ。あの男は……俺が相手をしなければならない相手だ」

 

クー・フーリンとカルナはそれぞれの因縁の相手に心の炎がメラメラと燃え上がる。

 

マスターの為に、世界の為に、そして己の為に必ず負けないと心に誓う。

 

「今回の戦いは今までとは違い、我々カルデア軍、アメリカ軍、レジスタンス軍……三つの軍が集結した連合軍となった。サーヴァントの数はこちらが断然有利だ。勝機も十分ある。そこで、私が考えた作戦はシンプルに行こうと思う。ケルト軍の拠点に向けて正面突破で乗り込み、メイヴを討つ!」

 

「ストップだ、アストラル君!それではあまりにも無謀だ!拠点に乗り込むのは良いが、それまでケルト兵を抑えることは難しいぞ!」

 

今までギリギリのところまで戦い続けてきたエジソンだからこそ言える言葉だが、アストラルは不敵な笑みを浮かべて答えた。

 

「心配しなくていい。私は……否、私と遊馬は……『ケルト兵を全て蹂躙しつつ拠点に乗り込む』のだから」

 

「ケルト兵を全て蹂躙……!?まさか、対軍……いや、対国宝具やそれ以上のものでやるつもりか!?だがそれでは魔力が持たぬぞ!」

 

「いいや、その必要はない。ケルトの全てのサーヴァントと兵士はその巨大な力しか視線を向けざるを得ないだろう」

 

「巨大な力……!?それは一体……」

 

「……その前にみんなに一つ質問したい──このアメリカで遠い未来で人気を誇る怪獣映画とSF映画は知っているか?」

 

「「「…………は?」」」

 

アストラルの謎の質問に遊馬とマシュと小鳥とオルガマリー以外は首を傾げて頭に疑問符を浮かべる。

 

それはアストラルがこのアメリカに降りたってからずっと考えていた作戦。

 

ケルト兵を全て薙ぎ払い、ケルト軍のサーヴァントと真っ向勝負をする為の作戦。

 

その作戦を元に明日、ケルトとの最終決戦を迎える。

 

 

その夜、遊馬とアストラルは戦いに向けて最後のデッキ調整を行う。

 

今回考えたアストラルの作戦の要の切り札を出せるカードを中心に入れていき、更には……。

 

「やっぱりいつもより防御系カードは入れたほうが良いよな?」

 

「ああ。敵のクー・フーリン・オルタとアルジュナは宝具を解放すればたちまちこちらのサーヴァントは大怪我、下手をすればすぐにやられてしまう。ここは多めに入れた方が良い」

 

「だよな」

 

インド神話の英雄であるラーマを戦闘不能に追い込んだクー・フーリン・オルタにインド神話の英霊・アルジュナを相手にするからには自分の身と仲間達を守る為にいつもより多めに防御系のカードをデッキに加える。

 

「うーん、バランスが難しいな。後はモンスターだけど……展開力がもっと欲しいな」

 

遊馬のデッキにとってあらゆるモンスターエクシーズのエクシーズ召喚の要となるモンスター。

 

もう少しモンスターの展開力が欲しいと考えていると……。

 

「……遊馬、アナザーのカードが……」

 

「えっ?」

 

アナザーの白紙のカードが輝くと遊馬の前に浮き、更には遊馬が愛用する『ガガガマジシャン』を始めとするオノマトモンスター達のカードも一緒に浮いた。

 

ガガガマジシャン達のカードから光の線が現れ、白紙のカードに力を与える。

 

それは遊馬が長年愛用してきたガガガマジシャン達の精霊の想い。

 

精霊の力が白紙のカードと結びついて新たなカードを作り出す。

 

「すげぇ……新しいオノマトモンスターだ……!」

 

「これでオノマトモンスターの展開力も格段に上がるぞ……遊馬!」

 

「ああ!」

 

遊馬とアストラルは新たなカードに興奮しながらデッキ構築を急いだ。

 

新たなカードとの出会いはデュエリストにとって大きな喜び……アナザーの言葉の通りで遊馬とアストラルはデュエリストとしての喜びを味わいながら新しいデッキを作る。

 

 

デッキ調整が終わり、すっかり真夜中になってしまい、遊馬は眠る前にアストラルと共に部屋を出た。

 

長い廊下を歩いているとそこでアメリカ兵たちの検診を終えたナイチンゲールと会った。

 

