今日から私は八本足   作:AXESS

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お待たせしました。今回は分身体のコノハのお話です。
今回から会話の「」の前後に改行を挟んでおります。
読みやすくなればいいのですが…


第七話

転移門(ゲート)が閉じるとハムスケが驚いたようだ

 

「殿が闇の中に消えたでござる!大丈夫でござるか?」

 

「ええ、大丈夫よ。敵対する者を倒しに行っただけよ」

 

「そうでござるか…」

 

「ハムスケはこの鎧を着た人を主人として対応してね?」

 

「分かったでござるよ!」

 

「では行きましょうか、モモンさん」

 

「そうですね、皆さんも心配しているでしょうから戻りましょう」

 

 

 

森から出ると漆黒の剣とンフィーレアが心配して待っていてくれた

 

「モモンさんよぉ。あんた後ろに何を連れてきたんだ?まさかそいつに魅了(チャーム)されていないだろうな?」

 

「ご心配なく、私は森の賢王と戦い、そしてねじ伏せてきたのです。私の支配下に入っておりますので、決して暴れる事は無いので安心してください」

 

「殿のおっしゃる通りでござるよ。この森の賢王、殿に仕え、共に道を歩む所存。皆々様にはご迷惑をおかけしたりはせぬでござるよ」

 

「…凄い、なんて立派な魔獣なんだ」

 

「そうでしょう?」

 

おや、パンドラもハムスケが立派な魔獣に見えるのかな?こんなに可愛いのに

 

「強大な力と英知を感じるのである!」

 

「これだけの偉業を成し遂げるたぁ、こりゃ確かにコノハちゃんを連れまわすだけの力はあるわ」

 

「これほどの魔獣に会ったら、私たちでは皆殺しにされていましたね。流石はモモンガさん。お見事です」

 

やっぱり大絶賛でした…

 

「モモンさん」

 

「なんでしょう?」

 

「その魔獣を連れだした場合、縄張りが無くなったことによってカルネ村にモンスターが襲いかかってしまいませんか?」

 

「どうなんだ?ハムスケ」

 

「村というのはあれでござるな?森は現在大きく勢力バランスを崩しているでござる。もはやそれがしがあの地に居ても安全とは言えないでござろうな」

 

「そんな…」

 

「カルネ村にはゴブリンの自警団が居るようでしたから、今すぐにカルネ村が壊滅する事態は無いでしょう。私たちも協力しますから、対策を練る時間はあると思いますよ。エ・ランテルに戻ったら森の調査チームを作りましょう」

 

「そ、そうですね…ありがとうございます!とても心強いです!」

 

「いえいえ、うまくいくといいですね」

 

「はい!」

 

 

 

その後ハムスケの活躍で薬草をたくさん収穫することが出来た

 

「大収穫ですね!そろそろ暗くなってきましたし、カルネ村へ戻りましょうか」

 

「そうですね、モモンさん達がいるとは言え、安全地帯とは言えませんから」

 

漆黒の剣を先頭にカルネ村へと戻る最中にンフィーレアが話しかけてきた

 

「モモンさん…アインズ・ウール・ゴウンという方をご存知ですか?」

 

「はい、聞いたことがありますが…」

 

パンドラズ・アクターと目を合わせる

 

「あの方ですよね…私たちはユグドラシルという遠い場所から来たのですが、そこで聞いたことがあります。確か有名な魔法詠唱者(マジック・キャスター)だったかと…」

 

「そうなんですね、同郷だから同じポーションを…」

 

最後の方は小声だったけど誘導成功してるかな?これでモモン=アインズ・ウール・ゴウンと思わなければいいけど

 

「そのアインズ・ウール・ゴウンさんがどうかしましたか?」

 

「い、いえ、モモンさんが宿屋で女性に渡されたポーションと、アインズ・ウール・ゴウンさんがエンリに使ってくださったポーションがともに普通の製法では作れない赤色のポ-ションでして、何か心当たりがあればと思いまして…」

 

「なるほど、薬師であるンフィーレアさんはポーションの事が知りたくて私たちに依頼を出したんですね」

 

「申し訳ありません。こそこそ嗅ぎまわるような真似をして」

 

「別に謝ることではないですよねモモンさん?」

 

「ああ、その通りだな」

 

「新人の私たちに興味があり、コネクション作りの一環として私たちに依頼を下さったということですね。ただ申し訳ないのですが、私たちはポーションを持ってはいるのですが製造方法は分からないのです」

 

「そうですか…そのポーションを譲っていただくわけには…」

 

「譲るのは構いませんが…カルネ村の事が解決してからの方がいいのではないですか?」

 

