Fate/Zexal Order   作:鳳凰白蓮

96 / 195
これにて第四特異点は終結です。
いやー、これも長かったです。
丸4ヶ月かけてようやく書き終わりました。
ソロモンとの最初の戦いが終わります。


ナンバーズ94 第四特異点終結!ランクアップせよ、希望の英雄!!

DARK ZEXALの呪縛から解き放たれた遊馬とアストラルはソロモンに立ち向かう為に再び立ち上がる。

 

しかし、ソロモンは容赦なく再び視線を二人に合わせ、今度はどうなるかという残虐な遊び心で呪いの魔術をかけた。

 

「ぐうっ……!?」

 

「があっ……!?」

 

遊馬とアストラルの体に再び呪いの魔術がかけられ、体中に不気味な文字が浮かび上がり、激しい痛みと苦しみが走る。

 

しかし、今度は倒れずに立ち上がったままでソロモンを睨みつける。

 

「ソロモン……もうお前なんかの魔術に決して負けない!!」

 

「そして、二度と闇に堕ちない!我々は光と闇、その全てを受け入れて新たなランクアップへ到達する!!」

 

「小鳥が命をかけて俺達を救ってくれた!その思いに応えるために!俺達は──」

 

「私達は──」

 

遊馬とアストラルの体に聖なる光が宿ると、ソロモンが打ち込んだ魔術を打ち消した。

 

「「未来を取り戻すために、必ずお前/貴様に勝つ!!!」」

 

二人の強い意志を秘めた決意が魂と肉体をランクアップさせ、ソロモンの魔術を打ち消したのだった。

 

「私の魔術を打ち消しただと……!?」

 

ソロモンは二人に打ち込んだ魔術を完全に打ち消したことに驚く。

 

そして、遊馬とアストラルは一瞬のアイコンタクトを交わした。

 

次はこちらの番だと言わんばかりに二人の闘志が湧き上がる。

 

「行くぜ、アストラル」

 

「ああ」

 

遊馬の右手とアストラルの左手を静かに重ねて合わせる。

 

「俺と……」

 

「私で……」

 

「「かっとビングだ!」」

 

二人の重ねた手から『X』に輝く光が放たれ、薄暗い地下洞窟を明るく照らした。

 

その輝きを一度見たことのある小鳥はその時に同じ戦場にいた璃緒の言葉を思い出し、静かに口にした。

 

「希望に輝く心と心、二つを結ぶ強い絆が奇跡を起こす……!」

 

それは遊馬とアストラルが絆を更に深め、新たな決意と共にその魂をランクアップさせる。

 

「「俺達/私達でオーバーレイ!俺達/私達二人でオーバーレイ・ネットワークを構築!!」」

 

二人はそれぞれ赤と青の光を纏いながら地下空間を駆け抜ける。

 

そして、二つの光がぶつかると、再び『X』の光が輝き、二人の肉体と魂が一つに融合する。

 

「「真の絆で結ばれし二人の心が重なった時、語り継ぐべき奇跡が現れる!」」

 

肉体と魂が融合すると共にその力を今までよりもランクアップさせるために、光の中で再構築していく。

 

そして……光の中から現れたのは勇者と言う幼き少年の殻を破り、英雄と呼ぶに相応しい青年へと成長していた。

 

「「エクシーズ・チェンジ!ZEXAL II(ゼアル・セカンド)!!」」

 

それは遊馬とアストラルの絆が深まったことにより、ZEXALが新たな姿へとランクアップした存在。

 

ZEXALが赤と白を基調にしたのに対し、ZEXAL IIは黒のインナーに赤いラインが入った白い装甲を纏っている。

 

また、Dゲイザーが肉体と一体化し、デュエルディスクも流形型のシールドのような形となっている。

 

髪の量が格段に増え、色も金色から燃える炎のようなオレンジ色のセミロングとなっている。

 

そして、ZEXAL IIはZEXALよりもかなり大人びた姿となっており、顔のイメージ的には遊馬の数年後の成長したものとなっていた。

 

「ZEXALが進化した!?」

 

「フォウフォー!?」

 

マシュとフォウだけでなくアルトリアやブーディカ達もZEXAL IIに驚愕していた。

 

何故なら、ZEXAL IIはZEXALよりもその身から溢れ出る魔力に似た力が桁違いに膨れ上がっていたからだ。

 

「あれが、二番目のZEXAL!遊馬とアストラルの絆が進化した新しい姿です!」

 

