第3章でNo.27 弩級戦艦-ドレッドノイドを出したかったです……!!
ブラック・コーン号の古い船も良いですが戦艦もカッコいいですからね。
まだナンバーズが全てOCG化してないのでそこがこの小説の最大の弱点ですね。
翌朝、朝早くからエルメロイII世にこれからどうするか話し合った。
今日の夜にイスカンダルが主催する酒宴は参加しなければ色々面倒なので参加する方向で考え、その間の昼間に片付けておく事がある。
「ケイネス先生と時臣さんを呼んで対談?」
「そうだ。ケイネス卿と遠坂時臣を呼んで我々の目的を伝えて交渉する。ケイネス卿は昨日話を中断してしまったから気になっているはずだ。遠坂時臣は娘の事もあり話に応じるだろう」
「……なあ、時臣さんだけでなく二人の母ちゃんの葵さんも呼んでもいいか?」
「そこは好きにしろ」
「サンキュー」
「そして問題なのは時臣のサーヴァント、アーチャーだ。奴の正体はーー」
エルメロイII世の口から語られたアーチャーの正体とその恐るべき宝具……遊馬とアストラルは共に腕を組んで考える。
「うーん、そんなにヤベェ奴か……」
「その宝具の力なら最強のサーヴァントと言うのも頷ける。だが、付け入る隙は必ずあるはずだ」
「だけど、ミラーフォース系の罠とか効きそうに無いからな……」
「むしろ罠ごと破壊されそうだからな……」
「やるなら全力で完封するぐらいの手でやらないとな……」
「完封……」
完封と言う言葉に遊馬とアストラルが考えてふと壁に掛けられた古時計を見た。
時計……時間……時……。
「「あっ!」」
二人の閃きの豆電球が点灯し、ポンと手を叩く。
「そうだ、あれだよ!あいつを使えばいいんだよ!」
「あの力があればいける。だが、勝負は一瞬で決まる……タイミングが重要だぞ」
「ああ!」
遊馬とアストラルはカードをテーブルに並べて最強のサーヴァントであるアーチャー対策を練る。
「おいおい、まさかそんなあっさりとあのサーヴァントの対抗策が見つかったのか……?」
恐らく全てのサーヴァントが苦戦し、相性次第では瞬殺される相手であろうアーチャー。
その対抗策が遊馬とアストラルがあっさりと見つけてしまったことにエルメロイII世は戦慄するのだった。
遊馬とアストラルは対抗策を見つけてデッキ編集を終え、上機嫌で食堂に向かうと桜と凛と鉢会う。
「おはよう、桜ちゃん、凛ちゃん。よく眠れたか?」
「うん、眠れたよ……」
「久しぶりに桜と寝られてよかったわ!」
昨夜二人は一緒のベッドで仲良く寝ており、特に凛は満足していた。
「そりゃあ、良かった。それじゃあ飯食おうぜ。俺も腹ペコだからさ」
「あっ、あの……」
「ん?」
桜は恥ずかしそうにしながら遊馬に近づき、ギュッと遊馬の服を掴みながら上目遣いで見つめる。
「ずっと、言えなかったけど……私を助けてくれて、ありがとう……」
「ああ、その事か。どういたしまして。桜ちゃんが元気になって良かったよ」
「うん。本当にありがとう……」
そして、桜は可愛らしい満面の笑みを浮かべる。
「遊馬お兄ちゃん」
桜からさらりと口にした呼び方に遊馬の思考が一瞬停止した。
「…………は?お兄ちゃん?」
「うん……ダメ?」
その時、遊馬の中で何かのスイッチが入った。
遊馬は九十九家の長男であるが長女の明里がいて周りの仲間たちも年上が多く、カルデアでも年上がほとんどなのでいわゆる『弟キャラ』が定着していた。
昔から弟が欲しく、仲間のカイトとハルトの天城兄弟をとても羨ましく思っていた。
しかし、桜から『遊馬お兄ちゃん』と呼ばれてその呼び方が遊馬の心に深く突き刺さった。
「いや、ダメじゃない。俺さ、弟や妹とかいなかったからずっと欲しかったんだよな。むしろ、ウェルカム、オッケーだぜ」
「じゃあ、せっかくだから私も呼ぼうかな♪」
桜の姉である凛も何故か乗り気になり、周りは大人ばかりで遊馬ぐらいの歳の少し離れた人がいなかったので凛も呼び方を変えることにした。
