Fate/Zexal Order   作:鳳凰白蓮

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今回はブーディカ姉さん大活躍です!



ナンバーズ84 勝利の女王と勝利の希望皇

崩壊した大英博物館の瓦礫を退かし、そこから地下への階段を発見した。

 

階段を下がった先は地下洞窟になっていた。

 

地下洞窟はまるで無限に続く迷路のように広がっており、暗くジメジメと湿っていた。

 

瓦礫で塞がっていない通路を進んでいるが、部屋の入り口はどこも潰れてたり瓦礫で埋まっていたりと念入りに破壊されていた。

 

敵がここに戦力を送り込んでいたのは確かでその証拠にヘルタースケルターが歩いてきて襲いかかってきた。

 

閉鎖空間での戦闘になるので、洞窟が崩れないように宝具を解放せずに白兵戦での戦闘を行う。

 

幸い近接攻撃に優れたサーヴァントが多いので難なく倒していき、更に奥へ進むと魔術で守られた書庫への入り口を発見した。

 

「俺とジキルは中に入って資料を探す。その間に扉を守ってくれ」

 

「任せろ、アンデルセン先生」

 

「遊馬、来たぞ!」

 

アンデルセンとジキルが書庫に入るなりヘルタースケルターを始めとする多くの敵が出現する。

 

しかしここで一つ問題が発生した。

 

書庫にある魔導書を持ち運ぼうとしたが厳重な魔術が仕掛けられていて部屋の外に運べなくなっていたのだ。

 

本を物理的に持ち運ぶことができない……それなら別の方法で持ち運べばいい。

 

「持ち運べないなら記憶すればいいよな!アストラル、お前記憶力良いから、アンデルセン先生と一緒に本を読んでその内容を一語一句完璧に記憶してくれ!」

 

物理的に無理なら内容をアストラルに記憶してもらえばいい、遊馬のアイデアにアストラルは頷いた。

 

「任せろ!遊馬、この閉鎖空間で使えそうなナンバーズを預ける!」

 

「サンキュー!」

 

「片や、神秘の園の深奥にて知識を読耽!片や並み居る強敵を前に扉を守らんとする!片や、知の戦い!片や、武の戦い!なかなかにこれは、そう、まさしく心踊る状況ではありますまいか!!嗚呼、我輩はどちらにて立ち居振る舞うべきか!どちらの様子をこの目にし、本として記し残すべきか!」

 

シェイクスピアはまるで舞台に立っているように声を張り上げて台詞のような言葉を叫んだ。

 

「シェイクスピア!!戦う気が無いのなら書庫の中に入ってアストラル達の手伝いをしなさい!!!」

 

ブーディカの怒号が飛び、普段から想像出来ない恐ろしい表情に流石のシェイクスピアも血の気を引いた。

 

「は、はいっ!?かしこまりました、女王陛下!!」

 

シェイクスピアは脱兎の如く書庫に飛び込んだ。

 

「すげぇ……あのシェイクスピアをビビらせて大人しく言うことを聞かせるなんて……」

 

「流石は勝利の女王ですね……」

 

シェイクスピアの性格を知っているモードレッドとルーラーはブーディカに恐ろしさと同時に頼もしさを感じるのだった。

 

遊馬はデッキからカードを5枚ドローして手札にし、閉鎖空間で戦えそうなナンバーズを呼び出す。

 

「俺のターン、ドロー!力を借りるぜ、ポン太!俺は『子狸ぽんぽこ』を召喚!召喚に成功した時、デッキからこいつ以外の獣族・レベル2モンスター1体を裏側守備表示で特殊召喚できる!来い、『子狸たんたん』!!」

 

可愛らしい太鼓を持った二体の狸が立ち並ぶ。

 

「俺は獣族レベル2の子狸ぽんぽこと子狸たんたんでオーバーレイ!二体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!」

 

空中に『64』の刻印が浮かぶと大きな茶釜が現れる。

 

「現れろ、No.64!混沌と混迷の世を斬り裂く知恵者よ!世界を化かせ!『古狸三太夫』!!」

 

茶釜から変形すると薙刀を持ち、兜に『64』の前立があしらわれた鎧武者の狸が現れた。

 

