Fate/Zexal Order   作:鳳凰白蓮

56 / 195
空の境界編スタートです。
ぐだぐだ本能寺と同じく出来るだけ短めにまとめて早めにZERO編に突入させます。


空の境界 the Garden of Order
ナンバーズ54 夢の中の出会い、サーヴァント行方不明事件発生!


メディア・リリィの消滅と共にこの世界の特異点となる聖杯が転げ落ち、遊馬はそれを拾い上げてマシュに渡す。

 

「聖杯の回収、完了しました」

 

聖杯を盾の中にしまい、無事に聖杯の回収が完了した。

 

これでこの特異点での戦いがようやく終わりを迎えたことになる。

 

「ここでお別れだ、ドレイク船長」

 

「そっか……いつかは終わりが来るとは思っていたが意外に早かったな。もっとお前と冒険したかったぜ、ユウマ」

 

「俺もだよ。たった数日だけど、本当に楽しかったぜ!」

 

「私もだよ。それに、希望皇ホープやナンバーズ、そしてZEXAL。たくさんのいいもんを見せてもらった」

 

ドレイクは懐から二丁拳銃を取り出すとその片割れを遊馬に差し出した。

 

「えっ?船長?」

 

「持ってけ。ユウマ、私からの餞別だ。それにこいつがあれば私を召喚出来るだろ?」

 

遊馬は恐る恐るドレイクからフリントロック式の拳銃を受け取り、その歴戦の重みを感じる。

 

「ネロから聞いた。生前持っていたものを媒体にサーヴァントを呼び出せるんだろ?そいつで英霊となった私を呼び出してくれよ」

 

「サーヴァントとして俺と一緒に戦ってくれるのか?」

 

「ああ、もちろんさ!あんたのこれから進む果て無き冒険を共にするためにさ!」

 

「ありがとう、ドレイク船長!」

 

「それから、こいつを今度こそ受け取ってもらうぞ!」

 

ドレイクは自分の体から聖杯を取り出して遊馬に差し出す。

 

「だから俺は聖杯は……」

 

「ごちゃごちゃ言うんじゃないよ!お前は未来を救うんだろ!」

 

「っ!?」

 

「それにあの小さいメディアと約束したんだろ?必ず勝つ、希望の光になるって。お前の背にはたくさんの人の思いを背負ってる。だったら、勝つための手数は多い方がいい。こいつがどう役に立つかは分からないが、無いよりはずっとマシだ」

 

「船長……」

 

「ユウマ!何があっても絶対に負けるんじゃ無いよ!そして、私とお前の両親を越える世界最高の冒険者になりな!!」

 

それはドレイクからの激励の言葉だった。

 

星の開拓者であり冒険者の大先輩であるドレイクは世界と人類の未来の全てをその背中に背負っている遊馬の助けになるために拳銃と聖杯を渡すのだ。

 

「本当にいいのか……?」

 

「ああ。お前ならこいつを正しく使えるはずさ」

 

遊馬は恐る恐るドレイクから聖杯を受け取る。

 

すると、聖杯が金色に輝いて遊馬の中に静かに入り込んだ。

 

「聖杯が俺の中に……」

 

「これで正式に聖杯はお前のものだ。私のお宝の一つをやったんだ。負けるんじゃないよ?」

 

「……ああ。約束する、俺は負けない!」

 

遊馬は聖杯が体の中にあるのを感じながら決意の拳を突き出す。

 

「おう、またな。ユウマ!」

 

ドレイクも拳を作って遊馬の拳とぶつけあう。

 

「マスター、必ず私を召喚してね。ステンノとメドゥーサを召喚したのに私だけ召喚しないのは無しよ?」

 

「ユウマ、お前なら必ず私を召喚できる。待っているぞ」

 

「エウリュアレ……アタランテ……ああ、必ず召喚してやるから少し待っててくれ」

 

特に召喚してもらいたいと願うエウリュアレとアタランテの思いに遊馬は強く頷く。

 

そして、この世界で召喚されたサーヴァント達が役目を終えて静かに消滅していく。

 

残ったのはカルデアに属するサーヴァント、そしてメディアと強い絆で召喚された宗一郎だった。

 

「行きましょう、宗一郎様。共に……」

 

「ああ……」

 

メディアは宗一郎と手を取り合い、遊馬が全員のフェイトナンバーズと宗一郎のトークンカードを掲げると体が粒子化してカードの中に入る。

 

全員をデッキケースにしまい、遊馬はアストラルを見上げる。

 

アストラルは顎に手を添えていつもの何かを熟考する姿勢をしていた。

 

