今回は不乱健とバベッジの戦いです。
※不乱健の効果を全て把握してなかったためにミスが発覚したので一部改定しました、すいませんです。
フランケンシュタインの怪物であるフランと不乱健が時空を超え、ロンドンの地で奇跡の出会いを果たす。
不乱健はフランの為に全力でバベッジを止める。
『ウォオオオオオオオオオ!!』
「燃えてるな、不乱健!カードを2枚セットして、行け!不乱健でバベッジに攻撃!」
不乱健は雄叫びを上げ、ズシン!ズシン!と大きな音を立てながら走る。
「不乱拳!!!」
そして、継ぎ接ぎの肉体と思えないほどの強力な拳の突きを放った。
「グォオオッ!?」
不乱健の拳はあまりにも重い鎧を身に纏ってるバベッジですら軽々と吹っ飛んで地面に落ちた。
「凄い破壊力です……!」
「当然だ、不乱健の攻撃力は4500。超銀河眼の時空龍と同じで、ナンバーズ兼アンデット族最強の攻撃力を誇るモンスターだ」
「あ、あのギルガメッシュ王と対等に渡り合った超銀河眼の時空龍と同じナンバーズ最強の攻撃力!?」
デュエルモンスターズのモンスターの中で元々の最大の攻撃力の数値は5000で、その次点は4500……不乱健は希望皇ホープですら上回る最高クラスの攻撃力を持つ。
「ウォオオオオオオオオオ!!」
バベッジは立ち上がり、蒸気を放射して魔霧と共鳴するとヘルタースケルターが出現し始めた。
「させるか!不乱健の効果!1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを1つ取り除き、俺の手札を1枚墓地に送る!」
不乱健はオーバーレイ・ユニットを一つ握りしめ、遊馬が一枚手札を捨てるとヘルタースケルターが消滅し始めた。
「このカードを守備表示にし、選択した相手の効果をエンドフェイズ時まで無効にする!バベッジ、ヘルタースケルターを呼び出せないぜ!!」
不乱健が膝をつき、守備表示になったがバベッジのヘルタースケルターの増援を防いだ。
しかし、それならばとバベッジは巨大なステッキを手に守備状態となった不乱健に攻撃を仕掛ける。
不乱健は4500と言う驚異的な攻撃力を持つが、それに反して守備力は僅か1000しかない。
このままでは不乱健は破壊されてしまうが、遊馬は数々のデュエルで使ってきた守りのカードを使う。
「罠カード『ハーフ・アンブレイク』!フィールド上のモンスター1体を選択して発動!不乱健を選択!」
カードから大きなシャボン玉が出てきて不乱健を包み込み、バベッジの振り下ろされたステッキを防いで弾き飛ばした。
「このターン、選択したモンスターは戦闘では破壊されず、そのモンスターの戦闘によって発生する俺への戦闘ダメージは半分になる!」
「守備表示なら我々にダメージは無い!」
デュエルモンスターズは貫通能力など特殊能力が無い限りモンスターが守備表示ならプレイヤーにダメージは無い。
「俺のターン、ドロー!不乱健を攻撃表示に変更!!」
不乱健は立ち上がり、アストラルは遊馬の手札を見て瞬時に次の手を考える。
「この布陣なら……!遊馬、次はこのナンバーズだ!」
アストラルは不乱健を最後まで戦わせるために新たなナンバーズを取り出して遊馬に渡す。
「これはアリトが使った……よし、行くぜ!ゴゴゴジャイアントを召喚!その効果で墓地に眠る『ゴゴゴゴーレム』を特殊召喚してゴゴゴジャイアントを守備表示にする!」
ゴゴゴジャイアントの効果で墓地からゴゴゴゴーレムが蘇った。
最初のオノマト連携の時に手札から墓地に捨てたカードがゴゴゴゴーレムであり、コストを無駄なく次への布石を整えた。
「行くぜ!レベル4のゴゴゴゴーレムとゴゴゴジャイアントでオーバーレイ!エクシーズ召喚!!」
『『ゴゴゴーッ!!』』
