Fate/Zexal Order   作:鳳凰白蓮

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今回はお盆休みでじっくり書くことが出来ました。

いよいよレフとの決戦が始まります。

そして、遊馬に新たなチート技が使えるようになります。

それから、活動報告を見た方もいると思いますが、驚くことにこの小説を一時期内容をパクられて投稿されていました。

単なるコピペをした後に加筆したものでしたが、すぐに運営に通報して今は既に削除されています。

とあるユーザーさんから教えてもらいましたがまさか私ごときの小説をパクられるとは思いもよらず、複雑な気分でした。


ナンバーズ28 人間の欲望の力、三大カオス・エクシーズ集結!

スペリオル・ドーラのみならず超巨大衛星兵器、ダイソン・スフィアを召喚した遊馬達は連合帝国に向かった。

 

当然と言うか予想通りと言うか、連合帝国は大混乱に陥っていた。

 

この時代から遥か未来の巨大兵器に連合軍の兵士たちはまともに軍を動かせずにいた。

 

スペリオル・ドーラを連合帝国首都から約10キロほど離れた場所に停止させ、車両から上に登ったエミヤは遠くを見つめる。

 

「エミヤ、どうだ?見えるかー?」

 

エミヤはスキルの鷹の目でスペリオル・ドーラから連合帝国首都の城を見ている。

 

「何とかな。今城を覗いているがやはり中までは……あ」

 

「何か見つけたのか!?」

 

「城から男が慌てて出てきてる。間違いない……カルデアで見た写真と同じ、レフ・ライノールだ!!」

 

遊馬もD・ゲイザーの望遠鏡モードで城を見るとそこには深緑色のスーツと帽子をかぶった紳士風の男……カルデアの裏切り者、レフ・ライノールだった。

 

「ようやく見つけたぜ、レフ……」

 

遊馬はレフが行ってきた悪行を思い出し、沸沸と静かに怒りを燃やしていた。

 

そこにカルデアから連絡があり、通信してきたのは……。

 

『遊馬、レフを見つけたのね』

 

「所長……ああ、見つけたぜ」

 

それは誰よりもレフを信頼して好意を寄せていたが、一度無残に爆弾で殺されたが遊馬とアストラルのゼアルの力で肉体を取り戻して復活したオルガマリーだった。

 

『遊馬、判断はあなたに任せる。だけど彼は……あの男はカルデアを裏切り、多くの人たちの命を奪った。それだけは分かってるわね?』

 

「分かってるさ。あいつを完膚なきまでに倒して、みんなの前に突き出して懺悔させるさ」

 

『その意気よ……それから、どんな事を言われても冷静でね』

 

「サンキュー、所長。それから、戦いが終わったらまたサーヴァントを呼び出すからさ。祝勝会と歓迎会の準備を頼むぜ」

 

『はいはい、分かったわ。頑張ってね』

 

「ああ!」

 

カルデアとの通信を切り、大きく深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。

 

そして、キリッと目を開いた遊馬たちはネロとマシュたちを見つめる。

 

「みんな、行くぜ。おそらくこれが長かった連合軍との最後の戦いだ。気合を入れて行くぞ!!」

 

「「「はいっ!」」」

 

「「「ええっ!」」」

 

「「「おうっ!」」」

 

遊馬たちは気合を入れ、連合軍との最後の戦いに挑む。

 

そして、事前に決めた作戦に従いそれぞれが行動に移す。

 

 

連合帝国首都の城にいた宮廷魔術師こと、カルデアの裏切り者……レフ・ライノールは予想外の事態に冷静さを失いつつあった。

 

「な、何なのだあれは!?カルデアやサーヴァントであんなものは……まさか、あの子供が出したというのか!?」

 

二体の巨大ナンバーズ、スペリオル・ドーラとダイソン・スフィアを遊馬が出現させた事に驚きを隠せなかった。

 

「ありえない……あんな子供が……何かの間違いだ。そうか、きっとあれは幻の類……」

 

あまりの状況に幻と信じたくなったのも束の間だった。

 

ドォン!!

 

「な、何だ!?」

 

ドガァアアアアアン!!!

 

爆音が響くと館に巨大な砲弾が直撃し、館が一気に半壊した。

 

それはスペリオル・ドーラに搭載している巨大砲の砲弾だった。

 

「ま、まさか、あの距離から撃ってきたのか!?」

 

ドォン!ドォン!!ドォン!!!

 

次々と巨大砲から砲弾が発射され、館だけでなく近くにいるレフを狙うように飛んできた。

 

「くっ、狙いは私か!?」

 

スペリオル・ドーラは自動狙撃でピンポイントでレフを狙っていた。

 

「おのれ、舐めた真似を!!」

 

レフは降り注ぐような砲弾の雨を魔術の障壁で防ごうとするが、今までの悪行を捌くかのような天空からの鉄槌が振り下ろされる。

 

ビュオオオオオオオオ……!

