Fate/Zexal Order   作:鳳凰白蓮

54 / 195
VSヘラクレス戦です。

もう今回は私がやりたかったことをとにかく書き詰めました。

ぶっちゃけかなりオーバーキルな気がしますが(笑)


ナンバーズ52 極限を超えた境地へ!ファイナル・シャイニング・ドロー!

人類と三つの世界を救った遊馬とアストラルの真の姿、ZEXALの降臨。

 

この特異点で出会い、仲間になった者たちは初めて見るその姿に驚愕した。

 

「おいおいおい、世界を救ったと言っていたがまさかこんな姿になるとはな。だが、面白いじゃねえか!」

 

ドレイクは子供でもなく只者ではないと思っていたので予想以上の存在に面白がった。

 

「嘘っ……何よあの姿、この力の大きさ……あんな勇者は見たことないわ……」

 

「マス、ター……かっこいい……」

 

エウリュアレとアステリオスはギリシャ神話では存在しない異世界の勇者であるZEXALに呆然とした。

 

「なな、何と!マスターがアストラル殿と文字通り合体!??これは拙者も予想外すぎるでござるよ!!?」

 

黒髭は目が飛び出すほど驚愕した。

 

「本当に二人は強い絆で結ばれた相棒なんですね……」

 

「正に一心同体……かっこいい……」

 

アンとメアリーはZEXALになった遊馬とアストラルの絆が予想以上に強いことに納得してしまった。

 

「マスターとアストラルが合体した!?よし!ダーリン、私たちも合体しよう!」

 

「出来るかボケェッ!だが何だよあの神性の高さは!?人間と精霊が合体しただけで神に等しい存在になれるのか!?」

 

アルテミスは遊馬とアストラルが合体したZEXALに思わず混乱し、オリオンはツッコミを入れながらZEXALから感じられる神性の力に困惑する。

 

「ユウマ……アストラル……本当にお前たちは二人で世界を救ってきたのだな……」

 

「これは興味深いな……機会があればじっくり語り合いたいね」

 

アタランテは遊馬とアストラルが世界を救った英雄だと実感し、ダビデはとても興味津々だった。

 

ZEXALはシャイニング・ドローで創造したカードを発動する。

 

「「『ZW(ゼアルウェポン) - 一角獣皇槍(ユニコーン・キング・スピア)』をホープレイに装備!現れよ、一角獣皇槍!!」」

 

それはフランスの特異点でレティシアを救う時に創造した黄金と白銀の一角獣、一角獣皇槍だった。

 

ホープレイが両肩にある第三と第四の腕を展開して背中の大剣を掲げ、投げ飛ばすと一角獣皇槍と合体して巨大な槍となる。

 

「槍か……それなら!」

 

エミヤは剣ではなくクーフーリンの魔槍、ゲイ・ボルグを投影した。

 

「ランクは落ちるが、ヘラクレスの足止め程度にはなろう……マスター、私が放った後に一角獣の槍を放て!」

 

「おう!」

 

「◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎ーー!!」

 

ヘラクレスは荒野を駆け、最初の標的をエミヤに向ける。

 

エミヤは飛んでゲイ・ボルグを軽やかに振り回して構える。

 

「その心臓、貰い受ける!『刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルグ)』!!」

 

投げ飛ばしたゲイ・ボルグがヘラクレスの心臓に突き刺さり、僅かに足を止めた。

 

その瞬間、ZEXALはホープレイに指示を下す。

 

「行け、ホープレイ!!ユニコーン・スラッシュ!!!」

 

ホープレイの赤い瞳が輝き、一角獣皇槍を全力で投げ飛ばした。

 

超高速で投げ飛ばされた一角獣皇槍はヘラクレスの胸に突き刺さり、無数の光の波動が解き放たれた。

 

ヘラクレスに突き刺さった一角獣皇槍はホープレイの元に戻る。

 

一角獣皇槍は確かにヘラクレスの命を奪った。

 

しかし、ヘラクレスはすぐに起き上がってその胸には傷が付いていない。

 

「これで、一つか……」

 

「ゴッドハンド……大英雄に相応しい宝具だな」

 

ヘラクレスの持つ宝具、『十二の試練(ゴッドハンド)』。

 

