今日から私は八本足   作:AXESS

1 / 9
初投稿です。応援して頂ければ光栄です。


第一話

「……どういうことだ!」

 

男の人の怒声が聞こえる。

 

ここは何処だ?自分が跪いているのが分かる。

 

恐る恐る顔を上げてみた。

 

魔王様が居た

 

 

 

 

 

 

----------------

 

 

 

 

 

 

落ち着け自分、さっきまでベッドでオーバーロードの小説を読んでいたはず・・・

死んだ記憶はないがこれは転移か?

そもそも一般人の私がなんでここまで冷静になれる?

っ!これが種族の精神抑制に引っ張られる感覚か!

だとしたら私の体は「誰」だ?

アルベドもセバスさんもプレアデスも全員居るな・・・

そうか、私はこの体の記憶を持っているのか、種族はアラクネ、第10層玉座 の領域守護者でクラスは忍者アサシン系を網羅しており王の影として作られた。

見た目は人型モードで白髪ショートカットに白に赤い帯の忍び服、忍びとして隠れる気はあるのだろうか…

隠密スキルや変化スキルを使うから気にしなくていいのか

そして王が玉座に居る現在、他のNPCと一緒に跪いていたというわけか。

状況把握をしていると別の声が聞こえてきた。

 

「……いかがされましたか?」

 

いつの間にかモモンガさんの傍にアルベドが近づいて話していた。

 

「………GMコールが効かないようだ」

 

「それはここがユグドラシルではないからだと思います」

 

「サクヤよ、ユグドラシルではないとは一体どういうことか説明してみせよ」

 

やば!つい答えちゃった!そのまま答えちゃえ!

 

「はっ!現在このナザリックはユグドラシルから別の世界に移動したように感じられます!」

 

「ありえない……」

 

「……どうすればいい…。何が最善だ…?」

 

「セバス」

 

「大墳墓を出て、ナザリックの周辺地理を確認せよ。」

 

「承知いたしました。モモンガ様。」

 

「プレアデスは9階層に上がり、侵入者が来ないか警戒に当たれ。」

 

「「「はっ!」」」

 

「アルベドは第4第6第8を除く各階層の守護者に6階層の円形劇場(アンフィテアトルム)まで来るように伝えよ。アウラとマーレには私から伝えて置く、時間は今から1時間後だ。」

 

「かしこまいりました」

 

そうしてここ玉座に残っているのは私とモモンガさんだけになった。

私はここの領域守護者だから命令されないのかな?

そういえば私が居るからアルベドのおっぱいを揉めなかったのかな?だとしたらごめんなさい!

 

「サクヤよ」

 

「はい!ごめんなさい!」

 

「ん?何かあったのか?」

 

「あ、いえ、モモンガ様は私の事を知っておられるのですか?」

 

「もちろんだとも、私達がナザリックにいれない時の影武者として作られた領域守護者だからな」

 

そっか、このサクヤというNPCはモモンガさんの大切なナザリック()の一人だ…

原作知識を持っていることを言えば傍に置いてくれるだろうけど、それは私もサクヤも許せそうにないな…

 

「モモンガ様、申し訳ございません。」

 

「私の中にはナザリックに居たサクヤとしての記憶と、モモンガ様…いえ、鈴木悟様の居た世界から120年ほど前の世界の20代の女性の記憶が混在している状態です。」

 

「なっ!」

 

「ですが、この体に刻まれたモモンガ様への忠誠心は消えておりません。」

 

「どうかナザリックではない不純物が混ざったこの身が御身に仕えることをお許しください。」

 

土下座をしながら私は返事を待つ

もし許されなければ私は死ぬ、それが怖くないってこの体の忠誠心は凄いな

 

「顔を上げてくれないか、えーっと何と呼べば?」

 

「サクヤで結構です。」

 

「ではサクヤさん、私が鈴木悟と知っているという事は本当に元人間なんですよね?」

 

「はい」

 

「それでも、サクヤさんは間違いなくナザリックの仲間ですし、私が守るべき家族です。別の人格が混ざっても変わりませんよ。」

 