「こんな夜中に散歩ですか?」

 

「ああ。明日が最後の戦いだから、アメリカの最後の夜を眺めようかなって思ってさ」

 

「……これも何かの縁です。お付き合いしましょう」

 

「オッケー」

 

ナイチンゲールは遊馬に何か話したいことがあるのか、一緒に散歩する事となり、城を出て夜空を眺めながら散歩する。

 

この特異点の戦いも終盤に差し掛かり、ナイチンゲールは今の心境を語る。

 

「……エジソンの病は癒されました。アメリカの大統領という重荷を軽減できた。あるいは歴代大統領の妄執が憑依されていたのかもしれません。予後不良の恐れがあるので、引き継ぎ観察していかなければ……残る病は一つ。それで世界が癒されるといいのですが」

 

「心配するなって、俺たちが必ずケルトをぶっ飛ばしてやるからさ!」

 

遊馬はいつものように自信満々な態度でナイチンゲールを励ますが、ナイチンゲールは目を細めた。

 

「……貴方に重圧を掛けている訳ではありません。そこは勘違いされないようお願いします。世界の崩壊を止める責務をただ一人に負わせるなど、本来は正気の沙汰ではないのです」

 

世界の崩壊を止める……それを一人の少年が全てを背負う。

 

しかし遊馬はそれを何の苦悩もなく決意を固め、自分たちの世界とは関係のないこの世界と人類の未来を守るために戦う道を歩んでいる。

 

それはバーサーカーで狂化を与えられ、多くの人がドン引きする行動をするナイチンゲールでさえも遊馬の『それ』を狂気の沙汰だと感じるほどだ。

 

「……それはまさしく、絶望的な所業には必ず。狂っていなければ耐えられない」

 

「……そうかな?俺は別に自分が狂ってるって思ってないし誰にも言われたこともないけど?」

 

あっけらかんと答える遊馬は自分が狂っていると思っていない。

 

ナイチンゲールは腰を下ろして遊馬と目線を合わして肩に手を置く。

 

「ユウマ、よく聞きなさい。貴方は鉄血の理性を保って、私たちを選ばなければならない。私は貴方を信用しています」

 

ナイチンゲールは生前に経験したことを元に世界の未来を背負って戦う遊馬にアドバイスを送る。

 

「かつて、分からず屋の陸車を相手に戦った同胞たちのように。努力する必要はあります。しかし重荷を背負う必要はありません。貴方の選択が間違いでなくとも、託された側である我々が失敗することもある。盤石の体制を整えても、兵士は死に、病人は発生する。だから、気楽に決めてもいいのです。気楽に、そして誠実に──であれば、私たちはきっと大丈夫」

 

遊馬は全てを背負うほどの強い覚悟を持っている。

 

十三歳と思えないほどの強い意志だが、それは一度崩れれば二度と立ち直ることが出来ないほどの危うさも同時にある。

 

ナイチンゲールは遊馬の心や背負っているものを少しでも和らげる為に今までとは違い、優しい言葉を送る。

 

ナイチンゲールからの言葉にまるで天使のような優しい想いが込められていると遊馬は感じ取り、笑顔を見せて頷く。

 

「分かった!ありがとうな、ナイチンゲール。俺、頑張るよ!!」

 

「はい。夜風が冷たくありませんか?そろそろ戻りましょう」

 

「おう!」

 

遊馬とナイチンゲールは二人並んで城に戻る。

 

その光景を見たアストラルは笑みを浮かべて呟いた。

 

「クリミアの天使か……」

 

ナイチンゲールの優しい一面を見たアストラルはその想いで遊馬の心を癒してくれたことに感謝し、アメリカの夜空を見上げた。

 

 

翌日の早朝……日が昇ると同時に動き出す。

 

遊馬達は城からかっとび遊馬号に乗り、戦場の最前線近くに向かう。

 

ちなみに科学的にも魔術的にも原理が不明なかっとび遊馬号こと皇の鍵の飛行船に対し、発明王の異名を持つエジソンと神智学の開祖のエレナは二人揃ってテンションがマックスとなっていた。

 

「ヌォオオオオオッ!?GyAooooo!?な、何なのだ、この発明王でも見た事のないこの素晴らしい飛行船は!?これは私でも開発する事が出来ないぞ!??」

 