「アストラル、どうしたんだ?」

 

「いや……聖杯を無事に回収出来たのは良いが、二つの特異点に現れた二つの魔神が気になってな……」

 

レフのフラウロスにフォルネウス、どちらもかの有名なソロモン王が使役したとされる七十二の悪魔のうちの2体だった。

 

アストラルはその事が気になっていた。

 

今回の人理を崩壊させた黒幕、それがソロモン王に関係する何かではないかとアストラルは推測する。

 

「確かに気になるけど、でもあんまり考えすぎるのも良くないと思うぜ?お前の悪い癖だ」

 

「遊馬……」

 

「俺たちのやることは変わらない。特異点を巡り、英霊と絆を結んで聖杯を回収する。黒幕が出てきたんなら、俺たちの全力を持ってぶっ飛ばす」

 

「だが、それでは後手に回ってしまうのではないか?」

 

「考えてみろよ、ドン・サウザンドの戦いでも俺たちはかなり後手だったじゃないか。敵は強大すぎる。世界を既に滅ぼしかけている奴だぜ?」

 

ドン・サウザンドは強大な力を持ちながら頭脳明晰で用意周到で忍耐強く、アストラル世界を滅ぼしてヌメロン・コードを手に入れるために人間界で数千年単位の時間も影で行動していた。

 

人理焼失の黒幕もドン・サウザンド並みにかなりの力を持っていることは間違いない。

 

下手に先手を取ろうとしても空回りして逆効果になってしまう恐れがある。

 

「だからさ、俺たちは目の前のことを全力でやるしかねえんじゃねえの?」

 

目の前のことを一つ一つ確実に解決していく。

 

それが結果として遊馬達の大きな力へと繋がると信じて。

 

「目の前のことを全力でか……君らしいな。そうだな、確かに私は少し考えすぎだな。かっとビングだな、遊馬!」

 

「ああ!かっとビングだぜ、アストラル!」

 

アストラルの迷いを遊馬の言葉で断ち切り、二人はハイタッチを交わす。

 

そして、世界が修正され、周りの景色が消えていく中、遊馬はアストラルを皇の鍵の中に入れて静かにカルデアへ帰還する。

 

 

カルデアに帰還すると遊馬は戦いの疲れを忘れるようにコフィンから飛び出して召喚ルームに向かう。

 

「ダ・ヴィンチちゃん、召喚の準備よろしく!」

 

「え!?今から!?わ、分かった、すぐに準備するよ!」

 

ダ・ヴィンチちゃんは相変わらずだなと苦笑を浮かべながら英霊召喚の準備をする。

 

元気良く走る遊馬の背中を見てオルガマリーとロマニは笑みを浮かべた。

 

「全く、あれだけの激戦を潜り抜けながら元気なものね」

 

「いやー、若いって良いねぇ!」

 

「ロマニ、それは自分が老けてることを言っているものよ」

 

「酷いよ、所長!?」

 

「ほら、あなたも遊馬とマシュのメディカルチェックの準備をしなさい」

 

「アイアイ姉御!」

 

「誰が姉御よ!?」

 

ロマニは特異点の海賊の真似をしながらオルガマリーからダッシュで逃げるように立ち去る。

 

召喚ルームで英霊召喚の準備を整えると、召喚サークルに銃とフェイトナンバーズを並べる。

 

「遊馬くん、準備完了です。はい、聖晶石です」

 

「ああ!かっとビングだ、俺!!」

 

手の中で握り潰して砕いた聖晶石を振り撒き、四度目のサーヴァント召喚が始まり、爆発的な魔力が集束する。

 

英霊召喚システムとカルデアの電力が唸りを上げて眩い光を放ち、光の中から第三特異点で出会ったサーヴァントが召喚される。

 

最初に召喚されたのは触媒である銃の所有者であるドレイクだった。

 

「約束通り、私を呼んでくれたね。これからはこう呼ばさせてもらうよ、マスター!」

 

ドレイクのフェイトナンバーズは黄金の鹿号に搭乗し、大砲を打ち鳴らしている姿が描かれており、真名は『FNo.32 黄金の嵐 フランシス・ドレイク』。

 

「ありがとう、本当にステンノとメドゥーサと一緒に過ごせるのね」

 

ドレイクの次に召喚されたのはエウリュアレ。

 

エウリュアレのフェイトナンバーズは美しい後光と星空をバックにエウリュアレがウィンクして可愛らしい姿が描かれており、真名は『FNo.44 魅惑の女神 エウリュアレ』。

