さて、先日募集したアンケートですが小鳥ちゃんがFate/Zexal Orderに参加することとなりました!
賛成は16票、反対は6票でした!
投票してくれた皆さん、ありがとうございます!
遊馬×小鳥前提ですが、やはりFate伝統?の正妻戦争や修羅場を書いていきたいと思います。
これは遊馬とアストラルのカルデアの一日である。
午前7時・起床。
遊馬はマイルームのベッドでイビキをかきながら豪快に寝ており、またアストラルは遊馬の上でフワフワと浮いて腕を組みながら寝ていた。
そこに毎朝遊馬とアストラルを起こしに来ているのがマシュだった。
マシュは可愛い寝顔をする遊馬を微笑んで見ながら起こす。
「遊馬君、朝ですよ、起きてください」
「んぁ?……ふわぁ、おはよう。マシュ……」
「おはようございます。ところで……またみたいですね」
マシュはベッドの近くの床を見ながら苦笑を浮かべ、遊馬も苦笑を浮かべる。
「ああ……またみたいだな。アストラル、解放してやってくれ」
「……分かった」
アストラルは目を覚まし、ジト目で床で転がっている人を睨みつけた。
「むー!むーっ!?」
「……清姫、君はいい加減にしたらどうだ?」
それは先日遊馬に召喚された清姫で口や体に鎖で巻かれて動きを完全に動けなくなっていた。
それはアストラルが発動した罠カードだった。
「相変わらずよく効くな……『デモンズ・チェーン』」
それは対象モンスターの効果を無効化し、攻撃を封じる強力なモンスター封じの罠カード、デモンズ・チェーンだった。
何故デモンズ・チェーンで清姫を封じているのかと言うと、それは遊馬の貞操を守るためだった。
清姫は遊馬に心底惚れており、夜這いをかけようとしていた。
その前にエリザベートに清姫は危ないから気をつけろとアストラルに忠告していた。
その忠告通り、清姫は深夜に遊馬の部屋に忍び込んで夜這いをかけようとしたがアストラルはセットしておいたデモンズ・チェーンを発動して清姫を動けなくして遊馬の貞操を守った。
それが数日連続で続き、アストラルも呆れ果てていた。
「うぅ……アストラルさん、どうして邪魔するんですか?」
「当たり前だ。寧ろ邪魔しない方がありえない」
清姫とアストラルは互いを強く睨みつけて火花を散らせる。
一方は遊馬と添い遂げたい、もう一方は遊馬の貞操を頑固として守る……遊馬を想う相反する二人が反発しているのだった。
「あはは……清姫、朝飯食いに行こうぜ?」
「はい!是非っ!」
清姫はすぐに元気になり、遊馬の腕に抱きついて一緒に食堂へ向かう。
「いつもお疲れ様です、アストラルさん」
「ふっ、遊馬を清姫に渡すつもりはないからな」
「まるで娘のお付き合いを許可しないお父さんみたいですね……」
マシュとアストラルは遊馬と清姫の後を追い、食堂へ向かう。
☆
午前7時15分・朝食。
カルデアの食事はエミヤが担当しており、エミヤの作った料理を遊馬たちはいつも美味しそうに食べている。
ちなみにいつも大量の食事を食べているアルトリアはカルデアの食糧確保の為に何故か釣りが好きなクー・フーリンを連れて共にフランスにレイシフトを行い、ダ・ヴィンチ特製の収納袋を手に作物や野生動物や魚などの食糧を大量に確保している。
「うぉおおおっ!シロウのご飯のために!」
「よっしゃあ!釣りまくるぜ!魚ぁっ!!」
これでなんとかカルデアの食糧危機を回避しているのだった。
☆
午前8時・勉強会。
食事の後に一休みをした遊馬は勉強会を受けていた。
教師はマシュとオルガマリーの二人で遊馬の中学生レベルの基本的な教養、そして魔術やサーヴァントの基礎知識を教える。
そして、この勉強会では遊馬は珍しく真剣に勉強をしていた。
勉強が苦手な遊馬はハートランド学園でいつも授業で寝ており、最初の勉強会で睡魔に襲われて寝かけたら……。
「この私自ら勉強を教えているのに寝るとはいい度胸ね……?遊馬ぁっ!!」
「は、はいっ!!??」
オルガマリーの激昂が轟き、姉・九十九明里を彷彿とさせる恐ろしさに遊馬に強いトラウマを与えて真面目に勉強するようになった。
オルガマリーは遊馬に教えるのに苦労すると思われたが、意外にも遊馬は理解力があり、次々と知識を蓄えていった。
それもそのはず、遊馬の父・九十九一馬は冒険家であると同時に大学の教授をしており、更には百年に一人の天才と言われるDr.フェイカーも唸らせるほどの知識と発想力を持つ学者でもあり、その息子である遊馬にもなんだかんだで素質があるのだった。
