Fate/Zexal Order   作:鳳凰白蓮

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早めに書けたので早速投稿しました。
今回は前回書けなかったメイヴ戦です。

それと、前からずっと悩んでいることがありまして、イリヤ、美遊、クロの三人娘を遊馬のハーレムに入れようかマジで悩んでいます。
原作では三人はお兄ちゃんこと衛宮士郎LoveですがFGOだとマスターに好意がある設定なのでどうしようかなと悩んでいます。
そこでアンケートを設置しようと思いますので是非とも投票をお願いします。


ナンバーズ143 未来を導く魔術師

カルデアを襲撃したメイヴへのカチコミに遊馬とアストラルはスペリオル・ドーラで城の扉を破壊し、大穴を開けた。

 

城の中へ堂々と入り込もうとしたが、エレナだけは外で残ることにした。

 

「……私はここに残るわ。こちらが先手を打ったけど、メイヴは万全の態勢で待ち構えているでしょう。メイヴを相手にして和解や妥協は有り得ないわ。メイヴかあなたたち、どちらかが倒れるでしょう。私はもう……本当は……魔法少女が倒れるところを見たくないの」

 

「……分かった。エレナ、少し待っててくれ」

 

城に突入するのは遊馬、アストラル、マシュ、ブラック・マジシャン・ガール、イリヤ 、ルビー、サファイアとなる。

 

半壊した城に突入し、モンスターの奇襲を警戒しながら玉座の間に到着するとそこにメイヴとクー・フーリン・オルタがいたが……。

 

「おーっす、メイヴ。邪魔するぜ!」

 

「何が……邪魔するぜ、よ!?私の城をこんなにしてくれて!!」

 

メイヴは遊馬達が城を半壊させたことに当然ブチ切れて怒りを露わにしていたが、遊馬も負けじと反論する。

 

「先にうちのカルデアに襲撃したのはそっちだろ?やられたらやり返す、それが孤高なる鮫の流儀って俺の仲間が言ってるし」

 

「鮫!?何よそれ、意味分からないわよ!?やり返すって言っても、あなたたちの被害はここまで酷くないでしょ!?」

 

カルデアへの被害は確かに酷くはない。

 

チビのぶの襲撃からカルデア全体のセキュリティを大幅に強化し、更にはカルデア中には大勢のサーヴァントがいるので襲撃があってもすぐに対処出来る。

 

「確かにちょっとやり過ぎな気もしますけど……」

 

イリヤも敵とは言え流石にやり過ぎではないのかと感じて苦笑いを浮かべている。

 

「俺もね、ちょっとやり過ぎたかなぁ、って思うよ……でもさ、これぐらい派手にやらないと、オルガマリー所長に後で何を言われるか怖いんだよ!!」

 

遊馬も内心やり過ぎたと思っているが、カルデアを襲撃したメイヴに対して怒りが爆発しているオルガマリーを納得させる為にもこれぐらいやらなければならないと後が怖いので、スペリオル・ドーラで先手を打ったのだ。

 

「あー……そう言えば凛さんとルヴィアさんもブチ切れた時は確かに怖かったなぁ……」

 

イリヤも似たような経験があったのを思い出し、遊馬の心境に深く同情した。

 

メイヴは遊馬達に対する怒りを抑える為に深呼吸をし、改めてこの国の女王として振る舞いながら話しかける。

 

「ほんの一瞬だけど、貴方達の世界を覗かせてもらったわ。送り込んだ使い魔を通してね」

 

人理が焼却された平行世界……それを見たメイヴは嘲笑うかのように罵倒し始めた。

 

「つうまらない、つうまらない、本当にくうだらなーい世界ね?そんな世界は、さっさと見限ってこの私につきなさい。それとも貴方達まで救いようのない愚か者なの?自分に酔いながら死にたいわけ?」

 

メイヴの言葉は明らかに自分達……遊馬達とカルデアに対する侮辱。

 

その侮辱に遊馬とアストラルは挑発に乗らないよう怒りを抑えたが……一人だけ怒りを露わにしていた。

 