ゴゴゴゴーレムとゴゴゴジャイアントが光となって地面に吸い込まれる。
「現れよ、猛りし魂に取り憑く、呪縛の鎧!『No.80
光の爆発が起きると深い闇の中から紫色のマントを羽織り、大きな手甲と漆黒の鎧をを身に付けた悪魔が現れた。
「ラプソディ・イン・バーサークの効果!このモンスターを、攻撃力1200ポイントアップの装備カード扱いとして、自分フィールド上のモンスターエクシーズに装備できる!ラプソディ・イン・バーサークを不乱健に装備!!」
ラプソディ・イン・バーサークが紫色の光になり、不乱健に突撃する。
不乱健の継ぎ接ぎの屈強な肉体に漆黒の鎧が装着される。
ラプソディ・イン・バーサークは不乱健とは真逆で直接的な攻撃や防御の効果を持たないが、モンスターエクシーズの鎧となって力を高める。
『ゴォオオオオオオオオオオオオッ!!!』
不乱健はバーサーカークラスのサーヴァントのように荒々しい雄叫びを上げた。
奇しくもフランが聖杯大戦でバーサーカークラスで召喚された。
バーサーカーの如く力を高めた不乱健は全身から闇のオーラを放つ。
「これで不乱健の攻撃力は4500から5700だぜ!行け、不乱健!!」
不乱健はラプソディ・イン・バーサークで強化された肉体を駆使し、一瞬でバベッジの間合いに入り、闇を纏った拳を振り下ろす。
「覇王不乱拳!!」
先程よりも強烈な不乱健の拳がバベッジの鎧に深く入り込んだ。
強固な鎧に大きなヒビが入り、これで決まるかと思ったが、バベッジの鎧から大量の蒸気を放出させて左手で不乱健の首を掴んだ。
「まずい、遊馬!」
「罠カード『攻撃の無敵化』!このバトルで不乱健は破壊されなくなる!」
『ゴォッ!??』
突然の反撃に驚く不乱健だが既に遅く、バベッジはステッキを振りかざして不乱健の頭に強烈な一撃を叩き込んだ。
頭が地面にめり込むほどの強力な一撃に強化されたナンバーズ最強の攻撃力を持つ不乱健をも超えてきた。
しかし、不乱健は攻撃の無敵化で破壊されなかったが、装備されていたラプソディ・イン・バーサークが破壊されてしまった。
「不乱健!?ぐあっ!??」
「攻撃力を高めた不乱健をも更に超えてくるか……!」
不乱健を超える攻撃で遊馬とアストラルに大きなダメージが与えられたが、バベッジも無事ではなかった。
「ウォオ……ウォオオ……」
バベッジの鎧から考えられないほどの大きな熱を帯びており、噴き出している蒸気も尋常じゃ無いほどの量だった。
まるで蒸気機関が暴走してとんでもないパワーを出しているようでバベッジ自身も苦しんでいるようだった。
「バベッジ……無理矢理戦わされた影響で暴走しているのか……このままだと彼は……」
「絶対に止めてやる……不乱健の魂の火はまだ燃え尽きていない!」
遊馬は立ち上がった不乱健のカードから伝わってきている。
フランが大切に想っているバベッジを必ず止める、これ以上フランを悲しませたくない……と。
その想いに応えるため、遊馬は祈りを込めながらカードを引く。
「俺のターン、ドロー!魔法カード『死者蘇生』!墓地に眠るモンスターを特殊召喚する!蘇れ、ラプソディ・イン・バーサーク!!」
万能の蘇生カードで地面に魔法陣が浮かび、ラプソディ・イン・バーサークを墓地から復活させる。
「そして、今こそ不乱健に最高の力を与えるぜ!ラプソディ・イン・バーサークにこのカードを使う!『RUM - リミテッド・バリアンズ・フォース』を発動!!」
遊馬は希望皇ホープ以外に初めてリミテッド・バリアンズ・フォースを使用した。
「このカードは自分フィールド上のランク4のモンスターエクシーズ1体を選択し、選択したモンスターよりランクが1つ高い『CNo.』に進化させる!俺はランク4のラプソディ・イン・バーサークでオーバーレイ・ネットワークを再構築!カオス・エクシーズ・チェンジ!!」