 

「ます、たー……これからも、よろしく……」

 

エウリュアレの次に召喚されたのはアステリオス。

 

アステリオスのフェイトナンバーズは迷宮をバッグに半分に割れた牛の頭蓋骨の仮面を被りながら歩く姿が描かれており、真名は『FNo.51 雷光の迷宮 アステリオス』。

 

「はーい♪オリオンでーす!ダーリンと一緒に呼ばれなんて嬉しいわ!」

 

「あー、全くもって役に立てないけど、とりあえずよろしくな」

 

アステリオスの次に召喚されたのはアルテミスとオリオン。

 

アルテミスとオリオンのフェイトナンバーズは美しい満月をバックにクマのぬいぐるみと化したオリオンをギュッとアルテミスが嬉しそうに抱きしめている姿が描かれており、真名は『FNo.87 月女神の射手 アルテミス&オリオン』。

 

「デュフフ……マスター、改めてよろしくでござるよ!」

 

アルテミスとオリオンの次に召喚されたのは黒髭。

 

黒髭のフェイトナンバーズはアン女王の復讐号に搭乗し、幽霊の部下を引き連れて大海賊の名に相応しい暴れまわる姿が描かれており、真名は『FNo.50 黒髭 エドワード・ティーチ』。

 

「約束通り、参りましたわ」

 

「たくさん冒険の話をしてあげるね」

 

黒髭の次に召喚されたのはアンとメアリー。

 

アンとメアリーのフェイトナンバーズは二人が背中合わせにそれぞれが銃とカトラスを持って勇ましく戦う姿が描かれており、真名は『FNo.37 比翼連理の女海賊 アン&メアリー』。

 

「ウガァアアアアアッ!」

 

アンとメアリーの次に召喚されたのはエイリーク。

 

エイリークのフェイトナンバーズは血の雨をバッグに斧を掲げながら戦う姿が描かれており、真名は『FNo.80 血斧王 エイリーク』。

 

「おっと、今度はまともなマスターみたいだな。いやー、良かった」

 

エイリークの次に召喚されたのはヘクトール。

 

ヘクトールのフェイトナンバーズはトロイの街をバックにドゥリンダナを構えた姿が描かれており、真名は『FNo.52 不毀の知将 ヘクトール』。

 

「やあ、マスター。君の歩む英雄譚を見せてもらうよ」

 

ヘクトールの次に召喚されたのはダビデ。

 

ダビデのフェイトナンバーズは羊達に囲まれながら優雅に堅琴を奏でる姿が描かれており、真名は『FNo.8 堅琴の聖王 ダビデ』。

 

「◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎ーー!!」

 

ダビデの次に召喚されたのはヘラクレス。

 

ヘラクレスのフェイトナンバーズは雪原の中、斧剣を構えて雄叫びを上げる姿が描かれており、真名は『FNo.30 神狂の大英雄 ヘラクレス』。

 

「未来を救う数多の煌めく星……その一つになれるよう、私の全てを捧げます」

 

ヘラクレスの次に召喚されたのはメディア・リリィ。

 

メディア・リリィのフェイトナンバーズは綺麗な星空の下、杖を構えて微笑む姿が描かれており、真名は『FNo.49 癒しの魔女 メディア・リリィ』。

 

「ユウマ……あの時の誓いを必ず果たす。あなたを必ず守る!」

 

最後に召喚されたのはアタランテ。

 

アタランテのフェイトナンバーズは既に判明しており、『FNo.102 純潔の狩人 アタランテ』。

 

しかし、残念ながらイアソンは召喚に応えずフェイトナンバーズは何も反応しなかった。

 

遊馬が太陽のように眩しすぎて一緒にいるのが辛いと思ったのか、ただ単に自分が役立たずでいない方がいいと思ったのか……真相は分からないが遊馬はイアソンと会えない事を残念に思った。

 

しかし、いつまで落ち込んでても意味はないので新たに召喚したサーヴァントを引き連れて食堂に向かう。

 

「よし、今からみんなの歓迎会だ!思いっきり騒ごうぜ!!」

 

既に食堂では小鳥とブーディカとマルタが宴会の準備をしており、エミヤはカルデアに帰還してから水を得た魚のようにすぐに美味な料理を作る。

 

出来た料理をメイド服にコスチューム・チェンジしたアルトリアとアルトリア・オルタがテーブルに運ぶ。

 

そして、第三特異点の終結と新たなサーヴァント達を祝う歓迎会が行われる。

 

特に宴会好きな海賊のドレイクが酒の入ったジョッキ片手に派手に楽しんでいた。

 