「よろしくね、遊馬お兄様!」
予想外過ぎる呼び方に遊馬の心が更に突き刺さった。
遊馬はカイトがハルトをどれだけ大切に想っていたのか更に理解を深め、隣にいるアストラルに今の気持ちを打ち明けた。
「アストラル……」
「どうした?」
「お兄ちゃんとお兄様って、いい響きだな。妹って良いなぁ……!」
「良かったな……」
念願の妹が出来た遊馬は感動の涙を流し、何故遊馬が涙を流しているのか桜と凛は理解出来なかった。
その後、桜と凛はマシュのことを姉と慕ってそれぞれ『マシュお姉ちゃん』と『マシュお姉様』と呼ぶようになった。
「や、やりました!私に可愛い妹が二人も出来ました!」
マシュも妹いう存在に憧れていたのか今まで見たことないほどの嬉しさを爆発させたぐらいのはしゃぎっぷりで二人を抱き締めるのだった。
遊馬とマシュに可愛い妹分が出来て喜ぶが、それもつかの間だった。
朝食を食べてしばらくするとメディアが使い魔を出して時臣とケイネスに対談の連絡をすると、二人共対談に応じた。
そして、すぐに間桐邸に訪れたのは遠坂時臣と遠坂葵だった。
対談も目的であるが、真の目的は桜に会うためである。
親として桜にしてしまった過ちを謝る為、そして……この手で抱き締める為にだ。
しかし……。
「いや!来ないで!!」
桜は遊馬とマシュにしがみついて近づいて来た時臣と葵を拒絶した。
桜の拒絶に時臣と葵は絶句し、衝撃を受けて動けなくなってしまった。
凛と雁夜は慌てて桜を説得を試みる。
「さ、桜!そんなことを言わないでよ!お父様とお母様が可哀想だよ!」
「そ、そうだよ!桜ちゃん ジジイも消えたんだから君はもう自由だから……」
桜は瞳に涙を浮かべ、震えながら声を吐き出すように出す。
「私が苦しかった時、辛かった時、あなた達は助けてくれなかった……」
桜はまだ幼い少女であり、臓硯が与えた傷はあまりにも大きすぎた。
そんな地獄の中、助けてくれたのは遊馬達だった。
桜にとって遊馬達は自分を救ってくれた英雄であり、闇を照らしてくれた光である。
「私を助けてくれたのは遊馬お兄ちゃん達だけ……私を捨てたあなた達なんて……大嫌い!!!」
それ故に桜は遊馬達に強く依存しており、自分を遠坂から間桐に送り出した時臣と葵を拒絶した。
「桜……」
「そんな……」
幼い子供から拒絶され、親である二人はこれまでにないほどに絶望してその場に崩れ落ちた。
心の底から拒絶している今の桜にマシュ達は何も言えなかった。
当然の話である。
大人でも発狂する蟲による拷問に近い魔術の調練を桜は心を壊しながら耐えていた。
その地獄から解放され、自分を救い、守り、そして優しくして可愛がってもらった遊馬達には心は開いたが、地獄に叩き落とす原因である両親を拒絶するのは当たり前である。
「桜ちゃん……」
遊馬は腰を下ろして桜ちゃんの目線に合わせ、頭を撫でながら優しく諭す。
「桜ちゃん、君の気持ちはよく分かるぜ。あんな目にあったなら嫌がるのも当然だよな。でもさ、今日二人が来たのは覚悟があってのことなんだぜ?」
「かくご……?」
「昨日、遠坂の屋敷で桜ちゃんに何かあったのか説明したら二人はとても落ち込んだんだ。元々は桜ちゃんが持つ魔術の才能で不幸にならないように間桐の養子に出したんだ」
「私は……離れたくなかった……家族と、お姉ちゃんと離れたくなかった……こんな力なんていらない!魔術なんて大嫌い!!」
「分かってる。急がずにもっとゆっくり考えるべきだったけど、多分焦ったんだと思う。だから、今度こそはちゃんと考えてくれると思う」
「でも、私は……」
「……じゃあ、これをあげるよ」
遊馬はデッキケースから一枚のカードを取り出して桜に渡した。
「これ……天使様……?」
それはあの日の夜に桜が目に焼き付いている光景で今まで見て来たものの中で特に美しい姿であった闇を斬り裂いた光の使者……希望皇ホープONEのカードだった。