 

天から轟音が鳴り響き、レフは恐る恐る見上げた。

 

「ま、まさか……」

 

それはダイソン・スフィアの攻撃の予備動作であり、その機械のボディ全体に魔術師の持つ魔術回路のような無数の光が伸びる。

 

そして、中央の球体から無数の青白い光線が発射され、豪雨のようにレフに降り注いだ。

 

「ぐぉおおおおおおおっ!!??おのれぇええええええええっ!!!」

 

レフはこの世界の特異点……聖杯を取り出してスペリオル・ドーラとダイソン・スフィアの猛攻を防ぐための障壁を作り出す。

 

ただの砲弾と光線なら十分防げたかもしれないが、スペリオル・ドーラとダイソン・スフィアは世界を滅ぼすほどの力を秘めたナンバーズの一角、その攻撃は聖杯を使っているレフにすら大きな衝撃を与えている。

 

そこにゆっくりと歩きながら一団がレフに近づいた。

 

「どうだ、レフ?砲弾とレーザーの雨のお味は?」

 

それはレフにとって目障りな存在……遊馬たちだった。

 

「き、貴様らぁ……」

 

「連合軍の兵はここには来ないぜ。兵はスパルタクスと呂布が引きつけてくれている。お陰で侵入しやすかったぜ」

 

ダイソン・スフィアとスペリオル・ドーラがレフを攻撃している間にスパルタクスと呂布が城門近くで暴れて連合軍の兵を引きつけ、その隙に予め侵入経路を確保していた荊軻の案内で難なくここまで来たのだ。

 

城まで少し距離があったが、2体の大型モンスターに目が向いている隙にネロとサーヴァントたちを連れてかっとび遊馬号で一気に近づいたのだ。

 

「ようやく会えたな、レフ……」

 

「ふっ、ご丁寧にネロまで連れてきたか。都合がいい……ネロに絶望を与えるサーヴァントで消し去ってやる!!」

 

レフは聖杯を取り出して輝かせると、奥から一つの影が歩いてきた。

 

ゆっくりと歩みながら現れたのは煌びやかな装飾に身を包んだ赤い瞳が怪しく輝く巨躯の男性のサーヴァントだった。

 

その手には朱色の槍が握られており、恐らくランサークラスだった。

 

「勇ましき者よ。実に、勇ましい。それでこそ、当代のローマを統べる者である」

 

「なっ……!??」

 

その巨躯のサーヴァントはネロに向かって親しげに話しかけ、ネロは目を見開いて言葉を失っていた。

 

「お前がネロか。何と愛らしく、何と美しく、何と絢爛たることか。その細腕でローマを支えてみせたのも大いに頷ける。私はお前を愛しておるぞ」

 

「ま、ま、まさか……あなたは、始祖ロムルス!?」

 

「お、おい!始祖ロムルスって言えば、確かローマ帝国を作った王様じゃねえか!?」

 

ローマ帝国の父、ロムルス。

 

ネロの御先祖であり、ローマ建国の王である。

 

カエサルが言っていた『あの方』とはロムルスの事だったのだ。

 

ネロが……否、歴代ローマ皇帝が最も敬愛する存在であるロムルスが敵であることにショックを受けていた。

 

しかし、ネロは既に覚悟を決めており、心を奮い立たせながら原初の火を構える。

 

「例え、ローマ建国の王、始祖ロムルスが余の敵だろうと関係ない。余こそが、ローマ帝国第五代皇帝に他ならぬ!ローマを守るために、あなた様を倒す!!余の……大切な仲間と共に!!!」

 

ネロのローマ皇帝としての威風堂々とした様に続き、遊馬やマシュ達も戦闘態勢を取る。

 

「さあ、行け!ロムルス!奴らを……」

 

レフは聖杯を輝かせてロムルスに命令を下そうとしたその時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私はローマだ。そして、彼らもローマだ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロムルスは一瞬で振り返り、その手にある朱色の槍でレフを薙ぎ払った。

 

「ウゴァッ!?」

 

油断していたレフはまともにロムルスの一撃で薙ぎ払われ、城の残骸に激突した。

 

「「「えっ!!??」」」

 

「「「なっ!!??」」」

 

突然の事態に遊馬たちは目を疑った。

 

レフに召喚され、本来なら遊馬達の敵であるはずのロムルスがマスターであるレフを攻撃したのだ。

 

ロムルスは追撃でレフに近づいて攻撃しようとした。

 

「おのれ、やはり裏切ったか!!ならば消えろ!!!」

 

レフの右手から無数の触手が現れ、その触手の先端が刃物のように鋭くなり、一斉にロムルスの体を貫いた。

 

「うぐっ!?」

 

「始祖ロムルス!!?」

 

「やめろぉおおおおおっ!!!」

 

遊馬はホープ剣を呼び出して投げ飛ばし、ブーメランの要領で触手を切り裂いた。

 

倒れるロムルスを遊馬は受け止め、マシュは盾で警戒しながら前に出て、ネロは涙を浮かべながらロムルスに駆け寄る。

 

「始祖ロムルス、どうして……!?」

 