「フッ……相変わらずノロマな奴らだな……これで少しはまともに戦えそうだな」

 

小鳥はZEXAL IIの登場に興奮し、ミストラルはやれやれといった様子で静観していた。

 

「馬鹿な……!?」

 

そして、ZEXAL IIの力に誰よりも驚愕していたのはソロモンだった。

 

「貴様らは……我と同じように生者でありながら、英霊へと昇華したと言うのか!?」

 

ソロモンはZEXAL IIから溢れ出る大きな力にに自分と同じく生者が英霊へと昇華した存在となったのだと勘違いしてしまった。

 

しかし、それは厳密には遊馬とアストラルの肉体と魂が融合したのと同時に人間や精霊の枠を超えたランクアップであるが、勘違いしても無理は無かった。

 

既に人間や精霊を超えた存在のランクアップであるので、ソロモンのように生者から英霊へと昇華とほぼ似ているようなものである。

 

「俺たちは英霊じゃない!」

 

「これは世界を救う、伝説の希望の光!ZEXALだ!」

 

威風堂々と立つZEXAL II……その姿に激しく反応するサーヴァントがいた。

 

「みこーん!?」

 

「おいおい、どうしたんだよ?フォックス」

 

「こ、これは……何と言うことでしょうか!?あの方のイケ魂が急上昇しています!ああっ!?このままじゃ、あまりの情報量に私の脳がパンクしそうです!!」

 

玉藻はZEXAL IIの中にある遊馬とアストラルの魂が一つに融合した魂……それが玉藻にとってかなりイケメンな魂らしく、顔を真っ赤にして頭がパンクしかけている。

 

「「行くぞ、ソロモン!全ての力よ、光よ!我が右腕に宿り、希望の道筋を照らせ!シャイニング・ドロー!!」」

 

ZEXAL IIはシャイニング・ドローでドローしたカードを発動しようとしたが……突如、ZEXAL IIの持つ全てのカードに不気味な闇が覆われた。

 

「な、何だ!?」

 

「私たちのカードに闇が……!?」

 

すると、名前や属性、描かれているイラスト、そしてテキストやステータスが文字化けしたりイラストがぐちゃぐちゃに歪んでしまい、まともに使えなくなってしまった。

 

「何だこれ!?これじゃあディスクに出しても使えない!?」

 

デュエルディスクはカードが正しい形や内容をしていないと発動する事が出来ない。

 

「マズイぞ、ホープとホープレスの姿が……!」

 

ZEXAL IIのフィールドにいる希望皇ホープと絶望皇ホープレスもカードの謎の歪みにより、その体がボロボロと崩れ始めていた。

 

何故このような不可思議な現象が起きたのか、それはソロモンが再び仕組んだ魔術だった。

 

「私の魔術で貴様らのカードを細工させて貰った。先程の戦いで貴様らの力の源がカードが一番重要だとよく分かった。二度とまともに使えないようにカードの絵と文字を書き換えた」

 

これではデュエリストの戦いの儀式であり、遊馬とアストラル……ZEXAL IIの唯一無二の戦いの力を封殺したのと同じことだった。

 

カードをまともに使えなくなればモンスターを召喚も魔法も罠も使用出来ない。

 

万事休すかとマシュ達はそう思ったが、ZEXAL IIは不敵の笑みを浮かべた。

 

「「それはどうかな?」」

 

「何?」

 

ZEXAL IIはイラストとテキストが崩壊しているドローしたカードを掲げ、聖なる光を纏わせる。

 

「「重なった熱き思いが、世界を、希望の未来に再構築する!」」

 

ドローしたカードだけでなく、手札、フィールド、墓地、デッキ……全てのカードに光が宿る。

 

そして、新たな姿へとランクアップしたZEXAL IIの真の力が解き放たれる。

 

「「リ・コントラクト・ユニバース!!」」

 

崩れたカードが一瞬にして元のカードへと元通りとなり、無事に使用できようになった。

 

フィールドにいる希望皇ホープと絶望皇ホープレスのカードも元通りとなり、その姿が元の美しく勇ましい戦士の姿となる。

 

「馬鹿な!?私が全て無に帰したカードを書き換えたのか!?」

 

ソロモンが発動したカードを無力化する魔術が全て打ち消された……否、元のカードへと新たに『書き換えた』のだ。

 

「奇跡の光が闇を払い、私たちのカードを全て、真の姿へと呼び覚ました!」

 