「あぁ!そうですよね…僕はなんだってこんな…」

 

「ンフィーレアさんはカルネ村に入るときに会った女性、えーっとエンリさん?が好きなんでしたっけ」

 

「ちょっとコノハさん!」

 

「何を慌てているんですか、エンリさんを好きなことは恥ずかしい事なんですか?」

 

「そ、そんなわけないじゃないですか!」

 

「だったら男らしく堂々としていてくださいね。でないと他の人に取られちゃいますよ?」

 

「はい!精進します!」

 

 

 

 

 

----------------

 

 

 

 

 

カルネ村で一泊した後、早朝に出発して日が暮れた頃にエ・ランテルに到着した。

周囲からヒソヒソと話し声が聞こえる

ハムスケに乗ったアインズさんを住民が怖がっているためだ。パンドラズ・アクターじゃなくてアインズさん本人に乗って欲しかったなぁ

 

「とりあえずは町に着きましたし、これで依頼は完了ですね」

 

ペテルがンフィーレア話しかける

 

「はい、おっしゃる通りこれで依頼完了ですね。それでは追加の報酬を用意してお渡ししたいので、お店の方まで来ていただけますか?」

 

「分かりました。モモンさん達は組合の方に森の賢王を登録しに行ってください。私たち漆黒の剣はンフィーレアさんのお家に伺って、薬草を下ろしたりなどの雑務を手伝わせてもらいましょう。そのくらいはさせていただかないと、モモンさん達と同額の報酬をいただくなんて申し訳ないです」

 

ペテルの言葉に漆黒の剣のメンバーが頷き、ンフィーレアが遠慮がちに答える

 

「そこまでして貰わなくても…」

 

「追加報酬の件もありますし、そのくらいサービスでお手伝いしますよ」

 

「それでは、うちでポーションを購入される時にはサービスさせていただきますね」

 

「私たちも出来るだけ早く登録を終わらせて手伝いに行きますね」

 

「ありがとうございます、モモンさん。それでは後ほどまたお会いしましょう」

 

「はい、それでは後ほど」

 

漆黒の剣…救ってあげるからね

 

 

 

私たちは冒険者組合に到着して受付嬢に話しかける

 

「すみません、魔獣の登録をお願いしたいのですが…」

 

「はい、魔獣は外にいらっしゃるのですね、なんという名前の魔獣か分かりますか?」

 

「種族名は分かりませんが、森の賢王と呼ばれていた個体です」

 

「…はい?」

 

「ですから、森の賢王という個体名しかわかりません」

 

「う、上の者を呼んでまいりますのでお待ちください!」

 

「はぁ…」

 

受付嬢が奥へと走っていき、しばらく待つと中年のおじさんを連れて帰ってくる。早くして欲しいんだけどな…

 

「君たちが死者の大魔法使い(エルダーリッチ)を単独で撃破できるというモモン君とコノハ君か。私はこの冒険者組合の組合長のプルトン・アインザックだ。森の賢王を従魔として登録すると聞いてきたのでがそれは本当かね?」

 

「ええ、本当ですよ、組合の外で待たせてあります」

 

「それは…大丈夫なのかね?」

 

「ええ、私の支配下にありますので問題はありません。それより登録をしていただきたいのですがよろしいかな?」

 

「ああ、それはもちろん可能だよ。それと、いろいろ話を聞きたいのだがいいかね?」

 

まずいな、折角先に鎧を売ったお金でハムスケの登録の写真を魔法で撮ってもらい早くンフィーレアのお店に戻る予定だったのに…死者の大魔法使い(エルダーリッチ)を倒せるって言ったのがそんなにすごい事だったの?流石に組合長の誘いを断ったらまずいよね…

 

「ごめんなさい。この後、私たちと一緒に依頼を受けた漆黒の剣を依頼者の家で待たせているもので、モモンさんが遅くなることを伝えてきてもよろしいでしょうか?」

 

「おお、それはすまない。君にも話は聞きたかったのだが、待っているというのではしょうがない。今度ゆっくり話を聞かせてくれたまえ」

 

「ありがとうございます。アインザック組合長、また機会があればお話ししたいです」

 

「その時はよろしく頼むよ。ではモモン君、よいかね?」

 

「ええ、それで聞きたい事とは…」

 

私は組合を出る。結構ギリギリなタイミングかもしれない。ハムスケは登録があるから連れてこれなかった

屋根の上を全力で走り、一直線にンフィーレアの家を目指す

 

「く、遅かったかも…」

 

店の中からは争う音は聞こえてこなかった。扉を開けて店の奥へと進む。奥の扉を開けた時…居る!