「我が愛しき子、ネロよ……最初はお前に立ち塞がる壁として戦うつもりだったが、その必要は無くなった……」

 

「えっ……?」

 

ロムルスはネロの涙をその逞しい指で拭い、優しく頭を撫でた。

 

「ネロ、お前は多くの友と共に試練を越えてきた……そして、見事私の想像を越えた立派なローマ皇帝となった」

 

ロムルスは最初からネロを立派なローマ皇帝として鍛えるためにわざと敵のふりをしていたのだ。

 

まるで娘の成長を促し、見守る父親のように……。

 

「行け、ネロ。お前の友と共にローマを救うのだ!忘れるな、ローマは永遠だ!」

 

「はいっ……!!」

 

「少年よ……ネロを頼む……」

 

「ああ、任せろ!」

 

遊馬はロムルスと強く手を握って約束を交わした。

 

遊馬はそのまま契約を交わしてロムルスを助けようとするが既に手遅れでロムルスは消滅してしまった。

 

ロムルスのフェイトナンバーズが辛うじて残り、遊馬はそれを静かに拾うとネロに渡した。

 

「始祖ロムルス……」

 

ネロはロムルスのフェイトナンバーズを抱きしめながら涙を流した。

 

「かっこいいじゃねえか、ネロのご先祖様……」

 

ロムルスの想いを受け取った遊馬はネロを立ち上がらせてサーヴァントたちに指示を出す。

 

「マシュ、みんな。ネロを頼む。あいつは……俺が倒す」

 

遊馬はダイソン・スフィアとスペリオル・ドーラを戻して一度リセットし、全てのカードをデッキとエクストラデッキに戻す。

 

そして、デュエルディスクの機能でデッキを自動でシャッフルし、新たにデッキトップから5枚を手札にする。

 

「レフ、お前は俺たちの力で倒す!」

 

「今度は腕一本では済まないと思え!」

 

遊馬とアストラルはキリッと視線を鋭くし、デュエルディスクを構えてデュエリストとしての戦闘態勢を取る。

 

レフは立ち上がり、スーツに着いた砂埃を手で払う。

 

「ちっ……やはり所詮はサーヴァント。使えぬ存在だな」

 

「人の心はそう簡単に曲げられねぇんだよ」

 

「言うじゃないか、小僧……そう言えばフランスでは大活躍だったみたいじゃないか。まったく、おかげで私は大目玉さ!」

 

「大目玉……つまり、貴様の背後にいる黒幕に怒られたと言うことだな?」

 

アストラルはレフの話から背後に黒幕が存在することを確かめた。

 

「そうさ。本来ならとっくに神殿に帰還していると言うのにら子供の使いさえできないのかと追い返された!結果、こんな時代で後始末だ。聖杯を相応しい愚者に与え、その顛末を見物にする愉しみも台無しだよ」

 

「そう言うことか。その時代に関係する人物に聖杯を与えれば時代が勝手に狂うと言うわけか……フランスではジルが滅亡を望んでいた。しかし……」

 

「ロムルスは違っていたみたいだな。だからてめえが介入するしかなかったんだな」

 

「ほざけカス共。人間なんぞ初めから期待していない。君もだよ、九十九遊馬君。凡百のサーヴァントを掻き集めた程度で、このレフ・ライノールを阻めるとでも?」

 

「……スペリオル・ドーラとダイソン・スフィアの攻撃に追い詰められて焦っていたのはどこのどいつだっけ?カッコ悪かったぜ、さっきのてめえの姿。このD・ゲイザーで録画してあるから後でカルデアで見直すぜ」

 

遊馬らしからぬ口の悪い発言にアストラルは脳裏に結構普段から口が悪い凌牙とカイトを思い出した。

 

しかし、遊馬が口の悪い発言をしたのは大切な仲間であるマシュ達サーヴァントのみんなを馬鹿にしたことを許せなかったからである。

 

オルガマリーに冷静で言われたが流石の遊馬も堪忍袋の尾は既に引き千切られていた。

 

頭は冷静だったが、その心は静かな怒りの炎で燃えていた。

 

「黙れ!今さっきのは油断していただけだ!貴様もいつまでこんな無駄なことを続けるつもりだ?」

 

「どう言う意味だよ?」

 

「お前達は思い違いをしている。聖杯を回収し、特異点を修復し、人類を、人理を守るぅ?バカめ、貴様達は既にどうにもならない。抵抗しても何の意味もない。終末は確定している。貴様たちは無意味、無能!」

 

「馬鹿なのはてめえだ、レフ」

 

レフの言葉に遊馬は真っ向から否定する。

 

「何だと?」

 

「未来は無限の可能性があるんだ。例えてめえらが未来を消し去っても、絶望の中には必ず、一筋の希望の光がある。その希望を掴み、未来を守る為に俺たちはここにいる!」

 

遊馬はどれほどレフに未来を否定されようが絶対に諦めない。

 

この程度の絶望は既に経験しているからである。

 

そして、絶望から希望を掴む為のすべを遊馬は誰よりも知っている。

 