「た、狸……?」

 

「古狸三太夫の効果!1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて発動!自分フィールド上に影武者狸トークン1体を特殊召喚する!」

 

古狸三太夫が薙刀にオーバーレイ・ユニットを取り込み、狸の置物を模したトークンが現れる。

 

「影武者狸トークンの攻撃力は、このトークンの特殊召喚時にフィールド上に存在する攻撃力が一番高いモンスターと同じ攻撃力になる!」

 

影武者狸トークンの姿が変わり、この場で一番攻撃力の高い存在と同じ姿になるのだが……。

 

「ブ、ブーディカ……?」

 

「あれ?私?」

 

影武者狸トークンはブーディカの姿へと変化し、ブーディカも目をパチクリさせて驚いた。

 

最初遊馬は一番攻撃力が高く、変化するのはアルトリアかジークフリートだと思っていたのだが、何故か影武者狸トークンはブーディカの姿へと変化した。

 

「まさか……ブーディカさんのロンドンを守ろうとする強い想いと知名度補正によってこの場にいるサーヴァントで最強の存在になっているのでは……?」

 

マシュの予測は正しかった。

 

英国の地に古くから語り継がれている古の女王であるブーディカのロンドンを守りたいと言う気持ちは誰よりも強く、そしてサーヴァントの知名度補正によりその力は極限まで高められている。

 

更にはロンドンの民と土地を傷つけた魔霧計画の首謀者たちへの強い怒りがブーディカの力を更に高めており、結果……遊馬のこの場にいるサーヴァントの中で最強クラスの存在になっていた。

 

「とにかく……みんな行くぜ!」

 

遊馬の掛け声に応え、サーヴァントたちは一斉に戦闘を開始した。

 

古狸三太夫も影武者狸トークンを二体に増やし、次々と敵を斬り伏せて行く。

 

しかし、閉鎖空間で宝具をまともに使用できない状況の戦いでは数で押し切られていく。

 

すると書庫から仕方ないといった様子のジキルが出て来た。

 

「は?おい、ジキルお前、何を通路に出て来てんだよ!」

 

「これは出来れば避けておきたかったけど、奥の手を使うよ」

 

「奥の手?」

 

ジキルは懐から何かの液体が入った注射器を出した。

 

そして、その注射器を自分に刺し、中に入った液体を肉体に注ぎ込んだ。

 

すると……。

 

「ははッ──ひひひ、はははははははははははははははッ!ひっさしぶりに表に出たぜェ!俺様ちゃん参上ォ!!」

 

「「「はぁ!??」」」

 

ジキルの英国紳士から一変し、まるで野獣のような豹変ぶりに誰もが驚愕した。

 

「これではまるで小説に在る通りの変貌を……!」

 

「マシュ、それどういうこと!?」

 

ブーディカはジキルの変貌にマシュが何かを知っていると思って尋ねた。

 

「は、はい!怪奇小説に『ジキル博士とハイド氏』と言うものがありまして、ジキル博士は自分のうちに宿る強大な悪を分離しようとして実験しました。しかし、悪を形にしたようなハイド氏の人格が交代するように現れてしまい、『二重人格者』として暴れるようになってしまったんです!」

 

「やっぱりジキルはこのことを隠してたんだな!」

 

「俺は『ハイド』だ!気に入らねえ奴は殺す、邪魔な奴は殺す、殺す殺す殺す!!ひゃッははははははははははははァ!殺してやるぞォォ!ヘルタースケルターよォ──!!」

 

まるでバーサーカーのようにジキル……否、ハイドはヘルタースケルターに突撃して暴れまくる。

 

暴れまくるハイドに遊馬たちも続き、ヘルタースケルターを倒していく。

 

それからハイドの活躍もあり、遂にヘルタースケルター達を全滅させた。

 

「終わった、か……ふう、僕はちょっと……もうこれ以上は無理だな……」

 

ハイドは久しぶりに外に出られて戦いに満足したのか、元のジキルの人格に戻った。

 

「アストラルとアンデルセン先生とシェイクスピアはどうなったかな?」

 

「待たせてすまない、資料は記憶させてもらった」

 

「目当ての資料は概ね解読出来た。あとは考察してまとめるだけだ」

 

