デュエルを見やすくするためにカードテキストや効果などをしっかり記載してみました。
遊馬とアストラルは伝説のデュエリスト、武藤遊戯との夢のデュエルが始まろうとしていた。
「遊馬、アストラル!今回のデュエル……勝手で悪いが互いに1ターンずつで終わらせる」
「たった、1ターンだけ!?」
「1ターンで2人の全てをオレにぶつけてこい!」
1ターンで遊戯に力を示さなければならない……それはデュエリストとしてもかなり難しいことだった。
すると、遊馬のデッキケースが開いて中から二つの光が飛び出た。
「よし、間に合った!」
「お兄ちゃーん!」
現れたのはレティシアと桜だった。
「レティシアに桜ちゃん!?何で!?」
「何でって、伝説のデュエリストと遊馬がデュエルするって聞いて急いで来たのよ!」
「私もデュエルを見てみたかった!」
レティシアと桜は遊戯のデュエルを間近で見たいと思い、オルガマリーに無理を言って急いでカルデアから転送してもらったのだ。
「ギャラリーも増えてきたな。そろそろ始めるぞ」
「は、はい!」
「行くぞ!」
遊馬と遊戯はデュエルディスクを構え、デュエルを開始する。
遊馬&アストラル LP4000
遊戯 LP4000
最初は遊戯からのターンで始まる。
「行くぞ、遊馬!アストラル!オレのターン、ドロー!」
遊戯はデッキからドローしたカードを見てニヤリと笑みを浮かべ、ドローしたカードを発動する。
「魔法カード『召喚師のスキル』を発動!デッキからレベル5以上の通常モンスターを手札に加える!」
《召喚師のスキル》
通常魔法
(1):デッキからレベル5以上の通常モンスター1体を手札に加える。
「レベル5以上の通常モンスター……まさか!?」
「来るぞ、遊馬!」
遊戯はデュエルディスクからデッキを抜き、その中からレベル5以上の通常モンスターを1枚手札に加える。
「オレが加えるのは『ブラック・マジシャン』!」
遊戯がデッキから加えたのはレベル7の通常モンスター、ブラック・マジシャン。
《ブラック・マジシャン》
通常モンスター
星7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2100
魔法使いとしては、攻撃力・守備力ともに最高クラス。
通常ではレベル7以上のモンスターを召喚するためにはフィールドのモンスターを2体リリースしなければアドバンス召喚は出来ないが、通常モンスターには効果モンスターとは違った豊富で優秀なサポートカードが多く存在している。
「更に魔法カード『古のルール』!手札からレベル5以上の通常モンスター1体を特殊召喚する!現れよ、我が最強の僕!『ブラック・マジシャン』!!」
《古のルール》
通常魔法
手札からレベル5以上の通常モンスター1体を特殊召喚する。
杖を軽やかに振り回しながら現れたのは紫色の魔法衣を身に纏ったのはデュエルモンスターズ界の伝説の魔法使いにして遊戯の最強の僕、ブラック・マジシャン。
『ふっ、はあっ!』
「すげぇ……遊戯さんのエースモンスター、ブラック・マジシャン!」
「初手からブラック・マジシャンを呼ぶとは……流石は遊戯さんだ」
「……それとさ、やっぱりブラック・マジシャンって、マハードさんだよな?」
「……そうだな」
ブラック・マジシャンは肌の色は異なるがどこからどう見てもマハードだった。
つまり、マナと同じようにマハードはブラック・マジシャンの前世と言うことが確定した。
「これで驚くのはまだ早いぜ。魔法カード『師弟の絆』を発動!自分フィールドに『ブラック・マジシャン』が存在する場合、自分の手札・デッキ・墓地から弟子である『ブラック・マジシャン・ガール』を特殊召喚する!」