「俺が一人だったら未来を守れないかもしれない。だけど、俺は一人じゃない!相棒、友、仲間……大切な人たちがいる!この絆がある限り、俺たちは決して負けない!それを証明してやるぜ!!」

 

「ならば、哀れにも消えゆく貴様たちに!今!私が!我らが王の寵愛を見せてやろう!!」

 

そして、レフが光に包まれるとそこに現れたのは信じられないものだった。

 

もはや人ではない、無数の不気味な目が集まり、巨大な肉の柱のような形をした出来たモンスターだった。

 

レフの正体が不気味なモンスターという衝撃的な真実にマシュ達は目を疑った。

 

D・ゲイザーで見ていたカルデアでもこれは衝撃的過ぎで急いでデータを取って情報収集をしていた。

 

「改めて、自己紹介をしよう。私はレフ・ライノール・フラウロス。七十二柱の魔神が一柱!魔神フラウロス!これが、王の寵愛そのもの!」

 

レフの真名、フラウロスにアストラルは耳を疑って顎に手を添える。

 

「フラウロス……七十二柱……まさか、彼の言う王とは……」

 

アストラルが持つ知識を総動員させて仮説を立てていくが、まだあまりにも敵側の知識が足りない。

 

一旦考えるのを止めてレフに視線を向ける。

 

「アストラルの言ってた通りだな……本物のモンスター、化け物だったわけだな!」

 

「……これほど醜いモンスターとは。まるで貴様の心をそのまま表しているな、レフ!!」

 

「敵が人間じゃなくてモンスターなら、容赦は一切いらないな!!」

 

レフが人間ではなく本物の悪魔だと知り、遊馬とアストラルは一切の迷いなく倒すことができる。

 

するとレフは自分の体の一部を切り落とすと、聖杯の影響か肉片が分裂して無数に増える人型のゴーレムみたいなモンスターを大量に作り出してネロに向かって襲わせる。

 

「みんな、ネロを守れ!!」

 

「私と遊馬でレフを倒す!!」

 

「遊馬君、頑張ってください!」

 

「ユウマ、頼むぞ!」

 

「おう!任せろ!!」

 

マシュとネロの声援を受け、遊馬はガッツポーズを見せてレフと対峙する。

 

マシュ達サーヴァントはネロを守るためにそれぞれのクラスに適した陣形を取ってゴーレムと戦闘を開始した。

 

遊馬がレフと戦う前にアストラルはどうしても言っておきたいことがあった。

 

「レフよ、始めに言っておく。人間は確かに愚かな存在かもしれない……だが、貴様は見落としている。人間には無限の可能性を秘めているということを!!」

 

「アストラル……」

 

「そして、人間の持つ欲望の力……『カオス』は私たちの想像を超える力を秘めている!」

 

カオス、それは生命の持つ欲望の力。

 

生きる力であり、生きとし生けるもの全てに必要なものであるが同時に破滅を招く力になりうるものである。

 

遊馬とアストラルはヌメロン・コードを賭けた戦いの中でカオスは決して悪いものではない、生きるために必要な力だと学んだ。

 

「遊馬、あの男に見せてやれ!そのデッキに眠る、君と仲間たちのカオスの力を!君たちが自分の意思で歩いてきた欲望と言う名の強い心の力を!!」

 

「おう!!行くぜ、俺のターン!!」

 

遊馬がシャッフルし直したデッキのトップに右手が触れようとしたその時、遊馬の右手が真紅に輝いた。

 

「これは……!?」

 

「この紅い光……感じるぜ、みんなの熱い想いが!」

 

それは人間の生きるための欲望の力……カオスの力。

 

かつて遊馬とアストラルの敵として対峙した七人の皇、バリアン七皇の強大なカオスの力である。

 

「行くぜ!ナッシュ!メラグ!ドルベ!ベクター!アリト!ギラグ!ミザエル!バリアン七皇の力をあいつに見せてやろうぜ!!!」

 

遊馬の左右に七人……否、七人の人を超えた存在の幻影が現れた。

 

それはかつてバリアン世界を守護するためにドン・サウザンドが選び、呪いをかけた七人の皇である。

 

そして、ドローをする遊馬と七つの幻影が重なり、声を揃えて叫んだ。

 

「バリアンズ・カオス・ドロー!!!」

 

それはバリアン七皇のリーダー、ナッシュが他の七皇に与えた力。

 

バリアンの強大な力を秘めたカードやその他のデッキのカードをデッキトップに置く事ができ、シャイニング・ドローと対を成す力である。

 

「来たぜ、みんな!俺はドローしたこのカード、『RUM(ランクアップマジック) - 七皇の剣(ザ・セブンス・ワン)』を発動!!」

 

「ランクアップ、マジック!?」

 

それは北斗七星を模した七つの星にバリアンの紋章が描かれた魔法カードで遊馬が今まで使った魔法カードとは異なる力を持っている。

 

ランクアップマジックとはモンスターエクシーズをランクアップさせ、更なる力を持つ上級のモンスターエクシーズを特殊召喚する特別な魔法カードである。

 