空気を斬り裂く音が聞こえて後ろへ下がる

 

「へぇ今のを躱すなんて中々やるねぇー」

 

「褒められるほどの動きじゃないよ」

 

「言ってくれるねぇー」

 

「それよりもずいぶんと楽しんだみたいだね」

 

「うん楽しかったよーもう少しだったのに邪魔されてお姉さんちょっとイラッときてるよー」

 

もう少しだったのに邪魔?まだ生きてるのかな?

 

「それはごめんなさいね。クレマンティーヌお姉さん」

 

「…あんた、私の事を知ってるの」

 

クレマンティーヌが警戒した目でこちらを見てきた。

 

「っ!」

 

そう思ったらいきなり斬りかかってきた

 

「へぇーこれも躱せるんだ。回避だけは上手だね」

 

それはそうだ、影分身の術のステータスは基本は25%だが、使用したMP量に比例して回避だけは伸びる

攻撃力は心許ないが、少しずつ攻撃したら勝てるかもしれない

 

「あなたもそれなりに速いね」

 

「むかつくなぁ…死ねよ」

 

クレマンティーヌが斬りかかってくるが私は躱す。反撃と斬りつけるが攻撃を当てきれない。

何度か繰り返すがお互いに有効打を与えきれない

しかも段々と高速で斬り付けられる刃に私の方が対処できなくなってきている…

クレマンティーヌってガゼフより強いんだっけ…このステータスじゃろくにスキルも忍術も使えないし、このままじゃまずいな

 

「《流水加速》」

 

ここで武技か!目で追えるのに躱しきれない!

 

「がはっ!」

 

わき腹を貫かれながら斬り返すが躱される

 

「どうしたのー?余裕が無くなってきたんじゃないの?」

 

「まぁ少しね…私はあなたには勝てないわ」

 

「あれーどうしたの?もう諦めちゃったら詰まんないじゃーん」

 

「でも負けてもあげない」

 

「あん?何言ってんの」

 

「いいからかかってきなさい」

 

「上等だ。このクレマンティーヌ様に勝てる奴なんて居ないんだよぉ!」

 

 

 

私たちは幾度となく刃を合わせた。あれから私の受けた傷は一つもない

ただ、クレマンティーヌの受けた傷も無い。そう、私は攻撃を捨てて全力で時間稼ぎをしている

 

「ちょっとあんたやる気あるの!?」

 

「ええ、私より相当強いパートナーがここに来るのを待っています」

 

「ちっ…やる気なくしちゃったー。あ、その後ろの女の子はまだ生きてるでしょ?私帰るね」

 

私はクレマンティーヌから視線を外さずにニニャを見る。確かにまだ生きているようだ

 

「なんちゃって」

 

クレマンティーヌがスティレットを突き刺すように突進してくる。躱したらニニャが死ぬ角度でだ

 

「やっと当たってくれたねー」

 

スティレットは私の腹部を貫通している。私は躱さなかったのだ

 

「さて、本当にあんたの仲間がやってきたら逃げるのに面倒だから行くねー無駄な努力ご苦労様♪」

 

クレマンティーヌが今度こそ去っていく…

 

 

 

腹部からは大量に出血していて血が止まる気配は無い。私もあんまり長くないな…

伝言(メッセージ)》をサクヤに向って使用する

 

『ごめん、ちょっとしくった』

 

『どうしたの?こっちは終わったわよ』

 

『多分私はもうすぐ消えるからすぐ来て欲しい。ンフィーレアの家よ。アインズさんは今来るとまずいからサクヤだけ来て』

 

『わかったわ』

 

すると転移門(ゲート)が開きサクヤが現れて、私の状態を悟ったのか質問してくる

 

「ずいぶん派手にやられたわね…」

 

「死んで消滅する前にスキルを解除すれば私の記憶が伝わるから…お願い」

 

「分かったわ《スキル・影分身の術》解除」

 

私は光の粒子となりサクヤへと融合した




分身をする際にMPと忍具を使うと死体を使ったアンデット創造と同じで消えないっていう設定だったのですが、本編で触れなかったのでここで伝えておきます。
クレマンティーヌがレベル30~40とするとレベル25の分身体では勝てないかなと思います。
ステータスの1/4と言いますと、レベル100が1人とレベル25が4人が同じ戦力なわけがないので結構強いと思ったのですが、ゲーム時代で囮に使うような技だと解釈し、レベルが25になるようなイメージにしました。
土日はPCに触れないので次回の更新は週明けになりそうです。よろしくお願いします。
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