今現在、Fate/Zexal Orderでカルデアサマーメモリー編を書いていますが、最近は全くモチベーションが上がらずにスランプに陥って全然小説が書けていません。
頭には話のアイデアが色々浮かんでいて、書こうとはいつも思っているんですが、中々書けずにいます。
このままでは更新が滞ってしまうので私はずっと悩み続けた結果、ある一大決心をしました。
それは今のカルデアサマーメモリーとその次のハロウィンイベントの話を通常の話とは異なり、ダイジェストにして纏めた話書こうと思います。
内容は遊馬の日記みたいな感じの話にしようと思います。
今あるナンバーズ156の話は後日削除してから更新します。
それを出来るだけ早めに書いたら遊戯王ZEXALの映画編第二弾を書きます。
今回も3話に分けて、バリアン世界との戦いからNo.96との死闘の話を書いていきます。
遊戯王ZEXALはdアニメストアで見られるようになったので、第一弾よりも環境的に書きやすくなったので頑張って書きます。
皆さんには大変お待たせして申し訳ありませんが、どうかご了承下さい。
ナンバーズ156 夏だ!海だ!開拓だ!カルデアサマーメモリー!
【無人島開拓の始まり】
無人島の特異点に到着した遊馬達だが、そこは今までの特異点とは違い、サーヴァントの気配が無ければ、多少の蟹型や魚型のモンスターなどがいるだけで、特に敵の強いの邪気も無い平穏に近い世界だった。
これからどうするかと悩んでいるとデッキケースが開いて中から沢山の光が飛び出した。
「な、何だ!?」
何事かと驚くと、その飛び出した光は言わずもがなカルデアにいるサーヴァント達だった。
しかも一人や二人どころではなく、カルデアにいる半分以上のサーヴァントが一斉に現れたのだ。
「な、何でみんなが……?」
「私が招集をかけたのだ」
「スカサハ師匠?」
沢山のサーヴァント達を集めたのはスカサハだった。
何故こんなことをしたのかと尋ねる前にスカサハは説明を始める。
「ユウマ達がこの無人島にレイシフトをしたと聞いてな、ある事を閃いたのだ。せっかくの機会だ。この無人島で皆の心身を癒すバカンスをやろうと思ってな」
「バカンス?」
カルデアは雪山の上に建てられており、外に出ることは出来ない閉鎖空間だ。
一応色々な遊びや娯楽施設は用意してあるが、それでも限界はあるのでスカサハはこの無人島を利用して心身を癒すバカンスを行おうと企画したのだ。
しかし、ただバカンスをするだけではなかった。
「そして……遊馬とマシュ、あとは魔法少女三人娘の修行も行おうと思う」
カルデアで今後の戦いに向けて強くなりたいと願っているのがマスターの遊馬にデミ・サーヴァントのマシュ、そしてイリヤと美遊とクロエの魔法少女三人娘の五人。
スカサハはその修行もこの無人島で行おうと考えているのだ。
「おお!バカンスと修行か!良いな!なんか合宿みたいでワクワクするぜ!」
「しかし、そう簡単に上手く行くでしょうか?ここはカルデアと違う環境ですし……」
「マシュの言う通りだ。ここは草木があるだけの無人島だ。まずは無人島を開拓する必要がある」
「無人島開拓か……一応父ちゃんからサバイバル知識は叩き込まれているけど、バカンス出来るレベルまで持っていけるかな?」
遊馬は冒険家の父からサバイバル知識を叩き込まれているが、流石に無人島を開拓出来るほどのものではないので不安になる。
「そこは心配するな。カルデアには様々な特技を持つサーヴァントがいるではないか」
「そっか!みんなの力を借りれば短時間の開拓も可能だな!」
「その通りだ。私も最大限のサポートをする。お前の指揮でこの無人島を開拓をしてみせろ」
「おう!任せろ!」
こうしてスカサハの提案で無人島開拓とバカンス、そして修行を行うことになった。
☆
【無人島最強の開拓者】
