Fate/Zexal Order   作:鳳凰白蓮

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今回も遊戯無双が始まります!
ここまで来ると敵が可哀想になります。


ナンバーズ183 神滅の竜騎士と竜破壊の剣士

遊戯がアヌビスとの決着をつけ、すぐに山の民が住む村へと向かった。

 

かっとび遊馬号で山の麓まで飛び、そこからサリアの案内で故郷である東の村まで歩いていく。

 

すると、アストラルがサーヴァントの気配を感じ取り、全員が警戒すると黒い影が現れた。

 

「我らの村に何用だ、異邦人」

 

現れたのは白い髑髏の仮面に黒いマント、黒い布で覆われた棒のような右手と不気味な外見をしたサーヴァントだった。

 

すると、そのサーヴァントはアルトリアとエミヤを見て驚きの声を上げた。

 

「貴様らはセイバーにアーチャーだと……!?何故この村に踏み入れた、何が目的だ……!?」

 

そのサーヴァントの登場にアルトリアとエミヤが前に出て戦闘態勢を取る。

 

「マスター!お下がり下さい!このサーヴァントは危険です!」

 

「呪腕のハサン!第五次聖杯戦争で間桐臓硯が召喚したサーヴァントだ!奴と臓硯によって桜が闇に堕ち、冬木は地獄と化したことがある!」

 

呪腕のハサン。

 

イスラム教の伝承に残る暗殺教団の教主「山の翁」の一人。

 

第五次聖杯戦争で特にパールヴァティー……間桐桜と因縁がある。

 

「なっ!?臓硯が召喚したサーヴァントで、パールヴァティーが闇に……!?」

 

アルトリアとエミヤの言葉に驚愕し、緊張感が一気に高まってサーヴァント達が次々と戦闘態勢を取り、呪腕のハサンも投擲剣を構えていると……。

 

「久しぶり、ドクロのおじちゃん!」

 

空気をぶち壊すようにルシュドが前に出て元気よく挨拶をすると呪腕のハサンは凍りつくように固まった。

 

「ル、ルシュド!?」

 

「ハナム!お願い、皆さんの話を聞いて!」

 

「サリア!?」

 

ルシュドに続いてサリアが出てくると呪腕のハサンの纏う魔力が一気に収まり、投擲剣を消した。

 

「二人共、どうして彼らと……!?」

 

「ハナム、私達は聖都で騎士達に殺されそうになったところを皆さんに助けてもらったのよ」

 

「天使様達は僕たちだけじゃなくて、たくさんの人を助けてくれたんだよ!」

 

「そうか……二人共、無事で本当に良かった……」

 

「お願い、ハナム。皆さんを村に入れて、話を聞いてあげて……」

 

「おじちゃん、お願い!」

 

「……二人にそう頼まれては、断れるわけがない」

 

呪腕のハサンは仮面を被っているが、二人の願いに少し困ったように苦笑を浮かべているように見えた。

 

呪腕のハサンは投擲剣を消し、静かに近づいて軽く頭を下げた。

 

「私の知人の命を救ってもらい、感謝する。セイバー、アーチャーよ。第五次聖杯戦争の事で思うところはあるだろうが、今は互いに刃を収めよう」

 

「……シロウ」

 

「……ああ」

 

呪腕のハサンから殺気は完全に無くなり、アルトリアとシロウはその言葉に従って刃を収めた。

 

ルシュドとサリアが呪腕のハサンを慕い、また呪腕のハサンもルシュドとサリアの事を大切に想っているその姿から信じるに値すると感じた。

 

「話は終わったようだな。良かった良かった!」

 

岩陰に隠れて出てきたのは深紅の弓を持ち、褐色の肌と生気に満ちた瞳が特徴の男だった。

 

「アーラシュ殿……」

 

「おっ、お前達が聖都で難民達を救出してくれた勇者達だな?会いたかったぜ!」

 

アーラシュ。

 

古代ペルシャにおける伝説の大英雄。

 

戦争を終わらせる為に究極の一矢を放ち、「国境」を作ったとされる救世の勇者である。

 

「アーラシュだと!?」

 

「もの凄いビッグネームのアーチャーが来たわね……」

 

西アジアにおいてはアーチャークラス最高峰のサーヴァントに同じアーチャークラスであるエミヤとクロエは戦慄する。

 

「客人達よ、我らが村に案内する」

 

呪腕のハサンに目的地である東の村へ案内してもらう。

 

東の村……山の民の隠れ里、そこは山岳地帯から全く見えないが立派な村があった。

 