それから時間が過ぎ、歓迎会は無事に終わり、遊馬はオルガマリーの勧めで一足先に部屋に戻った。

 

ベッドに座ると連戦と歓迎会の疲れが体に一気に来て、そのままベッドに倒れ込んだ。

 

人間は本当に疲れているときは夢を見ずに体を休めるために熟睡するものである。

 

遊馬も例外ではなくそのまま夢を見ずに熟睡する……はずだった。

 

気がつくと遊馬は花畑にいるような不思議な夢の中にいた。

 

「なんだここ?また俺、変な夢を見てるのか?」

 

しかし、今までの夢とは違い自分の意識がはっきりしていた。

 

するとそこに優しい声が響いた。

 

「あら。ここにお客様が来るなんて、どんな間違いかしら?」

 

「え?」

 

遊馬が振り向くとそこには優雅な花の模様の刺繍がとても綺麗な着物を着て刀を持った青い瞳の女性が立っていた。

 

まるで遊馬の故郷である日本の古き良き日本人女性の名称、大和撫子を体現したかのような美しい女性だった。

 

「夢を見ているのなら、元の場所にお帰りなさい。ここは境界のない場所。名前を持つアナタが居てはいけない世界よ?」

 

女性は優しく遊馬に話しかける。

 

「境界……?うーん、そう言われても俺は気がついたらここにいたから……」

 

「求めて来た訳ではないの?ならーーふふ、ごめんなさい。縁を結んでしまったのはこちらの方みたい。今のうちに謝っておくわ、遊馬君」

 

「何で、俺の名前を……?」

 

女性は遊馬が名乗ってないのに何故か名前を知っており、遊馬は首を傾げる。

 

「私は眠っているから外のコトは分からないけれど、何が起きたのか予想できる。どうせまた斬った張ったの、ロマンスの欠片もない事件でしょう。災難ね、気の多いマスターさん。でもやれる事、やるべき事があるのはいい事だわ」

 

「あんた、さっきから何の話をしているんだ?」

 

まるで全てを見通すかのような話をしているようで遊馬は少し不気味に思いながら女性を見つめる。

 

「それにしても……」

 

女性は静かに近づくと遊馬の特徴的な赤い前髪を指でチョンチョンと突っつく。

 

「とっても面白い髪。どうしたらこんな髪になるのかしら?」

 

「別にセットしてないぜ?この髪は父ちゃんの遺伝だぜ」

 

遊馬の特徴的な髪は父親の一馬譲りで遺伝として受け継がれた。

 

「そうなの?へぇ……これ、抜けるかしら?」

 

女性の目が怪しくキラーンと輝き、獲物を狙う野獣のような視線で遊馬の前髪を掴もうとしたが、間一髪で遊馬は後ろに全力で下がる。

 

「抜くなぁっ!?前髪は抜けないし、抜いても黒化して変身もしないぞ!??」

 

本気で前髪を引き抜こうとした女性に遊馬は恐怖を抱く。

 

「うふふ、冗談よ。あら?アナタ、一つじゃなくて複数の名前を持っているのね?」

 

女性は遊馬が『九十九遊馬』という名前だけでなく様々な名前を持つことに気付いた。

 

「複数の名前?」

 

「面白い子ね。異名とは違う、複数の名前を持つ子なんて」

 

「何言ってんだよ。俺は九十九遊馬、父ちゃんからもらった大事な名前が俺の名前だぜ?」

 

「ふふふ、あなたは気付いてないだけね。でも、その内に理由がわかる時が来るわ」

 

「はぁ……?ってか、あんた誰だよ?」

 

「私?私は……あぁ、あなたのことを色々とお喋りしてみたいところだけれどーー」

 

だんだんと女性の姿が薄れて来て周りの風景も明るくなっていく。

 

「お、おい!?」

 

「残念。もう夜が明けてしまいそう。夢が終わる頃みたい。もしまた会えることになったら、その時は、どうか私の名前を口にしてね?」

 

女性は最後に寂しそうな淡い笑みを浮かべながら遊馬の夢の中から消えて行った。

 

「んっ……変な夢……」

 

遊馬は目を覚まし、欠伸をしようと右手を口元に持っていこうとしたら右手で何かを握っていることに気づいた。

 

「……モンスターエクシーズのカード……?」

 

何故か右手にモンスターエクシーズのカードが握られていた。

 

真名と効果は書かれていなかったが、イラストだけがしっかり描かれていた。

 

「これ、夢で会った女の人……?」

 