「あなたに……あなたに何が分かるんですか!??」

 

人理を救う戦いの最前線に立つマシュは何の関係もないメイヴに侮辱され、今すぐにでもランクアップエクシーズチェンジをしてメイヴを倒そうとした。

 

「フォフォーウ」

 

「落ち着け、マシュ。挑発に乗るな」

 

フォウはマシュの頬をペチペチと叩き、遊馬はマシュの盾に手を置き、マシュの暴走を抑えた。

 

アストラルは目を鋭くしてメイヴを睨み付けて反論する。

 

「随分な言いがかりだな。我々は人理を……世界とそこに住む人類の未来を取り戻す為に戦っている。自己陶酔で戦うほど愚かではない」

 

「それこそあなたたちの思い上がり。自分だけが世界を救えるという独占欲」

 

「独占欲……なるほど、そういう見方もあるが、では君には世界を背負えるほどの覚悟があるか?覚悟のない、無関係な君にそんな戯言を言う資格は無い」

 

「ふん。それは、せめてもの抵抗をしたと言う言い訳が欲しいだけ。自分の運命を支配出来ないだけでしょう?」

 

「違うな、運命は支配するものでは無い。自らの手で切り開くものだ。欲しいものを貪欲に手にするだけの女王の君には分からないだろうな」

 

「生意気な豚ね……奴隷にして調教するのが楽しみね」

 

「やれるものならやってみろ、少なくとも生前にチーズを頭にぶつけて死んだあまりにも間抜けな死に方をした君にやられるほど私は弱く無いぞ」

 

「っ……!言ってくれるじゃないの、とても美しいと思ったけど、その体をズタズタに引き裂いてやろうかしら!?」

 

アストラルとメイヴの間で互いを罵倒し、睨み合いから起きる激しい火花が散る。

 

「アストラル怖ぇ……あのメイヴに口で勝ってるぜ……」

 

「す、凄いです……見事な話術に私も頭が冷えてきました……」

 

アストラルの話術にメイヴの怒りが湧いて冷静さを失いつつある状況で、その光景に遊馬とマシュは呆然とした。

 

「いいわ。貴方達は所詮、偽物の魔法少女。私の軍団には相応しくない。心の底から欲しいのは──イリヤ、貴方とそこにいるもう一人の魔法少女よ!」

 

メイヴが自分の軍団に欲しいと願ったのはイリヤとここで初めて対峙するブラック・マジシャン・ガールだった。

 

「お断りします。私がこの魂に誓い、お仕えするお方は……前世の人間の時でも、今の精霊のこの身でも、永遠に……マスターだけです。貴女のような人には絶対につきません!」

 

ブラック・マジシャン・ガールは自分が真に仕えるのはマスターだけ、その不動の忠誠心でメイヴの誘いをバッサリと切り捨てた。

 

「そう、それは残念ね。でもねイリヤ、その連中はきっと貴女の世界も狡猾に狙っているわよ?」

 

「メイヴさん……ううん。あなたと一緒にしないで!メイヴ!遊馬さんも、そんな事は絶対しないんだから!」

 

メイヴは遊馬達がイリヤやその世界を狙っているとありもしない言葉で揺さぶりをかける。

 

「それはどうかしら?彼らはずっと貴女の利用価値を値踏みしていたのだと思うけれど……そう言えば、貴女は友達を救いたいんでしょう?名前は美遊と言ったわね。いいわ、それなら私も協力してあげる。ただしイリヤ──貴女も、美遊も、私の軍団に加わってもらう。カルデアの連中は奴隷にするわ」

 

「……寄り道で欲張るのはいいけどな。肝心の本命で欲張るな、メイヴ。連中は殺しておけ。あれは奴隷にはならねぇ。ああ見えて、中身はスパルタクスとどっこいだ」

 

「ああん、クーちゃんたら。ミニサイズになってもクールに残虐なのね……♡ でも、その忠告は聞けないわ。私は女王だもの。生かすも殺すも私次第よ?」

 

この魔法少女の世界でも相変わらずな会話をするメイヴとクー・フーリン・オルタだった。

 