人間の生活の基本は『衣食住』。
つまり、衣服と食物と住居となっている。
衣服は遊馬はカルデアから持ってきてもらう予定で、サーヴァント達はスカサハが霊基を弄って水着に着替えさせているので問題はない。
問題は食物と住居の二つだ。
食物にいち早く行動したのはクー・フーリンだ。
「仕方ねえ、ちょっくら釣りをしてくるかな」
こう見えて釣りが趣味のクー・フーリンは早速釣りに向かった。
「待て、クー・フーリン」
「あー?何だよ弓兵」
「あまり使わせたく無かったが、緊急事態だ。これを使え」
エミヤは投影魔術であるものを投影してクー・フーリンに渡す。
「こ、こいつは……!?」
それは高級感な質感で、とてもハイテクな機能が備わっており、見るからにとても高そうな釣具だった。
実はその釣具は釣具屋では連日売り切れの人気商品らしく、値段は203000円相当もする高級品でエミヤが偶に釣りをする時に使うものだった。
震える手でその釣具を取るクー・フーリンは不敵の笑みを浮かべてエミヤを見る。
「お前がこいつを渡したってことは釣りの成果を上げろってことだろ?」
「何せうちのカルデアには大喰らいに加えて、成長期の子供達がいるからな……食糧はいくらあっても足りんからな」
「ハッ、上等じゃねえか……見てろよ、釣って釣って釣りまくってやるぜ!!!」
クー・フーリンはエミヤからの釣具は挑戦と受け取り、未知なる魚達がいる海へと突撃するのだった。
食糧は後は海の貝や海藻、あとはこの森にある可能性があるものを探すことになる。
食物の次は住居。
少なくともそれなりの期間を過ごすのでしっかりした住居が必要となる。
そこに立ち上がったのはネロとバニヤン、そしてちびノブ達だった。
まずはバニヤンがアメリカの西部開拓時代の怪力無双のきこりの伝承から凄まじいスピードで森の木を次々と切り倒して伐採していき、それを木材として加工していく。
それを至高の芸術家の異名を持つネロが木だけで作れる家のログハウスの建築をちびノブ達に指示していく。
そして……生い茂っていた森が瞬く間に開拓されていき、そこには遊馬達を含めてカルデアから来たサーヴァント達全てが寝泊りできる沢山のログハウスが完成した。
「早いよ!?あっという間に見事なログハウスが出来ちゃったよ!?」
「ふはははは!見事だぞ、小さき巨人とちびノブ達よ!」
「「「ノッブノブー!」」」
「まだまだ!マスター、このまま畑作りで作物を作るからね!」
「ええっ!?」
ネロに褒められて喜ぶちびノブ達だが、バニヤンはまだまだやる気で森の伐採の次は畑を作り、そこに自前の種を植えて作物を育てる。
普通なら作物はそう簡単に育たないのだが、その作物はバニヤンの開拓者としてのスキルによって急成長&巨大化をしてしまい、下手をすればアルトリアとモードレッドの大食い達ですら食べ尽くせないほどの量の食糧が確保された。
「師匠!なんか無人島に来てたった数時間で衣食住問題が全て解決しちゃったよ!?」
「う、うむ……これは流石に予想外だ……私のルーンの力で手伝いながら行おうと思っていたがまさかこれほどとは……」
スカサハもまさか数時間でここまで開拓出来るとは思いも寄らなかった。
開拓者の概念と言っても過言ではないバニヤンによる森の伐採と加工と農作物の栽培、万能の天才であるネロによるログハウス建築の指揮、そしてそれを実行するちびノブ達の人海戦術。
それらが見事にマッチして無人島で生き抜くための最低限の衣食住をあっさりと確保してしまったのだ。
何はともあれ衣食住は確保されたので遊馬とマシュは今後の無人島生活を一安心するのだった。
☆
【サマーコスチューム】
ひとまず無人島開拓の第一段階が終わり、スカサハはある提案をする。
「……さて。ここで一つ、提案があるのだが──」