《師弟の絆》
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドに「ブラック・マジシャン」が存在する場合に発動できる。
自分の手札・デッキ・墓地から「ブラック・マジシャン・ガール」1体を選んで特殊召喚する。
その後、デッキから「黒・魔・導」「黒・魔・導・爆・裂・破」「黒・爆・裂・破・魔・導」「黒・魔・導・連・弾」のいずれか1枚を選んで自分の魔法&罠ゾーンにセットできる。
《ブラック・マジシャン・ガール》
効果モンスター
星6/闇属性/魔法使い族/攻2000/守1700
(1):このカードの攻撃力は、お互いの墓地の「ブラック・マジシャン」「マジシャン・オブ・ブラックカオス」の数×300アップする。
ブラック・マジシャンの隣に紫色に輝く魔法陣が現れ、その中からブラック・マジシャン・ガールが元気よく飛び出して現れた。
『ふふっ、はっ!』
「ブ、ブラック・マジシャン・ガールまで!?凄すぎるぜ!」
「ブラック・マジシャンとブラック・マジシャン・ガール……遊戯さんの最強マジシャンコンビが揃ったか……!」
ブラック・マジシャンとブラック・マジシャン・ガールを初手からいきなりフィールドに揃えた遊戯のデッキ構築とタクティクスにとても驚く。
しかし、これだけではなく遊戯の展開はまだまだ終わらない。
「師弟の絆の更なる効果!デッキから『黒・魔・導』『黒・魔・導・爆・裂・破』『黒・爆・裂・破・魔・導』『黒・魔・導・連・弾』のいずれか1枚を選んで自分の魔法&罠ゾーンにセットできる。オレは『黒・爆・裂・破・魔・導』をセットする!」
《黒・爆・裂・破・魔・導》
速攻魔法
(1):自分フィールドに、元々のカード名が
「ブラック・マジシャン」と「ブラック・マジシャン・ガール」となるモンスターが存在する場合に発動できる。
相手フィールドのカードを全て破壊する。
遊戯が師弟の絆でセットしたカードにアストラルは焦りから顔色を悪くする。
「遊馬、マズイぞ……『黒・爆・裂・破・魔・導』がある限り、私達に勝ち目は無い」
「えっ!?どう言うことだよ!?」
「『黒・爆・裂・破・魔・導』はブラック・マジシャンとブラック・マジシャン・ガール、その2体が揃った時のみ発動出来る必殺技カードだ。その効果は相手フィールドのカードを全て破壊する……」
「なっ……!?それじゃあモンスターを召喚したり、カードをセットしても……」
「私たちのフィールドはガラ空きになるだけだ……」
相手フィールドの全てのカードを破壊する最強の必殺技カードがある限り、遊馬とアストラルに勝機は無い。
「更にカードを2枚伏せて、ターンエンドだ」
遊戯は2枚のカードを魔法・罠ゾーンにセットし、ターンを終了した。
遊戯のフィールドにはブラック・マジシャンとブラック・マジシャン・ガール、そしてセットカードが3枚。
セットカードの内の1枚は『黒・爆・裂・破・魔・導』。
最初から最強の布陣を展開した遊戯。
遊馬とアストラルにとってそれは遊戯からの挑戦状でもあった。
この巨大な壁を1ターンで越えて見せろ、お前達の全てをぶつけて来い……そう語っているようだった。
遊戯のターンが終わり、次は遊馬とアストラルのターンとなる。
遊馬はデッキに手を添えてドローしようとしたが、遊馬の手が震えていた。
「遊馬……」
アストラルは遊馬が恐怖ではなく興奮や緊張から震えているのだと察していた。
相手は伝説のデュエリスト……自然と手が震えてしまうのも当然な話である。
震えた手でドローしようとした……その時!
