Fate/Zexal Order   作:鳳凰白蓮

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最近血界戦線にハマってしまい、漫画全巻を大人買いしてしまいました(笑)

あれは面白い作品です。

レアリティコレクション、思わぬフラゲがありましたが竜騎士ブラック・マジシャンが一番欲しいですね。

私のブラマジデッキが更なるランクアップに向かえます。


ナンバーズ51 限界を越えた極限の戦い

特異点に来てから何度目かの朝……朝日が昇り、遊馬達はエミヤが作った朝食を食べ、それぞれが戦いの前の準備に入る。

 

遊馬は気合いを入れるために元気の源であるデュエル飯をカルデアにいる小鳥から送ってもらい、一気に食べて呑み込んだ。

 

「美味え……やっぱり小鳥のデュエル飯は最高だぜ」

 

「遊馬」

 

「ん?アストラル、お前も食うか?」

 

「いや、今はいい。昨夜、よくアタランテを説得したな」

 

「聞いてたのか?眠っていたと思ってたぜ」

 

ヌメロン・コードを使うことを願ったアタランテを遊馬は自身の思いの全てを語り、アタランテを諦めさせた。

 

もしもの時はアストラルが出て無理矢理でもアタランテを説き伏せようと思ったが、それは杞憂に終わった。

 

「遊馬、私は君を誇りに思う。君は本当に優しく、強い男だ」

 

「よせよ、照れるじゃねえか」

 

「照れる必要はない。では、そろそろ行こうか」

 

「ああ、そうだな」

 

遊馬は指をぺろっと舐めるとデュエルディスクとD・ゲイザー、そして原初の火が収められたソードホルダーを装着する。

 

「遊馬くん、準備いいですか?」

 

「良いぜ、マシュ」

 

しっかり睡眠と食事をとって絶好調のマシュは盾を持ってやって来た。

 

「フォウフォーウ!」

 

マシュの肩に乗っていたフォウは頑張れと応援するように鳴き声をあげた。

 

「サンキュー、フォウ。お前は危ないからエウリュアレ達の元にいてくれ」

 

「フォウさん、見守っていてくださいね」

 

「フォウ!」

 

これから起きる戦いは今までで一番激しいものになることは間違いない。

 

フォウは安全のためにエウリュアレの元で避難することになっており、近くにいるエウリュアレの元へ走った。

 

そして、共に戦うサーヴァント達と共に森を出て浜辺に集まる。

 

アステリオスの宝具とメディアの魔術による結界を解くとアルゴー船が静かに近づいてくる。

 

大まかな作戦としてはアーチャーを中心としたサーヴァントで遠距離攻撃を繰り出してアルゴー船にいるイアソンを狙い、必ず出てくるであろうヘラクレスを無人島に引きつけて遊馬達で戦闘を行う。

 

アーチャーの名に相応しいサーヴァントであるアタランテを筆頭にこの特異点に召喚されたアーチャークラスのサーヴァントで一斉射撃を行う。

 

「さて、遠慮なく宝具の大盤振る舞いをさせて貰おうか。太陽神と月女神に捧ぐ。『訴状の矢文(ポイボス・カタストロフェ)』!!」

 

「あらやだ、捧げられちゃった♪ふふ。それじゃ、私も行っくよ〜!宝具展開!愛を唄うわ!『月女神の愛矢恋矢(トライスター・アモーレ・ミオ)』!!」

 

「あんな最低男に私の宝具をやるのはもったいないかもだけど。ま、いいわ。遠慮なく、贈ってあげる。宝具ーー『女神の視線(アイ・オブ・ザ・エウリュアレ)』!!」

 

「いやあ、モテモテで羨ましいなイアソン君。これはそんな僕からのお裾分け。宝具ーー『五つの石(ハメシュ・アヴァニム)』!!」

 

怒涛のアーチャー四連続遠距離宝具は的確にイアソンを狙って飛んだ。

 

