Fate/Zexal Order   作:鳳凰白蓮

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今回は桜ちゃんと凛ちゃんのお話です。
相変わらずスランプ続きで短いですがどうぞ。

※先週からお願いしたアンケートですが、皆さんの貴重な意見からFate/Apocryphaのほぼ全てのサーヴァントではなく、少し厳選して出そうと思います。
よくよく考えれば監獄島でも彼が出るのでて、ロンドン編でも何人も登場するので数人ぐらいに絞ろうと思います。


ナンバーズ74 桜と凛の新たな未来

間桐桜と遠坂凛。

 

6歳と7歳の幼い少女の姉妹だがその身には強大な力を持つ英霊が宿り、デミ・サーヴァントとなっている。

 

時空を超えてカルデアで保護される事となり、冬木市で暮らしていた時とは違う生活が始まった。

 

二人はまだ幼いので一人部屋は早いと判断し、女性サーヴァントの部屋で世話になっている。

 

桜はメドゥーサ、凛はブーディカが面倒を見ている。

 

メドゥーサは桜を大切にし、桜もサーヴァントの中ではメドゥーサを特に慕っている。

 

ブーディカは娘を二人育てたので年頃の娘である凛の面倒を見るにはうってつけだった。

 

ちなみに子供の守護者であるアタランテは遊馬に夜這いをかけようとするネロや清姫を止めるのに必死なのでその役目を出来なくて軽く落ち込んだらしい。

 

朝……ブーディカは朝から食堂で調理をするので朝早く起床し、必然的に凛も一緒に起きる。

 

「おはよう、凛」

 

「お、おはようございます……ブーディカさん」

 

ブーディカは凛の母、葵とは性格は違うが、母性溢れる性格やスタイル抜群のその姿に少々照れ臭いが凛は珍しく甘えている。

 

着替えた二人は食堂に向かい、そこで既に料理の仕込みをしていたエミヤがいた。

 

ブーディカも料理をはじめ、小鳥やタマモキャットなどもやって来てその姿に凛も料理をしてみたくなった。

 

遠坂家では見たことない最新式の調理器具に調理道具……好奇心旺盛の凛はそれを使って見たいと思った。

 

料理長のエミヤの許可を取り、凛も食堂の手伝いをしながら料理を学ぶ事となった。

 

幸いな事に年が比較的近い小鳥もいるので小鳥が料理の基本的なことを教えていき、凛とそれを少しずつ吸収していく。

 

そして、遊馬達や他のサーヴァント達が続々と食堂に入り、メドゥーサに連れられた桜もやって来た。

 

「お姉ちゃん、おはようー」

 

まだ少し眠いのか、桜は目をこすりながら眠そうな表情をしていた。

 

「おはよう、桜!」

 

「お姉ちゃん、料理をしているの……?」

 

「うん!少しずつ覚えていくわ!」

 

「私も、やってみたいな……」

 

「じゃあ、桜も一緒にやりましょう!きっと楽しいわ!」

 

「うん!」

 

姉妹の絆を引き裂かれ、離れ離れになった時間を少しでも埋めようと凛は桜との時間を作っていくのだった。

 

朝食が終わると凛と桜は一室を使ってマシュが勉強を教えていた。

 

まだ凛と桜は小学低学年の年齢で大切な時期なのでマシュが先生となって勉強を教えていく。

 

先生として勉強を教えるのは初めてなマシュだったが、凛と桜はとても良い子で優秀なのでそこまで苦労する事なく楽しく勉強を教えられている。

 

午前は勉強の時間にし、昼食を挟んだ後、午後は二人の希望もあってトレーニングルームにいた。

 

トレーニングルームでは様々なサーヴァント達が宝具やスキルを駆使して火花を散らして模擬戦を繰り広げていた。

 

凛と桜は自分の中に宿っている英霊の力をまだ完璧に使いこなしていない。

 

少しでも早く使いこなせるようにと、何かきっかけが掴めるようにサーヴァント達の模擬戦を記憶に焼き付けていくのだ。

 

と言ってもたまに刺激が強い光景もあるのでそこはメドゥーサやマシュが目を塞いだりしていく。

 

そして、夕食が終わり、自由時間となった遊馬はいつものように食堂でサーヴァントたちとワイワイ騒いでいると桜がやって来てクイクイと遊馬の服を引っ張る。

 

「桜ちゃん?どうしたんだ」

 

「お兄ちゃん、それかしてー」

 

「それ?デュエルディスクか?」

 

「うん。私もモンスターを召喚してみたい!」

 

「おっ!桜ちゃんもデュエルモンスターズに興味が出たか!良いぜ、貸してやるよ」

 

「あっ!ま、待って!私もやりたい!」

 

