Fate/Zexal Order   作:鳳凰白蓮

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超銀河眼の時空龍VSギルガメッシュです!
最強の金ピカ決戦です!(笑)
ぶっちゃけ、ギル様が可哀想だと思うぐらいやり過ぎました。
始めに言っておきます。
ごめんなさい、ギル様……決してあなたのことが嫌いじゃないんです!!(涙)



ナンバーズ66 最強対決!時空龍VS英雄王!!

遊馬が召喚したオーバーハンドレッド・カオスナンバーズ……CNo.107 超銀河眼の時空龍。

 

その攻撃力は全てのナンバーズの中でもトップクラスで、その出生や由縁から神にも等しい力を持っている。

 

城に待機していたサーヴァント達が驚愕する中で超銀河眼の時空龍の召喚に心を弾ませたのはレティシアだった。

 

「あんなドラゴンがいるなんて……光の銀河眼とは全く違う姿をした時の銀河眼、カッコよすぎるわよ!」

 

銀河眼の光子竜、超銀河眼の光子龍、銀河眼の光子竜皇とは全く異なる姿をした時を司る新たな銀河眼。

 

ドラゴン好きなレティシアは時の銀河眼に魅了されるのだった。

 

一方、アイリスフィールとウェイバーは驚愕と同時に恐れを抱いた。

 

「竜種……!?そんな馬鹿な、幻想種はこの世界から消えたはずなのに……」

 

「幻想種の頂点に君臨する竜種をあんな簡単に、しかも何の代償も無しに召喚したのか……!?」

 

この世界から幻想種は何処かに消えてしまった。

 

竜種は幻想種の頂点に君臨する存在でそれを簡単に召喚し、更には召喚者である遊馬に何の代償も無しで平然としている遊馬にアイリスフィールとウェイバーは戦慄するのだった。

 

「やるなぁ、坊主と精霊!これが世界を救う男の力って奴か!」

 

イスカンダルはその強大な力を扱う遊馬とアストラルの堂々とした覚悟に嬉しそうに頷いた。

 

「雑種よ……ナンバーズは1から100まででは無かったのか?何だその竜は?」

 

「こいつはオーバーハンドレッド・ナンバーズ。アストラルの記憶の欠片のナンバーズとは違う、バリアン七皇の持つ101から107の特別な7枚のナンバーズだ」

 

「バリアン七皇……?ふっ、まあ良い。その竜の力も我が手にしてやる!まずはその竜を滅してくれるわ!!」

 

ギルガメッシュの周囲の空間が歪み、金色に輝きだす。

 

「『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』」

 

かつて、世界の全てを手中に収めたとされるギルガメッシュが有する宝物庫には、ありとあらゆる伝説の原典となった宝具が財宝として収められている。

 

ギルガメッシュはその宝物庫から自ら望んだ宝具を取り出すことができ、無数の剣の宝具を呼び出して切っ先を超銀河眼の時空龍に向ける。

 

「ふはははは!強力な竜種を呼び出したことは褒めてやろう。だが、我が宝物庫には竜殺しの伝説の原点となった宝具がある。これで始末してくれる!」

 

それはジークフリートのバルムンクと同じ竜殺しの宝具であり、たとえ神に等しい力を持つ超銀河眼の時空龍でも喰らえばひとたまりもない。

 

敵に合わせて様々な宝具を状況に応じて持ち出して使う、これこそがギルガメッシュが最強の英霊と言われる所以である。

 

「雑種よ、我でも見たことない竜を呼んだが、我の敵ではない。早々に消えろ」

 

ギルガメッシュは竜殺しの宝具をまるで矢のように一斉に発射し、一直線に超銀河眼の時空龍に向かう。

 

このままでは超銀河眼の時空龍は竜殺しの宝具の前に敗れてしまう。

 

「遊馬!」

 

「おう!永続罠!『安全地帯』!超銀河眼の時空龍を対象に発動!!」

 

超銀河眼の時空龍に薄い膜のような光が纏われた。

 

すると、ギルガメッシュが射出した竜殺しの宝具が勝手に軌道を変えて超銀河眼の時空龍の横を通り過ぎて地面に突き刺さった。

 