「……メイヴ、そういうあなたはファースト・レディに従っているの?」

 

「……へーえ。どうしてそう考えたのか興味があるわね。ますます欲しくなったわ。ええ、その通り。そのつもりだった。──でも、もう違うわ。彼女の夢は、私の望み。彼女の痛みは、私の苦しみ──ファースト・レディ。この世界に墜ちた最初の一人。最初の呪い。混沌の世界に光を示し、導いてくれた黒き女王。けれど自分の城から動けない。世界の外にも出られない。ずっと一人ぼっちで。かわいそうな黒の女王。でも、もうそんな敬意も憐れみもない!私は反抗の角笛を吹き鳴らしたのよ!」

 

「……お前はレディの望みを自分でやったのか?」

 

遊馬はメイヴにそう尋ねた。

 

「そうよ!私は彼女の願いを早めただけ。その結果をご覧なさい?もうこの世界に、魔法少女は数えるほどしか残っていない」

 

「そんなことが……ファースト・レディの望みなの?絶対におかしいよ!それに賛同してやりかたを真似るメイヴ、あなたも!そんなの狂ってる!」

 

イリヤはルビーを持って魔法少女に転身した。

 

美遊を連れ去り、大勢の魔法少女を傷つけ、身勝手な行為を繰り返すファースト・レディとメイヴに対して怒りが爆発した。

 

「……ふふふ。抵抗するのね。それもいいわ、とてもいい。力で屈服させるほうが早いもの!ファースト・レディに取られる前に、私が貴女を奪うんだから!」

 

イリヤとメイヴ、お互いの心がヒートアップし、イリヤはクラスカードを取り出し、メイヴは鞭を構えて一触即発の状況となる。

 

「イリヤちゃん、ストップ!ステイだぜ!」

 

「ゆ、遊馬さん!?」

 

そこに遊馬が前に出たイリヤの頭を撫でて落ち着かせ、そのまま手を引っ張って後ろに下がらせる。

 

そして、イリヤの代わりに遊馬がメイヴと対峙する。

 

「メイヴ。今までのあんたの言葉でようやく分かった。あんたは狂ってなんかいない、ただ必死に絶望と戦っているだけなんだ」

 

遊馬の言葉の意味を気付いたマシュは静かに尋ねる。

 

「……では、狂ってしまったのは世界の方だと?そう言いたいんですか、遊馬君?」

 

「ハッ、そんな独り善がりの戯れ言ね!それとも、ここに来てみっともない命乞いなの?」

 

「……遊馬さんは……こんな勝手で迷惑な人を、許してあげようとしている?ミユを拐ったのは、メイヴじゃなかった──でも、そのきっかけを作って、襲ってきたのはこの人だよ?お兄さんたちの、カルデアにだってこの人は侵略しようとしているのに?」

 

イリヤにとってメイヴは戦わなければならない敵として今まで行ってきたことに対して強い怒りを持っていた。

 

しかし、遊馬の中には既にメイヴへの怒りはなく、許そうとしていたことを信じられなかった。

 

「……ふふ、ふふふ、うるさい。耳障りよ、黙りなさい!」

 

そして……遊馬の言葉にメイヴは若干震えだして笑いながら再び罵倒し始めた。

 

「悪いのはファースト・レディだ。ここはレディが作った固有結界……固有結界は心象風景の具現化、つまりこの世界はレディの心そのものだ。メイヴはその心に触れて、絶望に抗おうとしていただけだ」

 

「喋るな。私を見るな。触れるな!息もしないで!」

 

冷静さを完全に失ったメイヴの罵倒はあまりにと子供っぽく、対する遊馬はとても静かで冷静に落ち着いていた。

 

「絶望に抗い、希望を手にしようとした……お前は、俺たちと同じなんだ」

 

「黙りなさい!!!」

 

メイヴは怒りが爆発し、鞭を捨てて代わりに魔剣カラドボルグを召喚して手に持ち、怒りに任せて遊馬に襲いかかる。

 

マシュとイリヤはとっさに遊馬を守ろうとしたが、それよりも早く遊馬は右手で背中に携えた原初の火を抜いてメイヴのカラドボルグを受け止める。

 