「凛ちゃんもか。それじゃあちょっと待っててくれ。ダ・ヴィンチちゃんのところでたしか予備のデュエルディスクとD・ゲイザーがあるはずだから持ってくるぜ」

 

桜と凛がデュエルディスクを使いたいと言い、遊馬はダ・ヴィンチちゃんの工房に行って予備のデュエルディスクとD・ゲイザーを取りに行く。

 

まだ色の付いてない白色のデュエルディスクとD・ゲイザーを桜と凛に装着させる。

 

「まだデュエルは難しいから、デュエルモードをオフにして……よし!これでモンスターを好きなだけ召喚出来るぞ」

 

デュエルディスクでデュエルをする機能を停止させてモンスターを好きなだけ呼べるようにする。

 

「やったー!それじゃあ……でてきて!『虹クリボー』!『クリボルト』!『クリフォトン』!『ベビートラゴン』!」

 

『『『クリクリー!』』』

 

『トラトラ!』

 

「わぁ!可愛い!」

 

桜が呼び出したのは遊馬のデッキの中でも可愛らしいマスコットモンスター達である。

 

「じゃあ私はこれよ!現れなさい!『ガガガマジシャン』!『ゴゴゴゴーレム』!『ズババナイト』!『ドドドウォリアー』!」

 

『ガガガッ!』

 

『ゴゴゴー!』

 

『ズババッ!』

 

『ドドドー!』

 

「おお〜!」

 

実際に自分でモンスター達を召喚出来て凛は目を輝かせて拍手をする。

 

子供らしい微笑ましい光景だが、その光景を不思議そうに見つめる者がいた。

 

「不思議なもんよね……」

 

「何がですか?姉さん」

 

それは遠くの席からエミヤが淹れた紅茶を飲んでいるイシュタルとパールヴァティーだった。

 

「だって……十年前の私達とはいえ、士郎以外の男の子にあんなにも親しげなのがちょっと違和感がね……」

 

イシュタルとパールヴァティーにとってとても親しい男性は士郎ぐらいしかいなかった。

 

しかし、別世界の十年前の自分達とはいえ遊馬をあんなにも慕っているのは驚きだった。

 

「当たり前でしょう。ユウマはサクラを地獄から救ってくれましたから……」

 

パールヴァティーの隣にメドゥーサが座る。

 

「あー、確か間桐臓硯を完膚なきまでに倒したのね。やるわね、あの化け物を倒すなんて……」

 

「光の剣士……でしたっけ?確かそれでお爺様を滅ぼしたと聞きましたが……」

 

まだ遊馬とアストラルの力をよく知らないイシュタルとパールヴァティーは本当に少し信じられなかった。

 

そんな中、遊馬の大声が響いた。

 

「ちょっ!桜ちゃん!そのカードは召喚しちゃダメだ!」

 

「出てきて!『SNo.39 希望皇ホープONE』!」

 

一瞬の眩い閃光と共に桜の前に現れたのは純白に輝く聖なる光の剣士、希望皇ホープONE。

 

「あれが希望皇ホープONE……凄い輝きね」

 

「あの光の剣士があの子を助けたんですね……ところで何か騒いでますね?」

 

「行ってみますか?」

 

イシュタルとパールヴァティーとメドゥーサは遊馬達の元に向かった。

 

「さ、桜ちゃん……何ともないか?」

 

「え?なんともないよ?」

 

「そ、そうか、良かった……」

 

桜は自分にとっての光である希望皇ホープONEを召喚出来てご満悦だったが、何故遊馬が焦っているのか分からず可愛らしく首を傾げる桜。

 

「マスター。なんでそんなに慌ててるのよ?」

 

「あ、えっと……凛さんで良いんだっけ?」

 

「イシュタルで良いわよ。昔の私と名前が被るし」

 

「私もパールヴァティーで良いですよ」

 

過去と未来の存在が同時にいるので分かりやすくする為に未来の凛と桜をそれぞれ擬似サーヴァントとして英霊が宿っているイシュタルとパールヴァティーで呼ぶこととなった。

 

「ところで、ユウマ。何をそんなに慌てていたんですか?」

 

「メドゥーサ……いや、ほらさ。ホープONEのコピーカードで召喚して桜ちゃんに何かあったらと思って……」

 

「それはどういう事ですか……?」

 

「実はさ、デュエルモンスターズには伝説のカード……『三幻神』と呼ばれる三枚の神のカードがあってさ」

 

「三幻神……?」

 

「ああ。今は完全に失われていてもう何処にも無いんだけど、そのカードには色々と恐ろしい噂があったんだ」

 

「恐ろしい噂……?」

 

