まさかこんな性格のサーヴァントがいるとは誰も予想しなかったですよね。
そして遂に遊馬のアイドルカードが登場です!
実はこの時のために登場を取っておいたんです(笑)
エウリュアレとアステリオスを仲間に加えた遊馬たちは早朝、アステリオスが展開した宝具の結界を解いて無人島を出た。
穏やかな風を受けて船を動かしているとアストラルは気配を察知して皇の鍵から現れる。
「遊馬、サーヴァントの気配だ。今回は複数だ」
「エウリュアレを狙っている野郎のお出ましか。みんな、気をつけてくれ!」
ドレイク達海賊も敵船を発見して警戒態勢を取り、先日遭遇した海賊旗と同じ旗を掲げた海賊船だった。
「例の旗……そうだ!カルデア管制室!」
『やっと繋がったわ。マシュ!そちらの状況は……って、マズイわ!あの海賊旗はかなりのビッグネームよ!』
「ビッグネームって誰だよ!」
『伝説の海賊……史上最高の知名度を誇る海賊よ!』
「史上最高の知名度……まさか!?」
『通称、黒髭!エドワード・ティーチ!みんな、気をつけなさい!!』
遊馬達は目を凝らして敵船を見つめると、敵船にコートを羽織った見事な黒い髭を生やした男……おそらく黒髭と思われる海賊が立っていた。
「あー!アイツ!アイツだ!あたしの船を追い回してた海賊!ここで会ったが百年目だ。水平線の彼方まで吹き飛ばしてやる!」
ドレイクは黒髭に対して怒りを込めながら挑発するが……。
「はぁ?BBAの声など、一向に聞えませぬが?」
「ーーーーは?おまえ、今、何、言った?」
あまりにも衝撃的な言葉にドレイクは真っ白になった。
「だーかーらー!BBAはお呼びじゃないんですっ?何その無駄乳、ふざけてるの?まあ傷はいいよ?イイよね刀傷。そういう属性はアリ。でもね、ちょっと年齢がね、困るよね。せめて半分くらいなら、拙者許容範囲でござるけどねえ。ドゥルフフフ!」
「…………」
「姉御?姉御ー。死んでる……(精神的に)」
「ドレイク船長ーー!?」
ドレイクは黒髭からの容赦ない酷すぎる言葉の数々に灰のように真っ白に燃え尽きてしまった。
「ひ、酷え……女の人に対してあそこまで言うなんて……」
「あそこまで言うとは……逆に恐ろしい」
女性に対して悪口を言わない遊馬とアストラルは黒髭の酷すぎる言葉に戦慄した。
「ダメね、凍ってるわ。無理もないわね、私も最初に遭遇した時、こうなったもの……よく生き延びたわね、私」
「エウリュアレ……あなた、あんなのに追いかけられていたの……?」
「何というか……ご愁傷様です……」
流石にあんなのに追いかけらたと知り、ステンノとメドゥーサはこれまでにないほど激しくエウリュアレに同情した。
「んっほおおおおおおおおおお!やっぱりいたじゃないですか、エウリュアレちゃん!ってあれ!?なんか二人に増えてる!??まさかの双子!?二人に増えて可愛さ倍増!いや、二乗!!かわいい!kawaii!!ペロペロしたい!されたい!主に脇と鼠蹊部を!!あ、踏まれるのもいいよ!素足で!素足で踏んで、ゴキブリを見るように蔑んでいただきたい!!」
エウリュアレと双子といっても過言ではない瓜二つのステンノも黒髭の瞳にロックオンされてしまった。
「しまった!?エウリュアレと瓜二つのステンノまでロックオンされた!?」
「メドゥーサ、アステリオス!二人を頼むぜ!!」
「はい!!」
「うん……!」
「うぅ……やだこれ……」
「流石にあれはキツイですわね……」
エウリュアレとステンノは気分が悪くなりながらメドゥーサとアステリオスの後ろに隠れる。