「いい加減に黙りなさい、貴方みたいな未熟な子供に何が分かるの!?」

 

「分かるさ。沢山の絶望を受けて、その度に悩み、苦しみ、もがいた……だけど、絶望の中には必ず希望の光がある。俺たちはその光を信じて戦い続けて来た。だからこそ、俺は……!!」

 

遊馬の希望の未来を信じる強い想いに応えるように原初の火の刀身の色である紅色から空を美しく彩る虹色に輝き出し、それと同時に大量の炎が噴き出す。

 

「なっ!?火の魔術!?」

 

メイヴは突然の炎に驚き、遊馬からとっさに離れて距離を置く。

 

遊馬自身も原始の火から炎が噴き出して驚愕しており、とりあえず床に突き刺した。

 

炎はまるで遊馬を中心に螺旋を描きながら吹き荒れ、遊馬を守るように噴き出している。

 

原始の火は元々ネロが隕鉄を元に作り出した剣だが、あくまで一つの武器であり、宝具のような力はない。

 

しかし、ネロの持つもう一つものも含めて何故か原始の火には不思議な力が込められており、刀身の色が変化したり、炎が噴き出したりする。

 

遊馬は原始の火から放たれた炎に守られ、その間にデュエルディスクを構えてデッキから5枚の手札を引き、後ろにいるイリヤに向けて言葉を送る。

 

「イリヤちゃん!」

 

「は、はいっ!?」

 

「手を出さずに、後ろでそのままマシュ達と一緒に見ていてくれ!俺の……九十九遊馬の戦いを!!」

 

遊馬は自分自身の戦いをイリヤに見せようとしている。

 

それは遊馬が年上の先輩として、心に迷いなどがあるイリヤの手本となるように一人でメイヴと戦うのだ。

 

遊馬の想いにいち早く気づいたアストラルは静かに目を閉じ、遊馬から離れてマシュたちの元まで下がる。

 

炎を噴き出している原初の火を床から抜き、軽く振るって炎を消して背中のソードホルダーに仕舞い、デッキからカードをドローする。

 

「俺のターン、ドロー!魔法カード『増援』!デッキからレベル4以下の戦士族を手札に加える。俺は『フォトン・スラッシャー』を手札に加え、自分フィールドにモンスターが存在しない時、手札からフォトン・スラッシャーを特殊召喚出来る!更に『ガガガガードナー』を召喚!」

 

フォトン・スラッシャーとガガガガードナーが立ち並び、これで希望皇ホープを呼ぶ……マシュ達はそう思ったが、遊馬はアストラルと目線を合わせて一瞬のアイコンタクトを取る。

 

アストラルは遊馬の想いを理解して頷くと、遊馬はデッキケースから1枚のモンスターカードを取り出す。

 

「戦士族レベル4のフォトン・スラッシャーとガガガガードナーでオーバーレイ!エクシーズ召喚!」

 

フォトン・スラッシャーとガガガガードナーが光となって地面に吸い込まれ、光の爆発が起きると城内に霹靂が轟き、聖剣の名を持つ誇り高き王者が現れる。

 

「光纏いて現れよ!闇を斬り裂く眩き王者!『H(ヒロイック) - C(チャンピオン) エクスカリバー』!!」

 

「あれは……!アルトリア・オルタさんとの戦いで召喚したエクスカリバー……!?」

 

エクスカリバーが召喚され、マシュは希望皇ホープじゃないことに驚く。

 

「アストラルさん、なんで遊馬君はホープじゃなくてエクスカリバーを?」

 

「……これは遊馬自身が望んだ戦いだ。だからこそホープでも、ナンバーズでもない、遊馬の持つカードで戦うんだ」

 

遊馬はアストラルのナンバーズを使わずに遊馬自身のカードで戦う事を望んだのだ。

 

「エクスカリバーに装備魔法『最強の盾』を装備!エクスカリバーの攻撃力は元々の守備力分アップする!これでエクスカリバーの攻撃力は2000+2000で4000だ!」

 