それはヘラクレスが生前に成した十二の偉業の具現化であり、ランクB以下の攻撃をシャットアウトし、11の代替生命がある。

 

更に一度受けた殺害方法にある程度の耐性を身につけ、同じ方法では二度と殺せなくしてしまう。

 

つまりヘラクレスを完全に倒すには最大十二通りの威力Aランク以上の攻撃を叩き込まねばならない。

 

まずホープレイの一角獣皇槍で一つの命を奪った。

 

残るは十一……まだ始まったばかりだが確かな一歩である。

 

「「カードを一枚伏せる!」」

 

ZEXALは一枚のカードを伏せるとヘラクレスは一気にホープレイに近づく。

 

「◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎!!」

 

ヘラクレスは最優先をエミヤからホープレイに標的を定めた。

 

先程放った一角獣皇槍、その身に受けたヘラクレスは戦慄していた。

 

あれほど強力な槍はまさに神槍に相応しい一撃、それをいとも簡単に呼び出して放つZEXALは強大な存在である。

 

だからこそまずはホープレイを倒さなければならないとヘラクレスは斧剣を振り下ろす。

 

「「罠カード発動!『ナンバーズ・ウォール』!この効果により、ナンバーズはナンバーズ以外の戦闘で破壊されなくなる!」」

 

ナンバーズと名のついた全ての存在に強力な守りを与えるナンバーズ・ウォールにより、ホープレイは破壊されなくなる。

 

「◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎!!!」

 

しかし、ヘラクレスの力はホープレイを上回り、その装甲のような体に大きな傷を与えて行く。

 

「「くっ、うわぁああああっ!?」」

 

ヘラクレスのまるで吹き荒れる嵐のような激しい攻撃はホープレイに襲いかかり、超過したダメージがZEXALにも与える。

 

ZEXALはダメージを受けてその場から後ろに吹き飛ばされる。

 

「遊馬君!アストラルさん!」

 

とっさにマシュが背後に回ってZEXALを受け止めた。

 

あまりの威力にマシュも一緒に吹き飛ばされそうになったが、足腰に力を込めて何とかZEXALを受け止めた。

 

「サンキュー、マシュ」

 

「ありがとう」

 

「まだ、行けますか?」

 

「あったり前だぜ!」

 

「我らのかっとビングはまだ始まったばかりだからな!」

 

ZEXALはこの程度で屈するほどやわではない。

 

マシュの肩を借りて立ち上がり、ZEXALは再び右手に光を収束させる。

 

「全ての光よ、力よ!我が右腕に宿り、希望の道筋を照らせ!シャイニング・ドロー!」

 

再びシャイニング・ドローでデッキトップを金色に輝かせてカードを創造する。

 

カードをデュエルディスクに挿入し、右手に宿る赤い光を空に向かって放つ。

 

「「現れよ!『ZW - 不死鳥弩弓(フェニックス・ボウ)』!!」」

 

空の果てから飛翔して現れたのは一角獣に並ぶ伝説の幻獣、紅と橙に美しく輝く死と再生を司る不死鳥だった。

 

「ふふ、不死鳥ですか!?」

 

「「不死鳥弩弓はホープレイの装備カードとなり、攻撃力を1100ポイントアップする!」」

 

先に装備していた一角獣皇槍は巨大な槍となった大剣から分離してホープレイの中に入り、ホープレイの漆黒の翼が金色と白銀に輝く。

 

大剣を掲げたホープレイに不死鳥弩弓が突撃すると足で支えて両腕で弦を引く巨大な弓・弩弓へと変形し、ホープレイは全身の力を全て使いながら弦を引く。

 

「なんで巨大な弓なんだ……あれで射つというのか!?」

 

熟練の射手であるアタランテでも初めて見る弩弓に驚きを隠せなかった。

 

そして、その弩弓で射つ矢は大剣が巨大な矢へと変化し、第三と第四の腕で持ち上げる。

 

「「エミヤ!不死鳥弩弓の矢に合わせて射て!!」」

 

「承知!!」

 

エミヤは黒弓を投影して荒野に突き刺さった剣を浮かせて切っ先をヘラクレスに向ける。

 