「いやはや、本を運ぶ肉体労働は応えましたな!」

 

アストラルたちも無事に目的を完了し、これ以上この場にいる理由が無くなった。

 

「よし!次の敵が来る前に離脱だ!」

 

遊馬達は急いで書庫を後にし、地下洞窟を脱出する。

 

来た道を戻り、何事もなく地上に戻ると……そこには更なる敵がいた。

 

「おやおや、戻って来ましたか……まさかあれだけのヘルタースケルターを突破するとは思いもよりませんでしたよ」

 

「パラケルスス……!!」

 

それは魔霧計画の首謀者の一人、パラケルススだった。

 

「仕方ありません。貴方達をここで倒し、確保しましょう……我等の魔霧計画の為に」

 

「そんなことはさせない!人々を傷つけているてめえらの好きには絶対にさせない!!」

 

「貴方たちを確保できなかった事、本当に、本当に、この私には残念でなりません。きっと、良い友人になれたでしょう。私たちは。お互いに」

 

パラケルススの支離滅裂な発言に遊馬たちは怒りを露わにする。

 

「何言ってるんだよ、てめえは……ふざけるんじゃねえ!!」

 

「──これ以上、あんた達の好きにはさせないよ」

 

そして、ブーディカが再び怒りを爆発させた。

 

剣を構えて切っ先をパラケルススに向ける。

 

「女神アンドラスタに代わり、この地を守る為にあんた達を必ず倒す!ユウマ、あなたの力を貸して!!」

 

「ブーディカ……ああ!一緒にあいつをぶっ倒そうぜ!!」

 

遊馬はデッキケースからブーディカのフェイトナンバーズを取り出して掲げる。

 

「ブーディカ!」

 

「ええ!」

 

ブーディカは光の粒子となり、フェイトナンバーズの中に入り、遊馬はデッキからカードをドローする。

 

「俺のターン、ドロー!魔法カード『おろかな埋葬』を発動!デッキからモンスターを墓地に送る!デッキから『オーバーレイ・ブースター』を墓地に送る!そして『ガガガマジシャン』を召喚!ガガガマジシャンの効果!レベルを5にする!」

 

ガガガマジシャンを召喚すると同時にレベルを4から5に変更する。

 

「更に手札から魔法カード『死者蘇生』を発動!墓地からオーバーレイ・ブースターを特殊召喚!」

 

墓地からレベル5のモンスターであるオーバーレイ・ブースターが特殊召喚され、これで条件が揃った。

 

「レベル5のガガガマジシャンとオーバーレイ・ブースターでオーバーレイ!二体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」

 

ガガガマジシャンとオーバーレイ・ブースターが光となって地面に吸い込まれ、光の爆発を起こすと赤い光が天を貫く。

 

「空と大地と絆、大いなる愛の輝きを胸に、勝利をその手に掴め!!」

 

光の中からロンドンの地を守る為、古より伝わる伝説の女王が降臨する。

 

「現れよ、『FNo.83 勝利と愛の女王 ブーディカ』!!」

 

長髪に王冠を被り、白と黒のドレスを身に纏ったブーディカが姿を現わす。

 

「これが、フェイトナンバーズ……感じる……遊馬とアストラルの力を……」

 

ブーディカは目を閉じ、自分の中に流れる遊馬とアストラルの力を感じ取った。

 

「ユウマ!受け取って!」

 

目を開いたブーディカは光の玉を出すと遊馬の元へ投げ、デッキトップに宿る。

 

「ブーディカの効果!エクシーズ召喚に成功した場合、デッキから1枚ドローし、それが魔法カードなら手札に加え、それ以外ならデッキトップに戻す!」

 

遊馬はブーディカの効果でデッキからカードをドローしようとしたその時だった。

 

デッキトップが光り輝き、遊馬の前に一瞬だけ金色に輝く美しい女性が現れた。

 

遊馬はゆっくりカードを引くとそれはデッキに入ってないカードだった。

 

「このカードは……」

 

「どうやら、この国を守る女神の加護が君に与えられたらしいな……」

 

「そうみたいだな。ブーディカ、あんたのこの国を守りたい想いが届いたみたいだぜ!」

 

「えっ?」

 