歪な形をした最強の盾をエクスカリバーが左手に装着し、攻撃力を高めながら右手で左腰に携えた王の剣を引き抜く。

 

「エクスカリバーの効果!オーバーレイ・ユニットを2つ使い、エクスカリバーの攻撃力を次の相手のエンドフェイズまで元々の倍となる!これで合計攻撃力6000だ!!」

 

剣にオーバーレイ・ユニットを2つ取り込み、エクスカリバーの攻撃力が更に高まる。

 

「カードを1枚伏せ、エクスカリバーで攻撃!!」

 

エクスカリバーは剣を回転させ、刃に雷撃を纏わせてメイヴに向かって突撃する。

 

「メイヴはやらせねえぞ!!」

 

「クーちゃん!?」

 

クー・フーリン・オルタがエクスカリバーに向けて突撃し、エクスカリバーは電撃を宿した剣を掲げる。

 

「エクスカリバー、必殺のヘキレキ!!」

 

振り下ろした剣から電撃が爆発的に膨らみ、クー・フーリン・オルタは真正面から迎撃する。

 

しかし、アメリカで戦った元々のクー・フーリン・オルタに比べるとやはりその力はかなり低く、エクスカリバーの攻撃に敗れてしまい、吹き飛ばされて壁に激突する。

 

「クーちゃん!?よくも……よくもクーちゃんを!!」

 

メイヴはクー・フーリン・オルタをやられたことで怒りが更に爆発し、カラドボルグを乱暴に振り下ろした。

 

魔法少女としてのメイヴの力が上昇し、大幅に攻撃力を強化したエクスカリバーの胸を貫いて破壊した。

 

「エクスカリバー!くっ……!?」

 

エクスカリバーが破壊された事でダメージが遊馬に襲い、衝撃波で軽く吹き飛ばされるがすぐに立ち上がる。

 

「ははっ、どう?貴方如きに倒される私じゃないわ。諦めて後ろの魔法少女達に応援を頼んだら?」

 

「絶対に諦めない。俺はメイヴ……あんたを必ず止める!」

 

「何故……どうしてそこまで……貴方は、貴方はなんなのよ!?」

 

「俺は異世界から来たデュエリスト、九十九遊馬!!!カルデアの最後のマスターで、希望の未来を司る皇……未来皇だ!!!」

 

遊馬は威風堂々と名乗り上げる。

 

すると、デッキケースから光が溢れ出して1枚のカードが飛び出す。

 

それは遊馬の前世……アナザーが託した無限の可能性を持つ白紙のカード。

 

「これは……!アナザーの力。それに……」

 

遊馬の手札にある1枚のカードが共鳴するように光を放つ。

 

「ガガガマジシャン……?」

 

それは遊馬がメインデッキの中でも一番愛用しているモンスター、ガガガマジシャンだった。

 

ガガガマジシャンから何かのメッセージが語り掛けられ、このカードを使えと訴えているようだった。

 

「分かったぜ、ガガガマジシャン!俺のターン、ドロー!魔法カード『死者蘇生』!墓地からモンスターを一体復活させる、蘇れ!ガガガガードナー!更にガガガマジシャンを召喚!!」

 

死者蘇生でエクスカリバーの素材だったガガガガードナーを復活させ、ガガガマジシャンを召喚させる。

 

「行くぜ……レベル4のガガガマジシャン とガガガガードナーでオーバーレイ!エクシーズ召喚!!」

 

ガガガマジシャンとガガガガードナーが光となって地面に吸い込まれて光の爆発が起きる。

 

すると、光の爆発の中から遊馬の瞳に一つの幻影が姿を現す。

 

「ガガガマジシャン……!」

 

それは光となったガガガマジシャンで遊馬を見つめて頷いて拳を向けた、遊馬もそれに応えて頷いて自らも拳を作り、二つの拳が軽くぶつかる。

 

デュエリストとモンスター……二つの絆が結ばれ、新たな力を秘めたカードを遊馬はデュエルディスクに置く。

 