つまりやる気さえあればできる子だった。
そんな遊馬に休憩を挟みながらみっちり勉強を教え、午前中が終わる。
☆
午後0時・昼食。
約4時間の濃厚な勉強会を終えた遊馬は口から魂が抜けかけながら食堂へ向かい、エミヤ特製の昼食を頂く。
軽く死にかけていたが美味しそうな昼食を見た瞬間元気になり、モリモリと食べていく。
☆
午後1時・鍛錬。
午後からは体力などを鍛えるトレーニングを行うのだが、遊馬にはあまり必要がなかった。
遊馬は幼い頃から冒険家の父に世界中の色々な場所に連れられ、時には断崖絶壁の山を小学生で一緒に崖登りをした事もあり、体育の時間では無理難題なチャレンジを繰り返して来たので身体能力は中学生レベルを大幅に超えていた。
あまり下手に鍛えると成長期の遊馬の体が壊れる可能性があるので遊馬の自主トレに任せた。
ある日、遊馬はトレーニングルームで激しい攻防をしているサーヴァント達の光景を目の当たりにした。
サーヴァント……英霊は歴史に名を残した英雄や偉人であるが、時代が古ければ古いほどその英霊は武人であることが多い。
その代表格が騎士王のアルトリアやケルトのクー・フーリンなどが挙げられ、時代を超えた奇跡の出会いという事もあって武人のサーヴァント達は己の武を磨き、伝説の英雄と手合わせをする為にと互いに武器である宝具を振るって模擬戦をする。
男の子である遊馬はサーヴァント同士の激しい模擬戦に目を輝かせた。
「すっげー!俺もみんなみたいにビュンって宝具を出して戦えたらーー」
そう思ってパッと両手を広げた次の瞬間、遊馬の手に二振りの剣が現れた。
「……え?」
「何……?」
二振りの剣は遊馬が柄を握ってないのでそのまま床に落ち、刃が床に突き刺さった。
片刃で唾がない代わりに刀身に円形の穴が空いているシンプルだが少し不思議な形をした双剣……それは遊馬にとって見慣れたものでもあった。
「未来皇ホープの双剣……?」
それは遊馬が生み出した未来皇ホープが両手に持つ双剣そのものであり、サーヴァント達は遊馬が双剣を出現させたことに目を見開くほど驚いた。
遊馬は恐る恐るその双剣を持ち上げるとまるでずっと前から持っていたかのように手に吸い付き、とても軽く感じられた。
「まさか……遊馬が英霊と契約を結んだことで遊馬自身に何か影響を……?」
アストラルは遊馬が英霊と契約を結び、不可視な強い絆で結ばれたことで遊馬自身に大きな影響を与えているのではないかと推測した。
するとそこに赤い影が遊馬に近づく。
「ほぅ……流石は無限の可能性を持つマスターだ」
「エミヤ!」
「マスター、良かったら私が双剣の使い方を教えてやろう。英霊の中で双剣……二刀流を操れるのは私だけだからな」
エミヤは干将・莫耶を投影して両手に構える。
確かにカルデアにいるサーヴァントで双剣……二刀流を扱えるのはエミヤしかいない。
これからの戦い、遊馬がモンスターを召喚する前に真っ先に敵に狙われる可能性が十分にある。
護身術として学ぶ為にエミヤに師事を請う。
「よっし!頼むぜ、エミヤ!」
「手加減はせぬぞ。来たまえ、マスター!」
遊馬はエミヤから二刀流の使い方を学び、他には徒手空拳をマルタから学び、その後はアルトリア達が手合わせをして護身術としての技術がグングン上がっていく。
伝説の英雄から武術の師事を得て遊馬はデュエリストだけでなくリアルバトルを行うリアリストとしての道も開けたのだった。
☆
午後4時・手伝い。
鍛錬の後、遊馬とアストラルはダ・ヴィンチの工房に向かった。
ダ・ヴィンチは新しい発明を日夜行い、特に皇の鍵の飛行船を調べてからインスピレーションを得て色々な発明をしていく。
その発明は主に遊馬が特異点で使う為に利用するので遊馬は進んでダ・ヴィンチの手伝いを行い、試作品の試運転と調整をする。
☆
午後6時・夕食。
勉強会と鍛錬と手伝いを終え、ヘトヘトになった遊馬はアルトリアとジャンヌと共にモキュモキュとエミヤ特製の夕食を食べる。
しかし、成長期と大食い二人にやはりカルデアの食糧がジワジワと減っているのでアルトリアは再びレイシフトをして食糧確保に向かうことになるのだった。
☆
午後7時・自由時間。
一日の遊馬のやるべきことが終わり、後は忙しい遊馬の心を穏やかにするための自由時間となる。
「よし!レティシア、デュエルだ!」