山の地形を利用して作られているので土地勘がなければ簡単には辿り着けないようになっていた。

 

早速遊馬達は自分たちの目的を呪腕のハサンとアーラシュに説明する。

 

「ほう、獅子王と対決する為に仲間を集めていると?」

 

「ちなみにそちらの戦力は……これだけじゃ無さそうだな」

 

「やろうと思えば百戦錬磨のサーヴァントがまだまだたくさんいるし、俺とアストラルと遊戯さんでサーヴァント以上のモンスターを繰り出せるぜ」

 

「こちらとしては一人でも多くのサーヴァントが仲間になってくれると心強い。獅子王の力は未知数だからな。もちろん、君たちが守っている民の生活や安全に協力する」

 

遊馬とアストラルは呪腕のハサンとアーラシュと協力関係を結ぶ為に交渉を重ねる。

 

「こちらとしても戦力は欲しいところだが、貴殿達を容易く迎え入れる訳にはいかぬ。叛逆者と言えど、円卓が二人もいるなら尚更よ」

 

円卓が二人……それはベディヴィエールともう一人、マシュを意味していた。

 

呪腕のハサンはマシュが円卓の騎士のデミ・サーヴァントだと気付いていたのだ。

 

「呪腕のハサンよ、その円卓の王である私の言葉を信じられないか?かつて、あの聖杯戦争で黒に染まった私と共に戦った同僚として……」

 

「そ、それは……」

 

アルトリアは第五次聖杯戦争の辛い戦いを思い出しながら呪腕のハサンを説得するが、呪腕のハサンは暗殺教団のトップでもあるのでそう簡単に返事を出すことが出来ない。

 

「わかりました……では、桜を呼びましょうか。桜があなたをフルボッコにしてもらい、無理矢理納得してもらいましょうか」

 

アルトリアは冷たい笑みを浮かべてまるで死刑宣告のような言葉に呪腕のハサンは驚愕と共に大いに焦った。

 

「なっ!?ま、待つのだ!そんな事になったら私だけでなく村のみんなが……わ、分かった!承知した!協力しよう!」

 

突然協力を了承した呪腕のハサンに遊馬達はキョトンとして首を傾げた。

 

桜……パールヴァティーが来たらどうなるのか……呪腕のハサンはあまりの恐ろしさで一瞬体が震えた。

 

「ゴ、ゴホン……その、協力を結ぶ事になり、早速申し訳ないが……マスター殿よ、力を貸してもらいたい」

 

「力を?何だ?」

 

「実は……この世界には私以外に歴代のハサンが召喚されている。そのうちの一人が敵に捕らわれているのです」

 

「捕らわれている?」

 

この特異点には呪腕のハサンのみならず、歴代の山の翁である「ハサン・サッバーハ」が召喚されており、この東の村以外の生き残った村の指導者となっている。

 

何人かは既に円卓の騎士達によって倒されてしまい、残ったハサンも少なくなった中で一人のハサンが円卓の騎士によって捕まってしまったのだ。

 

他のハサンなら捕まった時点で情報を漏らさないように自ら命を絶っていただろうが、その捕まったハサンは年が若く、自分で自分を殺せない厄介な体質を持っている。

 

救い出さなければいずれ情報を漏らすかもしれない危険があるのだ。

 

「分かった!そのハサンをすぐに救出に行こう!」

 

遊馬は即決でハサン救出を決めた。

 

みんなもハサン救出に賛成し、すぐに行動に移す事になった。

 

「おお、ありがたい」

 

「それで、そのハサンの真名は?」

 

「真名はもちろん『ハサン・サッバーハ』。あやつは『静謐』と呼ばれている」

 

「静謐?ってことは……『静謐のハサン』って事だな。それで、その静謐のハサンはどこに捕まってるんだ?」

 

「静謐は西の村の近くにある砦に捕まっています。西の村には百貌のハサンがおります」

 

「百貌のハサンがいるのか!?」

 

西の村にはカルデアから召喚されていた百貌のハサンが滞在しており、やっと再会出来ると知り、遊馬達も一安心する。

 

遊馬達は西の村にいる百貌のハサンと合流してから静謐のハサン救出に向かおうとしたその時、空に暗雲が広がった。

 

暗雲の中から闇のカードが現れ、無数の光が飛び出した。

 

無数の光はドラゴンとなり、空を覆い尽くすほどの数だった。

 

これだけでも恐ろしい光景だが、更に強大な力が目を覚ます。

 