「何ぃっ!?」

 

ギルガメッシュは竜殺しの宝具を次々と射出するが、超銀河眼の時空龍には一切当たらなかった。

 

「ば、馬鹿な!?我が竜殺しの宝具が当たらないだと!??雑種、何をした!??」

 

ギルガメッシュは自分でも予想がつかない事態に困惑していた。

 

射出した宝具を回避や防御をして直撃を受けないように防ぐならまだわかる。

 

しかし、宝具がどれほど射出しても一切当たらないことに理解が出来なかった。

 

「安全地帯は対象モンスターは相手の効果の対象にならず、戦闘及び相手の効果では破壊されない!」

 

「ギルガメッシュ王が放った竜殺しの宝具は超銀河眼の時空龍に当たれば確実に倒されるだろう。だが、当たらなければその効力を発揮することはできない!」

 

「何、だと……!?馬鹿な、たかが紙で作られたカード如きがそれほどの力を有していると言うのか!?」

 

ナンバーズなどの膨大な力を宿したカードならまだしも、魔力など一切感じない紙で出来たカードに宝具をも凌ぐ力を持つ事にギルガメッシュは信じられなかった。

 

「デュエルモンスターズを舐めんじゃねぇ!こいつで世界の命運を賭けた戦いを何度もしているからな!!」

 

遊馬とアストラルは世界の命運を賭けた戦いを繰り広げるほどの重要な役割を持つ『デュエルモンスターズ』と言う名の闘いの儀式が持つルールや制約により、強大な力を持つ英霊達と対等に渡り合うことができるのだ。

 

「俺のターン、ドロー!魔法カード『フォトン・サンクチュアリ』!自分フィールドにフォトントークンを2体を特殊召喚!」

 

超銀河眼の時空龍の左右に光の玉であるフォトントークンが特殊召喚される。

 

「超銀河眼の時空龍の効果!自分フィールドのモンスター2体をリリース!」

 

フォトントークンが光の粒子となり、超銀河眼の時空龍が口を開けて吸収する。

 

「バトルだ!超銀河眼の時空龍でギルガメッシュに攻撃!!」

 

遊馬の命令に超銀河眼の時空龍は真紅の瞳を輝かせると、その美しい金色の体が光り輝いていき、口に膨大なエネルギーを秘めた閃光を蓄えた。

 

「「アルティメット・タキオン・スパイラル!!!」」

 

三つの首から金色の竜の咆哮が同時に放たれ、絡み合いながら光は一つに重なってギルガメッシュに襲いかかる。

 

「させるか!!」

 

ギルガメッシュは王の財宝を開き、巨大な花弁の様な形状をした大盾を出した。

 

王の財宝には盾などの攻撃を防御するための宝具があり、鉄壁の防御力を誇る盾だが、超銀河眼の時空龍の強烈な竜の咆哮と相殺されて粉々に破壊されてしまった。

 

「ふっ、良い攻撃だがこの我には届かないぞ!」

 

「「2回目のバトル!!」」

 

「何!??」

 

超銀河眼の時空龍は既に口にエネルギーを込めてすぐに竜の咆哮を放てる準備が出来ていた。

 

超銀河眼の時空龍の竜の咆哮は英霊の持つ高ランクの放出系の宝具に相当する一撃だった。

 

それを連続で放てることにギルガメッシュは驚いていた。

 

「超銀河眼の時空龍の効果、モンスターを2体リリースすることでモンスターに3回攻撃をすることが出来る!!」

 

「ギルガメッシュ、この連続攻撃を耐えきれるかな!」

 

「「セカンド・アルティメット・タキオン・スパイラル!!!」」

 

超銀河眼の時空龍は二回目の竜の咆哮を放つ。

 

「くっ、おのれぇっ!」

 

ギルガメッシュは先ほど壊された盾とは別の様々な時代・国の紋章が描かれた盾を次々と出して超銀河眼の時空龍の猛攻を防ぐ。

 

しかし、それらも半壊していき、もはや使い物にならなくなって来ている。

 

既に超銀河眼の時空龍は口にエネルギーを溜めていた。

 