剣をまるで雨のように一斉に発射してヘラクレスの動きを止める。

 

そして、エミヤは黒弓に螺旋に捻れた剣を番えて弦を引き、ホープレイは不死鳥弩弓に大剣の矢を番える。

 

ホープレイとエミヤはヘラクレスに狙いを定め、呼吸を合わせて同時に放つ。

 

「「不死鳥炎舞撃(フェニックス・フィニッシュ)!!!」」

 

「I am the bone my swordーー『偽・螺旋剣(カラドボルグⅡ)』!!」

 

同時に放たれた二つの矢は空間を抉るように瞬く間にヘラクレスを貫き、その瞬間に雨の如く降り注いだ剣がヘラクレスの体中に突き刺さった。

 

その瞬間、エミヤが放った偽・螺旋剣から光が溢れ出した。

 

「『壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)』!!!」

 

偽・螺旋剣を構築する魔力が大爆発を起こしてヘラクレスの命を奪った瞬間、更に不死鳥弩弓の効果がチェーンで発動する。

 

「「不死鳥弩弓の効果でヘラクレスに1000ポイントのダメージを与える!!!」」

 

相手を破壊した際に1000ポイントのバーンダメージを与える不死鳥弩弓の効果が上乗せされ、ヘラクレスの命を追加でもう二つ奪った。

 

ヘラクレスの十二の試練は十二通りの攻撃を叩き込まなければならないが、余りにも大きな攻撃では一度で複数の命を失うこともある。

 

これにより一角獣皇槍に加えて不死鳥弩弓を装備したホープレイの攻撃とエミヤの渾身の偽・螺旋剣からの壊れた幻想のコンボで一度に三つの命を奪うことに成功した。

 

「おっしゃあ!このまま押し切るぜ!!」

 

「いや、油断するな、遊馬!」

 

「◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎!!」

 

ヘラクレスはすぐに十二の試練で復活してホープレイに突撃する。

 

ホープレイは足にかけた不死鳥弩弓を一角獣皇槍と同じように自分の体内に取り込み、背中に紅と橙に輝く双翼を展開させる。

 

ヘラクレスは斧剣を振り下ろしてホープレイが受け止めるが、その直後にヘラクレスは斧剣を手放して強靭な拳で殴りつける。

 

ホープレイの装甲にヒビが入り、ZEXALは更に大きなダメージが与えられる。

 

「ぐぁあああっ!?くっ、今のホープレイは一角獣皇槍と不死鳥弩弓を同時に装備しているのにヘラクレスの攻撃力は更にそれを超えるのかよ!?」

 

「攻撃の瞬間、爆発的な攻撃力でホープレイを圧倒しているのか……ヘラクレスの武芸は使えないがバーサーカークラスとしての荒々しい攻撃は凄まじいな」

 

今のホープレイは一角獣皇槍と不死鳥弩弓を同時に装備している。

 

その攻撃力は2500+1900+1100で合計5500。

 

これだけでもホープレイはほぼ全てのモンスターを戦闘破壊することが出来るが、ヘラクレスの大英雄の名は伊達ではない。

 

「……アストラル、確かヘラクレスは神にまで登りつめたんだよな」

 

「ああ。十二の偉業を成し遂げた後、オリンポスの神々として迎えられた」

 

「神を倒すなら……ホープレイの『あの力』を使うしかないよな」

 

ホープレイには神を倒すに相応しい強大な力が存在する。

 

それを呼び出すには遊馬とアストラル……ZEXALの力を全力全開で解放しなければならない。

 

「行くぜ、アストラル!」

 

「ああ!」

 

遊馬とアストラルは次のターンで決着をつけるために気合いを入れる。

 

「「俺/私のターン!全ての光よ、力よ、我が右腕に宿り、希望の道筋を照らせ!シャイニング・ドロー!!」」

 

三度目となるシャイニング・ドローでドローしたのはホープレイを最強にするための布陣を整える下準備となる魔法カード。

 

「「魔法カード、『強欲で貪欲な壺』を発動!自分のデッキの上からカード10枚を裏側表示で除外し、デッキから2枚ドローする!」」

 

デッキの上から10枚を除外して2枚ドローする強力なドローソース。

 