「遊馬ー!何ビビっているのよ!しっかりしなさぁーい!!」
「小鳥……?」
小鳥が大声で叫んで遊馬を叱咤激励した。
遊馬の震えている様子に気付いて小鳥は全力で応援した。
「伝説のデュエリストが相手でも関係無いわ!いつも通りの遊馬らしく堂々と戦いなさい!かっとビングよ、遊馬!!」
「遊馬君!頑張ってください!」
「フォーウ!」
小鳥の全力の応援にマシュ達も続く。
みんなの応援に遊馬の心に闘志が湧き起こり、震えが収まっていく。
「小鳥の応援は力が湧いて来るな……」
「ああ。みんなの応援で俺のかっとビングも最高に高まって来た!行くぜ、アストラル!」
「ああ!」
「かっとビングだ!俺のターン……ドロー!!!」
遊馬はデュエリストの全てを賭けてカードをドローする。
「……よっしゃあ、来たぁ!」
「遊馬、ここぞと言う時の君の引きの運にはいつも驚かされるよ!」
「おう!これで……行けるぜ!」
遊馬がドローしたカードで遊馬とアストラルの中で勝利の方程式が完成した。
「速攻魔法『ツインツイスター』!手札を1枚捨て、フィールドの魔法・罠を2枚まで破壊する!」
「何だと!?」
《ツインツイスター》
速攻魔法
(1):手札を1枚捨て、フィールドの魔法・罠カードを2枚まで対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
遊馬の前に二つの竜巻が現れて遊戯に向かって飛ぶ。
「俺が破壊するのはセットされた『黒・爆・裂・破・魔・導』と右のセットカードだ!」
竜巻は現状で一番危険な『黒・爆・裂・破・魔・導』と右隣のセットカードを破壊した。
「破壊したのは……『魔法の筒』!?確かモンスターの攻撃を無効にして効果ダメージを与えるんだっけ!?」
《魔法の筒》
通常罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時、攻撃モンスター1体を対象として発動できる。
その攻撃モンスターの攻撃を無効にし、その攻撃力分のダメージを相手に与える。
「そうだ。残る最後のセットカードは気になるが行くしかない!」
まだ遊戯には最後のセットカードが残っているが、遊馬とアストラルは意を決してモンスターを繰り出す。
「よし、魔法カード『死者蘇生』!墓地のモンスターを復活させる!」
《死者蘇生》
通常魔法
(1):自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。
「死者蘇生!?墓地のモンスターは……ハッ!?ツインツイスターのコストで手札から墓地に捨てたカードか!」
「その通り!デュエルの最高の舞台に現れろ!『ガガガマジシャン』!!」
死者蘇生で復活させたのは遊馬のフェイバリットモンスターのガガガマジシャン。
《ガガガマジシャン》
効果モンスター
星4/闇属性/魔法使い族/攻1500/守1000
(1):「ガガガマジシャン」は自分フィールドに1体しか表側表示で存在できない。
(2):1ターンに1度、1~8までの任意のレベルを宣言して発動できる。
このカードのレベルはターン終了時まで宣言したレベルになる。
『ガガガッ!……ガッ!?』
ガガガマジシャンは堂々と現れたが、伝説の魔術師であるブラック・マジシャンがいることに驚愕していた。
「ガガガマジシャン!今日の相手は伝説のデュエリストと伝説のモンスター達だ、気合いを入れて行くぜ!」
『……ガガガッ!』
遊馬の言葉にガガガマジシャンは頷いて気合を入れて身構える。
「更に『ガガガガール』を召喚!」
遊馬はガガガマジシャンの後輩で相方のガガガガールを召喚する。
《ガガガガール》
効果モンスター
星3/闇属性/魔法使い族/攻1000/守800
(1):自分フィールドの「ガガガマジシャン」1体を対象として発動できる。
このカードのレベルはそのモンスターと同じになる。
(2):このカードを含む「ガガガ」モンスターのみを素材としてX召喚したモンスターは以下の効果を得る。
