今日から私は八本足   作:AXESS

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第九話

アンデットの大量発生事件の後私たちはミスリル級冒険者となった。

冒険者組合に寄ってアピールしたのに原作と結果は変わらないらしい…

すぐアダマンタイト級になるからいいけどね!

そして現在私はモモンさんと共にアインザック組合長に呼ばれて冒険者組合に来ています

 

「さぁ、モモン君。コノハ君。そちらの席にかけてくれ。」

 

私たちは言われた通り席に座る。向かいには三人の男性、右手にはアインザック組合長が座っている

 

「多忙なミスリルの冒険者の君たちが急な招集に応じてくれたことに感謝しよう。まずは紹介させてもらおう。右からクラルグラの代表者イグヴァルジ君、天狼の代表者ベロテ君、虹の代表者モックナック君だ。そして彼が…すまんがモモン君、チーム名は決まっているのかね?」

 

「ええ、漆黒です」

 

「では彼が漆黒のモモン君。隣の女性がコノハ君だ。全員エ・ランテルが誇るミスリル級冒険者だ」

 

「それで、女連れで会議にやってきたモモンはどんな偉業を成し遂げたんだ?モモンという名前は聞いたことが無いから最近ミスリルになったのだろう?」

 

イグヴァルジがこちらを鋭く睨みながら質問してきた

 

「よせ、私が呼んだのだ。そして彼は森の賢王を服従させ、昨晩、墓地で起きた事件を早急に解決したという偉業をなしたのだよ」

 

「墓地の事件?」

 

イグヴァルジが不思議そうに声を上げるとモックナックさんが驚きの声を上げた

 

「もしかしてアンデットが大量に発生したというあの事件か?」

 

「そうだ、昨晩の墓地での一件は死亡者の遺留品からズーラーノーンの仕業だと分かっている。アンデットの大軍は第七位階魔法である不死の軍勢(アンデス・アーミー)を使用したものであるとも分かっている」

 

「第七位階だと!」

 

「だ、だとしてもその一件だけでか?その程度の働きでミスリルとは羨ましい限りだ」

 

嫌な奴!敵対認定しちゃうよ!

 

「よしたまえ、イグヴァルジ君。モモン君はオリハルコン級の偉業をなしたという意見も組合にはあるんだ」

 

やっぱりオリハルコンまでもう少しだったのか…

 

「な!」

 

「モモン君達は森の賢王と漆黒の剣の魔法詠唱者(マジック・キャスター)を含めたたった4人で、数千はいると思われるアンデットの群れを突破し、そこで邪悪な儀式を行っていた人物を倒している」

 

「…それくらい隠密行動を得意とすれば!」

 

「殆どを撃破して進んでいたとしてもか?まぁそれは戦闘スタイルによるものだからどちらがいいとは今は問わん。私もそれぐらいであればオリハルコンクラスとまでは言わないだろう。しかしあるアンデッドの残骸がモモン殿の強さを示してくれた」

 

アインザック組合長は言葉を区切りこちらを見てきた

 

「…骨の竜(スケリトル・ドラゴン)。絶対的な魔法防御を持つ恐るべきアンデッドを屠ったのだ」

 

「そ、それは確かに骨の竜(スケリトル・ドラゴン)は強いが!しかしミスリルクラスの冒険者であれば倒せる…」

 

「二体同時にかね?」

 

「な!」

 

「そこにあった残骸は二体分だ。君たちのチームは幾千ものアンデットの群れを突破し、二体の骨の竜(スケリトル・ドラゴン)を退治し、未知の現象を起こした魔法詠唱者(マジック・キャスター)の首謀者を屠ることは可能かね?」

 

イグヴァルジは何も言えずに悔しそうに唇を噛んでいる。ふふふ、ざまーみろ

 

「重ねて問おう。これは聞いた話でしかないが、二体の骨の竜(スケリトル・ドラゴン)はモモン君が一人で倒したらしい。コノハ君と森の賢王はその間アンデットの露払いをしていたらしい。私は信じているが自己申告なのでな、今回はオリハルコン級は見送らせてもらった」

 

なるほど…アピールは成功したけど、私が戦力になりえた事と人数が増えたことで骨の竜(スケリトル・ドラゴン)戦の評価が思ったよりも高くなかったのか

 