「ああん?そこの!デカイの!邪魔でおじゃるよ!?むっ!?いや、隣の眼帯のお嬢さん、いい!眼帯キャラで際どい衣装!エウリュアレちゃんと双子のお嬢さんとセットで是非ともいただきたいでござる!」
「……すいません、アステリオス。私も隠れていいですか?」
「……いいよ」
「ありがとうございます」
メドゥーサもまさか自分がロックオンされると思わず、アステリオスの後ろに隠れる。
一方、マシュは黒髭のあまりのキャラの濃さに呆然として意識が遠のいていた。
「……は!?すいません、意識が遠のいてました」
「うん、無理もない……」
「流石にあれは予想外すぎる……」
「何とも摩訶不思議な男よの……」
「あはははは!面白いおじさんだと思うけどねー!」
「んんっ!?おおっ、知らない可愛い子達がたくさーん!○!ごーかーく!てれれれってれー!片目メカクレ系の子に、煌びやかな赤い子に、ピンク髪の萌え萌え……良いデスなぁ。可愛いですなぁ。ともかくそこの鯖達、名前を聞かせるでござる!さもないと……今日は拙者、眠る時に君達の夢を見ちゃうゾ♪」
黒髭は今度はマシュに目を付けて名前を知るためにもはや脅迫まがいな尋ねかたをし、マシュは慌てて名乗り、ネロとアストルフォも続けて名乗る。
「マシュ・キリエライトと言います!デミ・サーヴァントです!」
「聞かれたのなら答えてやろう!余こそ、ローマ帝国第五代皇帝、ネロ・クラウディウスであるーー!!!」
「僕はシャルルマーニュ十二勇士の一人、アストルフォだぁ!!!あ、ところでおじさーん!」
アストルフォは自己紹介をしながら黒ひげに向かって大声で呼んだ。
「んん?何かな、アストルフォきゅん!」
黒髭はアストルフォに呼ばれて気分が良くなったが、この直後絶望に叩き落される。
「さっき僕のこと可愛い女の子って言ってたけど、僕は男だよー」
「はっはっは!何をおっしゃる、君みたいな子が男の訳ないじゃないか!そんな見え透いた嘘を……」
「嘘じゃないよ?ほら」
アストルフォは自身が男だと証明するためにスカートをチラッとめくった。
スカートの中にある男性を象徴するモノ……それを見た瞬間黒髭はこの世の恐怖を全て見たような表情を浮かべた。
「ノォオオオオオオオオオオオッ!??◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️ーー!??」
その場で崩れ落ち、アストルフォが女ではなく男という事実に絶望し、バーサーカーのように聞き取れない叫び声を発しながら倒れた。
「アストルフォが男という事実は彼にとってかなりの大ダメージのようだな」
「このまま行けば勝手に消滅するんじゃね?」
すると……。
「いや、待てよ……男の子なのに女の子のように可愛い子……はっ!?こ、これが奇跡の男の娘!??うぉおおおおおっ!拙者の新たな扉が開いたでござるよ!!」
黒髭は立ち上がり、アストルフォが男でも関係ない、可愛ければ問題なしと面倒な自己解決して復活した。
「……ん?」
遊馬の足に何かがぶつかる感触がして足元を見るとそこには無人島で水分補給として取ったヤシの実だった。
遊馬はそのヤシの実を持つと未だにマシュ達にメロメロな黒髭を睨み付け、ヤシの実を高く投げた。
「遊馬?」
アストラルが何をするのかと疑問に思うと遊馬は高くジャンプして落ちてきたヤシの実を思いっきり蹴飛ばした。
「あ」
アストラルの最も短い言葉のすぐ後にヤシの実はものすごいスピードで黒髭に向けて飛んで行った。
ビュン!!