除外した10枚は使用できなくなるが、ZEXALのドローは常に勝利の必然を手にするシャイニング・ドロー。

 

ZEXALは今までよりも強い光を右手に輝かせる。

 

それは勝利を導き、希望を手にする究極の光である。

 

「「全ての力よ!光よ!我が右腕に宿り、再び希望の道筋を照らせ!ファイナル・シャイニング・ドロー!!」」

 

ファイナル・シャイニング・ドローでドローしたカードでZEXALが思い描く勝利の方程式は全て揃った。

 

「来たぜ、アストラル!」

 

「当然だ!」

 

「「魔法カード『二重召喚』!その効果で通常召喚を二度行える!『ガガガマジシャン』と『ガガガガール』を召喚!」

 

『『ガガガッ!!』』

 

ZEXALの左右にガガガマジシャンとガガガガールが立ち並ぶ。

 

「「ガガガマジシャンの効果でレベルを5に変更し、ガガガガールの効果でガガガマジシャンと同じレベルになる!」」

 

これでレベル5となったガガガマジシャンとガガガガールをオーバーレイすれば黒髭の戦いで見せたマシュ=マックをエクシーズ召喚してガガガガールとの強力なコンボを発動出来るが、ガガガガールの効果がヘラクレスに通用するか分からない。

 

ZEXALは勝利を導く奇跡のモンスターエクシーズを呼び出す。

 

「「レベル5のガガガマジシャンとガガガガールでオーバーレイ!エクシーズ召喚!!」」

 

『先輩っ!』

 

『おうっ!』

 

ガガガマジシャンとガガガガールは光となって地面に吸い込まれて光の爆発が起きる。

 

ZEXALは右手を輝かせて新たなカードを創造し、デュエルディスクに置く。

 

『ゴォオオオオオッ!!!』

 

荒野の果てから雄叫びが響く。

 

それは獣の雄叫び、勇ましい王の咆哮である。

 

「「現れよ!『ZW - 獣王獅子武装(ライオ・アームズ)』!!」」

 

荒野の果てから空を駆けて現れたのはZEXALと同じカラーリングをした獅子だった。

 

「ゼアルウェポンのモンスターエクシーズ!?」

 

『ガォオオオオオウ!!』

 

獣王獅子武装はホープレイを殴り続けるヘラクレスに突撃し、ヘラクレスをぶっ飛ばす。

 

「「更に手札から速攻魔法『サイクロン』!フィールドの魔法・罠を一枚破壊する!ナンバーズ・ウォールを破壊する!」」

 

ホープレイに鉄壁の守りを与えたナンバーズ・ウォールを破壊したことでヘラクレスからの攻撃を防ぐことができず、大きなリスクを背負うことになってしまった。

 

しかし、ZEXALはナンバーズ・ウォールで埋まった魔法・罠ゾーンを解放し、このターンでヘラクレスに決着を付けるためにこの選択をした。

 

「「獣王獅子武装の効果!」」

 

獣王獅子武装がオーバーレイ・ユニットを一つ食べるとデッキトップが金色に輝く。

 

「「オーバーレイ・ユニットを一つ使い、デッキからZWを一枚手札に加える!」」

 

ZEXALはデッキからZWのカードを創造しながらサーチして手札に加える。

 

究極のゼアルウェポンにしてゼアルウェポンを導く王、それが獣王獅子武装。

 

これでZEXALの勝利への全ての準備が整った。

 

「「ホープレイにこのゼアルウェポンを装備する!」」

 

ファイナル・シャイニング・ドローと獣王獅子武装の効果で手札に加えたゼアルウェポンをホープレイに装備する。

 

「「『ZW - 雷神猛虎剣(ライトニング・ブレード)』!!」」

 

『ゴォオオオオオン!!」

 

空に雷雲が浮かび、その中から雷を発しながら大きな虎が現れた。

 

ホープレイは左腰に添えられたホープ剣を右手で抜いて掲げ、雷神猛虎剣がホープ剣に突撃すると鍔に虎の装飾が施された剣へと変化した。

 

そして、雷神猛虎剣と対を成すもう一つのゼアルウェポンを呼び出す。

 