「ええ!今日こそは勝つわよ!」
夕食を終えたその後にそのまま食堂でデュエルをする。
遊馬の世界で発展しているデュエルモンスターズを知ろうとサーヴァントだけでなくカルデアの職人も共に見ている。
デュエリストを目指すレティシアがルールなどを覚えるために遊馬とアストラルが持つカードを使い、デッキを半分にしたハーフデッキで簡易的なデュエルをする。
ただのカードゲームと思ったら侮るなかれと言わんばかりにデュエルモンスターズのルールは単純そうで実は複雑……一朝一夕で覚えるものではないので一緒にやりながら遊馬とアストラルが教えていく。
デュエルだけでなくデッキ構築やカードの組み合わせやコンボを考えるだけでも時間はあっという間に過ぎていく。
☆
午後9時・トークタイム。
自由時間を終えると遊馬はサーヴァント達と話をする。
サーヴァント達と絆を深めるためのトークタイムだ。
カルデアに召喚されたサーヴァント達の大半は遊馬をマスターとして、遊馬よりも年上のサーヴァントからは可愛い弟分として、そして……一部の女性サーヴァントからは想い人として慕われている。
しかし、特異点の戦いで敵であった者や生前に起きた事柄から遊馬に心を開いていないサーヴァントも少なからずいる。
現状で遊馬にまだ心を開いてないのはカーミラとシャルルだった。
遊馬はカーミラとシャルルの生前の出来事を調べ、それを全て受け入れながら二人それぞれと話し合う。
「カーミラ、歳を取るって別に悪いことじゃないと思うぜ?まあ、俺は男だから女の辛さはよく分からないけど……でも、俺の婆ちゃんは言ってた。人生を長く生きて歳を取って失ったものは沢山あるけど、同時に掛け替えのない大切なものが沢山できたから後悔は無いってさ。生きることは何かを得て失うことの繰り返しなんだよ。カーミラもさ、せっかくこうして召喚されたんだから自分にとって大切なものを見つけてみろよ、そうしたら考えが変わるかもしれないぜ」
カーミラには自分にとって大切なものを見つけて新しい価値観を見つけることを勧めた。
「シャルル。大切な人をその手にかけてしまったのは辛いよ。俺もさ、似たようなことを経験したからさ……でも、いつまでも俯いたままじゃダメだと思う。マリーは今カルデアにいるんだ。もう誰かに罰せられることはないけど、これからの戦いで何かが起こるか分からない。マリーはもうお前の事をとっくに許しているんだから、今度は裁くんじゃなくてマリーを守るためにその力を使えば良いじゃないか」
一方、シャルルには処刑人ではなく、マリーを守る一人の男として戦えばいいと諭した。
まだ二人は仲間として絆が芽生えてないが、遊馬の話を聞いて僅かに心が動いたのだった。
☆
午後11時・就寝。
トークタイムが終わり、シャワーを浴びて体を綺麗にし、ジャージを着る。
そのままベッドに横になるがやはりなかなか寝付けない。
家ではベッドや布団ではなくハンモックで寝ていたので近々ダ・ヴィンチに頼んでハンモックを作ってもらい、遊馬のマイルームに設置する予定だ。
遊馬は寝付けなくても勉強や鍛錬で疲れており、だんだん睡魔に襲われて眠りについた。
眠りについた遊馬を見たアストラルはまた清姫が侵入する事を想定してデモンズ・チェーンや色々な捕縛用の罠カードを取り出してマイルーム中に設置する。
アストラルも腕を組んで遊馬の上で浮きながら眠りにつき、遊馬とアストラルの一日が終わりを告げる。
そして、数時間後には相変わらずと言うか懲りない清姫がマイルームに侵入して遊馬に夜這いをかけようとするが、また罠に引っかかるのだった……。
☆
遊馬とアストラル、そしてサーヴァント達は穏やかな日々が続いていく。
しかしそんな日々も続かず、新たな特異点が発見される。
第二特異点……遊馬とアストラルとマシュの新たな戦いが始まる。
舞台は古代ローマ。
平和だったローマの地で過去のローマ皇帝達が敵として立ち塞がり、人類史焼却の黒幕が姿を現わす。
そして……。
「……遊馬」
カルデアに遊馬とアストラルに続く、もう一人の異世界の来訪者が現れるのだった。
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次回から第二章、第二特異点・永続狂気帝国セプテムです!
大人気、赤セイバーことネロ皇帝の登場です!
そして……遊戯王ヒロインで破格の扱いを受けていた彼女が参戦です!