「このカードは通常ドローをした時に発動する事が出来る!エクストラデッキ、または墓地から『オーバーハンドレッド・ナンバーズ』を特殊召喚して、そのモンスターをカオス化させる!」

 

「はぁ!?ノーコストで正規召喚をすっ飛ばしてモンスターエクシーズを召喚ですって!!?」

 

絶賛デュエルモンスターズを勉強中のレティシアは七皇の剣の驚異的な能力に驚愕していた。

 

本来ならモンスターエクシーズは指定のレベルや種族のモンスターを素材にしてエクシーズ召喚を行うが、七皇の剣はそれを無視して一気にバリアン七皇の強力な切札である『オーバーハンドレッド・カオスナンバーズ』を特殊召喚できる。

 

「行くぜ、シャーク!現れろ、No.101!」

 

空中に水色の『101』の刻印が浮かび、フィールドが一時的に海となってそこから巨大な何かが浮上する。

 

「満たされぬ魂を乗せた方舟よ、光届かぬ深淵より浮上せよ!『S・H・Ark Knight(サイレント・オナーズ・アーク・ナイト)』!!」

 

現れたのは白を基調とした巨大な戦艦の姿をしたモンスター。

 

それはバリアン世界を守るため、そしてバリアン世界に行き着いた魂を宿す巨大な箱舟である。

 

そして、S・H・Ark Knightの中心部に封印されている漆黒の守護者が目を覚ます。

 

「そして、S・H・Ark Knightでオーバーレイ・ネットワークを再構築!カオス・エクシーズ・チェンジ!!」

 

S・H・Ark Knightが光となって地面に吸い込まれ、真の力を解き放つ。

 

「現れろ、CNo.101!」

 

異次元にてS・H・Ark Knightの中心部に眠る漆黒の守護者の封印が解かれ、戦場へ赴くために発射され、遊馬の前に召喚される。

 

「満たされぬ魂の守護者よ、暗黒の騎士となって光を砕け!!『S・H・Dark Knight(サイレント・オナーズ・ダーク・ナイト)』!!!」

 

漆黒の装甲に身を包み、混沌の深淵をその身に宿し、仇なす敵を滅ぼす三俣の槍を操る槍術士である。

 

「おいおい、まじかよ……これはスカサハ並みの強ぇオーラを持ってるじゃねえか……!!」

 

同じ槍兵であるS・H・Dark Knightを目の当たりにしたクー・フーリンはその身から沸き起こる強者のオーラに師であるスカサハを連想させる。

 

「な、何だそれは!?その身から溢れる魔力は何だ!?」

 

レフはS・H・Dark Knightから溢れるカオスの力に本能的に恐れた。

 

「このモンスターはな、一つの世界を背負って戦った俺の仲間の真のエースモンスターだ!」

 

オーバーハンドレッド・ナンバーズ。

 

それは本来アストラルの記憶で1から100までしかないナンバーズを越えた101から107の7つの数字を持つドン・サウザンドが作り上げたバリアン七皇を操る呪いのナンバーズ。

 

しかし、人間として転生して新たな生を受けたバリアン七皇が遊馬の為に新たに作り上げた正しき力を持つオーバーハンドレッド・ナンバーズである。

 

「カードを1枚セットして、S・H・Dark Knightの効果!1ターンに1度、相手フィールドの特殊召喚されたモンスターをこのモンスターのカオス・オーバーレイ・ユニットにする!ダーク・ソウル・ローバー!!」

 

S・H・Dark Knightは槍をレフに向けて光線を放つと悪魔の肉体の一部を取り込み、赤い菱形の結晶体であるカオス・オーバーレイ・ユニットへと変化した。

 

「ば、馬鹿な!?私の体の一部を消し去っただと!?」

 

「ちっ!取り込めたのは体の一部だけかよ!」

 

「全て取り込めればよかったのだが、そう簡単に行かないようだ。だが、レフの力の一部を奪えたことには変わりない。行け、遊馬!」

 

「おう!S・H・Dark Knightで攻撃!!ダーク・ナイト・スピア!!!」

 

S・H・Dark Knightは槍を振り回し、見事な槍投げをしてレフの体に突き刺さり、爆発が起きる。

 

投げた槍はS・H・Dark Knightの手元に戻り、レフは激怒しながら触手を伸ばす。

 

「よくも……!やってくれたなぁっ!消えろぉっ!!」

 

触手がS・H・Dark Knightの体を貫き、爆発を起こして破壊された。

 

「ダーク・ナイトが!?」

 

「心配するな、マシュ!この瞬間、S・H・Dark Knightの効果発動!リターン・フロム・リンボ!!」

 

目の前の空間がヒビ割れ、中から破壊されたS・H・Dark Knightが現れて復活した。

 

「な、何だと!?」

 

「カオス・オーバーレイ・ユニットを持っているS・H・Dark Knightが破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地にS・H・Ark Knightが存在する場合、このカードを墓地から特殊召喚できる!更に、自分はこのカードの元々の攻撃力分のライフを回復する!」