「ん?何だこの音ーーゴファッ!??」
見惚れている間に完全に反応が遅れ、豪速球で飛んできたヤシの実が見事黒髭の顔面に直撃した。
ヤシの実は強烈な遊馬のシュートで粉々に砕け、中に入っていた水分が黒髭の顔に思いっきりかかり、そのまま倒れた。
「「「……え?」」」
「「「えっ……?」」」
突然の事態にマシュ達と黒髭の船に乗っていたサーヴァント達、敵味方関係なく呆然としてしまった。
「ふぅ、ゴール……まさかカケルとのサッカーデュエルがこんな形で役に立つとはな」
カケルとは遊馬がWDCで最初に戦ったデュエリストでサッカーをモチーフにしたデッキを使った。
カケルは非凡なサッカーの才能を持つ選手で遊馬とは白熱したサッカーデュエルを繰り広げ、仲間の大切さを感じたのだ。
そして、カルデアでのレオニダスによる筋肉増量マッスルボディ計画(仮)により、強力なシュートを放つことができた。
「小僧……何をするでござるか!?せっかくマシュマロちゃん達の姿を目に焼き付けていたのに!」
「うるせえよ……」
「何?」
「うるせえよ!最低最悪な形でイメージをぶっ壊しやがって!返せよ、最恐最悪な海賊の黒髭のイメージを返しやがれコンニャロ!!」
ブチ切れた遊馬の言葉に敵味方関係なく騒然とする。
「おい、黒髭のおっさん!海賊に一度は憧れたことのある全ての少年の夢を返せ!責任取れ!」
「えっ?いや、その……」
「帰れ!今すぐ帰れ!」
「いや、帰れってここは拙者の船……」
「英霊の座に帰って出直してこい!!」
「いや、あの、その……ごめんなさい」
遊馬の全世界の海賊に憧れる少年を代表した熱い怒りの言葉に流石の黒髭も思わず謝ってしまった。
「って、何で拙者が謝るのでござるか!?そんなことより、エウリュアレ氏とBBAの聖杯を寄越すでござる!」
「寄越せだと……?ふざけるな、俺は絶対に仲間を渡さない!せっかく再会できた三姉妹の絆をてめえなんかに引き裂かせたりはしない!!」
ドレイクの聖杯よりも遊馬はエウリュアレを寄越せという言葉に反論した。
「エウリュアレはエウリュアレ自身のものだ!エウリュアレはメドゥーサとステンノと一緒に暮らすことを望んでいた。俺はエウリュアレのマスターで仲間だ!だから、エウリュアレの望みを叶えるため、メドゥーサとステンノの大切な家族を守るために戦う!!」
アステリオスの後ろから聞いていたエウリュアレは遊馬の言葉に驚いた。
確かにエウリュアレはメドゥーサとステンノと一緒に神話の時代で暮らしていた島でまた過ごすことを望んでいた。
その島に戻ることは出来ないが、カルデアに召喚されればまた三姉妹で一緒に暮らすことは可能である。
しかし、マスターがサーヴァントの願いを叶えて守るために戦うなどあり得ないことだ。
「そんなことをしてお前に何の意味がある!?まさか、エウリュアレちゃんをーー」
黒髭は遊馬がエウリュアレに気に入られて手に入れようと思うが、遊馬がそんなことをするわけがなかった。
「俺は小さい頃に父ちゃんと母ちゃんが消えてずっと寂しい思いをした、辛い思いをした!だからこそ……俺の大切な仲間が家族で仲良く一緒にいることが俺にとって守る価値のある大切なものなんだ!!」
「ユウマ……」
自分じゃない誰かの為に損得関係無しに力を振るう……エウリュアレの瞳に映る遊馬の印象が少しずつ変わり始めていく。
遊馬はデュエルディスクとD・ゲイザーを装着し、カルデアからウィンドボードを転送してもらって乗る。
船から飛び出しウィンドボードに乗りながらモンスターを召喚する。
「俺は仲間を守るために戦う!俺のターン、ドロー!カードを一枚伏せ、魔法カード『二重召喚』!このターン通常召喚を二回行える!俺は『ガガガシスター』を召喚!」
可愛らしい魔法使いの少女、ガガガシスターが現れて遊馬の横に現れて空を飛ぶ。
「うひょおおおおっ!ロリ魔法少女キター!!愛でたい!撫で撫でしたい!」
『ガッ!?ガガ……』
ガガガシスターは黒髭の気持ち悪い視線に怖がり、遊馬の後ろに隠れてしまった。
「ガ、ガガガシスターの効果でガガガと名のついた魔法・罠をデッキから手札に加える。俺は魔法カード『ガガガリベンジ』を手札に加える!そして……」
遊馬はこのターンもう一度通常召喚するモンスターを見るが、正直黒髭を相手にこのモンスターを召喚して良いものか迷ってしまう。
しかし、手札にあるその他のカードを駆使すればこのターンに強力なエクシーズモンスターを呼び出せ、相手を威圧できる。
遊馬は意を決してそのモンスターを召喚する。
「俺は『ガガガガール』を召喚!!」
カラフルでキラキラな召喚エフェクトと共に現れたのは体にピッタリした黒いレオタードのような衣装にフリフリの大きなピンク色のリボンで飾り付け、骸骨のキーホルダーを付けたスライド式の携帯電話を持つギャルのような魔法少女だった。
『ふふっ……はっ!』
綺麗な金髪と赤い瞳、そしてマシュに負けず劣らずのスタイルに魅了される男たちが大勢だった。
「うぉおおおおおおっ!??ピチピチのギャル魔法少女キター!?」
『……べぇーっ』
黒髭は二人の魔法少女姉妹にメロメロになるがガガガガールは蔑むような目で睨みつけてあっかんべーをする。
遊馬は黒髭に対して衝撃的な発言をする。
「あー、おっさん。悪いけど……ガガガシスターとガガガガール、この二人には彼氏いるぜ」
ガビーン!!!