「魔法カード……『女神アンドラスタの祝福』を発動!!」

 

発動したカードはブーディカが純白のドレスに背中に翼が生えたまるで女神のような姿が描かれていた。

 

そのカードは古代ブリタニアの地で信仰された戦いと勝利の女神……女神アンドラスタが遊馬とブーディカに与えた力だった。

 

「このカードは自分フィールドに『FNo.』モンスターがいる時に発動可能!自分フィールド上のモンスター全ての攻撃力と守備力を次のターンのエンドフェイズまで1000ポイントアップし、自分フィールドのモンスターの数×500のライフポイントを回復する!」

 

ブーディカの攻撃力と守備力が上昇し、遊馬のライフが500ポイント回復した。

 

しかし、効果はそれだけではなかった。

 

この地を……ロンドンを誰よりも守りたいと願いを込めたブーディカの想いが更なる力を呼び寄せる。

 

「女神アンドラスタの祝福の更なる効果!自分フィールドにブーディカがいる場合、エクストラデッキからこいつを呼び出せる!!」

 

「もしかして……」

 

ブーディカの隣に巨大な魔法陣が展開され、その中からブーディカにとって一番思い入れのあるモンスターが姿を現わす。

 

「現れよ!『CNo.39 希望皇ホープレイ・ヴィクトリー』!!」

 

魔法陣から既に鎧のパーツをその身に装着した希望皇ホープレイ・ヴィクトリーが姿を現わす。

 

「ホープレイ・ヴィクトリー……」

 

ブーディカは希望皇ホープレイ・ヴィクトリーが目の前に現われ、嬉しさに心を弾ませた。

 

「行くよ、ホープレイ・ヴィクトリー!」

 

『ホーォプ!!』

 

今ここにロンドンを守るため、勝利の女王と勝利の希望皇が時空を超えて揃うのだった。

 

「まさかこれほどの力とは……素晴らしい、やはり素晴らしい魔術だ」

 

パラケルススは遊馬の持つデュエルの力に更に興味が湧き、是非とも確保して研究したいという意欲が湧いて来た。

 

「ブーディカの効果!オーバーレイ・ユニットを一つ使い、相手フィールドのモンスター全てにチャリオットカウンターを一つ乗せる!チャリオットカウンターが乗ったモンスターは守備表示となり、表示形式を変更出来ない!」

 

「『約束されざる守護の車輪(チャリオット・オブ・ブディカ)』!!」

 

剣にオーバーレイ・ユニットを取り込み、切っ先から無数の光が放たれるとパラケルススやその他の敵達の体に車輪の形をした刻印が刻まれる。

 

敵達は強制的に動かなくなり、その間にパラケルススに攻撃する。

 

「ホープレイ・ヴィクトリーで攻撃!ホープ剣・ダブル・ヴィクトリー・スラッシュ!!」

 

パラケルススは宝具である魔剣を取り出して防御するための魔術を繰り出そうとしたが発動することが出来なかった。

 

「ば、馬鹿な……魔剣が!?」

 

ホープレイ・ヴィクトリーは希望皇ホープをエクシーズ素材としてエクシーズ召喚をしてないのでバトル相手の攻撃力分アップの効果は使えないが、バトル時の相手の魔法・罠を発動出来ない効果はオーバーレイ・ユニットを使わないので使用出来る。

 

パラケルススは咄嗟にヘルタースケルターを身代わりにするが、ホープレイ・ヴィクトリーがヘルタースケルターを破壊した際の余りの威力に衝撃波が放たれて吹き飛ばされてしまう。

 

「ぐぁああああああっ!?」

 

「続け、ブーディカ!」

 

「『約束されざる勝利の剣(ソード・オブ・ブディ力)』!!」

 

ブーディカが剣から魔力弾を出してパラケルススにトドメを刺そうとしたが、それよりも早くパラケルススの持つ魔剣から光が放たれた。

 

「真なるエーテルを導かん──我が妄念、我が想いのかたち。『元素使いの魔剣(ソード・オブ・パラケルスス)』!」

 

次の瞬間、魔剣から五つの小さな玉を出してそれを一つに合わせるとまるで閃光弾のように強烈な光を放ち、ブーディカの魔力弾を全て弾き飛ばした。

 