 

S・H・Dark Knightが槍を掲げると癒しの光が遊馬に降り注ぎ、元々の攻撃力分のライフ……2800ポイントも回復する。

 

「朽ちる事を知らず、何度でも立ち上がる不死身の槍術士……それがS・H・Dark Knightだ!!!」

 

「流石はシャークの真のエースモンスター。敵にすると恐ろしいが、味方だとこれほど頼もしいことはない!」

 

かつては敵として対峙していたS・H・Dark Knightだが、今は遊馬とアストラルと共に戦う仲間としてその力を振るう。

 

「やべぇ……不死身とか本当に師匠みたいじゃねえか」

 

クー・フーリンはS・H・Dark Knightが益々スカサハに似ていることに戦慄するのだった。

 

「俺のターン、ドロー!S・H・Dark Knightの効果!ダーク・ソウル・ローバー!!」

 

「ぐぉおおおっ!?」

 

S・H・Dark Knightは再びレフの体の一部を吸収してカオス・オーバーレイ・ユニットに変換する。

 

「まだまだ行くぜ!魔法カード『フォトン・サンクチュアリ』を発動!フィールドにフォトントークン2体を生成し、リリースして『フォトン・カイザー』をアドバンス召喚!フォトン・カイザーの効果でデッキからもう1体のフォトン・カイザーを特殊召喚!」

 

2体のフォトントークンをリリースして召喚されたのは剣と盾を持つ騎士の姿をしたモンスターで、その効果で同名モンスターをもう一体呼び出す。

 

「更に魔法カード『銀河遠征』でデッキから『銀河眼の光子竜』を守備表示で特殊召喚!これで条件は整った。レティシア!」

 

「な、何!?」

 

突然呼ばれてビクッと震えたレティシアに遊馬はニッと笑みを浮かべた。

 

「今から見せてやるよ、銀河眼の光子竜のもう一つの進化形態を!!」

 

「え!?本当に!?」

 

レティシアは銀河眼の光子竜皇以外の銀河眼の光子竜のもう一つの進化形態が見られると聞いて戦いの最中だということを忘れて目を輝かせてしまう。

 

遊馬がそのカードを持った瞬間、先ほどの右手と同じ真紅に輝くカオスの光が体を覆うように纏った。

 

「行くぜ!俺はレベル8の銀河眼の光子竜とフォトン・カイザー2体でオーバーレイ!!3体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」

 

銀河眼の光子竜とフォトン・カイザーが光となって天に昇り、大きな光の爆発を放つと、遊馬の手に藍色の大きな槍の形をした物が現れる。

 

「カイト、ハルト、行くぜ!逆巻く銀河よ、今こそ怒涛の光となりて、その姿を現すがいい!」

 

遊馬はその槍をクー・フーリンを思い出しながら天に向けて投げ飛ばす。

 

天に投げ飛ばされた槍は超新星の如き巨大な光の爆発を生む。

 

「降臨せよ、強き絆で結ばれし兄弟の魂!」

 

それはモンスターエクシーズキラーである銀河眼の光子竜の力を更に高めたカイトの切り札。

 

「『超銀河眼の(ネオ・ギャラクシーアイズ・)光子龍(フォトン・ドラゴン)』!!!」

 

『ギュオアアアアアアアアッ!!!』

 

それは銀河眼の光子竜よりも一回り大きく、その体は今の遊馬と同じく真紅に輝き、藍色の装甲に身を包み、両肩には第二と第三の顔がある三つ首の龍が降臨した。

 

超銀河眼の光子龍は兄のカイトと弟のハルト、二人の互いを強く想いやる兄弟の絆で誕生した奇跡のモンスターである。

 

「綺麗……」

 

レティシアは銀河眼の光子竜皇とはまた違う、美しさと勇ましさを持つ超銀河眼の光子龍に目を奪われてしまった。

 

「超銀河眼の光子龍の効果!フォトン・ハウリング!!」

 

『グォオオオオオン!!!』

 

超銀河眼の光子龍の三つの首から咆哮が轟き、S・H・Dark Knightが少し項垂れてしまい、更にそれはレフにも影響を与える。

 

「うがぁっ!?な、何だ!?私の、悪魔の力が、消える!?」

 

悪魔となったレフはその強大な力が消えてしまった。

 

それは超銀河眼の光子龍の持つ強力な効果に秘密がある。

 

「超銀河眼の光子龍は『銀河眼の光子竜』を素材にしてエクシーズ召喚に成功した時、このカード以外のフィールド上の表側表示で存在する効果を全て無効にする!!」

 

銀河眼の光子竜を使った正規のエクシーズ召喚をすることで表側カードの効果を無効にする。

 

本来ならオーバーレイ・ユニットを使って相手フィールドのモンスターエクシーズのオーバーレイ・ユニットを全て墓地送り、その数×500ポイント攻撃力が上昇し、更にその数だけ攻撃できるのだがそれは使えない。

 

しかし、レフの効果を無効にしただけでも十分である。

 