「な、何だってぇっ!!?」
「今見せてやるよ。自分フィールドにガガガモンスターがいる時、手札から『ガガガキッド』を特殊召喚出来る!」
『ガガッ!』
ガガガシスターと背丈が同じの魔法使いの少年が現れる。
『キッド君!えへへっ♪』
ガガガシスターはガガガキッドが現れると嬉しそうに手を握る。
『ふ、ふんっ!』
ガガガキッドは恥ずかしそうに視線を逸らした。
魔法使いの少年少女の微笑ましい光景に場の空気が和み、黒髭ですらほっこりとしてしまった。
「くうっ、悔しいが何故かほっこりして微笑ましいでござるよ……」
「更に俺は魔法カード『おろかな埋葬』!デッキからモンスターを一体墓地に送る。俺はデッキから『ガガガマジシャン』を墓地に送り、更に俺はガガガシスターの効果で手札に加えたガガガリベンジを発動!墓地のガガガマジシャンを特殊召喚してこのカードを装備する!!」
墓地から棺桶が現れ、中から蹴り破って不良魔法使いのガガガマジシャンが現れるとガガガガールは嬉しそうに抱きついた。
『ガガガ先輩!』
『フンッ……』
マシュに匹敵するスタイルの良いガガガガールに抱きつかれ、ガガガマジシャンは顔の下半分を布で隠していたが恥ずかしそうにしていた。
「チィクショォオオオオオウ!羨ましいほどにイチャイチャしやがって、リア充爆発しろ!!」
ガガガマジシャンとガガガガールの先輩後輩コンビに黒髭は血の涙を流して絶叫した。
「行くぜ、みんな!」
『『『『ガガガッ!』』』』
ガガガモンスターが4体立ち並び、遊馬の呼び声に声を揃えて気合を入れた。
「まずはガガガシスターの効果!自分フィールド上のガガガモンスター1体を選択して発動!選択したガガガモンスターとガガガシスターは、エンドフェイズ時までそれぞれのレベルを合計したレベルになる。俺はガガガキッドを選択!ガガガシスターとガガガキッドのレベルは共に2!合計レベルは4となる!」
ガガガシスターが鍵の杖を掲げるとガガガキッドのレベルと合わさり、2体ともレベル4となる。
「レベル4となったガガガシスターとガガガキッドでオーバーレイ!エクシーズ召喚!」
ガガガシスターとガガガキッドが光となって海に入り込み、光の爆発が起きる。
「現れよ、『No.39 希望皇ホープ』!!」
海の中から希望皇ホープが海水を撒き散らしながら派手に登場する。
「これがブラッドアクス・キングさんを退けた希望皇ホープ……くっ、何という神々しいオーラ!」
「次はガガガマジシャンの効果、1ターンに1度、1から8までレベルを変更出来る!俺はガガガマジシャンのレベルを5にする!」
ガガガマジシャンのバックルの星が五個輝く。
ガガガマジシャンとガガガガール、先輩後輩コンビの強い絆が新たなモンスターエクシーズを呼び覚ます。
「ガガガガールの効果、自分フィールド上の『ガガガマジシャン』を選択して発動できる!ガガガガールはガガガマジシャンと同じレベルになる!」
『ガガガァッ!』
ガガガガールの体が淡く輝き、ガガガマジシャンとレベルが同じとなる。
「俺はレベル5のガガガマジシャンとガガガガールでオーバーレイ!エクシーズ召喚!!」
『先輩っ!』
『おうっ!』
ガガガマジシャンとガガガガールが光となって天に昇って行き、無数の光の爆発が起きる。
「行くぜ、III……ミハエル!現れよ、『No.33
空に雲が覆われ、中から轟音が響くと空に浮かぶ巨大な城が姿を現した。
それは超古代文明の力によって地上から宙に浮いた天空の城であり、IIIのアトランタルと並ぶエースモンスターである。
「マシュ=マック……マシュ?」
アストルフォがマシュ=マックの名前に呟くと全員の視線がマシュに向けられる。
「わ、私とは関係ありません!」
「まあ、名前はたまたまでしょう。ところで、あんな巨大な天空の城がモンスターってどういう事でしょうか……?」
かつて巨大な列車であるスペリオル・ドーラを運転したことがあるメドゥーサはどう見てもマシュ=マックがモンスターに見えなかった。
デュエルモンスターズのモンスターの定義がますます分からなくなるのだった。