「お守りのラッキーカードだ。このカードを桜ちゃんにあげるよ」
「もらっていいの……?」
「ああ。その代わり、桜ちゃんは一歩前に踏み出すんだ」
「えっ……?」
「本当は家族と一緒に居たかったんだろ?帰りたかったんだろ?確かに桜ちゃんの境遇を考えれば逃げたくなる気持ちも避ける気持ちも分かる。でも、いつまでもそれじゃいけないんだ」
本来なら時間をかけて桜の気持ちの整理をしていくのが一番良いのだが、遊馬達には時間がない。
少々荒療治だがお守りのカードと遊馬の説得で桜が一歩前に踏み出す勇気を起こさせる。
「君はもう自由だ、また家族と一緒にいていいんだ。大丈夫、もう二度とあんな辛い目には二度と合わせないから。もしも、桜ちゃんに何かあれば俺達はいつでも駆けつけるからさ。俺達は桜ちゃんの味方だからさ」
「……私、幸せになれるのかな……?」
「ああ。桜ちゃんを不幸にする存在がいたら俺達がぶっ飛ばすからさ。安心してくれ」
「……うん、分かった。頑張る……」
桜は希望皇ホープONEのカードを握りしめてゆっくりと時臣と葵の元へ歩く。
体を震わせながら桜は静かに口を開いた。
「お父さん……お母さん……」
「っ!桜っ!!」
葵は堪らず桜を抱き寄せて強く抱きしめた。
「桜、ごめんね、ごめんね……私達のせいで辛い目にあって……」
葵は大粒の涙を流して桜に必死に謝った。
そして、時臣も桜を抱きしめて謝罪をする。
「桜……すまなかった……私が不甲斐ない所為で、お前に深い傷をつけてしまった…全て私の所為だ……本当にすまなかった……」
父として魔術師として桜の幸せを願って間桐に養子に出した。
しかしそれは大きな間違いで桜を地獄に叩き落としてしまった。
どれほど謝罪しても桜が受けた傷は大きすぎる、決して償えるものではない。
「お父さん……お母さん……」
桜は記憶の中に眠る家族との思い出が蘇り、目を閉じて葵と時臣をギュッと抱き締める。
「桜……桜!」
凛はやっと桜が両親と再会が出来たことを喜び、走り出して桜を後ろから抱きしめた。
ようやく再会し、一つになった家族……その光景に雁夜は自分の目を強く押さえながら涙を流した。
「良いんだ……良いんだこれで……遊馬君、本当にありがとう……」
桜の幸せを願っていた雁夜はこれで良いのだと言い聞かせ、遊馬に感謝した。
遊馬はこれで少しは桜も未来に向かえると思い、皇の鍵を握り締めながら自分の家族の事を思い出す。
「家族か……ちゃんと生きて帰らなきゃな……」
まだ未来を取り戻す戦いは終わらない。
それは家族との再会を先伸ばすことになる。
するとマシュは耳打ちで遊馬に話しかける。
「あの……遊馬君、さっきのホープONEのカードは……?」
「あれはダ・ヴィンチちゃんに作ってもらったレプリカだ」
「レプリカ?」
「ダ・ヴィンチちゃん、何かオリジナルのデュエルモンスターズのカードを作るらしくてさ。手始めにナンバーズのレプリカを何枚か試作品で作っていてさ、ホープONEの作ってもらっていたんだ。桜ちゃん、ホープONEをすごく気に入っていたからさ」
ダ・ヴィンチちゃんは前々から遊馬とアストラルに役立てるサポートカードを作れないかとデュエルモンスターズのカードを研究していた。
試作品にナンバーズや遊馬の持っているカードのレプリカを作成していたのだ。
「そうだったんですか。私も未来皇ホープのカードを作ってもらいます!」
マシュは未来皇ホープが自分にとってのラッキーカードであるのでダ・ヴィンチちゃんに作ってもらおうと思った。
☆
遠坂一家を間桐邸の客間に案内してから少ししてからケイネスとディルムッド、そして品格が漂う美女がやって来た。
「おっ、ケイネス先生!待ってたぜ」
「やあ、少年」
「ディルムッドとえっと……」
「……私の婚約者のソラウだ」
「ケイネス、この子がそうなの?私にはただの子供にしか……」
「そう言えばケイネス先生。ディルムッドのスキルでソラウさんが魅了されてるんだっけ?」