そして、宙に浮いたメディアの背後に数多の魔法陣が現れ、そこから大きな魔力の塊が現れる。

 

「受けなさい、イアソン!『灰の花嫁(ヘカティック・グライアー)』!!」

 

杖を振り下ろすと全ての魔法陣から同時に全力全壊の魔力弾が連射される。

 

ヘカテリック・グライアーはメディアの最強魔術であり、本来なら相手を呪詛で束縛した上で放つのだが、今回はイアソンを遠距離攻撃出来るアーチャー組で狙い撃ちをするので特に問題ない。

 

宝具や魔術の遠距離攻撃でひたすらイアソンを狙い、イアソンはビクビクと震えながらメディア・リリィに守ってもらっている。

 

「なんかさ、こうしてみると一種の集団暴行だよな……」

 

「うっ……そう考えると心が痛みます……」

 

「イアソンは戦闘能力が皆無らしいからな……だがこれは確かに酷い」

 

イアソンは契約の箱を使ってエウリュアレを生贄にしようとしており、おそらく騙されているとは言え王になるためにこの世界を滅ぼそうとしている。

 

そのことに一番腹を立てているのはメドゥーサであり、何だかんだ弄られても姉を大切に思っているのでイアソンを倒すために遊馬にある頼みをする。

 

「ユウマ」

 

「ん?どうした、メドゥーサ」

 

「スペリオル・ドーラを出してもらえますか?下姉様を狙うあの金髪馬鹿を撃ち抜きます」

 

「メドゥーサ、お前もか!?」

 

スペリオル・ドーラの巨大砲弾を使ってイアソンどころかアルゴー船を完膚なきまでに吹き飛ばそうとしていた。

 

「あ。なんならダイソン・スフィアでも。天の裁きを下します」

 

「ちょっとメドゥーサさん!?作戦忘れてませんか!?イアソンを葬ることだけ考えてないか!?」

 

「えー……では拷問系や処刑系のナンバーズはありますか?それでイアソンを滅します。メディアもノリノリで賛同するでしょう」

 

「そんなものあるわけーーやべぇ、あるよ、そう言えば……」

 

遊馬は使ったことはないがナンバーズには拷問や処刑をイメージした凶悪な姿や効果を持つモンスターがいる。

 

仮にそのナンバーズをイアソンに対して使ったら……。

 

「ダメダメダメ!!絶対にダメだ!!あんなの使ったらトラウマになる!俺だけじゃなくてマシュもトラウマになるから!!」

 

「あぁ、あれはマズイ……以前ホープが一度犠牲になったが、あれはショッキングだな。モンスターが別なら下手をすれば……映画でいうならR18Gものの映像になるな」

 

「待ってください!一体ホープに何があったんですか!?」

 

ナンバーズはただ勇ましくカッコいいモンスターだけでなく多種多様の様々な姿を持っているのでとても奥が深い。

 

そうこうしているうちに作戦通り、ヘラクレスが出てきて無人島に向けて海を走ってきた。

 

「◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎ーー!!!」

 

「来やがったぜ、エミヤ!!」

 

「任せてもらおう!アルトリア、マシュ、ジークフリード!時間稼ぎを頼む!!」

 

「マシュ、ジークフリード、頼みますよ」

 

「はい!全力で守ります!」

 

「私も微力ながら全力を尽くそう」

 

エミヤが目を閉じて『切り札』を出す準備をするとヘラクレスを足止めして時間稼ぎをする為にアルトリアとマシュとジークフリードの三人で立ち向かう。

 

そして、エミヤから膨大な魔力が迸り、カルデアからの魔力供給とナンバーズのエネルギーを使い、切り札を発動させる。

 

体は剣で出来ている(I am the bone of my sword.) 血潮は鉄で、心は硝子(Steel is my body, and fire is my blood.)