「行くぜ、マシュ=マックのオーバーレイ・ユニットとなったガガガガールの効果!ガガガモンスターと共にエクシーズ素材となった時、相手フィールド上の特殊召喚されたモンスター1体を選択し、選択したモンスターの攻撃力を0にする!ゼロゼロコール!」
マシュ=マックの隣にガガガガールの幻影が現れ、スライド式の携帯電話に早打ちでコードを入力する。
ガガガガールは携帯電話をエドワードに向け、携帯電話から波動が放たれる。
「え?ま、まさか……ぬぉおおおおおおっ!??」
ゼロゼロコールの波動は黒髭に直撃し、その場に崩れ落ちて倒れてしまう。
「ち、力が……力が出ないでござるよ……」
ガガガガールの効果で黒髭の攻撃力がゼロとなり、力が出せなくなっている。
「更に、墓地に送られたガガガリベンジの効果で俺のフィールドの全てのモンスターエクシーズの攻撃力を300ポイントアップする!」
ガガガリベンジはガガガ限定の蘇生カードであると同時にモンスターエクシーズの攻撃力を強化する優秀な装備魔法であり、希望皇ホープとマシュ=マックの攻撃力が上昇する。
「まだまだ行くぜ!マシュ=マックの効果!オーバーレイ・ユニットを一つ使い、攻撃力と、その元々の攻撃力の差分のダメージを相手ライフに与える!黒髭、ガガガガールの効果で攻撃力がゼロになった差分のダメージをお前に与えるぜ!!」
マシュ=マックの壁面から無数の大砲が現れ、黒髭に狙いを定める。
「ちょっ、おまっ……」
「インフィニティ・キャノン!!」
「ギャアアアアアアアッ!??」
大砲から一斉に砲弾が黒髭に向かって降り注ぎ、黒髭は命からがら回避していく。
ちなみに敵サーヴァント達は黒髭を助けずに最初から全力で逃げていた。
「おっしゃあ!撃て撃て!今のうちに大砲をありったけ撃ちなっ!」
「「「ア、アイアイ姉御!」」」
その間に怒りを爆発させたドレイクが大砲の発射を部下の海賊に命じながら敵船を攻撃して行く。
「更に、与えたダメージの数値分だけこのマシュ=マックの攻撃力をアップする!」
マシュ=マックは城全体が赤い光を纏い、その力を増幅させる。
「ガガガガールの効果が変化したことでマシュ=マックの効果を最大限に活用できるこのコンボが誕生した。うまく行けばデュエルで1ターンキルも狙える凄まじいコンボだ」
「すげぇぜ、ガガガガール!マシュ=マック!」
ガガガガールは本来ガガガマジシャンとレベルを統一する効果は持ってなかったが、遊馬が異世界に来たことで新たな効果が追加され、マシュ=マックとのコンボが完成した。
このガガガガールとマシュ=マックを使えばデュエルで1ターンキルも可能である。
「おのれぇ……こうなったら、ブラッドアクス・キングさーん!あのBBAの船を止めてエウリュアレちゃんを奪ってくだされ!!」
「ウォオォオオオオオウ!!」
敵船から現れたのは倒したと思われたエイリークだった。
「あん時のバーサーカー!?黒髭のサーヴァントだったのか!?」
エイリークが黒髭に従っているということは黒髭がサーヴァントを召喚するための聖杯を所持している可能性が非常に高かった。
エイリークは黄金の鹿号に侵入してエウリュアレを強奪しようとしたが、それを阻むように盾を構えたマシュが斧を受け止めた。
「くっ!アストルフォさん!」
「任せて!」
マシュがエイリークの攻撃を防いだ瞬間にアストルフォが黄金の馬上槍を呼び出して構え、足に力を込めて駆ける。
「行くよ、『
黄金の馬上槍がエイリークの体に掠るように当たった瞬間、エイリークの足が粒子となって消えて大きくバランスを崩して動けなくなった。
「ナ、ナンダ!?イッタイ、ナニガ……!?」
「残念だけど、君はしばらく立ち上がれないよ!」
アストルフォの宝具、トラップ・オブ・アルガリアは槍がサーヴァントの肉体に触れると膝から下が一時的に霊体化して立ち上がれなくなるという強力な宝具である。
特にバーサーカーであるエイリークのような驚異的なタフネスを持つ敵には非常に有効な宝具でまともに動くことが出来ない。