「我々だって全員でかかれば問題は解決できたさ!だいたい人数の少なさは彼らの問題だ!人間性に問題があってメンバーが集まらなかっただけの事だろう!」

 

「さっきからあなたは噛み付くしか能のない駄犬ですか?今回の活躍はミスリル程度(・・)の活躍という事でいいじゃないですか。アインザック組合長、私たちはこの人と喧嘩をするために呼び出されたのでしょうか?」

 

「この女!」

 

「いい加減にしろ、イグヴァルジ。早速本題に入るぞ…」

 

「その前に最低限の礼儀としてヘルムくらい外すべきではないのでしょうかね?」

 

再びイグヴァルジが話の腰を折りに来た

 

「確かに礼を欠いていますね」

 

そう言いながらモモンさんがヘルムを外す

 

「このように国外から来たためにヘルムを被らさせてもらっておりました。非礼をお許しください」

 

「ちぃ、国外からかよ」

 

「いい加減にしろ、イグヴァルジ。冒険者に国境はない。創立以来の不文律に不平を言うのは同じ冒険者として恥ずかしいぞ」

 

この人は孤立して楽しんでいるのだろうか?全員から非難の視線を受けて居心地が悪そうにしている

 

「…このように国外から来たというだけで、色目で見られることは多少ありますから」

 

そういいながらモモンさんはヘルムを被り直す。もうイグヴァルジは文句を言えないようだ

 

「それでは今度こそ本題に入りたい」

 

「遅れた奴のせいで話が聞けなかったからな」

 

「それは悪い事をした。本当に許して欲しい」

 

モモンさんが頭を下げ謝罪する。私も立って一緒に謝罪する

 

「皆さまの貴重なお時間を無駄にしてしまい申し訳ありませんでした」

 

「もういい加減にしろイグヴァルジ、これ以上話の腰を折るなら出て行ってもらうぞ」

 

アインザック組合長がそう言うとイグヴァルジは頭を軽く下げた。流石に追い出されたらまずいと思ったのでしょう

 

「昨晩、エ・ランテル近郊の森でアイアンクラスの冒険者七人が吸血鬼(ヴァンパイア)と思しきモンスターと遭遇し、五人が殺害された。吸血鬼(ヴァンパイア)は対象を吸血することで絶対服従の配下にすることが出来る。奴がこのエ・ランテルに侵入したら一大事だ」

 

吸血鬼(ヴァンパイア)程度にこれだけの冒険者が集められた理由を教えて欲しい」

 

「その吸血鬼(ヴァンパイア)は第三位階魔法不死者創造(クリエイトアンデット)を使用したらしい」

 

「それは…」

 

「まさか、ズーラーノーンと関係があるのかもしれない…」

 

「陽動かもしれない…だが判断するには情報が少なすぎる」

 

「その吸血鬼(ヴァンパイア)はズーラーノーンとは関係が無い」

 

モモンさんが断言する

 

「何か知っているのかね?」

 

アインザック組合長がモモンさんに尋ねる。私はモモンさんに何も言ってないよ…

 

「その吸血鬼(ヴァンパイア)の名はホニョペニョット…」

 

「は?」

 

「ホニョペニョコだ!」

 

やっぱりその名前になるんだね!

 

「そのほにょ…えぇい!吸血鬼(ヴァンパイア)の名を何故君が知っている?」

 

「私がずっと追っている二匹の吸血鬼(ヴァンパイア)の片割れだからだ、少々因縁があってね…かなり強い。偵察は私のチームで行おう。もしその場に居たのなら私が滅ぼそう」

 

「何をバカな!」

 

「自信はあるのか?」

 

「切り札はある」

 

そう言いながらモモンさんはテーブルの上に魔封じの水晶を置く

 

「魔封じの水晶だ。第八位階魔法が込められている」

 

「第八位階!神話の領域ではないか!」

 

「嘘に決まっている」

 

「鑑定を受けてもいいが、そんな時間は無いはずだ」

 

「報酬は?」

 

アインザック組合長がモモンさんに質問する

 

「報酬は後で構わない…ただ、最低でもオリハルコンを約束して欲しい」

 