 

それはエミヤの生き様を示すような詠唱だった。

 

弓兵のアーチャーでありながら刀剣を扱う異質なサーヴァント……エミヤ。

 

それはエミヤの体に宿るアルトリアと繋ぐあるものが起源である。

 

幾たびの戦場を越えて不敗。(I have created over a thousand blades.) ただの一度も敗走はなく(Unknown to Death.)ただの一度も理解されない(Nor known to Life.)

 

まだ遊馬達に話してないが、エミヤは理想を追い求めるためにその人生は戦いそのものだった。

 

彼の者は常に独り剣の丘で勝利に酔う(Have withstood pain to create many weapons.)

 

その理想には明確な答えはない。

 

故に、その生涯に意味はなく(Yet, those hands will never hold anything.)

 

そもそも、答えなど最初から存在しないのかもしれない。

 

それでも彼は歩き続けた。

 

その体は(So as I pray,)

 

それはエミヤの大切な人とのたった一つの約束から全ては始まった。

 

きっと剣で出来ていた(UNLIMITED BLADE WORKS.)

 

詠唱が完了した瞬間、青い海と空が広がる世界は炎に包まれた。

 

生命の源である海に満ち溢れた世界は一転し、果てしない地平線が広がる荒野だった。

 

空には雲に代わり、巨大な歯車が動きながら浮かんでいた。

 

そして……一番最初に目につき、印象に残るのはまるで墓標のように荒野に無数に突き刺さる数多の刀剣が悲しげに輝いていた。

 

「これが、エミヤの切り札……!」

 

「これは、間違いありません!固有結界です……!」

 

「固有結界……術者の心象風景の具現化……魔術の到達点の一つと言われている大魔術か。しかし、この世界は……」

 

アストラルはこの異様な光景に目を疑う

 

墓標のように荒野に突き刺さる刀剣は名のある有名な武器もあれば、無名の武器もある。

 

この世界にはありとあらゆる古今東西の刀剣が満ちていた。

 

「剣を作るのではない、無限に剣を内包した世界を創る。これが、この私……『エミヤシロウ』に許された魔術!!」

 

エミヤは荒野に突き刺さった剣を一本抜きながら静かに構える。

 

「『無限の剣製(アンリミテッド・ブレイド・ワークス)』!!!」

 

これこそがエミヤの唯一無二の宝具にして切り札……無限の剣製。

 

それを知るアルトリアとヘラクレス以外の誰もが驚愕していた。

 

「ヘラクレスよ、貴様がこの世界を見るのは二度目だな。あの時の己を越えるために……今度こそ貴様を倒させてもらう!」

 

エミヤは一度、無限の剣製を使いながらヘラクレスに敗れていた。

 

しかし、今度こそ倒すためにエミヤは改めて覚悟を決めた。

 

「やるじゃねえか、エミヤ。今度は俺たちの番だな。アストラル!」

 

「ああ!行こう、遊馬!」

 

エミヤの無限の剣製に戦いに必ず勝つという強い意志に感化され、遊馬とアストラルは静かに前に出た。

 

ヘラクレスは自身を恐れない遊馬とアストラルを静かに見つめた。

 

「俺の名は九十九遊馬!」

 

「我が名はアストラル!」

 

「ヘラクレス、人類と世界の未来を守るためにあんたを越えさせてもらう!!!」

 

「大英雄よ……あなたと言う巨大な壁を乗り越え、我々の今ある限界を越える!!!」

 

遊馬とアストラルは世界的に有名な大英雄・ヘラクレスを乗り越えるためにエミヤと共に戦うことにした。

 

それはこれからの特異点の未知なる戦いで今の力では勝つことができない相手が現れるかもしれない。

 

世界的に有名で上位のサーヴァントであるヘラクレスを倒し、更なる高みへのランクアップを目指すために挑戦するのだ。

 

「行くぜ、アストラル!」

 

「ああ、遊馬!」

 

遊馬とアストラルは手を高く掲げた。

 

「俺と!!」

 

「私で!!」

 

「「オーバーレイ!!!」

 

遊馬とアストラルは赤と青の光となって天に昇る。

 