● このX召喚に成功した時、相手フィールドの特殊召喚されたモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力を0にする。
『フフフッ、ハッ!……ええっ!?ブラック・マジシャン・ガールさんにブラック・マジシャンさん!??』
ガガガガールは以前会ったブラック・マジシャン・ガールだけでなく、ブラック・マジシャンもいるので余計に驚いていた。
遊戯のフィールドにブラック・マジシャンとブラック・マジシャン・ガール。
遊馬のフィールドにガガガマジシャンとガガガガール。
奇しくも魔法使いタッグが互いのフィールドに揃った。
遊馬はガガガガールの効果を発動する。
「ガガガガールの効果!1ターンに1度、ガガガマジシャンと同じレベルになる!ガガガマジシャンのレベルは4!よってガガガガールのレベルも4になる!」
ガガガガール
レベル3→レベル4
「2体のモンスターのレベルを同じにした……?」
ガガガガールのレベルが3から4に変更し、その効果に遊戯は疑問に思う。
「遊戯さん、見ててください!これが俺達の力です!俺はレベル4のガガガマジシャンとガガガガールでオーバーレイ!!」
『『ガガガッ!』』
「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」
ガガガマジシャンとガガガガールが紫色の光となって地面に吸い込まれ、光の爆発が起きる。
「「現れろ、No.39!我らが戦いはここより始まる、白き翼に望みを託せ!光の使者!『希望皇ホープ』!!」」
光の爆発と共に遊馬とアストラルの絆と希望を象徴する光の剣士……希望皇ホープが現れる。
《No.39 希望皇ホープ》
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/光属性/戦士族/攻2500/守2000
レベル4モンスター×2
(1):自分または相手のモンスターの攻撃宣言時、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
そのモンスターの攻撃を無効にする。
(2):このカードがX素材の無い状態で攻撃対象に選択された場合に発動する。
このカードを破壊する。
エクシーズ召喚という遊戯にとって未知なる召喚法に衝撃を受けた。
「エクシーズ召喚……!?融合や儀式、シンクロとも違う新たな召喚法か!そして……」
遊戯は希望皇ホープを見上げ、その美しさと勇ましさに見惚れた。
「希望皇ホープか……それが2人のエースモンスターだな?」
「はい!俺とアストラルの最高にして最強のエースモンスターです!」
「私たちはホープと共に数々のデュエリストと戦って来ました!」
遊馬とアストラルが一番信頼するエースモンスターである希望皇ホープを自信満々に紹介し、遊戯は満足そうに頷く。
「よし……エクシーズ素材となったガガガガールの効果発動!」
「ガガガガールが他の『ガガガ』モンスターと共に素材となりエクシーズ召喚した時、相手フィールドの特殊召喚されたモンスター1体の攻撃力を0にする!」
「ゼロゼロコール!」
希望皇ホープのオーバーレイ・ユニットの一つからガガガガールの幻影が現れ、携帯を操作してブラック・マジシャンに向けてエネルギー波を放ち、ブラック・マジシャンの攻撃力を0にする。
ブラック・マジシャン
攻撃力2500→攻撃力0
ブラック・マジシャンは攻撃力を0にされて力が失われてその場に膝をつき、遊戯は驚く。
「ブラック・マジシャン!?」
「「行け!希望皇ホープでブラック・マジシャンに攻撃!」」
尽かさず遊馬とアストラルはバトルに入り、希望皇ホープでブラック・マジシャンに攻撃を仕掛ける。
「「ホープ剣・スラッシュ!!」」
希望皇ホープは腰からホープ剣を引き抜き、高く飛んで急降下しながらホープ剣を振り下ろす。
「チャンスを作り出し、果敢に攻めるその勇気は認める」
遊馬とアストラルは遊戯に大ダメージが与えそうになった……しかし!