「アステリオス!今だ!!派手に打ち上げろ!!」
「うぉおおおおおおおっ!!!」
「グボァッ!?」
アステリオスはフルパワーで動けないエイリークのボディに強烈なアッパーを食らわせて空高く打ち上げた。
「マスター!決めちゃえ!」
「おうっ!マシュ=マックでエイリークに攻撃!ヴリルの火!!」
マシュ=マックから天に向かって光線を放ち、発生した巨大な火球がエイリークに直撃し、その体が火に包まれる。
「決めろ!希望皇ホープ!ホープ剣・スラッシュ!!」
そして、希望皇ホープが今度こそエイリークを倒すために天に登ってから一気に降下し、ホープ剣を振り下ろした。
今度こそホープ剣がエイリークを斬りつけ、その体が粒子となって消滅する。
「……コロ、ス……コロス……チクショウ……セイハイ……テニイレ……ウガァアアアアア!」
エイリークは敗北の屈辱から恨み言を残し、最後の悪あがきで斧を投げ飛ばした。
投げ飛ばされた斧はエイリークが狙ったのか、黄金の鹿号の船体の船底に直撃した。
「しまった、船が!?」
「遊馬、船に穴が空いたら沈没するぞ!ホープに支えてもらうんだ!」
「頼む、ホープ!」
希望皇ホープはホープ剣をしまい、海に入って黄金の鹿号を底から支える。
エイリークは完全に消滅してフェイトナンバーズを残し、アストラルはフェイトナンバーズを回収する。
「ドレイク船長!撤退だ!船がこのままじゃまともな戦闘ができない!」
「ちっ、仕方ないね……野郎ども、撤退だ!」
「フォオオオオオオ!?待つでおじゃる!こちらも撃て撃て!あの船を止めるのじゃ!!」
黒髭はエウリュアレと聖杯を手に入れる為に黄金の鹿号を沈没させる為にありったけの砲弾を打ち込む。
しかし、それを遊馬とアストラルが立ち塞がる。
攻撃を無効にする希望皇ホープは黄金の鹿号を支えていて動けないが、遊馬があらかじめセットしておいた罠が発動する。
「遊馬!」
「おうっ!罠カードオープン!『聖なるバリア ーミラーフォースー』!!』
遊馬が発動したミラーフォース……それはデュエルモンスターズを代表する罠カードといっても過言でない知名度を誇る。
その効果は相手の攻撃宣言時に相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する。
今回の場合だと……。
「砲弾を全てお返しするぜ!!」
黒髭の船から放たれた無数の砲弾が遊馬の前に現れたキラキラと輝く美しい巨大な壁に衝突した瞬間、鏡に反射された光のようにそのまま跳ね返した。
「な、何ですと!?どわぁあああああっ!?」
砲弾が船に降り注ぎ、頑丈な装甲を持つ黒髭の船でもかなりの損傷を与えた。
「遊馬、我々も撤退だ!」
「ああ!じゃあな、おっさん!今回は痛みわけだ、次は必ず俺たちが勝つからな!!」
遊馬はウィンドボードで水しぶきをあげながら先行して行く黄金の鹿号の後を追う。
「おのれぇっ!主人公体質の憎っくき小僧めぇえええええええっ!!」
エウリュアレと聖杯を奪うことができず船を損傷させた遊馬に対して黒髭は怒りの絶叫を上げるのだった。
そんな黒髭の船にいる残り三人のサーヴァントは立ち去る遊馬を興味深そうに見つめる。
「やるね、あの子……面白い」
「ええ、やりますわね。それに……真っ直ぐで優しい心を持ってますね」
「本当に面白い力を使うね。おじさん次戦うのが楽しみだね〜」
まだ遊馬達が面識してない3人のサーヴァント……黒髭海賊団との戦いはまだ始まったばかりである。
.
ガガガガール可愛いですねー。
デュエルモンスターズではブラマジガールと同じく大好きなアイドルカードです。
漫画版でもとても可愛いし最高です。
黒髭のセリフが難しい……あってるかどうか微妙ですので違和感を感じたら是非とも指摘をお願いします。
アストルフォは黒髭との関わりを面白くするために用意しました(笑)
あんなにも可愛い子が男の子なんて世界は非情だ……。
次回はあのスィートな女神様の登場です。
遊馬とアストラルは真っ白になること確定です(笑)