「レフ!てめえがどんな悪魔か知らねえけど、その力が消えたら弱体化するよな!」

 

「おのれ、よくもぉおおおおおっ!!」

 

「行け、遊馬!」

 

「おうっ!超銀河眼の光子龍の攻撃!!アルティメット・フォトン・ストリーム!!!」

 

超銀河眼の光子龍の三つ首の口に真紅の光を溜め、一気に解き放ち、悪しき力を破壊する竜の咆哮を轟かせた。

 

三つの竜の咆哮はレフの体を一気に破壊した。

 

「ぐぁああああああっ!!?」

 

「続け、S・H・Dark Knight!ダーク・ナイト・スピア!!」

 

S・H・Dark Knightは槍を投げてレフの体を貫き、爆発させて手元に戻る。

 

「おのれ、ならばせめてその槍兵だけでも破壊してやる!」

 

実は超銀河眼の光子龍の効果でS・H・Dark Knightの効果が無効になっており、今のうちに破壊しようとレフは光線を放つが遊馬は既に最初から対策をしていた。

 

「罠発動!『亜空間物質転送装置』!自分フィールドのモンスターをエンドフェイズまで除外する!S・H・Dark Knightを亜空間に転送する!」

 

S・H・Dark Knightが光線に貫かれる直前に亜空間に転送し、レフの攻撃を回避した。

 

「くっ!?」

 

「超銀河眼の光子龍には攻撃出来ないよな、今のてめえじゃ返り討ちにあうからな!エンドフェイズ時にS・H・Dark Knightが亜空間から帰還!亜空間に転送されて戻ったことでその効果は復活したぜ!」

 

超銀河眼の光子龍の効果で無効になっていたS・H・Dark Knightは再びその効果を使用することができる。

 

「俺のターン、ドロー!っ!?こいつは……」

 

遊馬はドローしたそのカードに目を見開いた。

 

「彼のカードか……この布陣なら適しているな」

 

「ああ……行くぜ!魔法カード、『エクシーズ・ギフト』を発動!モンスターエクシーズが2体以上いる時、オーバーレイ・ユニットを2つ取り除いてデッキから2枚ドローする。俺は超銀河眼の光子龍のオーバーレイ・ユニットを取り除いて2枚ドロー!!」

 

超銀河眼の光子龍の3つあるオーバーレイ・ユニットを2つ取り除き、デッキから2枚ドローしてそこから一気にエースモンスターを呼び出す。

 

「『ゴゴゴゴーレム』を召喚!更に手札から『カゲトカゲ』を特殊召喚!俺はレベル4のゴゴゴゴーレムとカゲトカゲでオーバーレイ!エクシーズ召喚!現れよ、『No.39 希望皇ホープ』!!」

 

『ホォオオオオオープ!!!』

 

遊馬とアストラルのエースモンスター、希望皇ホープがエクシーズ召喚され、二人の前に降臨する。

 

そして遊馬は願いを込めるようにドローしたカードを額に持っていき、そのカードを掲げて発動する。

 

「行くぜ、真月!俺は『RUM - リミテッド・バリアンズ・フォース』を発動!!」

 

「2枚目のランクアップマジック!?」

 

それは最初に使用した七皇の剣に描かれたバリアンの紋章の周囲に装飾がされている魔法カードで遊馬が使用出来るように本来の力を制限されたバリアンのRUMである。

 

「このカードは自分フィールド上のランク4のモンスターエクシーズを1体選択して発動!選択したモンスターよりランクが1つ高い『CNo.』を選択したモンスターの上に重ねて、エクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する!俺はランク4の希望皇ホープでオーバーレイ・ネットワークを再構築!!カオス・エクシーズ・チェンジ!!!」

 

希望皇ホープが赤い光となって地面に吸い込まれ、光の爆発が起きる。

 

「現れよ、CNo.39!」

 

空中に赤黒い『39』の刻印が浮かび、周囲の空間が薄暗くなる。

 

「混沌を統べる赤き覇王!悠久の戒め解き放ち、赫焉となりて闇を打ち払え!!」

 

地面から現れたのはホープレイの時とはまた違うシャープした形の漆黒の剣を模したものだった。

 

そこから人型へと変形し今までのホープとはまるで異なる姿と力を有した破壊の戦士が現れる。

 

「降臨せよ!『希望皇ホープレイV』!!」

 

漆黒の鎧に真紅のラインが体中に伝い、3つのカオス・オーバーレイ・ユニットを携えた闇の希望皇が降臨した。

 

それは同じCNo.39である希望皇ホープレイとは異なり、光の力ではなく純粋な闇の力を持つ存在だった。

 

「希望皇ホープが……なんて禍々しい……」

 

希望皇ホープを何度も間近で見ていたマシュは今の希望皇ホープはとても禍々しく見えていた。

 

何故遊馬が敵であったバリアンの力を使えるのか?