「魔力弾が弾き飛ばされた……!?」

 

「あれがパラケルススの宝具か……?」

 

「あの小さな玉……まさか、この世界の魔術における地、水、火、風、空の五大元素か!」

 

「なんかヤバそうなものだな……魔法カード『強欲で貪欲な壺』を発動!自分のデッキの上からカード10枚を裏側表示で除外し、デッキから2枚ドローする!よし!このカードを3枚伏せるぜ!」

 

遊馬はデッキから10枚を犠牲に新たに2枚のカードを加え、フィールドにカードを3枚を伏せた。

 

するとここでブーディカが使ったチャリオットカウンターが消滅し、パラケルススは立ち上がった。

 

「これで終わらせます……」

 

パラケルススはこれ以上攻撃を受けたら確実に負けると思い、魔剣の力を最大限に解放する。

 

地、水、火、風、空の五大元素を全力で出して一つに合わせ、神代の真エーテルを擬似構成する。

 

「『元素使いの魔剣(ソード・オブ・パラケルスス)』!!!」

 

真エーテルを解放し、対城宝具に比肩する破壊力のある爆撃を放つ。

 

「遊馬!」

 

「分かってる!罠カード、発動!!」

 

遊馬はセットした2枚のカードを発動した。

 

真エーテルは周囲を破壊し尽くし、護衛のヘルタースケルターは全滅し、遊馬達も一緒に全滅した……かに見えた。

 

「ふぅ……危ねえ危ねえ!」

 

「あ、あれ……?何ともない……あれほどの攻撃なのに……」

 

希望皇ホープレイ・ヴィクトリーはいなかったが、その代わりに遊馬とアストラルとブーディカは無事で傷一つ付いていなかった。

 

「何故だ……真エーテルの力を受けて傷一つ付かない訳が……」

 

「罠カード、『安全地帯』と『ホーリーライフバリアー』を発動したぜ!」

 

「安全地帯はモンスターを1体選択し、相手の効果の対象にならず、戦闘及び相手の効果では破壊をされなくする。そして、ホーリーライフバリアーは手札を1枚捨てて相手から受ける全てのダメージを0にする!」

 

ホーリーライフバリアーのお陰で遊馬の後ろにいたマシュ達も守られて無事だった。

 

「安全地帯はブーディカに使ったからホープレイ・ヴィクトリーはやられちまったけどな」

 

「ごめん、ユウマ……私の為にホープレイ・ヴィクトリーを……」

 

「心配するな、次のターンに復活させるからよ!」

 

「まさか、異世界の魔術がこれほどまでに強力とは……!!」

 

真エーテルすら防ぐ異世界の魔術にパラケルススは恐怖よりも歓喜が沸き起こって体が震えた。

 

「このターンで決める、俺のターン!ドロー!行くぜ、罠カード『エクシーズ・リボーン』!墓地のモンスターエクシーズを特殊召喚し、このカードをそのモンスターのオーバーレイ・ユニットにする!蘇れ!希望皇ホープレイ・ヴィクトリー!!」

 

墓地から破壊されたホープレイ・ヴィクトリーが蘇り、遊馬はブーディカに最高の力を与える。

 

「魔法カード『受け継がれる力』!自分フィールド上のモンスター1体を墓地に送り、他のモンスターにその攻撃力を加える!俺はホープレイ・ヴィクトリーを墓地に送り、ブーディカにホープレイ・ヴィクトリーの攻撃力を加える!受け取れ、ブーディカ!!」

 

希望皇ホープレイ・ヴィクトリーの体が粒子化してブーディカの体に纏い、粒子が新たな鎧となってブーディカの体に装着される。

 

「勝利の希望皇よ!勝利の女王にその力を託し、この国を守る光となり、新たな勝利をその手に掴め!!」

 

ブーディカにホープレイ・ヴィクトリーを模した白の鎧が装着され、最後にホープ剣が目の前に現れた。

 

ブーディカは左手の盾を外し、ホープ剣を握りしめて約束されざる勝利の剣と二刀流で構える。

 

「今までに無いほどの大きな力……一緒に行くよ、ホープレイ・ヴィクトリー!!」

 