ラプソディ・イン・バーサークが光となって再び地面に吸い込まれて光の爆発が起きるとカオスの力で進化する。
「魂を鎮める旋律が、十全たる神の世界を修復する!現れよ、『CNo.80
光の中から現れたのは漆黒から純白の鎧へと進化した悪魔で不乱健に更なる力を与える。
「レクイエム・イン・バーサークの効果!オーバーレイ・ユニットを一つ使い、フィールド上のカード1枚を選択してゲームから除外する!俺が除外するのは、バベッジのその武器だ!」
レクイエム・イン・バーサークはオーバーレイ・ユニットを一つ取り込んで手から光線を放つと、バベッジの武器であるステッキが消滅した。
「そして、レクイエム・イン・バーサークのもう一つの効果!このモンスターを、攻撃力2000ポイントアップの装備カード扱いとして自分フィールド上のモンスターエクシーズに装備できる!不乱健に装備だ!!」
レクイエム・イン・バーサークは進化前のラプソディ・イン・バーサークと同じ能力を持ち、再び光となって不乱健に激突して新たな鎧となる。
今度は漆黒から純白の鎧に身を包んだ不乱健は今までに無いほどのパワーを発揮する。
「これで決める!魔法カード『鬼神の連撃』!自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターエクシーズ1体を選択し、オーバーレイ・ユニットを全て取り除いて発動する!不乱健のオーバーレイ・ユニットを全て取り除く!」
不乱健のオーバーレイ・ユニットが消滅すると、不乱健の両手の拳に宿ると眩いほどの光を放った。
「このターン、選択したモンスターは……不乱健は二回攻撃する事ができる!!」
今の不乱健はレクイエム・イン・バーサークを装備したことで攻撃力は6500まで上昇している。
6500の二回攻撃は恐ろしいまでの強力な攻撃である。
「「行け、不乱健!バベッジの呪縛の鎖を打ち破れ!!」」
『ウォオオオオオオオオオーッ!!!』
不乱健の瞳が真紅に輝き、雄叫びを上げながらバベッジに最後の攻撃を喰らわせる。
「「連撃覇王不乱拳!!!」」
強靭にして屈強な両手の拳から放たれる二回攻撃……どころか、不乱健に複数の残像を伴うほどの凄まじい勢いでバベッジに連続パンチを炸裂させる。
まさにバーサーカーに相応しい凄まじい攻撃にバベッジは勢いよく地面に叩きつけられてしまった。
そして……。
「……シティの地下へ、行くがいい……」
「っ!?バベッジ!?」
「正気を取り戻したのか……」
不乱健の最後の攻撃によりバベッジは正気を取り戻すと遊馬達に情報を渡す。
「地下鉄の更に、深い、深い、深い、奥底……其処に……『魔霧計画』の主体が、在る……だろう……」
「地下鉄の奥に……?」
「都市に充ちる……霧の、発生源……すなわち、我が発明……巨大蒸気機関アングルボダ……聖杯はアングルボダの動力源として……設置……」
「巨大蒸気機関……?」
「アングルボダ……それがこの魔霧を発生させているものか……」
魔霧を発生させている元を作っていたのはバベッジの発明だった。
そのアングルボダに聖杯を動力源として動かしていることで魔霧の中からサーヴァントが召喚されるようになったのだ。
「……………………ゥ、ゥゥ、ァ」
フランは泣きそうな辛い声を出しながらバベッジに駆け寄った。
もうバベッジは大丈夫だろと思い、モードレッドはフランの好きにさせた。
駆け寄ったフランにバベッジは優しい声をかけた。
「……すまぬ。ヴィクターの娘。お前の声は聞こえたが……私は、既に、正しき命を有した、人間……ではなく……妄念の……有り得ざるサーヴァント、と、化したのだ……」