「「3回目のバトル!!!サード・アルティメット・タキオン・スパイラル!!!」」

 

「ぬぉおおおおおおっ!??」

 

三回の怒涛の連続攻撃で盾の宝具は全て破壊されてしまう。

 

何とかギルガメッシュ自身にはダメージは受けてないが、ギルガメッシュはこのまま黙っているわけがなかった。

 

「雑種が……よくも我に恥をかかせたな……」

 

すると、王の財宝から先ほどよりも大量の剣や槍、数え切れないほどの無数の宝具を取り出してその切っ先を超銀河眼の時空龍ではなく遊馬とアストラルに向けた。

 

「その重罪、貴様らの命で償ってもらうぞ!!」

 

「っ!?遊馬君、下がってください!私が……」

 

「マシュ、心配するな!」

 

「後ろにいてくれ。心配するな、我々は絶対に負けない!!」

 

「ふははははっ!その儚い命を散らせ!そして、ナンバーズを全て我が手に収めてくれよう!」

 

ギルガメッシュの放つ無数の宝具。

 

それが降り注がれる大雨のように遊馬とアストラルに迫る。

 

ギルガメッシュは自分の勝利を確信し、笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「それはどうかな?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遊馬は手札から一枚のカードをデュエルディスクに差し込む。

 

「「手札からカウンター罠!『タキオン・トランスミグレイション』を発動!!」」

 

次の瞬間、放たれた宝具が遊馬とアストラルの前でピタリと停止した。

 

「何……?」

 

「えっ……?」

 

ギルガメッシュとマシュは宝具が通り抜けた訳でもなく止まった光景に驚愕した。

 

まるで……『時間が停止』したかのような光景で、更なる驚きの展開が起こる。

 

『グォアアアアアアン!!!』

 

遊馬とアストラルの真上に超銀河眼の時空龍の進化前である『No.107 銀河眼の時空竜』の幻影が現れ、咆哮を轟かせた。

 

「「自分フィールド上に『ギャラクシーアイズ・タキオン・ドラゴン』と名のついたモンスターが存在する場合、このカードは手札から発動できる!」」

 

本来なら罠カードは一度フィールドにセットし、次の相手ターンからでしか使えない。

 

しかし、カードによっては特定の条件を満たす事でフィールド以外から瞬時に発動して相手の意表を突くことが出来る。

 

そして、銀河眼の時空竜の目が輝き、その身体が変形して最初に召喚された時の待機状態である大きな菱型の『ニュートラル体』となり、その体から膨大な虹色の光を解き放った。

 

「「このカードの発動時に積まれていたチェーン上の全ての相手の効果モンスターの効果・魔法・罠カードの発動を無効にし、この効果で発動を無効にしたフィールド上のカードを全て持ち主のデッキに戻す!」」

 

すると、停止していた宝具がまるで映像の逆再生をしたかのようにギルガメッシュの元に戻り、宝具の主人であるギルガメッシュの意思に反して勝手に王の財宝が開いて宝具が全て仕舞われてしまった。

 

「ば、馬鹿な……!?」

 

ギルガメッシュは射出した宝具が勝手に王の財宝の中に収納されてしまった事に驚愕した。

 

しかも再び宝具を射出しようとしても王の財宝が反応しなかった。

 

「雑種共……何をした……一体貴様らは何をしたと言うのだ!??」

 

ギルガメッシュは今までに無い攻撃を仕掛けてくる遊馬とアストラルにそう叫ばずにはいられなかった。

 

「銀河眼の時空竜は時を司る。僅かだが、過去へ向かうことが出来るんだ」

 

「過去に戻って自分に有利な未来を選択する事が出来る……これこそが、時を司る銀河眼の時空竜の真骨頂だ」

 

遊馬とアストラルは銀河眼の時空竜の所有者であるミザエルと一度だけデュエルをした事があるが、銀河眼の時空竜の過去へ向かう能力に希望皇ホープは力を失い、結果としてデュエルが出来なくなるほどのダメージを受けた。

 

「ま、まさか……そのドラゴンが『時を戻し』、我が宝具を封じたと言うのか!??」

 

「すごい……」

 