涙が出た。これはサクヤの忠誠心からではなく、私が混じってしまったためにこの子を殺さなくて済んだためだ。

こんなにモモンガさんに忠誠心を向けている子が、私のせいでそのモモンガさんに殺されなくてよかった。

 

「泣かないでください、あと今更ですが、二人で居る時は支配者ロールをしないで、鈴木悟として話してもいいですか?」

 

「ありがどうございまず」

 

「こちらこそ心強いですよ」

 

私が泣き止むまでモモンガさんは黙って待っててくれた。超優しい、なんでこの人に彼女が居なかったんだろう?

やっぱり120年後の世界は出会いが無かったのかな…

 

 

 

 

 

 

----------------

 

 

 

 

 

 

「その120年ほど前の世界では、モモンガさんの活躍が書かれた書物が発行されていて、その書物の通りに世界が動くのであればモモンガさんは少なくとも数年以上は元の世界には戻れません」

 

「何故過去に俺の書物があるんですか?」

 

「未来の物語と言うか…厳密に言えば私の世界とモモンガさんの世界は別世界だと思います」

 

「そうですか…」

 

「ですので色々検証するべきことはあると思いますが、まずは時間も少ないので移動しましょう。何かあればその都度報告します」

 

「ではリング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンが使用できるか試してみます」

 

アインズさんと一緒に6階層の円形劇場(アンフィテアトルム)に転移した。視界がいきなり切り替わる感覚が面白い!

 

「とあ!」

 

中に入ると貴賓席から飛び降りながらアウラが走ってきた。

 

「アウラか」

 

「いらっしゃいませ、モモンガ様、サクヤ。あたしたちの守護階層までようこそ!」

 

「ああ、少しばかり邪魔をさせてもらおう」

 

「お邪魔しますねアウラ」

 

「何を言うんですか!モモンガ様はナザリック地下大墳墓の主人。絶対の支配者ですよ?そのお方がどこかをお訪ねになって邪魔者扱いされるはずがないですよ!」

 

「そういうものか」

 

そしてアウラはマーレを呼ぶのに夢中だ。

モモンガさんにメッセージを飛ばす

 

『恐らくフレンドリーファイアは解除されているはずです』

 

『そうですか、ではスタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンを使用してみます』

 

『それと、ナザリックは草原に転移しているはずです。もし違ったら私の知らない世界の可能性もあります』

 

『なるほど、のちほどセバスに確認してみますね』

 

「お待たせしました。モモンガ様」

 

「うむ。今日は二人に手伝って欲しい事があってここに来たんだが…」

 

「あの、それはモモンガ様しか触ることを許されていないという伝説のアレですか?」

 

「そうだ、これこそが我々全員で作り上げた最高位のギルド武器、スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンだ」

 

モモンガさんがスタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンの凄さを長々話し出した。

ギルドのメンバーが絡むとモモンガさんって暴走気味だけど嬉しそうでいいよね。

アウラとマーレも目をキラキラして聞いてて微笑ましい。

 

「「すごい!すごいですモモンガ様!」」

 

お、どうやらお話が終わったようだ。

 

 

 

 

 

 

----------------

 

 

 

 

 

 

モモンガさんが藁人形に色々魔法を打って試している。

魔法が現実のものとなるとちょっと怖い…今のうちに慣れておこう

私はサクヤの記憶があり、体の使い方はわかるので練習は断った。

モモンガさんが出した根源の火精霊召喚(サモン・プライマル・ファイヤエレメンタル)とアウラとマーレが戦いだすとモモンガさんがこっちに歩いてきた。

 

「モモンガ様お疲れさまでした。」

 

「んむ、何か気になる点でもあったか?」

 

「やはり、実際目の前で見てみると見入ってしまう程素晴らしい魔法ですね。(ちょっと怖い)」

 

「それは何よりだ」

 

「ところで、セバスの様子はいかがでしょうか?」

 