「キャー!?何よ何よこの飛行船は!?原動力は!?構造は!?素材は!?どうやって宙に浮いているの!?まさかこれが科学と魔術のハイブリッドだというの!??」

 

異世界の未知なる技術によって作られた、異世界を渡ることが出来る飛行船。

 

戦争でなければじっくり調べたいところだが、その時間はない。

 

遊馬が後で二人をカルデアに召喚したら必ず調べさせてあげると約束し、二人は好奇心をグッと抑えて我慢した。

 

かっとび遊馬号の操作を小鳥とオルガマリーに任せ、遊馬とアストラルとマシュとフォウは一足先に地上に降り立つ。

 

他のサーヴァント達は遊馬とアストラルの指示があるまでかっとび遊馬号で待機することにしてある。

 

下手に魔力を使用せずにケルト軍のサーヴァントだけに戦いを集中させる為だ。

 

遊馬達の目線の先には数え切れないほどのたくさんのケルト兵達。

 

その余りの大群に圧倒されてしまいそうになるが、遊馬達には大きな自信がある。

 

自分達はこれまでの旅で強くなった。

 

驕らず、慢心せず、油断せず……更なる高み、ランクアップを目指す為に、自分達が今出せる全力をこの戦いで見せる。

 

「遊馬、我々が先陣を切る……油断せずに行くぞ!」

 

「へへっ、分かってるって。そんなの当たり前だろ!さぁて……一丁派手に行くぜ。マシュ、フォウ、準備はいいな?」

 

「はい!」

 

「フォーウ!」

 

遊馬はマシュとフォウを粒子化させてカードに入れ、フォウのカードはデッキに入れる。

 

デュエルディスクのシャッフル機能でデッキがシャッフルされ、遊馬はデッキからカードを5枚ドローして手札にする。

 

「俺のターン、ドロー!よし!魔法カード『オノマト連携』!手札を1枚墓地に送り、デッキからオノマトモンスターを2枚、手札に加える!」

 

手札を1枚墓地に送り、デッキから加えた2枚は遊馬が新たに手にし、実戦で初めて使うカードである。

 

「まずはこいつだ!お前の力を借りるぜ、アナザー!」

 

そのうちの1枚はアナザーから託された白紙のカードから生まれた遊馬の新しい仲間。

 

「俺のモンスター達を導く新たな希望皇!俺は『希望皇オノマトピア』を召喚!」

 

遊馬の前に現れたのはエースモンスターである希望皇ホープをデフォルメしたような可愛らしい小さなモンスターだった。

 

この希望皇オノマトピアは希望皇ホープに酷似しているが、ナンバーズでもモンスターエクシーズでもないので強力な戦闘能力が無いが、代わりに遊馬と共に戦う仲間達を導く力を持つ。

 

「希望皇オノマトピアの効果!手札からオノマトピア以外のオノマトモンスターをそれぞれ1体ずつ守備表示で特殊召喚出来る!」

 

オノマトピアはオノマトモンスターである『ズババ』『ガガガ』『ゴゴゴ』『ドドド』の4種類のカテゴリのモンスターを手札から呼び出すことが出来る。

 

遊馬が手札から呼び出すのはオノマトピアと同じくデッキに加わった新たな仲間。

 

「さあ……出番だぜ!手札から『希望の守護者 フォウ』を特殊召喚!!」

 

オノマトピアの隣に現れたのは白い上着のようなものではなく、希望皇ホープのプロテクターを小型化した小さな鎧を全身に装着したフォウだった。

 

フォウは背中に装着された希望皇ホープの双翼を展開し、宙に浮いて空を飛ぶ。

 

「フォウフォウー♪」

 

四足歩行のフォウは自らの力で空を飛ぶことが出来て嬉しそうに遊馬の周りを飛ぶ。

 

希望皇オノマトピアと希望の守護獣フォウ……この2体は実はオノマトモンスターに属するモンスターである。

 

それはこの2体のモンスターの効果には『このカード名はルール上「ズババ」「ガガガ」「ゴゴゴ」「ドドド」カードとしても扱う』と言うルール効果がある。

 

名前には無いがルール効果によってこの2体はオノマトモンスターの仲間となっている。

 

「フォウ、行くぜ!」

 

「フォーウ!」

 

「レベル4の希望皇オノマトピアと希望の守護獣 フォウの2体でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!」

 

2体のモンスターが地面に吸い込まれ、光の爆発を起こす。

 