ディルムッドには愛の黒子と呼ばれる対峙した女性は彼に対する強烈な恋愛感情を懐くと言う呪いのようなスキルを持っており、対魔力スキルで回避することができる。
「うぐっ……そ、そうだが……スキル故に消すことが……」
「じゃあ、この屋敷にいる間だけそのスキルを消してやろうか?」
「何!?サーヴァントのスキルは例え聖杯でも消すことができないのだぞ!?」
「そんな事が可能なのか!?」
ケイネスとディルムッドはスキルを消せると聞いて目を見開くほど驚いて遊馬に駆け寄る。
「おう。それじゃあ行くぜ。罠カードオープン。『スキルドレイン』!」
遊馬がデュエルディスクを構えてセットしていたカードをオープンする。
次の瞬間、間桐邸を中心に巨大な魔法陣が描かれ、ディルムッドの黒子から光が漏れて静かに消えた。
「あ、主……俺のスキルが消えました!!」
「ほ、本当か!?少年、何をした!?」
「スキルドレイン。俺のライフを1000ポイント支払い、フィールドの全てのモンスターの効果を無効にする。こいつがある限り、この屋敷にいる全てのサーヴァントのスキルは無効になるんだ」
「まさか……限定的とは言え、サーヴァントのスキルを無効にするなんて……凄い魔術師だな、君は……感謝するよ」
ディルムッドは黒子のスキルでずっと悩んでおり、そのスキルを無効にした遊馬に感謝して頭を撫でた。
「ソ、ソラウ……気分はどうかな?」
「ええ……何か、胸の中がスッキリした感じよ……」
「そ、そうか……」
ソラウがディルムッドの魅了から解き放たれ、ケイネスはホッとすると遊馬はソラウにある提案をする。
「えっと、ソラウさん。ケイネス先生達との話が終わるまでテラスでお茶でもどうだ?お茶菓子も用意してるぜ」
「お茶ね……でも、この私に相応しいお茶は淹れられるの?」
「んー?お茶を淹れるエミヤは昔どっかの家で執事みたいな事をしてたらしいぜ。それに、ソラウさんの話し相手はフランス王妃のマリー・アントワネットと勝利の女王のブーディカなんだけど……」
「……可笑しいわね、マリー・アントワネットとブーディカって聞こえたんだけど……まさか、あなたはその二人のマスターなの?」
フランスで最も有名な王妃であるマリー・アントワネットとイギリスで偉大な女王であるブーディカの名前を聞いてソラウは耳を疑う。
「おう、二人共俺のサーヴァントだぜ?契約しているサーヴァントはもっとたくさんいるけど」
「……頭が痛くなるわね。まあ良いわ。私を不満にさせたら許さないからね」
「へーい」
遊馬は先にソラウをテラスに案内し、エミヤとマリーとブーディカに後を頼み、ケイネスとディルムッドを客間に案内する。
客間には遊馬とアストラルとマシュとエルメロイII世、アイリスフィールと時臣とケイネス、アルトリアとディルムッドが集まる。
「さて……今日は対談に来ていただき誠にありがとうございます。早速ですが、この聖杯戦争に起きている異常と我々の目的を話させていただきます」
エルメロイII世が話を切り出し、早速第四次聖杯戦争の異常と遊馬達の目的を話した。
聖杯が汚染されて世界を滅ぼす大量殺戮装置になってしまったこと、遊馬達が未来から来て冬木に起きる大災害の悲劇を食い止めるためにやって来て行動をしていた事など……エルメロイII世は話すと時臣とケイネスは衝撃を受けた。
「そ、そんな……まさか聖杯が汚染されていたとは……」
「聖杯には興味はなかったが、まさかそれほどの大災害が起きるとは……」
「まてよ……まさか、君達!綺礼を連れ去ったのか!?」
時臣と綺礼は魔術の師弟関係にあり、綺礼が行方不明だったことを心配していた。
「言峰綺礼さんなら間桐邸の一室で眠ってもらってるぜ。大丈夫、無事だよ」
「だが何故綺礼を!?」
「言峰綺礼は第四次聖杯戦争で聖杯の泥を被り、人を殺戮する化け物となってしまったのです。私達は言峰綺礼が化け物にならないように保護したのです。眠ってもらったのが彼は代行者であることを知っていたので、下手にこちらの動きを阻害してもらいたくなかったからです。申し訳ありません」