スカサハの出した提案、それは……。
「ふむ。悪くない」
「あっ、あっ、あの!遊馬君、どうでしょうか……?」
木陰でのんびりしていた遊馬の前に出て来たのはこの美しいビーチに似合う水着姿のスカサハとマシュだった。
スカサハは赤い瞳に近い色のビキニの水着にハイビスカスの花飾りを頭につけ、マシュは白のワンピースタイプの水着で胸元にあるリボンがとても可愛らしいものでその上からいつもの私服のパーカーを羽織っていた。
「二人共とっても似合ってるぜ!なあ、アストラル、フォウ」
「ああ。二人のイメージにピッタリだ」
「フォーウ♪」
遊馬とアストラルは絶賛し、フォウはマシュの水着姿に満足して上機嫌で声を鳴らす。
スカサハはここにいる全てのサーヴァント達の霊基を調整してこの無人島にふさわしい格好にしたのだ。
大半は水着で、あとは半袖半ズボンのラフな格好やアロハシャツなどの涼しげな格好となっていた。
しかし、ただ衣服を水着に変えただけでなく、霊基を弄った影響で中にはクラスが変更された者も多いようだった。
サーヴァントの霊基を弄るのは武蔵やアタランテの例を除き、普通は出来ないのだが、スカサハはここにいるサーヴァント全員の霊基を弄ると言う、サーヴァントとしてとんでもないハイスペックを見せつけるのだった。
☆
【みんなでバカンスをしよう!】
「みんな水着で良いなー」
サーヴァント達はスカサハの力で夏用の霊装姿となり、遊馬は自分の夏系の衣装が無いのでみんなの格好を羨ましがると後ろから話しかけられる。
「遊馬の分ならあるわよ」
「えっ?こ、小鳥!?それに所長とダ・ヴィンチちゃん!?」
後ろにいたのはカルデアにいるはずの小鳥とオルガマリーとダ・ヴィンチちゃんだった。
「スカサハさんの提案で私たちのストレス発散を兼ねてみんなでレイシフトをしてきたのよ。ほら、これに着替えて」
「おおっと!?これは……え!?俺の水泳袋!?」
小鳥から投げ渡されたのはハートランド学園中等部で水泳の授業で使っている水着が入ったスイミングバッグだった。
「何で俺の水着が?」
「それが……私が人間界からカルデアに来る時に遊馬の着替えとか持ってきたでしょう?遊馬の家から服とか下着を用意する時に水着も一緒に持ってきたのよ」
「そうだったんだ。あれ?小鳥が持ってるのは……」
小鳥の手には遊馬とは色違いのスイミングバッグが握られていた。
「実は私も持ってきちゃったのよね……」
苦笑いを浮かべた小鳥は自宅で自分の衣服を用意した時に間違って自分の水着も持って来たのだ。
「でもこれで問題なく海に入れるな。ありがとうな、小鳥」
「うん。でも、私は学校指定の水着だからね……せっかくだからお気に入りの水着を着たかったなー」
「まあまあ、とりあえずすぐに着替えようぜ」
「そうね。ほら、オルガマリー所長も着替えましょう!」
「ま、待ちなさい……私はまだ仕事が……」
フーヴァーの影響なのか、すっかりワーカーホリックになってしまったオルガマリー。
実は第五特異点の帰還後、オルガマリーはフーヴァーの力を使って事務処理を効率的に行った。
しかし、それだけではなく他のカルデア職員の仕事すらも自分に回してしまったのだ。
このままではオルガマリーが過労死で倒れてしまうと危惧したカルデア職員達はロマニに相談して無理矢理にでも休ませるため、今回強制的にレイシフトをしてこの無人島に送り込んだのだ。
「良いじゃないか。君は少し働きすぎだから少しは羽を伸ばそうでは無いか」
そんなオルガマリーを宥めるダ・ヴィンチちゃんだったが……。
「何ちゃっかり水着を着ているのよこの変態野郎が!!!」
「うおっ、危なぁっ!??」
怒気を浮かべながら豪快な飛び蹴りをするオルガマリーにダ・ヴィンチちゃんは全力で回避する。
「な、何をするんだい!?もう少しでこの素晴らしい美貌に傷が付くところだったじゃないか!」