それは夢の中で出会った着物の女性で花吹雪が舞う中で刀を構えて微笑んでいる姿が描かれていた。

 

「フェイトナンバーズ……あの人、英霊だったのかな?」

 

恐らくは見た目からして日本人だが何の英霊なのか判断することができなかった。

 

最も、歴史や神話に名を残す英霊達の性別が実は違っていたという事案が多すぎて、見た目ではほとんど判断ができなくなっているので、真名を特定するための決定的なものがない限り考察はほぼ不可能に等しいが。

 

「ま、縁があったら会えるだろう」

 

遊馬は敵ではないのでとりあえずはあまり深く考えないでいいかと思い、そのフェイトナンバーズをデッキケースにしまう。

 

「さて、着替えて飯食うか……あれ?」

 

部屋を見渡すがいつもと違う光景だった。

 

いつもなら勝手に部屋に侵入してアストラルが設置したデモンズ・チェーンで縛られて動かなくなっているはずのネロと清姫の姿が見当たらなかった。

 

いや、そもそも部屋に自分以外の人間が許可していないのに勝手に入ること自体がおかしいのであるが。

 

「あれおかしいな?二人とも体調悪いのか?」

 

遊馬は二人に何かあったのかと逆に心配になって部屋を出ると……。

 

「おお、ユウマよ。起きたか、おはよう」

 

「えっ?ア、アタランテ?」

 

部屋の前には何故か少しボロボロになっていたアタランテが笑顔で挨拶して来た。

 

「えっと、おはよう。どうしたんだよ、そんなボロボロで……」

 

「ああ。あれを一晩中相手をしていたらからな」

 

「あれ……?うわぁっ!??」

 

アタランテの先には同じくボロボロのネロと清姫が立っていた。

 

「くっ、ユウマの寝顔を見る事ができなかった……!」

 

「旦那様の寝顔を一晩中見る事ができないなんて、不覚です……!」

 

「えっ!?もしかして、アタランテはネロと清姫を相手に一晩中戦っていたのか!??」

 

「もちろん。子供の健やかな睡眠を妨げる無粋な奴らを野放しにはできないからな」

 

セイバーのネロとバーサーカーの清姫を相手に遊馬が起きないように細心の注意を払いながら戦っていたアタランテの子供への想いの強さが勝利したのだった。

 

「見事だ、アタランテ。君がよければこれからも遊馬の貞操を守って欲しい」

 

皇の鍵からアストラルが現れ、アタランテの活躍を賞賛した。

 

実はアストラルがカルデアの遊馬の女性関係の実情を教え、それを聞いたアタランテがまだ幼い遊馬の貞操を守るために立ち上がった。

 

「喜んで。純粋な子供であるマスターの純潔と心身を守れるならこの身を砕く所存だ」

 

「ありがとう、これからも共に遊馬を守ろう」

 

二人はガシッと固い握手を交わし、ここにアストラルとアタランテの『遊馬の純潔を守ろう同盟(仮)』が誕生した。

 

「ははは……サーヴァントが増えたからまたカルデアが賑やかになるな」

 

カルデアに新たなサーヴァントが召喚される度に常に変化する楽しく、賑やかな日常を送る事ができる。

 

遊馬はそれがとても楽しく、次の特異点が見つかるまでの束の間の安らぎとも言える時間を楽しもうとした矢先だった。

 

「遊馬〜っ!」

 

「ん?小鳥、どうしたんだよそんなに慌てて……」

 

小鳥が汗だくになりながら必死に走ってきた。

 

「た、大変なの……」

 

「大変って、何が?」

 

カルデアの緊急警報が鳴ってないので大変と言ってもそこまで重要なものではないと楽観していたが、小鳥は衝撃的な発言をする。

 

「ブーディカさんが、私の目の前から突然消えちゃった!!」

 

「……はぁ!??」

 

それはカルデアからサーヴァント達が次々と行方不明となる怪事件の始まりだった。

 

その元凶である謎の特異点が出現し、そこで一人の女性と新たな運命の出会いをする。

 

そして、無辺の闇が全てを覆うその時、遊馬とアストラルが新たなランクアップの境地を切り開く事となる。

 

 

 




今回はプロローグで式さんは次回登場です。

遂に今まで触れなかった遊馬の特徴的な前髪を突っ込まれました(笑)
「 」さんが頭のアンテナを色々言ってたので遊馬の前髪を突っ込むと思いましたので。

ちなみに復刻で浅上藤乃が出るらしいですが、シナリオにも出ないので登場させるか未定です。
多分出さないと思いますが。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。