王の財宝で射出された宝具はどれも強力な力を秘めているが、防御ではなく『時を戻し』、射出前の元の宝物庫に戻して仕舞えばその力は無力となる。

 

「ふざけるな……たかが、子供がそれほどの力を扱えると言うのか!?」

 

「これは俺の力じゃない。大切な仲間が託してくれた、未来を取り戻す為の力だ!俺のターン、ドロー!!」

 

「おのれぇっ!この我の前で、このまま好きにさせてたまるか!!」

 

ギルガメッシュは右手に不思議な形をした大きな黄金の鍵のような物を取り出した。

 

それは王の財宝の最奥に封印されているのはギルガメッシュだけの唯一無二の最強宝具を取り出すために必要な鍵である。

 

しかし、ここで超銀河眼の時空龍のもう一つの効果を発動する。

 

「「超銀河眼の時空龍の効果発動!カオス・オーバーレイ・ユニットを一つ使い、超銀河眼の時空龍以外のフィールド上に表側表示で存在する全てのカードの効果はターン終了時まで無効になる!更にこのターン、相手はフィールド上のカードの効果を発動できない!」」

 

「何!?」

 

「「超銀河眼の時空龍よ、全ての時を封じろ!タイム・タイラント!!」」

 

超銀河眼の時空龍から暗い虹色の輝きを放つと、手に持っていた鍵が金色の輝きを失い、王の財宝の最奥の封印を開けることが出来なくなった。

 

「何だと!??」

 

「ギルガメッシュ、これでファイナルだ!」

 

「行け、超銀河眼の時空龍!」

 

超銀河眼の時空龍は最後の一撃を放つために口にエネルギーを蓄えた。

 

「「アルティメット・タキオン・スパイラル!!!」」

 

そして、解き放った竜の咆哮は全ての手を完封されたギルガメッシュに襲いかかる。

 

「おのれ!……雑種の分際で!……」

 

ギルガメッシュはそう呟き、超銀河眼の時空龍の竜の咆哮はギルガメッシュではなく、すぐ側の地面に直撃した。

 

ギルガメッシュは空中に投げ出され、地面に激突する寸前に遊馬は最初にセットしていたカードを発動する。

 

「罠カード!『デモンズ・チェーン』!!」

 

サーヴァント封じの鎖が飛び交い、ギルガメッシュを縛り付け、そのまま宙に浮かせる。

 

「……ギルガメッシュ?」

 

ギルガメッシュはまるで深い眠りについたように意識を失っていた。

 

デモンズ・チェーンで縛り、後はメディアなどキャスタークラスのサーヴァントに頼んでギルガメッシュが暴れないようにするだけだ。

 

「サンキュー、超銀河眼の時空龍。お前のお陰で助かったぜ」

 

遊馬は超銀河眼の時空龍に礼を言うと、超銀河眼の時空龍は静かに頷いて消えていった。

 

ギルガメッシュの対決が終わると城に待機していたアルトリアたちが出てきた。

 

「まさか本当にギルガメッシュに勝つとは……」

 

ギルガメッシュの恐ろしさを知るアルトリアは完封して勝利した遊馬とアストラルに感服するのだった。

 

「もしもの時は私が介入しようと思っていたが……そんな心配はいらなかったな」

 

エミヤの投影魔術や無限の剣製はギルガメッシュの王の財宝にとって天敵とも言えるので、遊馬とアストラルがピンチなら代わりに戦おうと思っていたが杞憂に終わった。

 

すると、レティシアが風のように走って遊馬のもとに駆け寄った。

 

「ねえねえ!遊馬!銀河眼の時空竜と超銀河眼の時空龍のカードを見せて!早く早く!」

 

時を司る銀河眼の時空竜と超銀河眼の時空龍の美しさと迫力と能力に感動し、目をキラキラと輝かせていた。

 

「わ、分かった分かった!本当にレティシアはドラゴンが好きだな……」

 

「誰がドラゴン好きにさせたのよ!」

 

「えっと……誰だっけ?」

 

「あんたでしょ!?」

 

「あ、そっか!あははははっ!」

 