「「『ZW - 風神雲龍剣(トルネード・ブリンガー)』!!」」

 

『グォオオオオオン!!』

 

雷雲の後に風が巻き起こり、その中から真紅の龍が現れた。

 

ホープレイは右腰に添えられたホープ剣を掲げると、風神雲龍剣が雷神猛虎剣と同じようにホープ剣に突撃すると龍の顔の装飾が施された剣へと変化した。

 

雷神と風神、虎と龍

 

古より日本で対を成す存在として描かれた風神と雷神、龍と虎。

 

それぞれが合わさり、二刀一対のゼアルウェポンとして創造された。

 

「ゼアルウェポンの二刀流……!!」

 

マシュはゼアルウェポンの二刀流に感動して目を輝かせた。

 

雷神猛虎剣と風神雲龍剣。

 

この二つのゼアルウェポンを同時に装備することによって互いにその効果を補い合い、ホープレイに強力な力を与える。

 

これだけでもホープレイの力は更に高まったが、ZEXALは最後にして最高の仕上げをする。

 

「「そして……ホープレイに獣王獅子武装を装備!!」」

 

獣王獅子武装の体が輝き、その体が無数のパーツに分離し、ホープレイの体に次々と装着して合体する。

 

「「闘志が纏しその衣!轟く咆哮、大地を揺るがし!迸る迅雷、神をも打ち砕く!獣装合体!!」」

 

両腕、両足、胸部、第三と第四の腕、双翼……そして、大剣。

 

それら全てに獣王獅子武装のパーツが装着される。

 

「「『ライオ・ホープレイ』!!」」

 

これこそ、ホープレイが獣王獅子武装と合体した最強の姿。

 

しかし、このライオ・ホープレイはかつてのデュエルで出した時よりも更にその上の境地に達していた。

 

「五体のゼアルウェポンを装備し、極限を越えた究極の刃!」

 

「これが、ホープレイの最強無敵の姿!」

 

一角獣皇槍、不死鳥弩弓、雷神猛虎剣、風神雲龍剣、そして獣王獅子武装。

 

五体のゼアルウェポンを同時に装備したことでその全ての攻撃力と効果を集結させたホープレイの史上最強の力を得た極限を越えた姿。

 

「「『アンリミテッド・ライオ・ホープレイ』!!!」」

 

今ここに、神を打ち砕くホープレイが降臨し、ZEXALは共に戦うエミヤに力を与える。

 

「「令呪によって命ずる!!」」

 

「マスター!?」

 

ZEXALの右手の甲に輝く三画の令呪の一つを消費させる。

 

「「己の信じる最強の剣で過去の敗北を乗り越え、その手に勝利を掴め!!」」

 

エミヤの力を解放するためにZEXALは令呪の力によってブーストさせる。

 

「「重ねて令呪によって命ずる!!」」

 

一画目を使ったその直後に二画目の令呪を消費させる。

 

「「エミヤよ、今こそ!その限界を超えて新たな境地を切り開け!!」」

 

令呪は元々使える数は三画と少ないが、カルデアで供給される令呪は一日一画回復するので重ねて使用することでサーヴァントに更なる力を与える。

 

「感謝する……マスター!ーーーー投影、開始(トレース、オン)!!」

 

エミヤはその身から溢れ出る魔力にZEXALに感謝しながら投影魔術を開始し、両手に異なる剣を投影する。

 

右手には黄金に輝く剣、左手にはヘラクレスが持つものと同じ巨大な斧剣だった。

 

「シロウ……あなた、まさか!?」

 

アルトリアはこれからエミヤが行おうとしている攻撃を直感で気づいた。

 

「ーーーー投影、装填(トリガー、オフ)

 

黄金の剣と斧剣の柄を握りしめたエミヤは自身が思い描く最強の剣と最強の剣技を持ってヘラクレスに挑む。

 

全工程投影完了(セット)

 

全ての投影を終えたエミヤは黄金の剣と斧剣を持ちながら荒野を駆け、ヘラクレスに向かって突進する。

 

「◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎ーー!!」

 

ヘラクレスはエミヤを向かい撃つために走り出して斧剣を振り下ろす。

 