「やかましいわこの変態野郎!!元男の癖になんで女物の水着を着ているのよ!?しかも大胆なビキニを!?」
ダ・ヴィンチちゃんはいつの間にか自分の霊基を弄っていつもの服からイメージカラーである赤と青を基調としたビキニの水着を着用しており、世界に絶賛されるモナ・リザの美貌とスタイルが相まってとても似合っていた。
「別に良いんじゃね?似合ってるし」
「おお!流石は遊馬君!分かってくれてるね。ご褒美に幾らでもこの美貌を見ても構わないよ!」
「正気なの!?遊馬、こいつの見た目は女だけど中身は男よ!??」
「でもほら、もしも自分が別の異性に生まれたらって話はよくあるじゃん。ダ・ヴィンチちゃんはそれを自分の力で実現しているだけだから凄いと思うぜ?」
ダ・ヴィンチちゃんがモナ・リザの姿で現界していることを大半は疑問や気味悪がるが、遊馬は寧ろ凄いと絶賛していた。
「むむっ……これが遊馬君の無自覚天然フラグ建築……一応中身が男である私ですら胸キュンをさせるとは恐ろしい……!」
ダ・ヴィンチちゃんは遊馬の素直な感想に心臓がドキッとなってしまい、慌てて顔を隠すのだった。
「うん……相変わらずね、遊馬は……」
「はぁ……本当にあなたって子は……私はすぐにでもカルデアに戻ります。フーヴァーの力で事務処理で上手く捗ってるんだから今のうちに少しでも進めないと……」
「……所長、水着のままで帰るのか?」
「え……?キャアアアアア!?な、何これ!?」
いつのまにか制服姿から黄色のビキニの水着となっており、オルガマリーは自分の体を両腕で隠しながらその場に座り込む。
「ああ、すまぬ。私がお前の霊基を弄った」
スカサハがこっそりとオルガマリーの霊基を弄って水着姿に変えていた。
「ス、スカサハ!?勝手に私の霊基を弄らないで!今すぐ元に戻しなさい!」
「断る。せっかくの夏の無人島だ。今は仕事のことは忘れてのんびりしていろ」
「出来るわけないでしょう!?私には命をかけて果たさなければならない使命があるんだから!」
「これは重症だな……オルガマリー、この島から出ることを許さん。カルデアに戻りたかったら私を倒せ」
「なっ……!?」
「無理だと思うなら諦めてしばらくこの無人島で休んで頭を冷やせ」
戦闘能力だけでなく、サーヴァントの霊基を簡単に弄るという規格外な力を持つスカサハを倒すなんてオルガマリーには絶対に無理な話である。
カルデアに戻ろうにもカルデアにいるロマニ達がちゃんと休暇をするまでオルガマリーの連絡は全てスルーするつもりなので、戻ることは出来ない。
「でも、休めって言われても……何をすればいいの……?」
ここ数年、色々なことがあり過ぎて突然無人島で夏のバカンスを楽しめと言われてもオルガマリーは何をすればいいのか分からなかった。
元々魔術師生まれで海で遊ぶと言う機会がないとはいえ、ワーカーホリックここに極まりだった。
これは流石にまずいと思ったスカサハとダ・ヴィンチちゃんは何が何でもオルガマリーを休ませようと心に誓った。
☆
【ひと夏の思い出】
小鳥から渡された水着を着用し、遊馬もみんなが遊んでいる海へ向かった。
マシュ達は海で泳いだり、砂遊びをしたり、ビーチバレーをしたりなど海の遊びを満喫していた。
そこに水着に着替えた小鳥が走ってやって来た。
「おーい、遊馬。お待たせー」
「ああ、小鳥。遅かったな」
「女の子は支度が大変なのよ」
「そうか?まあ、とりあえずちょっとひと泳ぎするか?」
「ええ、良いわね」
「ちょっと待ってください!」
遊馬と小鳥は海を泳ごうとしたらマシュに止められた。
「ふえっ!?ど、どうしたんですか!?」
「こ、小鳥さん!いつの間に水着を用意したんですか!?」
マシュは小鳥がレイシフトをして来たことは知っていたが、水着まで用意しているとは予想外だっあ。