言峰綺礼についての事は半分以上は嘘であるが遊馬達を信頼している時臣はあっさりと信じた。
「そうだったのか……綺礼は本当に無事なのかい?」
「ええ。後でご案内しますよ」
「そうか……」
「遠坂時臣。あなたのサーヴァント、アーチャーはどうしてる?」
エルメロイII世が警戒しているアーチャー、そのマスターは時臣なのだ。
「……王は今どうされているのか私には分からない。こちらからいくら呼びかけても応答してくれない……」
時臣とアーチャーはマスターとサーヴァントとして契約を結んでいるが、アーチャーの英霊としての力が強すぎて時臣では制御しきれていないのだ。
「……今夜、アインツベルンの城でライダーが主催する酒宴にマスター遊馬とセイバーとアーチャーが呼ばれています。もしかしたらアーチャーはそこに現れるかもしれない」
「時臣さん、そのアーチャーなんだけどさ……倒さないけど俺たちで捕縛させてもらうぜ」
「なっ!?王を捕縛!?馬鹿な、王は最強の英霊……勝てる訳が……」
アーチャーは最強の英霊で勝てる英霊はいないと信じているが、遊馬とアストラルは一切恐れずに自信満々に答える。
「心配ご無用、俺たちには秘策があるからさ」
「必ずアーチャーを止める。遠坂時臣、君はアーチャーに殺されないように気をつけてくれ。アーチャーは我が強く、力のあるサーヴァントと聞いている。マスターとは言え、令呪を持つ君に何をするか分からない」
「時臣さん、あんたは生きなくちゃならない。分かってるだろう?」
時臣はこれからの未来……凛と桜の為に全力を尽くさなければならない。
二人が本当の意味で幸せになる為に、二度と選択を間違えないように。
その為に聖杯への望みを捨てて生き延びらなければならない。
「分かった……君達に後のことを託す」
「おう!任せてくれ!」
「ケイネス卿、あなたは……」
「私はこの聖杯戦争の参加者として出来る限り見届けたいと思う。もはや戦う意味が無くなってしまったからな……せめて少年の戦いをこの目で焼き付けておきたい」
ケイネスは聖杯戦争で戦歴の箔をつける為に参加しており、エルメロイII世の口から語られた輝かしい未来のために聖杯戦争から手を引くことにした。
しかし、それだけでは冬木に来た意味がないので異世界のマスターである遊馬の力を目に焼き付けて新たな魔術を広げたいと考えたのだ。
「ケイネス先生、付いてくるのは良いけど……死ぬんじゃねえよ?」
「はっ、まさか子供に心配されるとは……だが私は死ぬつもりはない。ソラウとの結婚が控え、私には大きな偉業を達成しなければならないからな!ハッハッハッハ!!」
「そ、そうすか……」
前向きと言うか楽天的と言うか、夢見る輝かしい未来を想像するケイネスに遊馬は苦笑を浮かべた。
こうして対談は無事に終わり、ほぼ全ての陣営を味方につけることが出来た。
第四次聖杯戦争を無事に終わらせる為に一つ一つ確実に問題を解決していく。
そして、遊馬達は今夜……イスカンダル主催の酒宴に参加する事となる。
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桜ちゃんと凛ちゃんが遊馬とマシュの妹分になりました。
あんなに可愛い妹ならウェルカムですね、遊馬とマシュがシスコンに目覚めるかも(笑)
ディルムッドのスキルは遊戯王で有名かつ多くのデュエリストを苦しませて来たスキルドレインで無効にしました。
文字通りスキルをなんとかするならこれしかないなと思いまして。
次回は皆さんも楽しみにしていると思われる聖杯問答です。
それぞれの王道、そして遊馬とアストラルが歩んできたかっとビング道を見せる時です。
これは時間がかかるかもしれないので、もしかしたら投稿が遅れるかもしれません。
その時はご了承くださいませ。