遊馬とレティシアが笑いあって話をしていると、アストラルは静かにギルガメッシュを見つめていた。

 

「すまない、ギルガメッシュ王よ……」

 

今回の戦いはあらかじめギルガメッシュの宝具や戦法を聞いて対策に対策を練り、超銀河眼の時空龍で封殺する戦術を使った。

 

ある意味遊馬とアストラルらしくない戦術で、本人たちは偉大なる王であるギルガメッシュとは自分たちの化身でもある希望皇ホープで戦いたかった。

 

しかし今回は倒すのではなく聖杯を完成させないためにギルガメッシュを封じなければならなかった。

 

「もしも、次にあなたと戦う時が来たら……その時は私と遊馬自身の力であなたに挑もう」

 

アストラルはギルガメッシュと戦う時が再び来たら遊馬と共に全力で挑むと誓った。

 

「これでギルガメッシュ王も何とかなりましたね。後は……彼だけですね」

 

「……マシュ、どうやら来たようだ」

 

「えっ?」

 

アストラルがサーヴァントの気配を感じ取り、アルトリアがアイリスフィールの前に立つとその男が現れた。

 

赤いフードで顔を隠した謎のアサシン。

 

またしてもアイリスフィールを狙いに現れ、遊馬達は警戒して戦闘態勢を取る。

 

「少し目を離した隙にまた仲間を増やしたか。全く、厄介な連中だ。決着がつくより先に、どうあってもそこのホムンクルスは抹殺させてもらう」

 

「そうはさせない」

 

ナイフを構えるアサシンに対し、干将・莫耶を投影したエミヤが立ち塞がる。

 

「……何者だ?貴様は……」

 

「あんたの夢を受け継いだ者だよ、爺さん」

 

エミヤは敵ながらとても懐かしそうな表情でアサシンを見つめる。

 

「爺さんだと?悪いが僕はそこまで老けてない。第一、僕の夢を受け継いだなど戯言を──っ!??」

 

アサシンはエミヤの言葉と風貌に冷静だった雰囲気が一気に崩れた。

 

まるで自ら置いていってしまった大切なものと再会したかのような様子だった。

 

「馬鹿な……そんなはずはない……何かの、何かの間違いだ……!」

 

狼狽えるアサシンにエミヤは干将・莫耶を消して静かに語り出す。

 

「……子供の頃、あんたは正義の味方に憧れていた。それを今日みたいな綺麗な星空の下、とある屋敷の縁側で一人の少年に話したよな……?」

 

「それ、は……!?」

 

アサシンはカタカタと体が震え出し、フードの奥で僅かに見える瞳が真っ直ぐとエミヤに向けられていた。

 

そして、エミヤは大きく深呼吸をして、目を閉じながら口を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『うん、しょうがないから俺が代わりになってやるよ。爺さんはオトナだからもう無理だけど、俺なら大丈夫だろ。まかせろって、爺さんの夢は──俺が、ちゃんと形にしてやるから』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それはエミヤが生前の少年時代に過ごした全ての始まりの夜、『運命の夜』へと至る誓いの言葉である。

 

その言葉にアサシンは力を失ったかのように手をぶらりと下げ、ナイフを手から落としてしまった。

 

「士郎……?」

 

アサシン──『衛宮切嗣(エミヤキリツグ)』は微かな声で、確かに自分の息子──『衛宮士郎(エミヤシロウ)』の名を呼ぶのだった。

 

時空を越え、正義の味方を目指した親子が再会した瞬間だった。

 

 

 




ぶっちゃけやり過ぎたと思うぐらいの完封でした。
これぐらいしないとギル様に勝てないと思ったので……。
いや、マジですいません……だから、王の財宝をこっちに向けないでください!!
アルトリアグッズあげますから!!

さて、ラストで遂に衛宮親子が再会しました。
ここでのキリツグは記憶持ちです。
理由は……アルトリアとキリツグの婿と姑対決を見たいからです(笑)
自分がいない間に大嫌いな騎士王に大事な息子を取られたことをお父さんがご立腹な光景を見たいので。
次回はいよいよ大聖杯に向かいます!
なんとかZero編も終わりが見えて来ました。

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