「心優しき乙女よ、神秘の盾をその手に未来を守る最後の希望となれ!現れよ、『FNo.0 人理の守り人 マシュ』!!」

 

光の中からマシュが現れ、フェイトナンバーズの姿へと変身すると、その肩に小さな光が現れる。

 

「フォフォウ!」

 

「フォウさん!一緒に行きましょう!」

 

それはエクシーズ素材となり、オーバーレイ・ユニットとなったフォウだった。

 

オーバーレイ・ユニットは本来なら光の球体として扱われるが、フォウは特別で希望の守護獣の姿でマシュの側にいる。

 

そして、オーバーレイ・ユニットとなったフォウには驚愕の効果を有する。

 

「エクシーズ素材となったフォウの効果発動!フォウがフェイトナンバーズのオーバーレイ・ユニットになっている時、1ターンに1度、デッキからカードを2枚ドローして1枚を墓地に送ることが出来る!」

 

オーバーレイ・ユニットがある限り、自分のターンに2枚ドローと墓地肥やしが出来る驚愕のドロー効果。

 

「フォーウフォウ!!」

 

フォウの体から金色の光が放たれ、遊馬のデッキトップの2枚が光り輝く。

 

「デッキから2枚ドロー!そして、手札1枚を墓地に送る!!」

 

ドローしたカードが遊馬が望んでいたカードで、笑みを浮かべて天高く掲げる。

 

「来たぜ来たぜ!マシュ、かっとビングだ!」

 

「はい!マシュビングです、私!」

 

「俺はマシュを対象に『RUM - リミテッド・フェイト・フォース』を発動!」

 

レティシアとベオウルフの戦いの時に発現したフェイトナンバーズ専用のランクアップマジックを発動し、ランクアップの力がマシュに与えられる。

 

マシュの体が光に包まれ、フォウと共に天に登る。

 

「マシュ、ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!」

 

上空に『00』のナンバーズの刻印が輝き、希望皇ホープ達と未来皇ホープの幻影が現れる。

 

ホープ達の幻影が光となり、マシュと共に天に登り、全ての力が一つに合わさって大きな光の爆発を起こす。

 

「未来を司る力よ、数多の希望の光を集わせ、運命を斬り開け!これが俺の相棒の新たな力!現れよ、FNo.0!!」

 

光の中から飛び出したのは希望の獣と共に機械の翼を展開して大空を自由に飛ぶ心優しき少女。

 

「『希望の守護者 マシュ・ホープライト』!!!」

 

魂と肉体を最高潮にまでランクアップした人類と世界の未来を守る守護者。

 

マシュはフォウと共に降臨し、遊馬とアストラルに目線を向けて3人と1匹はアイコンタクトを取って同時に頷く。

 

早速遊馬はランクアップしたマシュの効果を発動する。

 

「マシュ・ホープライトの効果!このカードが特殊召喚されたターンに1度、エクストラデッキから『希望皇ホープ』モンスター、または『未来皇ホープ』モンスター1体をX召喚扱いで特殊召喚する!」

 

それは無条件でありとあらゆるホープモンスターを召喚出来る効果。

 

マシュが希望皇ホープ達と未来皇ホープの力が一つになったからこそ可能になった大いなる力である。

 

「行きます!フューチャーホープサークル、展開!!」

 

マシュが両腕を左右に開くと足元に巨大な金色の魔法陣が出現する。

 

魔法陣にはアストラル世界の文字や数字、更にその中心には皇の鍵が描かれている。

 

「遊馬!」

 

「ああ!」

 

アストラルは新たなホープを遊馬に投げ渡し、二人は同時にそのカードを掲げてデュエルディスクに置く。

 

「「万界に散りし、我が魂の祈りよ! 今こそこの手に集い、その姿を現せ!」」

 

遊馬とアストラルの周囲に『01』から『100』の100種類のナンバーズの数字が現れ、一斉に飛び交って魔法陣の中央に入り込む。

 

「「現れよ、No.93!ナンバーズの真の皇よ!!」」

 

空中に『93』の刻印が神々しく輝くと、大地と大気が震え、魔法陣から強大なエネルギーの激流が溢れ出す。

 

そして、魔法陣から凄まじい轟音と共に巨大な影が飛び出るように徐々に現れる。

 