バベッジは大きな過ち、間違ったことをしてしまった。
フランの想いで立ち止まろうとしたが、結局は敵として対峙することとなってしまった。
「……私は……私は、嗚呼、私の世界を夢見てしまったが……しかし……それ、とて……私の夢を叶えなかった世界であっても……
しかし、最後の最後で自分の本当の想いを取り戻したバベッジは遊馬達に最後の想いを託しながら消滅してしまった。
「──次の行き先、決まったな」
「はい。地下、と。ミスター・バベッジは確かにそう言い残しました」
「まずはフランをジキルのアパルトメントへ戻す。それから、最後の親玉を潰すぞ」
バベッジから受け取った情報という名の希望を受け取り、モードレッドとマシュはその想いを無駄にしないために必ず親玉を倒すと決意を固める。
そして、フランはバベッジが消滅してしまったことで酷く落ち込んでしまい、その場に座り込んでしまった。
「ゥッ……ァッ……」
涙腺が繋がっていないフランは涙を流すことが出来ない。
モードレッドがフランを励まそうと近づく前に不乱健が先に出て静かに近づいて膝を下ろす。
すると不乱健は頭に刺さった釘を一本抜くとフランの前に持っていった。
ポン!
すると釘がまるでマジックのように綺麗な花束となり、それをフランに渡した。
フランは花束を受け取ると、バベッジを止めてくれたことと自分を励ましてくれたことに感謝を示した。
「アリ……ガト……」
普段は長い前髪で顔の上半分は隠れていて見えない黄色と青色のオッドアイが見え、更にはとても可愛らしい笑顔を見せた
『ウッ……アッ、オッ……』
フランの笑顔に不乱健は顔を真っ赤にして慌てだした。
「そう言えばさ、アストラル。フランケンシュタインの怪物ってヴィクターに……」
「ああ。小説によるとフランケンシュタインの怪物は自分の伴侶となる異性の怪物を生み出して欲しいとヴィクターに頼んだがそれは受け入れられなかった」
「伴侶が欲しかった……あれ?不乱健は男でフランは女で……つまり……」
「そういう事だな……」
鈍感な遊馬でも分かったフランと不乱健の奇妙な関係。
するとフランは花束を抱きしめながら不乱健に近寄るとそのフードで隠れた顔の頰に……。
チュッ。
「「「あっ!」」」
フランは不乱健の頰にキスを落とし、遊馬達は声を揃えて驚いた。
『…………ウガァアアアアアアア!??』
突然のキスに不乱健は驚愕して頭を抱え出した。
不乱健は小説同様に自分の伴侶を求めており、それが同じフランケンシュタインの怪物でしかもとても可愛い女の子ならピンポイントなら最高のベストマッチである。
しかし、慣れてない突然のキスに不乱健は大慌てをして逃げるように自分のカードの中に入ってしまった。
「おーい、不乱健?健ちゃーん?」
「やれやれ、どうやら彼は照れてしまったようだな……」
「みたいだな……」
不乱健はカードの中に閉じこもってしまい、遊馬とアストラルは苦笑いを浮かべてしまった。
まだまだ不乱健とフランの恋の行方は遠くなりそうだった。
「ったくこんな時にラブコメしやがって……しゃあねえ、とりあえずフランを弄るか」
突然始まったラブコメにモードレッドは溜息を吐きながらもフランを弄りに向かった。
.
不乱健とフランちゃんのラブコメ始まりました(笑)
フランちゃんはジーク君も一応候補でしたが、同じフランケンシュタインの怪物同士ならこちらの方が優先されると思って健ちゃんにしました。
フランちゃんは聖杯大戦でバーサーカーだったので不乱健をラプソディとレクイエムでバーサーカーとしてパワーアップして戦わせました。
次回はいよいよ地下へと潜ります。
ロンドン編もクライマックスに近づいてきました。