 

それは遊馬が歩み、培ってきた長い戦いがそれを可能にしたのだ。

 

まず遊馬は人間であることから、欲望であるカオスの力を少なからず秘めている。

 

次に遊馬はかつてIIIとのデュエルで消滅したアストラルを救うために『紋章』と呼ばれるバリアン世界由来の力をその身に取り込み、激痛に蝕まれながらもそれに耐えて掌握する事ができた。

 

そして、友……真月から譲り受けた眠るバリアンの力を制限させたランクアップマジックとサポートモンスター……それを見事に使いこなせた遊馬にはバリアンの力を使うための耐性が出来ているのだ。

 

「希望皇ホープレイVの効果!カオス・オーバーレイ・ユニットを一つ使い、相手モンスターを破壊してその攻撃力分のダメージを与える!Vブレードシュート!!」

 

カオス・オーバーレイ・ユニットを1つ取り込んだ希望皇ホープレイVはシャープに変化した双剣のホープ剣を柄同士で接続させ、投げ飛ばすと回転しながら飛び、レフの体に直撃すると大爆発を起こす。

 

「続け、S・H・Dark Knight!ダーク・ソウル・ローバー!!」

 

無効になっていたが亜空間に飛んだことでその効果が復活したS・H・Dark Knightはレフの体の一部を取り込んで新たなカオス・オーバーレイ・ユニットを作り出す。

 

爆撃と吸収の連続攻撃で大打撃を受けたレフは既に肉体の半分近くが失われ、肉片が飛び散って大量の血が流れていた。

 

「馬鹿な、私が……この私が何故……!?」

 

レフは何故自分がここまで追い込まれているのか理解できなかった。

 

その答えを知っているアストラルは堂々と説明した。

 

「見たかレフ。ここには三人のカオスの力を集結させたモンスターエクシーズが揃っている!」

 

「三人の、カオスだと……!?」

 

希望皇ホープレイV、S・H・Dark Knight、超銀河眼の光子龍はそれぞれの所有者たちのカオスの力が込められている。

 

「一人目は歪められた自分の運命を呪いながらも皇として世界の為、愛する民の為、共に戦う仲間の為、儚き光を掴もうと戦い続けてきた『冀望(きぼう)』!」

 

S・H・Dark Knightの前にシャークこと神代凌牙……バリアン世界を守護するバリアン七皇のリーダー、ナッシュの幻影が現れる。

 

「二人目は愛する者を救う為に己の全てを捧げ、例え世界の全てを敵に回しても、自分がどれだけ傷ついても、愛する者を必ず救おうと戦い続けてきた儚き『願い』!」

 

超銀河眼の光子龍の前に紅い光を纏う天城カイトの幻影が現れる。

 

「三人目……それは多くの人の冀望と願い、そして想いを背負い、どんなに辛く険しい道でもその全てを救い、守る為に自分の信じるたった一つの道を歩き続け、それを見事に成し遂げた揺るぎなき『信念』!」

 

そして、遊馬が静かに歩いて希望皇ホープレイVの前に立つ。

 

遊馬、ナッシュ、カイト……三勇士が持つ欲望……カオスの力が勢揃いした。

 

ナッシュとカイトの幻影が静かに消えると遊馬はレフを指差して叫んだ。

 

「レフ……てめえは人間を舐めすぎだ。ここにいる三体のモンスターは俺とシャークとカイト、三人のそれぞれの強い欲望の力……カオスが秘められているんだ!人間を見下しているてめえなんかに負けたりしない!!」

 

冀望、願い、信念。

 

純粋でありながらも大きな欲望。

 

欲望が大きな力となって悪魔となったレフをも遥かに凌駕する。

 

(何故だ!?何故こんな子供とあの精霊がこれほどまでに強大な力を!?これではまるで、”王”と並び立っているではないか!?)

 

レフは遊馬とアストラルが持つ強大な力に戦慄した。

 

「俺たちのカオスの力で、てめえをぶっ飛ばす!!レフ、カルデアのみんなへの懺悔の用意は出来ているか!!」

 

『ホォオオオオープッ!!』

 

『ウォオオオオオオッ!!』

 

『ギュオアアアアアッ!!』

 

遊馬の強い思いに応え、希望皇ホープレイVとS・H・Dark Knightと超銀河眼の光子龍が咆哮を轟かせる。

 

遊馬とレフ、因縁の対決が遂に終幕を迎える。

 

 

 

.




ホープレイV、S・H・Dark Knight、超銀河眼の光子龍、バリアン世界の力が集結しました。
バリアンズカオスドローも出来る遊馬の進化が止まりませんね。
まあこれはナッシュ達、バリアン七皇の力添えもありますが、
そして次回はレフ終了のお知らせです。
この布陣に勝てるわけないですなぁ。

今後執筆予定の話を一覧でまとめました。
☆第二特異点
★ぐだぐだ本能寺
☆第三特異点
★Zero
☆第四特異点
★空の境界
★監獄塔
☆第五特異点
★プリズマイリヤ
★サマーメモリー
★羅生門
★鬼ヶ島
☆第六特異点
★セイバーウォーズ
☆第七特異点

こんな感じで書こうと思います。
先が長すぎる……(^_^;)

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