「だが……甘いぜ、二人共!罠カードオープン!」
「罠カード!?」
「やはりまだあったか!」
遊戯はデュエルディスクのスイッチを押してセットしたカードを発動する。
「『聖なるバリア -ミラーフォース-』!」
遊戯がセットしていたのは遊馬も持っているほどの伝説の罠カード、ミラーフォース。
遊馬はツインツイスターで2枚の罠を破壊したが、遊戯は更にもう1枚の罠を張っていたのだ。
ブラック・マジシャンの前に敵からの攻撃を防ぎ、反射させる聖なるバリアが展開される。
《聖なるバリア -ミラーフォース-》
通常罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する。
希望皇ホープが振り下ろしたホープ剣が聖なるバリアによって防がれる。
そして、バリアが強い光を放つと希望皇ホープを思いっきり弾き飛ばしてから破壊した。
「ホープ!」
「これでバトルは終わりだな。危なかったぜ、攻撃力が0になったブラック・マジシャンに攻撃力2500の攻撃は効くからな!」
希望皇ホープが破壊されて遊馬とアストラルのバトルはこれで終わったと思った。
「いいや……」
「まだ、私達のバトルフェイズは……」
「「終わってない!」」
しかし、遊馬とアストラルの闘志はまだ消えてはいなかった。
「何だと!?」
「かっとビングだ、俺!手札から速攻魔法『エクシーズ・ダブル・バック』を発動!」
「自分のモンスターエクシーズを破壊されたターン、自分のフィールドにモンスターが存在しない時、墓地から破壊されたモンスターエクシーズとそのモンスターの攻撃力以下のモンスターを1体特殊召喚する!」
遊馬とアストラルの前に二つの魔法陣が現れる。
《エクシーズ・ダブル・バック》
速攻魔法
自分フィールド上のエクシーズモンスターが破壊されたターン、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合に発動できる。
自分の墓地から、そのターンに破壊されたエクシーズモンスター1体と、そのモンスターの攻撃力以下のモンスター1体を選択して特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズ時に破壊される。
「「蘇れ!希望皇ホープ!ガガガマジシャン!」」
遊馬とアストラルの前に破壊された希望皇ホープとオーバーレイ・ユニットだったガガガマジシャンが同時に現れる。
「ホープとガガガマジシャンが復活した……!?」
「遊馬、ホープとガガガマジシャンのそれぞれの攻撃対象は分かっているな?」
「ああ!まずは希望皇ホープでブラック・マジシャン・ガールに攻撃!」
希望皇ホープは再びホープ剣を引き抜いてブラック・マジシャン・ガールに攻撃する。
ブラック・マジシャン・ガールは杖から特大の魔力弾を放つが希望皇ホープはホープ剣で斬り裂く。
希望皇ホープ
攻撃力2500
VS
ブラック・マジシャン・ガール
攻撃力2000
「ホープ剣・スラッシュ!」
そして、希望皇ホープは大振りで振り上げたホープ剣を勢い良く振り下ろし、ブラック・マジシャン・ガールを吹き飛ばす。
「ブラック・マジシャン・ガール!くっ……!?」
遊戯 LP4000→LP3500
「最後にガガガマジシャンでブラック・マジシャンに攻撃!!」
ガガガマジシャンは拳を握りしめてブラック・マジシャンに突撃する。
ブラック・マジシャンは突撃してきたガガガマジシャンに対して杖から魔力弾を次々と発射するが、ガガガマジシャンは巻き付けている鎖を持って鞭のように振るって魔力弾を打ち消す。
ガガガマジシャン
攻撃力1500
VS
ブラック・マジシャン
攻撃力0
「ガガガマジック!」
ガガガマジシャンは一瞬でブラック・マジシャンの懐に入り込み、魔力を拳に込めて正拳突きを打ちかまし、ブラック・マジシャンを吹き飛ばして破壊する。