「オリハルコン…!」

 

「いちいち力を証明するのも面倒だからな」

 

「なるほど」

 

「俺のチームも行く!」

 

「足手まといはいらない」

 

「お前みたいな新参者を信用できるか!それにその吸血鬼(ヴァンパイア)が本当に強いかどうかも不明ではないか!」

 

「よせイグヴァルジ!」

 

「さっきからその態度は無いだろう!」

 

「構わないさ」

 

モモンさんは気軽に答える

 

「だが…付いてきたら確実に死ぬぞ。全滅かどうかは知らないがな」

 

全員が息をのむ

 

「警告はした。それでも構わないならばついて来い」

 

「も、もちろんだ!」

 

「ではできる限り急ぎで出る。吸血鬼(ヴァンパイア)は日光下であった場合動きが鈍くなるからな。一時間後にエ・ランテルの正面門の前に集合だ」

 

「ちょっと早すぎやしないか?まだまだ日が落ちるまでには時間がある」

 

「それだけ戦闘が長引く可能性があると言う事だ。私たちはすぐ出れる。お前が勇気が足りず覚悟を決めるのに時間が必要だというなら置いていく。その場合は待ち時間がもったいないからすぐに言ってくれ」

 

「了解した。すぐに準備を整える」

 

そう言ってイグヴァルジは部屋から出て行った

 

「それではこれからすぐ向かう。他の方はエ・ランテルをしっかり守っていてくれ。遭遇せずに帰ってきたら面倒なことが起こっている…というのは遠慮したいからな」

 

「ああ、任せてくれとは言い切れないが、そうなったら出来る限り時間を稼ぐ。そちらも危ないと思ったらすぐに撤退してきてくれたまえ」

 

 

 

 

 

----------------

 

 

 

 

 

私たちは馬に乗って吸血鬼純血種(ヴァンパイア・ピュアブラッド)の居る場所まで移動している

もちろんモモンさんの騎獣はハムスケだ!

 

「なんという魔獣なんだい?かなり有名な奴だろ?」

 

クラルグラのメンバーの一人がモモンさんに話しかけている

 

「…森の賢王だ」

 

「え?あの伝説の魔獣だというのか!」

 

「可愛いですよねー」

 

私はつぶやく

 

「可愛いだと!女性の感性は分からない!しかし…イグヴァルジの話では…なるほど、また目がくらんでいたと言う事か」

 

「彼は私の事をなんて説明したんだ?いや、その表情で大体の予想は出来たから言わなくていい…」

 

「私の事も良くは伝えてないのでしょうねー」

 

「はは、その通りだよ」

 

まぁいいけどね

 

 

 

そしてしばらく歩き目的地に到着する。そこは開けた草原でポツンと銀髪の吸血鬼純血種(ヴァンパイア・ピュアブラッド)が立っている。シャルティアが召喚した個体だ

 

「あれが吸血鬼(ヴァンパイア)か」

 

イグヴァルジがそう発言した瞬間、イグヴァルジの頭と体が離れていた

それが分かっていたモモンさんは攻撃が終わるのをしっかり待ってから吸血鬼純血種(ヴァンパイア・ピュアブラッド)をグレートソードで弾き飛ばす

 

「クラルグラのメンバーは総員エ・ランテルまで引き返せ!こいつは私が相手をする!ハムスケは離れていろ!」

 

「すぐに応援を呼びます!」

 

「こいつは必ず滅ぼすから町で警戒して待っていろ!」

 

そのまま吸血鬼純血種(ヴァンパイア・ピュアブラッド)に接近して斬りかかる

それを吸血鬼純血種(ヴァンパイア・ピュアブラッド)は受けて爪で攻撃を仕掛ける

そんな稽古のような戦闘を繰り返しているとマーレが現れた

 

「アインズ様この付近にもう監視の目はありません」

 

「そうか、ご苦労だったマーレよ」

 

モモンさんが吸血鬼純血種(ヴァンパイア・ピュアブラッド)との戦闘をやめて死の支配者(オーバーロード)へと姿を変えた

 

「ご命令とは言え至高なるお方であらせられるアインズ様に攻撃を仕掛けるなんて、誠に申し訳ありませんでした」

 