「我と共に数多の戦いの道を歩み、己が星を操る魔術師よ……龍の衣をその身に纏い、我が未来への道を繋ぐ、新たな星となれ!!」

 

城内に無数の星々が煌めく夜空が彩られ、それが夜空を駆ける流星となって光の爆発の中へと入り込む。

 

「現れよ!未来への光を導く、星の魔術師『ガガガガマジシャン 』!!」

 

光の中から現れたのは学ラン風のフードに見事な龍の刺繍が施され、魔力が込められた大量の鎖を脚や胴体などに巻き付けた不良の姿をした魔術師。

 

それは遊馬が父・一馬から譲り受け、デュエルを始めた頃からずっとデッキに入っている、ある意味では希望皇ホープよりも信頼していると言っても過言ではない遊馬自身のフェイバリットカード……ガガガマジシャンがモンスターエクシーズへと進化したモンスターだった。

 

「ガガガガマジシャンの効果!1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを使い、ガガガガマジシャン以外のモンスターエクシーズを一体、効果を無効にして墓地から特殊召喚する!蘇れ、エクスカリバー!!」

 

ガガガガマジシャンがオーバーレイ・ユニットを手で握りしめて取り込むと、自分が巻いている鎖を振り回して目の前に現れた魔法陣の中心に投げ込むと、エクスカリバーが鎖を持って墓地から引き摺り出されてガガガガマジシャンの隣に立つ。

 

「これでランク4のモンスターが2体……!ガガガガマジシャン、素晴らしい能力だ……!」

 

ガガガガマジシャンの素晴らしい効果にアストラルは感心したように頷く。

 

「行くぜ、ランク4のガガガガマジシャンとエクスカリバーでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築、エクシーズ召喚!!」

 

ガガガガマジシャンとエクスカリバーが光となり、地面に吸い込まれて光の爆発が起きる。

 

「今こそ現れよ!FNo.0!天馬、今ここに解き放たれ、縦横無尽に未来へ走る!これが俺の、天地開闢!俺の未来!かっとビングだ、俺!『未来皇ホープ』!!」

 

光の中から現れたのは光り輝く純白の双翼を羽ばたかせる光の巨人。

 

光の巨人が纏う光が消え、赤を基調としたロボットのような姿をした戦士……未来皇ホープが姿を現す。

 

「未来皇ホープ……あれ?なんか、遊馬さんに似ている……?」

 

未来皇ホープを初めて見るイリヤはその姿形にどこか遊馬に似ていると感じ取った。

 

「真のデュエリストとはいえ、ここまで大きな力を秘めていたとは……アストラルさんと一緒なら、私のマスターと同等の力を持っていると言ってもおかしくないですね……」

 

一方、ブラック・マジシャン・ガールは未来皇ホープに秘められた大きな力に驚いていた。

 

遊馬は未来皇ホープのオーバーレイ・ユニットとなっているガガガガマジシャンのもう一つの効果を発動する。

 

「ガガガガマジシャンのもう一つの効果!このカードが未来皇ホープのオーバーレイ・ユニットになっている時、未来皇ホープに新たな効果を与える!」

 

未来皇ホープの背後にガガガガマジシャンの幻影が現れ、ガガガガマジシャンのもう一つの効果を発動する。

 

「オーバーレイ・ユニットを2つ使い、モンスターエクシーズを1体選択し、ターン終了までそのモンスターエクシーズの攻撃力は4000となり、効果は無効化される!未来皇ホープを対象にその効果を与える!」

 

未来皇ホープ自身は攻撃力を持っていないが、ガガガガマジシャンを素材にエクシーズ召喚した事により、4000という大きな攻撃力を得る事を可能にした。

 

ガガガガマジシャンは召喚条件が難しい未来皇ホープをエクシーズ召喚しやすくし、更にモンスターエクシーズの攻撃力を強化させる。

 

長年遊馬と共に戦ってきたガガガマジシャンだからこそ、遊馬自身のナンバーズである未来皇ホープに最高の力を与えるガガガガマジシャンへと進化を果たしたのだ。

 