これこそZEXAL IIの能力……既に描かれたカードを書き換える力……『リ・コントラクト・ユニバース』。

 

ソロモンが驚愕している間にZEXAL IIはすぐさまシャイニング・ドローしたカードを発動する。

 

「俺は『RUM - ヌメロン・フォース』を発動!!」

 

「このカードは自分フィールドのモンスターエクシーズをランクアップさせ、カオスナンバーズを特殊召喚する!!」

 

「俺はランク4の希望皇ホープでオーバーレイ・ネットワークを再構築!」

 

希望皇ホープが光となって天に昇り、光の爆発が起きる。

 

「「カオス・エクシーズ・チェンジ!!現れろ、CNo.39!!」」

 

赤黒い『39』の刻印が空中で輝き、希望皇ホープの周りにZEXAL IIの装甲に似た数多の鎧のパーツが現れる。

 

「「未来に輝く勝利を掴む!」」

 

数多のパーツが希望皇ホープに次々と合体していき、希望皇ホープ自体の構造も大きく変化していく。

 

「「重なる思い、繋がる心が世界を変える!!『希望皇ホープレイ・ヴィクトリー』!!!」」

 

『ホォオオオオオープ!!!』

 

勝利の希望皇が降臨し、敵であるソロモンを赤い瞳で睨みつける。

 

「ホープレイ・ヴィクトリー……凄まじい力を感じるが、所詮私の敵では無い……」

 

ソロモンは先程の希望皇ホープ・ザ・ライトニングと同じように視線を合わせて魔術を打ち込んで破壊しようとしたが……。

 

「……魔術を発動出来ない!?何故だ!??」

 

「ヌメロン・フォースが発動された時、この効果でランクアップしたホープレイ・ヴィクトリー以外の全ての効果を無効にする!」

 

ZEXAL IIの足元から瞬く間に光が広がると、地下空間全体が青白い光へと照らされていく。

 

ヌメロン・フォースの効果によりまずはZEXAL IIのフィールドの絶望皇ホープレスの効果が無効となってしまった。

 

この特異点の元凶であるアングルボダの機能が停止して動かなくなり、そして……ソロモンにも無効化効果が適用され魔術を含める全ての能力が封じられる。

 

全てを零に帰すように、闇を光で照らすように地下空間の全てが浄化された。

 

「そんな馬鹿な!?たかがそんな一枚のカードで私を封じるなど──はっ!?」

 

ソロモンの眼にはZEXAL IIの中に宿る力の一端を見ることが出来た。

 

それはZEXAL IIの中に宿る……青白く輝きながら無数のパーツがくっつりたり離れたりし、ゆっくりと回転している不思議なパズルのような形をしたカードだった。

 

それはヌメロン・フォースのイラストにも描かれているカードで、ソロモンは当然見たことのないカードだが不思議と惹かれてしまう。

 

「何だ……?何だ、そのカードは!?貴様らの中に宿る、そのカードは一体何だ!??」

 

惹かれると同時に正体がつかめない謎のカードにこれまで以上に困惑していた。

 

ソロモンの力を封じたのはヌメロン・フォースの力だけではない。

 

ヌメロン・フォースに加えてZEXAL IIの中にある謎のカードと力が合わさったことでソロモンの力を無効にして封じたのだ。

 

「カード?何のことだ?」

 

しかし、ZEXAL IIの中の遊馬はソロモンが何の事を言っているのか理解出来ずにいた。

 

そして、アストラルだけはその意味の答えを『理解』しているが、今は語る時ではないと遊馬に攻撃することを促す。

 

「……遊馬、一気に決めるぞ」

 

「アストラル?ああ!行くぜ!」

 

ZEXAL IIは右手を前に突き出して希望皇ホープレイ・ヴィクトリーに攻撃命令を下す。

 

「「希望皇ホープレイ・ヴィクトリーでソロモンに攻撃!!この瞬間、ホープレイ・ヴィクトリーの効果!オーバーレイ・ユニットを一つ使い、ホープレイ・ヴィクトリーの攻撃力は相手の攻撃力分アップする!ヴィクトリー・チャージ!!」」

 

希望皇ホープレイ・ヴィクトリーはオーバーレイ・ユニットを胸の水晶に取り込むと両腕の内側から第三と第四の腕が現れ、四つの腕で背中に装着されている四つのホープ剣を引き抜く。

 

ソロモンの攻撃力を希望皇ホープレイ・ヴィクトリーに加える。

 

「「更に、ターン終了時まで相手モンスターの効果は無効化される!これで終わりだ、ソロモン!!」」

 

ヌメロン・フォースと希望皇ホープレイ・ヴィクトリーの効果無効が二重に重なりとなり、ソロモンは魔術も発動出来ずに完全に無力化されてしまう。

 

「「ホープ剣・ダブル・ヴィクトリー・スラッシュ!!!」」

 

二つの重なる『V』の斬撃がソロモンを斬り刻み、大きな衝撃にぶっ飛ばされてアングルボダに激突した。

 

これでソロモンに勝った……!