今度は五つの光が一つに合わさると巨大な影となり、見たことのないドラゴンが現れた。

 

それは五つの首を持つ巨竜で、その五つの首はどれも形も性質の異なっていた。

 

そのドラゴンに遊戯だけでなく遊馬とアストラルも知っており、衝撃を受けた。

 

「「「『F・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)』!?」」」

 

F・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)

 

デュエルモンスターズで最強の攻撃力5000を持つ超大型モンスター。

 

五つの首にはそれぞれ『地』『水』『炎』『風』『闇』の属性を秘めており、同じ属性のモンスターとの戦闘では破壊されない能力を持つ。

 

「今度はBIG5か……アヌビスとは違った意味での因縁だな!」

 

BIG5。

 

海馬コーポレーションの重鎮の5人の幹部だったが、社長である海馬瀬人を裏切って海馬コーポレーションを乗っ取ろうとしていた。

 

遊戯とは何度も戦った相手でもあるが、BIG5は普通の人間なのでアヌビスの時とは違ってその魂はここには存在しないようだ。

 

「遊馬、オレに任せろ。ドラゴン対策ならとっておきのカードがある。『伝説の決闘者』!!」

 

遊戯は『伝説の決闘者』を発動し、ドラゴン対策のカードを豊富に入れたデッキを構築した。

 

「オレのターン、ドロー!魔法カード『竜破壊の証』!デッキから『バスター・ブレイダー』を手札に加える!そして『竜魔導の守護者』を召喚!」

 

遊戯の前に槍を持った空色の竜人が現れた。

 

「『竜魔導の守護者』の効果!このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、手札を1枚捨て、デッキから「融合」通常魔法カードまたは「フュージョン」通常魔法カード1枚を手札に加える!オレはデッキから『融合』を手札に加える!」

 

『竜魔導の守護者』は融合召喚を繋ぐ力を持つ強力なモンスターなのだ。

 

「魔法カード『トレード・イン』!手札からレベル8モンスターを1体捨てて、デッキから2枚ドローする!オレは……『青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイトドラゴン)』を捨てて2枚ドロー!」

 

『青眼の白龍』

 

世界に4枚しか存在しないとされている幻の超レアカードである。

 

「『青眼の白龍』!?『真紅眼の紅竜』と並ぶ伝説のドラゴン!?」

 

「そのモンスターは遊戯さんのライバル……海馬瀬人のカードのはずだが……」

 

「『青眼の白龍』は確かに海馬のカードだ。だが、何度かその力を使ったことがある」

 

遊戯はライバルである海馬瀬人のエースモンスター『青眼の白龍』の力を借りて何度かデュエルを行ったことがある。

 

遊戯の宝具『伝説の決闘王』は過去に『一度』でもデュエルで使用したことのあるカードを使うことが出来るので『青眼の白龍』も使えるのだ。

 

「よし、魔法カード『竜の霊廟』!デッキからドラゴン族モンスター1体を墓地へ送る。この効果で墓地へ送られたモンスターがドラゴン族の通常モンスターだった場合、更にデッキからドラゴン族モンスター1体を墓地へ送る事が出来る!オレはブルーアイズを墓地に送り、更にもう1枚のブルーアイズを墓地に送る!」

 

『青眼の白龍』は通常モンスターなのでデッキに眠る2枚の『青眼の白龍』を墓地に送る。

 

「『竜魔道の守護者』のもう一つの効果!EXデッキの融合モンスター1体を相手に見せ、そのモンスターにカード名が記されている融合素材モンスター1体を自分の墓地から選んで裏側守備表示で特殊召喚する。オレは『超魔導剣士 - ブラック・パラディン』を見せて墓地から『バスター・ブレイダー』を裏側守備表示で特殊召喚!」

 

『竜魔導の守護者』は槍を振るって地面に突き刺すと、魔法陣が現れて中から裏側守備のカードが現れる。

 

『バスター・ブレイダー』

 

遊戯が強力な力を持つドラゴン族の対策として所有しているモンスター。

 

『竜破壊の剣士』の異名を持ち、数多のドラゴンを破壊してきた歴戦の戦士である。

 

しかし、裏側守備表示なのでまだ戦いに加わることは出来ないが、遊戯の展開はまだ終わらない。

 

「行くぜ、魔法カード『龍の鏡(ドラゴンズ・ミラー)』!自分のフィールド・墓地からドラゴン族の融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを除外し、その融合モンスター1体を融合召喚する!」

 