「これは学校用の水着ですよ。実は人間界からカルデアに来る時に間違えて持って来ちゃったんです」
「で、でも確か日本のスクール水着はもっと地味なはず……そんな色鮮やかな水着なわけがありません!」
一般的な学校指定のスクール水着は紺色なのだが、小鳥が来ているのは白色とピンク色の二色で交互になっているものでとても可愛らしいものだった。
「そ、そう言われても……学校の制服の色もこんな感じですし……」
ハートランド学園の制服は男子はワイシャツにズボンだが、女子はとても可愛らしく学年によって色は異なるが白色をベースにピンクやグリーンなどのカラフルなデザインとなっている。
「でもやっぱり小鳥の水着姿は良いよなー。なんか見ていて落ち着くって言うかさ」
遊馬はハートランド学園での日常を思い出す意味で言ったのだが、小鳥は自分の体を腕で隠しながらジト目で遊馬を見る。
「……遊馬のエッチ」
「な、何でさ!?何でいきなりエッチって言われなきゃならないんだよ!?」
突然小鳥にエッチと言われて遊馬は慌てて否定する。
「何か言い方が卑猥に聞こえるのよ!遊馬はもう少し言葉をちゃんと選びなさい!」
「えーっ!?」
いつもの遊馬と小鳥のたわいもない軽い言い合いにマシュは戦慄した。
やはり遊馬に一番心を寄せている女子は小鳥であると。
「この無人島で遊馬君との距離を更に縮めなければ……!」
恐らくは他の遊馬に好意を寄せている女性サーヴァントも同じことを考えていると思われるが、この無人島でのひと夏の思い出で遊馬との距離を一気に縮めるチャンスであるとマシュは決意を固めるのだった。
☆
【ちびっこサーヴァントの新しい友達】
遊馬は海でひと泳ぎを終えて浜辺で休みながらアストラルと共にちびっこサーヴァント達の面倒を見ていた。
「桜ちゃん、凛ちゃん、楽しいか?」
桜と凛はそれぞれピンク色と赤色の可愛らしいワンピースタイプの水着を着ており、はしゃぎなから遊んでいた。
「うん!こんなにきれいなところは初めて!」
「とっても楽しいです!」
「それは良かった」
「やはり子供は伸び伸びと遊ぶのが一番だな」
魔術師の家系で生まれた二人はこうやって自然溢れる場所で伸び伸びと遊べる機会はほとんど無かったのでとても嬉しそうに遊んでおり、自然と遊馬とアストラルの笑みが溢れる。
「おかあさーん!」
「マスターさーん!」
「おー、ジャック、ナーサリー、バニヤン。みんな可愛い水着だな。あれ?その子は?」
桜や凛と同じくワンピースタイプの可愛い水着を着たジャックとナーサリーとバニヤンだが、その後ろに小さな影が隠れていた。
「私達の新しいお友達!」
「可愛いですよね?」
「でもお話ししないんです」
ジャックとナーサリーとバニヤンがその影を前に出すとそれは浅黒い肌にアホ毛が付いた紫の髪、白いワンピースを着た少女で頭には小さな髑髏の仮面が髪飾りのように付いていた。
「えっと、この子は?」
「微弱だがサーヴァントのようだが……」
「その子は我々百貌のハサンの一人です」
遊馬とアストラルの背後に百貌のハサンの一人でまとめ役のアサ子が現れて説明する。
「アサ子さん。え、この子が?」
アサ子曰く、この少女のハサンは生前の百貌のハサンが任務に失敗し、敵に捕らえられ、拷問を受ける際に表層化させていた、『何も知らず』『何もできない』幼女人格……通称・ちびハサン。
彼女の役割は拷問を受けるというもので何も知らない人格なら、いかなる責め苦を負おうとも、知らないので喋れない……と言う事だった。
「おいおい、重すぎるぞ……」
「百貌のハサンとしては、別にこの子は戦わなくても良いんだよな?」
「はい。元より、他の百貌たちも同じ意見で戦わせるつもりも無いので」
「分かった、じゃあみんな。この子を……ハーちゃんの面倒を見てあげるんだぞ」