「ブラック・マジシャン……!」
遊戯 LP3500→LP2000
ブラック・マジシャンも戦闘破壊され、遊戯のライフポイントが半分にまで減らされた。
本来なら希望皇ホープでブラック・マジシャンに攻撃すれば遊戯のライフポイントを更に500ポイントも減らす事が出来るが、遊馬とアストラルはライフポイントを多く減らすよりも遊戯のモンスターを全て倒すことを選択したのだ。
バトルが終わり、遊馬とアストラルは一瞬だけ息を吐いて心を落ち着かせて行く。
遊戯のライフポイントに大ダメージを与えられて大喜びをしたい気持ちだったが、まだやるべき事があった。
このターンのエンドフェイズ時にエクシーズ・ダブル・バックのデメリット効果で蘇生させた希望皇ホープとガガガマジシャンは破壊される。
遊馬の手札には次の一手を繋ぐためのカードがあった。
「俺はガガガマジシャンに装備魔法『ワンダー・ワンド』を装備する!装備したガガガマジシャンの攻撃力を500ポイントアップする!」
大きな緑色の宝玉が埋め込まれた杖が現れ、ガガガマジシャンが柄を持って構える。
《ワンダー・ワンド》
装備魔法
魔法使い族モンスターにのみ装備可能。
(1):装備モンスターの攻撃力は500アップする。
(2):装備モンスターとこのカードを自分フィールドから墓地へ送って発動できる。
自分はデッキから2枚ドローする。
「このタイミングで装備魔法?」
遊戯はバトルが終わったメインフェイズ2のタイミングでガガガマジシャンにワンダー・ワンドを装備したことに疑問に思った。
「ワンダー・ワンドのもう一つの効果!このカードとガガガマジシャンを墓地に送り、デッキからカードを2枚ドローする!」
「魔法使い族の攻撃力を上げるだけでなく、場合によってはドローソースにする装備魔法か!エクシーズ・ダブル・バックの効果で破壊される前に生贄にすると言うわけか」
遊戯はカードのデメリット効果を考えた後の次の一手を打つカードの組み合わせに感心した。
「ガガガマジシャン、お前の命……使うぜ。ガガガマジシャンとワンダー・ワンドを墓地に送り、デッキから2枚ドロー!……よし、カードを2枚セットする!」
ワンダー・ワンドの効果でドローしたカードは2枚とも次のターンに繋げられるカードであり、2枚ともフィールドの魔法・罠ゾーンにセットする。
「遊馬!これが最後の一枚だ!」
アストラルは遊馬のデッキケースから1枚のカードを取り出す。
「行くぜ、アストラル!」
遊馬はアストラルと共にそのカードを掲げ、希望皇ホープのカードの上に重ねる。
「「このカードは自分フィールドの希望皇ホープをエクシーズ素材にして、自らを進化させる!希望皇ホープ、カオス・エクシーズ・チェンジ!」」
「カオス・エクシーズ・チェンジ!?」
希望皇ホープが変形してニュートラル体に戻り、地面に吸い込まれると光の爆発が起きる。
「「現れろ、CNo.39!混沌を光に変える使者!『希望皇ホープレイ』!!」」
巨大な漆黒の剣が現れ、変形して希望皇ホープの進化形態である希望皇ホープレイが現れる。
《CNo.39 希望皇ホープレイ》
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/光属性/戦士族/攻2500/守2000
光属性レベル4モンスター×3
このカードは自分フィールドの「No.39 希望皇ホープ」の上に重ねてX召喚する事もできる。
(1):このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
ターン終了時までこのカードの攻撃力を500アップし、相手フィールドのモンスター1体を選んでその攻撃力をターン終了時まで1000ダウンする。
この効果は自分のLPが1000以下の場合に発動と処理ができる。
希望皇ホープが新たなモンスターである希望皇ホープレイに進化したことにより、エクシーズ召喚の未知なる可能性に遊戯は更に驚かされた。