巨大な鏡が現れ、中に無数のドラゴンの幻影が浮かび上がる。

 

「オレは墓地に眠る3体のブルーアイズを除外して融合!」

 

3体の『青眼の白龍』を融合素材にするという豪華かつ豪快な融合モンスター。

 

「出でよ!海馬デッキ最強の僕!」

 

それは海馬瀬人の持つ最強のモンスター。

 

墓地から3体の『青眼の白龍』が現れて飛び交い、一つに交わる。

 

そして、純白の閃光を放ちながら究極のドラゴンが誕生する。

 

「『青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)』!!!」

 

現れたのは額に刻印が刻まれた三つの首を持つ巨大な白き竜。

 

デュエルモンスターズ界最強クラスのドラゴンで神をも凌駕する力を秘めている。

 

遊馬とアストラルは超銀河眼の光子龍や超銀河眼の時空龍と同等の力の波動を感じ取り、興奮や畏れから体の震えが止まらなかった。

 

これだけでは『F・G・D』には一歩届かないが、遊戯の手札には最強のモンスターを呼び出す準備は整っている。

 

「魔法カード『融合』!『青眼の究極竜』と手札の『カオス・ソルジャー』を究極融合召喚!!」

 

フィールドの『青眼の究極竜』と手札にある『カオス・ソルジャー』を融合素材にし、『F・G・D』と並ぶ最強のモンスターを呼び出す。

 

「最強の竜と戦士、揃いし時……邪悪なる神は滅びる!海馬、行くぞ!!」

 

遊戯の隣に白のロングコートを羽織り、デュエルディスクを左手首に装着し、少し不機嫌そうな表情を浮かべた長身の男の幻影が一瞬だけ現れた。

 

海馬瀬人。

 

遊戯の永遠のライバルで本来ならば協力することがあまり無い二人の結束によって生まれた最強のモンスターが現れる。

 

「現れろ!『究極竜騎士(マスター・オブ・ドラゴンナイト)』!!」

 

現れたのは『カオス・ソルジャー』が『青眼の究極竜』の背に乗ったモンスターで、その攻撃力は『F・G・D』と同じ5000の超大型モンスターである。

 

「『究極竜騎士』の効果はこのカード以外の自分フィールドのドラゴン族×500の攻撃力がアップする。今オレのフィールドにはドラゴン族の『竜魔導の守護者』がいる。よって、『究極竜騎士』の攻撃力は5500!」

 

『竜魔導の守護者』の力を受け取り、『究極竜騎士』の攻撃力が『F・G・D』を上回る。

 

「行け!『究極竜騎士』の攻撃!ギャラクシー・クラッシャー!!」

 

『青眼の究極竜』の竜の三つ首の口から同時にドラゴンブレスが放たれ、それに合わせて『カオス・ソルジャー』も剣からビームを放ち、二つの力を一つに合わせた特大のビームを『F・G・D』や沢山のドラゴンに喰らわせる。

 

「やはり……アヌビスのスフィンクス達と同じようにそう簡単には破壊できないか」

 

『F・G・D』に対抗する切り札として『究極竜騎士』を呼び出したが、どうやらそれだけでは勝てそうになかった。

 

そんな中、遊戯はある一つの可能性を抱いていた。

 

それは遊戯のいた時代ではまだ存在しなかった特別なモンスターカードと召喚法。

 

それを知ることが出来たのは『破滅の未来』を阻止するために『未来』から来た一人のデュエリストの力である。

 

本来ならば自分が存在しない未来の力を使うことは出来ない。

 

しかし、今の遊戯は『英霊』であり、『サーヴァント』である。

 

デュエルモンスターズの無限大の可能性に賭けて、遊戯はドローする。

 

「オレの……ターン、ドロー!!」

 

ドローしたカード……そこから純白の輝きが放たれ、遊戯に新たな『進化の可能性』を齎した。

 

「来たぜ、遊星!チューナーモンスター『破壊剣士の伴竜』を召喚!」

 

遊戯の前に小さく可愛らしい白い竜が現れた。

 

チューナーモンスター。

 

それは融合、エクシーズ、儀式とは異なる新たなモンスターを呼び出す為に必要な『調律師』の力を持つモンスター。

 

「『破壊剣士の伴竜』の効果!このカードが召喚に成功した時、デッキからこのカード以外の『破壊剣』カードを手札に加える。更に『バスター・ブレイダー』を反転召喚!」

 

デッキから新たなカードを手札に加え、裏守備表示だった『バスター・ブレイダー』が表側攻撃表示となり、その姿が現れる。

 