吸血鬼純血種(ヴァンパイア・ピュアブラッド)が即座に謝罪した

 

「よい、では戦闘の跡を作るか…皆、巻き込まれないように私の後ろへ」

 

私たちが移動するとアインズさんの周りに青白い綺麗な球体が現れる。そのまましばらくすると

 

「超位魔法《失墜する天空(フォールンダウン)》」

 

目の前に光の柱が発生して視界を全て白で塗り替えられた

目が見えるようになると大きく円を描くように広大な範囲が消し飛んでいた

地面の所々はガラス化している

 

「これが超位魔法…すさまじい威力ですね」

 

「さ、さすがアインズ様です!」

 

「殿…それがしは殿にさらなる忠誠を捧げるでござるよ!」

 

「ああ…大したことではない。さて、アダマンタイト級冒険者になりに戻るとしよう」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

----------------

 

 

 

 

 

あれから一か月ほどの時が経ちました。あの吸血鬼(ヴァンパイア)事件によってアインズさんと私は無事アダマンタイト級冒険者となりました。イグヴァルジの遺体をクラルグラのメンバーに届けたらとても感謝されてしまったよ。言えないけど殺したのは私たちなんだけどね・・・クラルグラはリーダーを失って解散したみたいです。

 

リイジー・バレアレは孫の生まれながらの異能(タレント)が広まり過ぎたエ・ランテルでの生活は危険と判断してンフィーレア・バレアレと共にカルネ村へと移住してポーション作りに精を出してくれています。アインズさんとモモンさんが同一人物とは気付いて無いとは思うけど気を付けないとね。

 

流石にニニャはランク差があり過ぎて私たちのチームに入れませんでした。王都に行く時にはお姉さんを探す手助けをする約束をしたので声をかける予定です。

 

クレマンティーヌはなんだかんだ言ってデミウルゴスと趣味が合ったそうです。私の事は巻き込まないで欲しいです…

 

 

 

そしてモモンさんがエ・ランテルの冒険者組合の扉を開けた

 

「おぉ、あれが王国三番目のアダマンタイト級冒険者…」

 

「あれが…漆黒の英雄モモンか…そして後ろが炎姫(エンキ)コノハ…」

 

そう、私の爆炎陣を見た冒険者に炎姫と名付けられました。爆炎とか読みは同じ炎鬼(エンキ)とかじゃなくて良かった!

それに姫って呼ばれると変化しているとはいえ嬉しいね!

 

「ほら、あそこの森。あの一部を焼き尽くしたのが彼らしいぞ…」

 

「炎姫が焼き払ったのではないのか?」

 

「いや、噂では武技で焼き払ったとか聞くが…」

 

「まさか…武技であんなことが出来たらそれは…人間のレベルじゃないぞ?」

 

「それが出来る一握りなんじゃないのか?アダマンタイトは最高峰の冒険者だ。俺は彼がアダマンタイトの中のアダマンタイトだとしても驚かないね」

 

手放しで絶賛されると背中がむずがゆいなぁ…マッチポンプなんですけどねぇ…

 

「請け負っていた仕事は終わらせてきた。次の仕事をしたいから何か見繕ってくれ」

 

「モモン様…申し訳ありません。現在モモン様にご依頼できるほどの仕事は入っておりません」

 

「ん…そうか、それは丁度よかった。急用を思い出したので宿屋に戻る。何かあれば宿屋に来てくれ」

 

モモンさんは振り返り受付から離れていくので付いていく

 

「はい。黄金の輝き亭ですね」

 

モモンさんは振り返らずに片手を上げた。カッコつけてるなぁ

そのまま扉を開け冒険者組合を出る

 

「ガルガンチュアに起動を命じろ。ヴィクティムも呼び出せ。コキュートスが戻り次第、折角だ、全階層守護者で行くとしよう。行くぞコノハ!」

 

「はい!」

 

 




ここまで読んでいただいて誠にありがとうございます。
これでアニメ一期分まで終了です。
暫くは時間が取れそうにないので続きを書くかは未定です。
タグは完結を付けておきますね。
ここまで私の文章にお付き合いして頂けた読者様に心より感謝いたします。
それではまたいつかお会いしましょう!
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