「「「「「はーい!」」」」」
桜と凛、ジャックとナーサリーとバニヤンは元気よく返事する。
「ハーちゃん……?」
今まで喋らなかったちびハサンが「ハーちゃん」と呼ばれてようやく口を開いた。
「ああ。名前あったほうが呼びやすいし便利だろ?あ、もしかして嫌だった?」
ちびハサンはフルフルと首を左右に振って否定した。
こうしてちびっこサーヴァントに新しい友達が増えて益々賑やかになるのだった。
☆
【意外に経験豊富な三人娘】
今回の無人島でスカサハの修行対象のイリヤと美遊とクロエはまずは海で遊ぶことにした。
スカサハで霊基を弄られて制服姿から変化したイリヤ達は元の世界で少し前に購入したばかりの水着を着ていた。
「やったー!この前買ったのと同じだ!」
「買ったばかりでまだちょっとしか着てないからナイスタイミングね」
「うん。あ、イリヤ、クロ、左手首を見て」
美遊は自分達の左手首にあるものを発見して嬉しそうに伝える。
3人の左手首には五芒星、六芒星、ハートのチャームがついた可愛いらしいブレスレットが付いていた。
「あら、可愛らしいブレスレットね。どうしたの?」
民族衣装から紫色の水着に着替えたシトナイがイリヤ達のブレスレットを興味深そうに見つめる。
「これはこの前の私たちの11歳の誕生日にお兄ちゃんがプレゼントしてくれたんです」
「な、何ですって……!?」
シトナイはその事実に衝撃を受けた。
並行世界とはいえ義弟の衛宮士郎がそんなに可愛いものをプレゼントするとは思いもよらなかったからだ。
シトナイは夕食の準備をしているエミヤに近づいて無言の圧力を向ける。
「何かな、シトナイ……?」
「じぃーっ……」
「……はぁ、分かった。無人島からカルデアに帰還したら君に似合うアクセサリーを作ってやるから睨まないでくれ」
「やったー!ありがとう!」
シトナイの言いたい事を理解したエミヤはやれやれと言った様子で義姉のワガママに応えるのだった。
しばらくして遊び終えるとイリヤと美遊は砂浜でのんびりしていたルビーとサファイアを呼んだ。
「さてと、ルビー。転身」
「サファイア、お願い」
イリヤと美遊は水着姿を保ったまま、ルビーとサファイアの力で魔法少女の力を得て遊馬の元に向かった。
「遊馬さん!私と美遊で上空からこの島を確認してきます!」
「上空から撮影する為にD・パッドを貸してください」
「じゃあ私は海岸で食べられそうな食材を探しているわ」
イリヤと美遊とクロエは小学生ながら自発的に無人島サバイバルで自分にできる事を行動し始める。
「ちょっと待った。三人共、すごいサバイバルに慣れている気がするんだけど……」
遊馬はサバイバルに妙に慣れている雰囲気を出すイリヤ達に違和感を覚えた。
幾ら魔法少女と言えど小学生の女の子たちがサバイバルに慣れているのはあり得ない。
するとイリヤは苦笑いを浮かべながら打ち明ける。
「えっと、実は……私達は少し前に無人島で遭難したことがあるので」
「「「…………はぁ!??」」」
無人島で遭難という驚きの事実に遊馬だけでなくその周りにいた者達も驚愕した。
何故並行世界の冬木市で平穏?に暮らしているイリヤ達が無人島で遭難したのかもはや意味不明の領域だった。
それは少し前に夏休みでイリヤ達が友人や士郎達と共にルヴィアに招待されて南の島でバカンスをすることになった。
しかし……ルヴィアと凛がいつものように喧嘩し、旅客機内でルヴィアが凛に向けて攻撃魔術の一種であるガンドをぶっ放してしまった。
その結果、旅客機に大きな穴が開いて操縦不能となり、無人島に不時着してしまい、そこで助けが来るまでサバイバルをすることになってしまったのだ。
「なっ……何やってんのよ並行世界の私とバカルヴィア!飛行機の中でガント撃つとかもう考えられないし、それに無人島に不時着してイリヤ達だけじゃなく、その友達や士郎達に大迷惑をかけてサバイバルさせるとかもう馬鹿の極みじゃないの!!?」