「そして、レベル7の『バスター・ブレイダー』にレベル1の『破壊剣士の伴竜』をチューニング!!」

 

『バスター・ブレイダー』がジャンプし、それに続いた『破壊剣士の伴竜』が緑色の光の輪になり、『バスター・ブレイダー』の体を囲んだ。

 

「剣士に伴う小さき竜が竜破壊を導く大いなる力となる、光さす道となれ!シンクロ召喚!」

 

すると、『バスター・ブレイダー』の体が消えて代わりに七つの小さな星が現れて一直線に並び、光の柱が天を貫く。

 

「現れろ!『破戒蛮竜 - バスター・ドラゴン』!!」

 

光の柱から現れたのは『破壊剣士の伴竜』が成長し、大きな白き蛮竜となったモンスターだった。

 

シンクロ召喚。

 

それは進化の力が込められた純白のエクストラモンスターカードであり、遊馬とアストラルも知らない未知なる召喚法である。

 

「チューナーモンスターにシンクロ召喚!?」

 

「私たちの知らない未知なる召喚法……そうか、エクシーズが同じレベルのモンスターを重ねて召喚するのに対し、シンクロはチューナーモンスターとそれ以外のモンスターのレベルを合わせて召喚するのか!」

 

アストラルはシンクロ召喚の特性にすぐに気付いた。

 

遊戯は初めてのシンクロ召喚に成功し、内心喜びながらも気を引き締めて『バスター・ドラゴン』の効果を発動する。

 

「『破戒蛮竜 - バスター・ドラゴン』の効果!このカードが存在する限り、相手フィールドのモンスターは全てドラゴン族になる!」

 

『ギャオオオオオーン!!!』

 

『バスター・ドラゴン』の咆哮により、相手フィールドの全てのモンスターの種族がドラゴン族へと強制的に変更された。

 

デュエルモンスターズには見た目と種族が異なる所謂『種族詐欺』がよくあるので、これで相手フィールドのモンスターが全てドラゴン族だと言うことが確定した。

 

「更に『バスター・ドラゴン』は自分フィールドに『バスター・ブレイダー』モンスターが存在しない場合、墓地から『バスター・ブレイダー』を特殊召喚する!再び蘇れ!『バスター・ブレイダー』!!」

 

今度は表側攻撃表示で『バスター・ブレイダー』が墓地から蘇り、竜破壊の剣を構える。

 

『バスター・ドラゴン』は『バスター・ブレイダー』と共に戦う蛮竜であり、『バスター・ブレイダー』の力を最大限に引き出す効果を持っている。

 

『バスター・ブレイダー』の攻撃力は相手フィールド・墓地のドラゴン族×500アップする。

 

今、相手フィールドには『F・G・D』を含めて数え切れないほどのドラゴン族モンスターが存在し、『バスター・ブレイダー』はかつて無いほどの竜破壊の力を高めていく。

 

「バトルだ、行け!『究極竜騎士』!ギャラクシー・クラッシャー!!」

 

『究極竜騎士』の攻撃により『F・G・D』に大ダメージが与えられる。

 

「『バスター・ブレイダー』!破壊剣一閃!!」

 

その直後に『バスター・ブレイダー』が一瞬で『F・G・D』の懐に潜り込み、竜破壊の剣による斬撃が炸裂し、『F・G・D』の五つの首を斬り落とした。

 

あっけなく『F・G・D』を倒してしまい、遊戯は一瞬拍子抜けしてしまったが、首を斬り落とされた『F・G・D』の胴体がボコボコと気味悪く蠢くと、中から何と屍の巨竜が現れた。

 

「あれは……『バーサーク・デッド・ドラゴン』!?」

 

『バーサーク・デッド・ドラゴン』はBIG5のもう一つの切り札のモンスターであり、その強力な効果に遊戯も打つ手がなく一度は敗北で諦めてしまうほどだった。

 

ちなみに『バーサーク・デッド・ドラゴン』はドラゴンの名を持つがアンデット族である。

 

しかし、『バスター・ドラゴン』の効果で『バーサーク・デッド・ドラゴン』はアンデット族からドラゴン族となる。

 

「まだだ……まだ、オレのバトルフェイズは終了していないぜ!」

 

遊戯の手札には『破壊剣士の伴竜』の効果で手札に加えたカードがあった。

 

「『バスター・ブレイダー』のバトルが終わったこの瞬間、手札から速攻魔法『破壊剣士融合』!自分の手札及び自分・相手フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、『バスター・ブレイダー』を融合素材とする融合モンスターを融合召喚する!」