「うむ…メッセージで聞いてみるとしよう」

 

しばらく話した後モモンガさんがこちらを向いた。

 

「やはり周囲は草原だったそうだ…」

 

「やはり…でもある意味動きやすいかもしれませんね」

 

「そうだな…」

 

「あら、お二人の戦闘が終わりました」

 

根源の火精霊召喚(サモン・プライマル・ファイヤエレメンタル)を倒したアウラとマーレが走ってくる

 

「見事な…二人とも素晴らしかったぞ」

 

「お疲れさまでした、アウラ、マーレ」

 

「ありがとうございました、モモンガ様。こんなに運動したのは久しぶりです!」

 

モモンガさんが二人を労いながら水を差し入れている

冷たい水を飲むアウラとマーレを見てると癒されるわぁ、ずっと見ていたい

そんなことを考えているとゲートが開きシャルティアが現れた

 

「おや、わたしが一番でありんすか?」

 

シャルティアが現れてアウラと仲良く喧嘩しだした

みんな仲いいな~私はあまり他のNPCと面識が無かったからどうやって溶け込めばいいんだろう…

あ、そうだ

 

『モモンガさん、一つ質問してもいいですか?』

 

『はい、どうかしましたか?』

 

『アルベドの設定変えました?』

 

『え゛………』

 

『………したんですね?』

 

『………はい』

 

『責めているんじゃなくて、今後の立ち回りの確認のためですので気にしないでください』

 

『………』

 

『悩むのも結構ですが、元に戻せない以上いつかは答えを出してあげてくださいね?』

 

『………はい』

 

骨だから分りにくいモモンガさんが凄い動揺してるな…

ちょっと可哀そうだけど、真剣に考えてあげないとアルベドの方がもっと可哀そうだからね

 

「サワガシイナ」

 

コキュートスさんが現れた、ヤバい私も虫だからかな?かっこよく見える!

 

「御方ノ前デ遊ビスギダ」

 

「この小娘が私に無礼を働いた」

 

「事実を」

 

「あわわわ」

 

「シャルティア、アウラ、じゃれあうのもそれぐらいにしておけ」

 

「「申し訳ありません!」」

 

モモンガさんが絶望のオーラを出しながら叱りつけてる

カリスマ凄いなーさっきまで凹んでたけど(笑)

 

「よく来たな、コキュートス」

 

「オ呼ビトアラバ即座ニ、御方」

 

「皆さん、お待たせして申し訳ありませんね」

 

デミウルゴスとアルベドがやってきた

私はデミウルゴスの隣へ移動する

 

「では皆、至高の御方に忠誠の儀を」

 

「第一、第二、第三階層守護者、シャルティア・ブラッドフォールン、御身の前に」

 

「第五階層守護者、コキュートス。御身ノ前ニ」

 

カッコいいなコキュートスさん

 

「第六階層守護者、アウラ・ベラ・フィオーラ。御身の前に」

 

「お、同じく、第六階層守護者、マーレ・ベロ・フィオーレ。お、御身の前に」

 

ヤバい、ドキドキする。緊張するなこれ…

 

「第七階層守護者、デミウルゴス。御身の前に」

 

きたっ次でいいんだよね?

 

「第十階層 玉座 領域守護者、木花咲耶(コノハナサクヤ)。御身の前に」

 

噛まずに言えた!よくやった私!

 

「守護者統括、アルベド。御身の前に」

 

「第四階層守護者ガルガンチュア及び第八階層守護者ヴィクティムを除き、各階層守護者及び領域守護者、御身の前に平服したてまつる。ご命令を、至高なる御身よ、我らの忠義全てを御身に捧げます」

 

「面を上げよ」

 

「よく集まってくれた、感謝しよう」

 

おー絶望のオーラ満開だ、あれって無意識なんだっけ?