ちなみにこの話を聞いた元凶である並行世界の凛とルヴィアの愚行にイシュタルは頭を抱えて嘆いた。
「いや、その、イシュタルさんの所為じゃないので気にしないでください。もう済んだことですので」
「でもあの無人島でなんか記憶が抜けてる気がするのよね……」
「うん……ぽっかりと何かが消えたような……」
イリヤ達三人には無人島でのサバイバル生活の中で一部抜けている記憶がある。
それに関してはサバイバル生活の極限状態と士郎への想いが爆発したもので、今後の生活の為に記憶を消してもらい、その真実を知るのはルビーとサファイアのみである。
☆
【姉を名乗る不審者達の敗北】
遊馬がアストラルと共に浜辺を少し散歩していると……。
「遊馬くーん!」
「おーい、遊馬ー!」
水着に着替えたジャンヌとレティシアがやって来た。
ジャンヌは白の競泳水着に眼鏡をかけ、長い金髪をポニーテールに纏めていた。
レティシアは黒と赤のビキニにジャケットを羽織り、腰には何とフェイトナンバーズ時に使用している銀河眼の光子竜皇の宝剣と銀河眼の時空竜の妖刀がベルトに装着されていた。
「あれ?レティシア、その剣と刀は……?」
「これ?この姿になったら着いてた。一応私の武器扱いよ。もっとも、フェイトナンバーズの時みたいな力はないただの剣と刀よ」
「ふふふっ、レティシアったら、常にその剣と刀を持てるようになって嬉しいんですよ」
「なっ、い、言うんじゃないわよ!『お姉ちゃん』!!」
「あはははっ、やっぱりレティシアは気に入って──ん?お姉ちゃん?」
遊馬はレティシアの言葉に違和感を覚えた。
レティシアはジャンヌに対して素直になれず、ジャンヌの事を基本的には「アンタ」や「馬鹿姉」、酷い時には「ショタコン聖女」などと呼び、決して「お姉ちゃん」とは呼ばないのだ。
「……ジャンヌお姉ちゃん、レティシアに何かした?」
「いえいえ、別に大した事をしてないですよ。この度、アーチャーになった事で私の必殺技を編み出したんです!」
「必殺技……?」
「はい。その名も……『姉ビーム』!」
「姉、ビーム……?」
何だそれ?と遊馬とアストラルは同じように首を傾げた。
「このビームを浴びれば、たちまちその人は私の弟か妹になります!そして仲良し家族になるのです!」
「何だそれ……」
「それはつまり洗脳では無いのか……?」
「洗脳だなんて人聞きの悪い!私は本当に家族になりたい人だけにこのビームは使っています。と言うわけで……遊馬君も私の弟になりなさい!」
「なっ!?マズい!遊馬、逃げろ!?」
「姉ビーム!!!」
ジャンヌは手でハートマークを作ってピンク色の波動を放つ。
突然の攻撃に遊馬は反応出来ずに姉ビームを受けてしまう。
「さあ、私の可愛い弟君!お姉ちゃんが甘やかしてあげるのでこの胸に飛び込んでください!」
姉ビームを喰らわせて遊馬はジャンヌの弟となったが……。
「……いや、それは流石に恥ずかしいからパスで」
「……あれぇ!??」
何故か遊馬に姉ビームの効果が現れなかった。
本来なら姉ビームを受ければジャンヌを姉として認識し、ジャンヌにこれでもかと言うぐらいに甘えるはずである。
「な、何故……もしかして効力が薄いのかも……ええい、こうなったら下手な鉄砲数撃ちゃ当たる戦法です!姉ビーム連続攻撃!」
ジャンヌは姉ビームを連続で発射して遊馬に当てるが……。
「えっと、なんかよく分からないんだけど、本当にそのビームは効果あるのか?」
「なっ……!?そ、そんな……レティシアには効いているのに……!?」
「お姉ちゃん、さっきから何をしてるのよ?」
いつもツンツンしているレティシアには姉ビームは効果的面だが、何故か遊馬には効果が無かった。