 

それは『バスター・ブレイダー』専用の融合カードで速攻魔法なのでバトルフェイズ中でも発動が出来る。

 

「オレはフィールドの『バスター・ブレイダー』とドラゴン族モンスター『竜魔導の守護者』を融合!!」

 

『バスター・ブレイダー』と『竜魔導の守護者』が一つに交わる。

 

「剣士と竜、二つの力を一つに合わせ、全ての竜を破壊する最強の竜破壊の剣士が目覚める!融合召喚!」

 

本来ならば『バスター・ブレイダー』が破壊するはずのドラゴンの力を取り込み、竜破壊の力を極限までに高めた最強の剣士が現れる。

 

「現れろ!『竜破壊の剣士 - バスター・ブレイダー』!!」

 

現れたのは藍色の鎧の一部が純白に輝き、ドラゴンの力が込められた破壊剣を持つ、全てのドラゴンを破壊する最強の竜破壊剣士。

 

「『竜破壊の剣士 - バスター・ブレイダー』の攻撃力・守備力は、相手のフィールド・墓地のドラゴン族モンスターの数×1000アップする!」

 

『バスター・ブレイダー』の攻撃力アップ効果が進化し、その力が極限まで高められる。

 

「更に!『竜破壊の剣士 - バスター・ブレイダー』がフィールドに存在する限り、相手フィールドのドラゴン族モンスターは守備表示になり、相手はドラゴン族モンスターの効果を発動出来ない!全てのドラゴンよ!バスター・ブレイダーの前に跪け!!バスター・プレッシャー!!」

 

『竜破壊の剣士 - バスター・ブレイダー』は剣を地面に突き刺すと無数の電撃が放出され、相手フィールドの全てのドラゴンに直撃し、全ての力を失って地に倒れていく。

 

「『竜破壊の剣士 - バスター・ブレイダー』の攻撃!!」

 

『竜破壊の剣士 - バスター・ブレイダー』の全身から電撃のような閃光が迸り、両手で破壊剣を持って肩に担ぐ構えをしたその瞬間に遊戯の前から姿を消した。

 

「真・破壊剣一閃!!!」

 

電撃の如く目にも止まらぬスピードで動き、次の瞬間には『バーサーク・デッド・ドラゴン』を一瞬で叩き切って体をバラバラに切り裂いた。

 

しかし、それだけでは止まらず、地に伏せている無数のドラゴンを次々と切り裂いていく。

 

強大な力の象徴であるドラゴンがいとも簡単に倒されていく。

 

それは『バスター・ブレイダー』の異名である『竜破壊の剣士』の名に相応しい働きだった。

 

わずか一分で全てのドラゴンを倒し、『竜破壊の剣士 - バスター・ブレイダー』は遊戯の前に戻った。

 

「よくやった、『バスター・ブレイダー』!」

 

遊戯は勝利を収めた『竜破壊の剣士 - バスター・ブレイダー』を褒め、ドラゴン達を生み出した闇のカードは静かに消滅した。

 

「すげぇ……」

 

遊馬は目の前の光景に唖然とした。

 

伝説や幻のモンスターカードを巧みに操り、次々と現れる強力なモンスター達。

 

遊馬とアストラルも知らない未知なる召喚法。

 

強大な力を持つ敵モンスターを倒した圧倒的すぎる遊戯とモンスター達との絆の力。

 

遊馬は唇を噛み締め、手を強く握りしめた。

 

「届かねえな……高すぎるぜ……」

 

まるで天を貫くように聳え立つ巨大な山のような遊戯の大き過ぎる存在感。

 

登っても、昇っても……届かないほどの遊戯の遥かなる高みに遊馬は自分の小ささを感じてしまうのだった。

 

「遊馬?」

 

「遊馬君、どうしました?」

 

遊馬の様子がおかしいと気付いたアストラルとマシュに話しかけられ、遊馬は慌てて気を取り戻す。

 

「あ、いや、何でもない!よし、早く助けに行こうぜ!」

 

ドラゴン達がいなくなったので遊馬達は急いで静謐のハサンの救出の為に西の村へ急いだ。

 

 

 




ドラゴンキラーの究極竜騎士とバスター・ブレイダーで無双状態でしたね(笑)
伴竜とバスター・ドラゴンは5D'sの主人公、不動遊星との絆があるので使えるようになりました。

次回は静謐のハサンが登場です。
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