荒野を天翔ける遊馬とアストラルの姿にヘラクレスのみならずその力を知らない全ての者が驚愕した。

 

「「俺達/私達、二人でオーバーレイ・ネットワークを再構築!!!」」

 

天に高く登った遊馬とアストラルが一つに交差し、空に巨大な金色の『X』の光が現れると地面に垂直落下する。

 

「「遠き魂が交わる時、語り継ぐべき力が現れる!!!」」

 

遊馬とアストラルの肉体と魂が一つに交わり、究極の力が姿を現わす。

 

「「エクシーズ・チェンジ!ZEXAL!!」」

 

ギリシャの大英雄を越えるため、希望と絆の力を宿した勇者が降臨する。

 

「「ヘラクレス、必ずお前/あなたを倒す!!」」

 

ZEXALは右手を掲げると、周囲に無数の光が現れて右手に収束される。

 

ヘラクレスはZEXALが何かをする前にバーサーカーとして攻撃すべきであるが、ヘラクレスは狂化されながら残された僅かな理性でそれを抑えた。

 

それは何故か?

 

大英雄を前にして恐れずに堂々と立ち向かう幼い少年とその相棒の精霊が戦いの為の力を呼び出そうとしている。

 

サーヴァントの前に一人の戦う者としての礼儀としてそれを邪魔することは出来なかった。

 

「「俺/私のターン!最強デュエリストのデュエルは全ては必然!ドローカードさえも、デュエリストが創造する!全ての光よ!力よ!我が右腕に宿り、希望の光を照らせ!」」

 

デッキトップが光り輝き、ZEXALの力で思い描き、その場で創造したカードを勢いよくドローする。

 

「「シャイニング・ドロー!!!」」

 

シャイニング・ドローで創造したカードを見てZEXALは笑みを浮かべ、初期手札の5枚のカードの内の1枚を召喚する。

 

「「『レスキューラビット』を召喚!」」

 

ゴーグルとトランシーバーを持った可愛らしい兎が召喚される。

 

しかし、その可愛らしい姿と裏腹に強力な効果を持つ。

 

「「レスキューラビットの効果!フィールドのこのカードを除外して発動できる。デッキからレベル4以下の同名の通常モンスター2体を特殊召喚する!この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに破壊される!デッキから2体の『ちびノブ』を特殊召喚!!」」

 

『『ノッブノブー!』』

 

レスキューラビットが光となってZEXALのデッキに飛び込むと、デッキからレベル4の通常モンスターである2体のちびノブが現れる。

 

「「レベル4のちびノブ2体でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!我が戦いはここより始まる!白き翼に望みを託せ!現れよ、『No.39 希望皇ホープ』!!!」」

 

ちびノブ2体が光となって地面に吸い込まれ、数多の敵……数多の神を倒してきた希望の戦士……希望皇ホープが降臨する。

 

そして、希望皇ホープを攻撃に特化した真の姿へと変える。

 

「「希望皇ホープ!カオス・エクシーズ・チェンジ!!現れよ、希望の力!混沌を光に変える使者!!『CNo.39 希望皇ホープレイ』!!!」」

 

希望皇ホープが光となって地面に吸い込まれ、その身を純白から漆黒に染め上げ、巨大な大剣を背負いながらZEXALの前に降臨した。

 

『ホォオオオオオーープ!!!』

 

ZEXALの高まる想いに応え、希望皇ホープレイの咆哮が轟く。

 

「◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎!!!」

 

ギリシャ神話の十二の試練を潜り抜けたヘラクレスは今まで見たことないかつてないほど強大な敵を相手にし、斧剣を掲げて雄叫びを上げる。

 

ZEXALとエミヤの限界を越えた極限の戦いが始まる。

 

 

 

 




遂に始まりました、VSヘラクレス戦。

ZEXALとエミヤで立ち向かいます。

ZEXALはホープレイで戦い、エミヤはステイナイトでヘラクレスに敗れてますのでリベンジマッチですね。

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