 

ZEXAL IIを含め、誰もが勝利を確信した。

 

しかし……煙が立ち上るアングルボダからソロモンの影が静かに立ち上がった。

 

「見事だ……異世界の来訪者……いいや、ZEXALよ!!」

 

ソロモンの姿が徐々に消えていくが、それは敗北からの消滅では無かった。

 

「逃げる気か、ソロモン!」

 

「逃げる?それは違うなもう少し遊んでやりたいが、私も忙しい……立ち去らせてもらう。その代わり、私をここまで追い詰めた褒美に貴様らに知りたがっていることを幾つか教えてやろう」

 

ソロモンは遊馬達カルデアが知りたがっていることを見通し、その情報を明かした。

 

「まず七十二柱の魔神……それは受肉させて新生させた。この星の自転を止める楔としてな」

 

「あの魔神たちが楔だと……!?」

 

「この星……地球を止めるほどの力か……」

 

つまり今まで何度も現れて対峙した魔神柱は本物のソロモン七十二柱の魔神だったのだ。

 

そして、ソロモンは上に向かって指差すと衝撃的な発言をする。

 

「天に渦巻く光帯……これこそ我が宝具の姿だ。あの光帯の一条一条がそこにいる騎士王の持つ聖剣を幾億も重ねた規模の光……『誕生の時きたれり、其は全てを修めるもの(アルス・アルマデル・サロモニス)』。即ち──『対人理宝具(たいじんりほうぐ)』である」

 

「私の……約束された勝利の剣の何億倍の光……!?」

 

「ふざけるな、それで時代を焼き払うってのか、テメェ!?」

 

宝具にはランクや規模が様々であり、アルトリアの約束された勝利の剣は対城宝具で城を破壊するレベルの光を放つが、ソロモンの宝具はそれを遥かに上回るレベルの光で世界を焼き尽くそうとしているのだ。

 

ソロモンの規格外過ぎる力に誰もが唖然とするが……。

 

「「そんなことは絶対にさせない!!」」

 

ZEXAL II……遊馬とアストラルだけは諦めていない。

 

「たとえてめえがどれだけの力を持っていようが、そんなことは関係ない!俺が……いいや、俺たちが必ず、この世界の未来を取り戻す!!」

 

「ソロモン!貴様の正体と企み……必ず暴いて全てを打ち砕く!!」

 

「最後まで我に抗うか!だが、我こそは王の中の王、キャスターの中のキャスター……グランドキャスター、魔術王ソロモン!!貴様らに我を倒せるか?」

 

それは世界に選ばれた英霊の頂点である『冠位(グランド)』の器を持つ最強クラスの英霊。

 

魔術の祖と謳われているソロモンならグランドキャスターに選ばれて当然だった。

 

この世界の伝説にして最強の魔術王が敵であるが、ZEXAL IIはソロモンを指差して堂々と宣言する。

 

「「我は世界を救う希望の英雄、ZEXAL!!この存在の名にかけて、必ず倒す!!」」

 

ZEXALはアストラル世界にて太古の時代より『世界を脅かす危機が訪れた時、それを救う英雄が現れる』と語り継がれてきた伝説の英雄である。

 

世界の異なる二つの伝説の存在が世界の未来を左右する事となる。

 

「ZEXALよ……七つの特異点を巡り、聖杯を手にしたその時こそ、我々の決着の時だ。せいぜい私を楽しませるのだな。人理焼却の最後を飾る花としてな!」

 

ソロモンはZEXAL II……遊馬とアストラルを認めて静かに消え去った。

 

完全にソロモンの気配が消え、ZEXAL IIは合体を解除して元の遊馬とアストラルに戻る。

 

「……遊馬、聖杯だ」

 

「ああ……」

 

無効化されて機能を完全に停止したアングルボダから聖杯の輝きを見つけ、遊馬は聖杯を引き抜く。

 