 

「感謝など勿体ない、我らモモンガ様に忠義のみならずこの身の全てを捧げた者たち。至極当然の事でございます」

 

「モモンガ様からすれば取るに足らないものでしょう」

 

「しかしながら、我らの造物主たる至高の御方方に恥じない働きを誓います」

 

「「「「「「誓います」」」」」」

 

あぶなー!ボーっとするところだった!間に合ってよかった

 

「素晴らしいぞ、お前たちならば失態無くことを運べると今この瞬間強く確信した」

 

「さて、現在ナザリック地下大墳墓は原因不明かつ不測の事態に巻き込まれていると思われる」

 

丁度セバスさんが帰ってきてみんなに報告してくれた

やっぱり辺りは草原らしいので小説と同じ世界の可能性が高いと思う

 

「ナザリックが何らかの理由でどこか不明の地へと転移してしまった事は間違いない」

 

「守護者統括、アルベド、並びに防衛の責任者であるデミウルゴス」

 

「「はっ」」

 

両者の責任の下で、より完璧な階層守護者内の情報共有システムをより高度にし、警備を厚くせよ」

 

「マーレよ、ナザリック地下大墳墓の隠蔽は可能か?」

 

「ま、魔法という手段では難しいです。」

 

「ただ、例えば壁に土をかけて、それに植物を生やした場合とか…」

 

「栄光あるナザリックの壁を土で汚すと?」

 

「アルベド、余計な口を出すな」

 

「は、申し訳ありませんモモンガ様」

 

「は、はい、お許しいただけるのでしたら…ですが…」

 

「台地の盛り上がりが不自然か…セバス、この周辺に丘のようなものはあったか?」

 

「いえ、残念ながらそのようなものはありませんでした」

 

「であれば周辺の大地にも土を盛り上げダミーを作れば…」

 

「そうであればさほど目立たなくなるかと」

 

「よし、ではそれに取り掛かれ、隠せない上空部分には幻術をかけるとしよう」

 

「そしてこの不測の事態に対応するためにこのサクヤを私の護衛とする」

 

「「「「「「はっ」」」」」」

 

「最後に、各階層守護者に聞いておきたいことがある。まずはシャルティア、お前にとっての私とはいったいどのような人物だ」

 

各階層守護者に私って入らないよね?これ私も聞かれるのかな?

 

「美の結晶、まさにこの世で最も美しいお方でありんす」

 

「コキュートス」

 

「守護者各員ヨリモ強者デアリ、マサニナザリック地下大墳墓ノ絶対ナル支配者ニ相応シキ方カト」

 

コキュートスさんは強い人がお好き

 

「アウラ」

 

「慈悲深く、深く配慮に優れたお方です」

 

「マーレ」

 

「す、素晴らしいお方だと思います」

 

「デミウルゴス」

 

「賢明な判断力と瞬時に実行される行動力を有される方、まさに端倪すべからざるという言葉が相応しきお方です」

 

端倪すべからざるって計り知れないとか推測が及ばないって意味があるんだよね、意味が分からなくてネットで調べたことがあるよ

 

「セバス」

 

あ、飛ばされたから言わなくていいのか、よかった

 

「至高の方々の総括に就任されていた方、そして最後まで私たちを見放さず残っていただけた慈悲深きお方です。」

 

「アルベド」

 

「至高の方々の最高責任者であり、私共の最高の主人であります。そして私の愛しいお方です」

 

「なっ、なるほど、最後になるか、サクヤ」

 

フェイントかよぉぉぉぉ!きっとさっきの仕返しだ

なんだろう、モモンガさんのイメージかぁ…

 

「…(ナザリックの)お父さんみたいです」

 

「そうか、各員の考えは十分に理解した。今後とも忠義に励め」

 

「「「「「「はっ」」」」」」

 

「サクヤは各階層守護者とのすり合わせが終わり次第私の自室に来るように」

 

「はっ」

 

お父さんは爆弾投下しておきながら、転移して逃げて行った…許すまじ

 

「サクヤ、先ほどのあれはどういうこと!モモンガ様の事をお、お、お、お父さんだなんて!」

 

「一人だけずるいでありんす!」

 

やばいアルベドとシャルティアの地雷踏んだ

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。