「ん?おっ、悪い。通信だ。ごめん、ちょっと呼ばれたから行くぜ。また後でな」
遊馬のD・ゲイザーに通信が入り、呼ばれたのでその場を後にした。
「ああっ!?そ、そんな、弟くーん!?」
去っていく遊馬を引き止められず崩れ落ちるジャンヌ。
そんなジャンヌにアストラルは何故遊馬に姉ビームが効かなかったのか指摘する。
「……ジャンヌ。君の姉ビームがどれほどの威力は知らないが、遊馬にはあまり意味ないのでは無いか?」
「意味がない、とは……?」
「遊馬は君の事をかなり早い段階から姉として慕っているではないか。まあ、それに加えて今の遊馬には聖杯にヌメロン・コードの一部の力が覚醒している。だから姉ビームが効果が無かったと私は推測するが」
「……ああっ!?」
遊馬はジャンヌの事を仲間であると同時に姉として慕っていた。
ジャンヌを姉と思ってないレティシアには効果はあるが、元々姉と慕っている遊馬には効果は無いのだった。
「そんな……この姉ビームでレティシアと一緒に遊馬君とのイチャラブ作戦が……」
「ジャンヌ……そんなくだらない事を考えていたのか、君は……」
アストラルはジャンヌの考えた作戦に呆れ果てて遊馬の元に戻った。
一方、もう一人のジャンヌことルーラーも水着に着替えていた。
競泳水着のジャンヌとは違い、ルーラーは黒のビキニにパーカーを羽織り、髪を三つ編みに纏めてその手には浮き輪を持っていた。
「さあ!ジーク君を弟にしてお姉ちゃんと呼んでもらいましょう!」
こちらのルーラーもジャンヌ同様に姉ビームを習得しており、相方のジークを弟にしてお姉ちゃんと呼んでもらおうとした。
これまでルーラーは聖杯大戦でもジークに対して姉のように振る舞おうとしたが、ジークの方が世間知らずの割には大人びた雰囲気や態度を持っているのでなかなか上手くいかない。
しかし、姉ビームがあればジークを弟にすることができ、ルーラーの積年の願いが叶う時が来たのだ。
「あ、ジーク君!」
「ルーラー……?」
ジークは黒い水着にルーラーと同じようにパーカーを羽織っていた。
「ジーク君、行きますよ!姉──」
「──美しい……」
「──はひいっ!??」
ジークは水着姿のルーラーを見惚れ、美しいと言葉を紡いで姉ビームを放とうとしたルーラーは顔を真っ赤にした。
「ひゃ、あっ、あう……」
「やはり君は美しい……君は俺だけの唯一の宝だ……」
ジークはルーラーの頬に手を添えてその姿をじっくり眺め、益々ルーラーの顔が真っ赤に染まっていく。
「少し砂浜を歩くか?せっかく南の島に来たからな」
「は、はい……」
ジークはルーラーの手を握って砂浜を散歩していく。
砂浜を美男美女の二人で歩く姿はとても絵になり誰から見てもお似合いのカップルだった。
その二人の姿をこっそりと見る者がいた。
「あーあ、ルーラーったらあんなに真っ赤になっちゃって。妬けるなー」
それは聖杯大戦からの大切な繋がりであるアストルフォだった。
ちなみにアストルフォはフリフリの可愛らしい水着を着ていた。
女装を好むアストルフォなので当然女物のだが。
「二人には悪いけど……僕も行こー!ジークー!ルーラー!」
アストルフォは二人に向けて突撃し、一緒に散歩を頼むのだった。
.
今回の話、無人島開拓でバニヤンちゃんが頼し過ぎるって結論に達しました(笑)
木こりの能力や食糧関連のスキルが頼し過ぎてバニヤンちゃん一人いれば普通に生き残れるという事実に笑いましたわ(笑)
あと、姉を名乗る不審者ことアーチャージャンヌ×2は見事遊馬君とジークくんの前に敗れました(笑)
元々弟キャラの遊馬君には効果無しで、ルーラージャンヌ特攻持ちのジーク君には負けますよね。
次回は色々な水着サーヴァントの話や修行になると思います。
ネロちゃまや清姫ちゃんとかネタが豊富なので楽しみですね。