遊馬とアストラルは初めて繰り出す新たな希望皇に興奮が隠しきれず、想いを込めて高らかにその名を告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「『希望皇ホープ・カイザー』!!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現れたのは希望皇ホープの数倍の大きさを持つ巨人の戦士。

 

カイザーと言う皇の名に相応しい絢爛豪華で美しくも神々しい鎧と装飾に身を包み、背中には巨大で煌びやかな翼が生えた新たな希望皇。

 

『ホォオオオオオオープ!!!』

 

ナンバーズのキング・オブ・キング……全てのナンバーズを統べる真の皇がここに降臨した。

 

ホープ・カイザーは召喚条件が少々難しく出しにくかったので今まで出せずにいた。

 

しかし、ランクアップしたマシュの力……あらゆる希望皇ホープと未来皇ホープを無条件で召喚出来る遊馬とアストラルにとって最強とも言える能力によって、ナンバーズを統べる希望皇……ホープ・カイザーを召喚することが出来た。

 

更にマシュの効果により、ホープ・カイザーの力を最大限に引き出すための助力を行う。

 

「そして、特殊召喚したホープに自分の手札・墓地のモンスター2体までを選択してそのモンスターをオーバーレイ・ユニットにする!手札のガガガマジシャンと墓地のゴゴゴゴーレムをホープ・カイザーのオーバーレイ・ユニットにする!」

 

手札からガガガマジシャン、墓地からゴゴゴゴーレムの幻影が現れてそのまま光の球となってホープ・カイザーに2つのオーバーレイ・ユニットが備わる。

 

「更に魔法カード『オーバーレイ・リジェネレート』を発動!このカードをホープ・カイザーのオーバーレイ・ユニットにする!」

 

更にホープ・カイザーのオーバーレイ・ユニットが1つ追加され、これで合計3つとなる。

 

そして、遊馬とアストラルはホープ・カイザーだけが使える唯一無二の最強の力を発動する。

 

「「ホープ・カイザーの効果!1ターンに1度、自分のメインフェイズにこのカードのオーバーレイ・ユニットの種類の数まで、エクストラデッキからランク9以下で攻撃力3000以下のナンバーズを効果を無効にして特殊召喚し、その後このカードのオーバーレイ・ユニットを1つ取り除く!!」」

 

アストラルはホープ・カイザーのオーバーレイ・ユニットの3つの数である3枚のナンバーズを取り出して宙に投げると、3つの数字の刻印が空中に浮かび上がる。

 

「「ナンバーズよ!今こそ真の皇の元に集い、その力を振え!!ナンバーズ・アッセンブル!!!」」

 

3枚のナンバーズは吸い込まれるように遊馬のデュエルディスクに降りて置かれ、そのまま連続して召喚される。

 

「まずはIII!お前からだ!現れよ!『No.6 先史遺産 アトランタル』!!」

 

大地がひび割れ、その中から這い上がるように現れたのは古の大陸が巨人の姿となった大型モンスター、アトランタル。

 

「次はⅣ!君の力だ!現れよ!『No.40 ギミック・パペット - ヘブンズ・ストリングス』!!」

 

アトランタルの横に現れたのは左胸が空洞で片翼と大剣を持ち、運命の糸を操る不気味な人形、ヘブンズ・ストリングス。

 

「最後はV!決めるぜ!現れよ!『No.9 天蓋星 ダイソン・スフィア』!!」

 

最後に現れたのは太陽を覆うほどの巨大な人工衛星、デュエルモンスターズ史上最大級の大きさを誇る超巨大モンスター、ダイソン・スフィア。

 

ナンバーズの三体同時召喚の後、ホープ・カイザーのオーバーレイ・ユニットとなっていたガガガマジシャンを墓地に送られる。

 

アトランタル、ヘブンズ・ストリングス、ダイソン・スフィア……大型ナンバーズを同時に召喚した。

 

それは皇が配下の騎士や戦士を従えて戦うように、他のナンバーズを自在に召喚して操る……まさにホープ・カイザーはナンバーズの真の皇に相応しい存在である。

 

「III!Ⅳ!V!トロン三兄弟のみんな、一緒に行くぜ!!」

 

遊馬とアストラルの側に3枚のナンバーズに込められたIII、Ⅳ、Vの思いの幻影が現れてすぐに消えた。

 

「これがナンバーズの真の皇……ホープ・カイザーの力……」

 