「希望皇ホープが魔法や罠の力を使わずに進化したのか!?」
「希望皇ホープが希望皇ホープレイに進化したことにより、希望皇ホープを対象としていたエクシーズ・ダブル・バックのデメリット効果は打ち消された!」
「これでホープは破壊されず、俺たちのフィールドに残ったぜ!」
希望皇ホープレイは腕を組んで堂々と遊馬とアストラルの前に立つ。
そして……遊馬は手札を全て使い切り、これ以上展開することは無くなった。
「遊馬……ここまでよく戦った」
アストラルはたった1ターンだけだったが、全力で遊戯と戦ったことを褒めた。
「サンキュー、アストラル」
遊馬は目を閉じて胸に手を置き、この最高な夢のひとときが終わってしまう虚しさを感じていた。
だが、虚しさはあるが全力を出し切ったので後悔は一切無い。
「遊戯さん……これで、ターンエンドだ!」
遊馬は目を開いて遊戯に向かって堂々とターンの終了を宣言した。
そして、その瞬間にデュエルが終わり、希望皇ホープレイの姿が消えていく。
「遊馬、アストラル。素晴らしいデュエルだった」
「遊戯さん……ありがとうございました!」
「とても素晴らしい経験になった。ありがとう、遊戯さん」
遊馬とアストラルは遊戯に敬意を表して頭を下げた。
「エクシーズ召喚には驚いたが、デッキの構築、戦略、状況を打破する冷静な思考。そして何より、モンスターとの信頼関係。どれも素晴らしかった。たった1ターンだけだが、君たちが真のデュエリストだと言うことがよく分かった!」
遊戯はこのデュエルで遊馬とアストラルが真のデュエリストとして素晴らしいと称賛し、高く評価した。
「見事な戦いだったぞ、アテム!そして、ユウマとアストラルよ!久々に余の心が震えたぞ!ニトクリス、貴様はどうだ?」
「は、はい!私も心が熱くなってきました!」
オジマンディアスとニトクリスは初めて目にするデュエルに心が震え、熱くなっていた。
デュエルモンスターズの起源が古代エジプトでもあるので、オジマンディアスとニトクリスも自然とデュエルに興味を持った。
「オジマンディアス、ニトクリス。彼らに全てを話す。構わないな?」
「良いだろう。それから、見事なデュエルを見せてくれた礼だ。客人としてこのエジプトの滞在を許可しよう!ニトクリス、彼らの世話を頼むぞ!」
「はっ!承知しました!」
オジマンディアスは遊馬達がエジプト領の滞在を許可し、ニトクリスが世話係に任命される。
遊戯のデッキから先程デュエルを繰り広げたブラック・マジシャンとブラック・マジシャン・ガール……マハードとマナが出て来る。
遊戯は宝具を解除して最初のファラオの姿に戻り、真剣な表情を浮かべて遊馬とアストラルと向かい合う。
「遊馬、アストラル。オレがこの世界に召喚されたのはある存在を追ってきた」
伝説のデュエリストで名もなきファラオと呼ばれている遊戯が異世界であるこの特異点にわざわざ来たと言うことはとんでもない異常事態が起きていることは間違いない。
遊馬は夢で出会った少年騎士が言っていた魔術王に匹敵する『凶悪な敵』と関係があるのではないかと考える。
側にいるマハードとマナは重い表情を浮かべ、遊戯はその名を静かに告げた。
「大邪神ゾーク・ネクロファデス」
それは遊戯……アテムにとって因縁のある宿敵である。
世界を闇に包むことを目論む……冥界を統べる大邪神。
その邪悪なる影がこの世界の何処かに眠っている……。
.
如何でしたでしょうか、遊馬&アストラルと遊戯のデュエル。
自分なりに色々考えてみましたが、やはり難しいです。
ライトニングでよくね?と思うかもしれませんが、流石にそれは遊馬らしくないのでホープだけで戦わせました。
ライフポイント4000でライトニングはやばすぎですよ。
大邪神ゾーク・ネクロファデス……遊戯王のラスボスで元凶の存在がこの特異点に忍び寄っています