その瞬間、エミヤの脳裏に思い浮かんだのは雪の妖精のような可愛らしい少女。

 

その少女はエミヤとヘラクレスの共通する大切な人である。

 

ヘラクレスはその記憶を持っているかわからないが、エミヤはその少女の為に力を振るう。

 

「『是、射殺す百頭(ナインライブズブレイドワークス)』!!!」

 

エミヤは斧剣で攻撃が一つに重なる程の九連続の高速の斬撃を放つ。

 

エミヤの放った攻撃にアタランテを始めとするギリシャ神話のサーヴァント達は驚愕した。

 

射殺す百頭とはヘラクレスの持つ万能攻撃宝具。

 

生前の偉業の一つ、ヒュドラ殺しで編み出した、攻撃が一つに重なる程の高速の連撃である。

 

今のヘラクレスはバーサーカーの狂化によってそれを使うことができず、射殺す百頭は人体にある九つの急所を一息で狙い撃ち、炸裂させる宝具である。

 

エミヤの無限の剣製……投影魔術はただ剣を複製するだけの魔術ではない。

 

刀剣に宿る『使い手の経験・記憶』ごと解析・複製している。

 

これにより、斧剣に宿るヘラクレスの武芸である射殺す百頭を使用することが可能となったのだ。

 

そして、射殺す百頭を放ち終え、斧剣を手放したエミヤは右手の黄金の剣を両手で強く握りしめてその刀身から輝く黄金の光を最高潮にまで煌めかせる。

 

「『勝利すべき黄金の剣(カリバーン)』!!!」

 

黄金に輝く刀身から闇を打ち払うかの如き、聖なる光の輝きがヘラクレスの巨体を呑み込む。

 

それはアルトリアがかつて所有し、愛用していた選定の剣。

 

エミヤにとって原点ともいうべき最高の宝剣である。

 

本来なら射殺す百頭と勝利すべき黄金の剣を同時に投影することはエミヤのスペックでは不可能であるが、ZEXALの二画を使用した令呪によって過去の限界を超えて使用することができた。

 

「今だ、マスター!決めろ!!」

 

エミヤは全力を出し尽くし、最後のトドメをマスターであるZEXALに託した。

 

「「行けっ!!アンリミテッド・ライオ・ホープレイでヘラクレスに攻撃!!!」」

 

エミヤから想いを受け取ったZEXALはアンリミテッド・ライオ・ホープレイに最後の攻撃命令を下す。

 

アンリミテッド・ライオ・ホープレイは真紅の瞳を輝かせ、大剣と雷神猛虎剣と風神雲龍剣を構える。

 

すると、アンリミテッド・ライオ・ホープレイの周囲に装備された五体のゼアルウェポンの幻影が現れ、共にヘラクレスに向かって突撃する。

 

エミヤの怒涛の連続攻撃を受け、辛うじて十二の試練で回復して立ち上がったヘラクレスの目にアンリミテッド・ライオ・ホープレイの姿が映った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ホープ剣・アンリミテッド・カオス・スラッシュ!!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷神猛虎剣と風神雲龍剣で十字に斬り開き、第三と第四の腕で持ち上げた大剣を縦に振り下ろす。

 

そして、五体のゼアルウェポンの幻影がヘラクレスの体を貫く。

 

この瞬間、ヘラクレスの十二の試練が持つ十一の命を打ち砕き、最後の命にトドメを刺した。

 

大英雄との壮大な戦いはZEXALとエミヤの勝利となるのだった。

 

 

 

.




ホープレイのゼアルウェポン五体乗せ(笑)

実際に私がデュエルでやったことがあるので出してみました。

いやー、ゼアルウェポン五体乗せは圧巻ですね。
今回は2500+1900+1100+1200+1300+3000=11000……やりすぎましたね(笑)

更にゼアルウェポン五つの効果が付与されてますから更にヤバいですね。

エミヤの射殺す百頭と勝利すべき黄金の剣は実際にヘラクレスの命を奪ったもので過去の自分に勝利するという点を踏まえて同時に出してみました。

普通なら絶対に無理ですが、ZEXALの令呪でそれが可能になったと納得していただければ幸いです。

次回はオケアノス編最終回となります。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。