マシュは自分で召喚したホープ・カイザーの強大な力に開いた口が塞がらなくなるほど驚いていると……。

 

「マシュ、そろそろ行くぜ」

 

遊馬が背中に純白の双翼を羽ばたかせて空を飛び、ホープ・カイザーの左肩に乗る。

 

「マシュ、君もホープ・カイザーの肩に乗るんだ」

 

「はい!」

 

「フォウ!」

 

マシュとフォウは反対側の右肩に乗り、遊馬とアストラルはホープ・カイザー達に指示を出す。

 

「行け、ホープ・カイザー!!」

 

「進軍だ!ナンバーズ達も続け!!」

 

大地が揺れるほどの大きな歩みをするホープ・カイザーに続いてアトランタルとヘブンズ・ストリングスが共に進軍し、ダイソン・スフィアはエネルギーを充填していく。

 

無限に生まれ続ける『量』のケルト兵に対し、遊馬とアストラルはホープ・カイザー達による『質』の巨大モンスターで対抗する。

 

エジソンがアメリカ兵で行っていた同じ『量』で戦うのではなく、ナンバーズと言う巨大な『質』で戦う。

 

それがアストラルが導き出した作戦、ランクアップしたマシュとホープ・カイザーがいたからこそ実行することが出来た。

 

遂にカルデア連合軍とケルト軍……長きに渡る因縁の戦いが遂に最終決戦を迎える。

 

アメリカの未来への夜明けを迎える為、壮大なる神話の戦いが幕を開ける!

 

 

 




ナンバーズの真の皇、ホープ・カイザー登場です!
アメリカ編の目玉を何にしようか悩んでいたら、神話の戦いだからド派手な奴を呼ぼうとホープ・カイザーに決めました。

そして今回登場したマシュちゃんとフォウのかーどはこちらになります!

『FNo.0 希望の守護者 マシュ・ホープライト』
エクシーズ・効果モンスター
ランク5/光属性/戦士族/攻2500/守3000
レベル5モンスター×3体以上
①このカードが特殊召喚に成功したターンに1度、エクストラデッキから「希望皇ホープ」モンスター、または「未来皇ホープ」モンスター1体をX召喚扱いで特殊召喚し、その後自分の手札・墓地のモンスター2体までを選択し、そのモンスターのX素材にする事が出来る。
②このカードが「FNo.0 人理の守り人 マシュ」をX素材としている場合、以下の効果を得る。
●自分または相手のモンスターの攻撃宣言時、このカードのX素材を1つ取り除いて発動出来る。そのモンスターの攻撃を無効にする。
●モンスターの効果・魔法・罠が発動した時、X素材を1つ取り除いて発動出来る。その発動を無効にして破壊する。この効果は相手ターンでも発動することが出来る。この効果は1ターンに1度しか発動出来ない。

マシュちゃんがランクアップした結果、とんでもなく大幅に強化されちゃいました。
ホープ召喚とムーンバリアと発動無効……ホープの力を集約させたからこれぐらい強くてもいいかなと思ったので。

『希望の守護獣 フォウ』
効果モンスター
星4/光属性/獣族/攻2000/守1500
このカード名はルール上「ズババ」、「ガガガ」、「ゴゴゴ」、「ドドド」カードとしても扱う。
フィールドに「マーリン」が存在しない時は攻撃できない。
①1ターンに1度、自分フィールド上の「ズババ」、「ガガガ」、「ゴゴゴ」、「ドドド」と名のついたモンスター1体を選択して発動出来る。このカードは選択したモンスターと同じレベル、もしくはこのカードと選択したモンスターはそれぞれのレベルを合計したレベルになる。
②フィールドに「マーリン」と名のついたモンスターが存在する限り、「マーリン」と名のついたモンスターの効果は無効化され、攻撃力と守備力は半分となり、このカードの攻撃力と守備力は元々の倍となる。
③このカードを素材として持っている「FNo.」Xモンスターは以下の効果を得る。
● この効果は1ターンに1度しか発動出来ない。自分のメインフェイズに発動出来る。自分のデッキからカードを2枚ドローし、その後手札1枚墓地に送る。

遊馬の仲間+マーリンシスベシ+ビーストの魔力?を組み合わせた結果、とんでもない効果に仕上げちゃいました(笑)
そして遊馬君カード恒例のゴリ押しのオノマトモンスターにしました。

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