ガガガガマジシャンの幻影が未来皇ホープと一つとなり、未来皇ホープに美しい虹色のオーラが纏われ、その攻撃力が上昇する。

 

「行け、未来皇ホープで攻撃!!この瞬間、罠カード発動!『ナンバーズ・ウォール』!自分フィールド上にナンバーズがいる時に発動出来る!ナンバーズ・ウォールが存在する限り、ナンバーズは効果破壊されず、ナンバーズ以外の戦闘では破壊されない!」

 

最初にセットしたカードであるナンバーズ・ウォールによって未来皇ホープに守護の力が与えられ、破壊から守りながらメイヴに向かって突撃する。

 

「いいわ、迎え撃つわ!!」

 

対するメイヴも自身の宝具を発動し、二頭の牛が引くチャリオットを召喚して突撃する。

 

「ホープ剣・ガガガガ・フューチャー・スラッシュ!!!」

 

「あらゆる力が私の力、人を総べる王権、人を虐げる鋼鉄、人を震わす恐怖!チャリオット・マイ・ラブ!!!」

 

振り下ろしたホープ剣とチャリオットが激突し、強烈な衝撃波が場内に響く。

 

衝撃波によって未来皇ホープは吹き飛ばされ、チャリオットは粉々に破壊されて消滅する。

 

「チャリオットが……!?」

 

メイヴはチャリオットが破壊されて悔しそうな表情を浮かべる。

 

未来皇ホープは吹き飛ばされながら態勢を整えて遊馬の前に降り立つと、遊馬は不敵な笑みを浮かべて必殺カードを発動する。

 

「手札から速攻魔法『ダブル・アップ・チャンス』を発動!モンスターの攻撃が無効になった時、その攻撃力を二倍にしてもう一度攻撃が出来る!」

 

未来皇ホープの真紅の眼が光り輝くと、背中の機械の双翼が天馬の美しい双翼へと変化し、左手で右腰から二本目のホープ剣を引き抜く。

 

ダブル・アップ・チャンスにより攻撃力が二倍となり、未来皇ホープの攻撃力は8000となる。

 

「そんな……!?」

 

メイヴは宝具を失い、未来皇ホープの力が更に上昇した事に目を疑う。

 

「これが俺の信じる、未来と希望を込めた攻撃だ!!」

 

遊馬の眼が虹色に輝き、胸から光が溢れ……そこから現れたのは遊馬の魂と同化している未来の力を司るカード……ヌメロン・コード。

 

「綺麗……何だろう、あのカード……?」

 

「むむむ!?あのカード、何やらめちゃくちゃヤバイ力を感じますよ!?」

 

「とてつもない大きな力……遊馬さん、あなたは一体……?」

 

イリヤ達は遊馬から現れたヌメロン・コードに驚いていると、遊馬は未来皇ホープのカードを掲げた。

 

「来い、未来皇ホープ!」

 

遊馬が命ずると未来皇ホープが光となり、遊馬に激突して一体化して一つとなり、未来皇ホープの胸元の水晶が皇の鍵の形となる。

 

「ゆ、遊馬さんと未来皇ホープが合体した!??」

 

遊馬の未来皇ホープが一体化したことにイリヤは口をアングリと大きく開けて驚愕する。

 

未来皇ホープはガガガガマジシャンとダブル・アップ・チャンス、そして遊馬とヌメロン・コードの力でパワーアップする。

 

二振りのホープ剣に全ての力を込め、虹色に輝く刃を振り下ろす。

 

「ホープ剣・ダブル・フューチャー・スラッシュ!!!」

 

振り下ろしたホープ剣から虹色の光が全てを包み込むような閃光へと変わり、城内全てを照らした。

 

「これが……あなたの、希望と未来の光……」

 

メイヴは未来皇ホープの光をその身に受け、静かに目を閉じるのだった。

 

 

 




未来皇ホープの強力なサポートモンスター、ガガガガマジシャンの登場です!
未来皇ホープを召喚しやすく出来るのだ私も重宝しています。

次回はいよいよファースト・レディの元へ向かう話になります。
そして、プリヤの魔法少女三人娘の最後の子も登場します!

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