「本当かどうか分からないけど、三幻神制作に関わった人たちが次々と不審な死を遂げて、その力を恐れたデュエルモンスターズの創造主の会長も封印せざるを得なかったぐらいだし……」

 

「……本当にそのカードに神が宿っていたのでしょうか?」

 

「多分な……あとこんな噂があるぜ。三幻神のカードのコピーカードを使った人間が生死を彷徨ったり、マジで亡くなったらしいからな」

 

「なるほど……先程遊馬が騒いでいたのはそういう訳でしたか。ナンバーズも強力な力を宿していますから」

 

三幻神のカードほどではないが、ナンバーズのコピーカードが召喚されたら何が起こるか分からない、そう危惧した遊馬は桜ちゃんを止めようとしていたのだ。

 

「そうなんだよな。まあ、元々コピーカードでも大丈夫なのか、ダ・ヴィンチちゃんが作ってくれたものだからかよく分かんないけどな」

 

「三幻神……ねえ、遊馬お兄様。デュエルモンスターズは色々な不思議なカードがたくさんあるの?」

 

凛は魔術に匹敵する未知なる可能性を秘めたデュエルモンスターズに対して興味深そうに質問してくる。

 

「ああ。たくさんあるぜ。確か、古代エジプトやアトランティス、宇宙の波動を受けたカードや伝説の宝石の力を秘めたモンスターとか……」

 

「え!?宝石のモンスターがいるの!?」

 

宝石と聞いて凛の目がキラキラと輝いて遊馬にグイッと迫る。

 

「あ、う、うん。『宝玉獣』って言って世界に7種類1枚ずつしかない凄い貴重なレアカードで、後はそれを束ねて召喚される伝説のドラゴンもいるぜ」

 

食いつきのいい凛に対して遊馬は宝玉獣に関する出来るだけの説明をした。

 

「宝玉獣に伝説のドラゴン……!うん、決めたわ!」

 

ガシッ!と強く拳を握りしめて凛は何かを決意した。

 

「決めたって、何が?」

 

頭に疑問符を浮かべる遊馬に対し、凛は胸を張って堂々と宣言した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私……私、魔術師にならないでデュエリストになる!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然のデュエリストになると言う宣言に一番に反論したのはイシュタルだった。

 

「ちょっと待ちなさいよ!あんた魔術師にならないの!?遠坂家の悲願は!?根源はどうするのよ!?」

 

「お父様は魔術師にならなくても根源を目指さなくてもいいって言ってたし。それに……桜のあんなの見たら魔術が大嫌いになっちゃって……」

 

「うぐっ!?」

 

間桐の魔術が異端で外道なのもあり、あれを幼い凛が見たら普通にトラウマものなのでそれを言われるとイシュタルも何も言えなくなる。

 

「それに、エレシュキガルが私の中に宿っているから、これじゃあこの世界でまともに魔術の研究が出来るかわからないし、だったら、遊馬お兄様の世界に行ってお兄様みたいな強いデュエリストを目指す!そして、デュエルの色々な事を研究して私だけのデッキを作る!!」

 

「じゃあ……私もデュエリストになる!」

 

凛がデュエリストになると言い、桜も元気よく手を挙げてそう宣言した。

 

「お兄ちゃんの元でステキなデュエリストになる!お兄ちゃん、デュエルをたくさん教えて!」

 

「凛ちゃん、桜ちゃん……よーし、このデュエルチャンピオンの俺にどーんと任せろ!」

 

「「おー!」」

 

遊馬は自分に憧れてデュエリストになると言ってくれた二人に対してとても感動し、少々調子に乗りながら二人を立派なデュエリストに育てると誓うのだった。

 

凛と桜の魔術師への道が完全に途切れた事でイシュタルは石のように固まってしまった。

 

「何よ、こいつ……どんだけ人の運命を変える力を持っているのよ……」

 

「いいじゃないですか、姉さん。あの子達、幸せそうですよ?」

 

「同感です。魔術の道を外れ、デュエリストの道を歩み出すあの子達の行く末、見守りたいです」

 

イシュタルとパールヴァティーとメドゥーサは少しの間、出来る限り二人の行く末を見守ることにした。

 

魔術師としての運命が変わり、デュエリストとしての一歩を踏み出した桜と凛。

 

世界最強クラスのデュエリストである遊馬の元で共に学び、自分だけの最高のデッキを手にし、遠い将来……美少女姉妹デュエリストとして活躍する未来が待っているのかもしれない。

 

 

 




桜ちゃんと凛ちゃんがデュエリストの道を踏み始めました!
桜ちゃんは……何のデッキがいいかな?
名前から森羅とか?
凛ちゃんはジェムナイトか宝玉獣が良いですね。

次回は遊馬のカルデアの1日その三です。

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