「ブーディカで攻撃!この瞬間、ブーディカの効果!オーバーレイ・ユニットを一つ使い、相手フィールドのモンスター全てにチャリオットカウンターを1つ乗せる!」

 

再びチャリオットカウンターがパラケルススに乗り、ブーディカは新たな鎧で背中に装着された双翼で飛ぶ。

 

「最後の悪あがきをさせてもらいます……元素使いの魔剣!!!」

 

「ダブル・ブーディカ・スラッシュ!!!」

 

パラケルススが放った真エーテルの爆撃……それをブーディカは右手の約束されざる勝利の剣と左手のホープ剣でV字に斬り裂く。

 

真エーテルは光となって霧散し、パラケルススは諦めたかのように魔剣を手放した。

 

「これで終わりだよ……」

 

最後にパラケルススをV字で斬り伏せ、ブーディカは勝利を掴み取った。

 

「……それでこそ、剣を持つ英雄です。ならば、悪逆を成す者が打ち倒されるのは道理でしょう。この世の全ての悪を斃して。この世の全ての欲に抗って。この世全ての明日を拓いて見せる者達よ。貴方達の行く手に……どうか……真なる、光……を……」

 

パラケルススはまるで自ら役目を決められた悪を演じていたかのように、遊馬達にエールを送るようなセリフを言いながら消滅した。

 

「真なる光ね……」

 

「光なら、私たちの光はあなただよ、ユウマ」

 

ブーディカの希望の光である遊馬。

 

そう言われて嬉し恥ずかしい気分となり、えへへと笑いながら頭をかく。

 

「そ、そうかな……あ、そうだ。ブーディカ、とってもカッコいいぜ!」

 

ホープレイ・ヴィクトリーの鎧を纏ったブーディカの今の姿はとても勇ましく、そして美しく輝いていた。

 

「ありがとう。やっと……勝利の女王に相応しい存在になれたと思う」

 

(私はこの地を……ううん、この世界を守る為に最後までユウマと共に戦い続ける。そして、ユウマに最高の勝利を捧げる!)

 

勝利の女王として、未来を取り戻すための勝利を遊馬に捧げる為に ブーディカはホープ剣を見つめ、改めて心に強く誓った。

 

 

 




今回活躍したブーディカ姉さんのフェイトナンバーズはこちらです!

FNo.83 勝利と愛の女王 ブーディカ
エクシーズ・効果モンスター
ランク5/光属性/戦士族/攻2700/守2400
レベル5モンスター×2
このカードがエクシーズ召喚に成功した場合、デッキから1枚ドローし、それが魔法カードなら手札に加え、それ以外ならデッキトップに戻す。
このカードがフィールドに存在する限り、自分フィールドのモンスターは守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。
1ターンに1度、エクシーズ素材を1つ取り除き、相手フィールドのモンスター全てにチャリオットカウンターを一つ乗せる。チャリオットカウンターが乗ったモンスターは守備表示となり、表示形式を変更出来ない。チャリオットカウンターは効果を発動したターンのエンドフェイズ時に一つ取り除かれる。この効果は相手ターンでも使用出来る。

守りの盾がメインのブーディカ姉さんの効果を参考にしました。
そして、守備貫通を付けてみんなで攻撃して勝利を掴む感じにしました。

女神アンドラスタの祝福
通常魔法
自分フィールドに『FNo.』モンスターがいる時に発動可能。
自分フィールド上のモンスター全ての攻撃力と守備力を次のターンのエンドフェイズまで1000ポイントアップし、自分フィールドのモンスターの数×500のライフポイントを回復する。
また自分フィールドに『ブーディカ』Xモンスターがいる場合、以下の効果も適用する。
エクストラデッキから『CNo.39 希望皇ホープレイ・ヴィクトリー』をエクシーズ召喚扱いで特殊召喚することが出来る。

FNo.専用の魔法カードを出しました。
単純な攻撃力アップとライフ回復、そしてブーディカ姉さんがヴィクトリーの語源なのでホープレイ・ヴィクトリーを特殊召喚する効果も付けました。
クセがありますが私個人としても使ってみたい感じに仕上げました。

次回はマシュの宝具の話と蒸気の話を書けたらいいなと思います。
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