ここからZEXAL……遊馬とアストラルとマシュ、そしてカルデアの本当の戦いが始まるのだった。

 

 

この特異点の聖杯を手にしたことでロンドンの別れの時が来た。

 

ジャックは遊馬と深い絆で結ばれて契約したことで消滅することなくそのままカルデアに連れていく。

 

モードレッド達は光となって消滅する中、それぞれが言葉を交わしていく。

 

「モードレッド」

 

「お、おう……」

 

「カルデアで待ってますよ。あなたに会わせたい人がいますから……」

 

「オレに……?分かったぜ。ユウマ、必ずオレを召喚しろよ?」

 

「ああ!約束するぜ!」

 

遊馬とモードレッドはハイタッチを交わし、絆の結束を深く固める。

 

「ジーク!ルーラー!カルデアで待ってるからね!」

 

「二人が来るのを楽しみにしている……」

 

「ああ……分かった」

 

「ええ、待っていてくださいね。アストルフォ、ジークフリート」

 

アストルフォとジークフリートはそれぞれルーラーとジークと握手を交わし、カルデアでの再会を誓う。

 

「ナーサリー……」

 

「ジャック、またね」

 

「うん!またね!」

 

ナーサリーはジャックに別れの挨拶ではなく再会を願う挨拶を交わした。

 

「短い間だったが、お前さんは最高だったぜ、遊馬!いいや……大将!」

 

「大将?」

 

「俺が認めた相手にそう呼ぶのさ。お前さんは俺の予想を遥かに上回る立派な男だ!負けるんじゃねえぞ!」

 

「おう、サンキュー!ゴールデン!!」

 

遊馬とゴールデンは性格の相性がいいのかすっかり仲良くなってハイタッチを交わす。

 

一方、玉藻は遊馬とアストラルの魂をずっと見続けて呟いた。

 

「……やっぱり、あり得ないですよ」

 

二人の魂が玉藻から見て『あり得ないもの』であると改めて感じていた。

 

そして、モードレッド達は消滅し、遊馬はサーヴァント達をフェイトナンバーズにいれてデッキにしまう。

 

「それじゃあ、俺様は休ませてもらうぜ。久々のシャバで疲れちまったからな」

 

「ま、待て!ミストラル!」

 

ミストラルは遊馬達が声をかける前に皇の鍵の中に入ってしまい、慌ててアストラルが追いかける。

 

「遊馬、カルデアに戻ろうか?」

 

「ああ。小鳥、今回は本当に助かった。ありがとうな」

 

「それじゃあ、今度私のお願い……何か聞いてくれる?」

 

「もちろん、俺に出来ることならなんでもやるぜ!」

 

「うん!ねえ、レイシフトってまだちょっと怖いから……手を握ってくれるかな?」

 

「お安い御用だ。行くぜ?」

 

「ありがとう……」

 

遊馬と小鳥は手を繋ぎ、ゆっくり目を閉じた。

 

レイシフトが始まり、ロンドンからカルデアへと戻される。

 

カルデアに戻るなり、遊馬とマシュと小鳥は問答無用で医務室へと強制連行された。

 

特に遊馬はソロモンの呪いの魔術がかけられたので魔術関係で重点的に検査され、マシュと小鳥はメンタルケアを重点的に治療が行われた。

 

魔術王ソロモンという最大の敵を相手にすると分かり、オルガマリーを初め、カルデア職員達は今まで以上に職務に励んだ。

 

検査と治療が終わり、遊馬は疲れた体を引きずって自室のベッドに倒れた。

 

「戦いはこれから厳しくなるな……」

 

遊馬はソロモンとの戦いが厳しくなることを不安に思いながら瞼を閉じて深い眠りについた。

 

そして、深い眠りの後に遊馬は目を覚ますと……。

 

「ここ、何処だ……?」

 

そこに広がっていたのは映画で見たような石造りの監獄のような場所だった。

 

ロンドンの戦いが終わったのも束の間……遊馬はソロモンの罠によって未知なる世界へと迷い込んでしまったのだった。

 

 

 




様々なソロモンを含め、遊馬達にも謎を残しながら第四特異点は終了です。

次回は早くも監獄塔編です!
復讐者と遊馬がどんな対話をするのか見ものです。
遊馬君は復讐否定派ですからね。

それが終わったら羅生門……うわぁあああああっ!?
ちくしょう、早く第五特異点でスカサハ師匠を出したいです!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。